風吹き芭蕉
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
1510
入手方法
ガチャ(煙雨)
物語
古爺さんは、よく昔の思い出に浸る。昔、彼女は、夜の雨の中で春のニラを収穫するのが好きで、そして夜が明ければ、待ちきれない様子で杏の花を採りに出かけていた。昔、彼女は言っていた。芭蕉の葉を抜ける風が、いつも詩を歌っているように聞こえるのだと。昔、二人は芭蕉の下に並んで座り、風を聞き、茶を飲み、笑いながら詩を読み合っていた。年月が経ち、かつての少年は白髪頭になり、杏の花も彼女も消え、二度と会えなくなってしまった。幸い、彼女が植えた数本の芭蕉は、あれから更に生い茂っていた。古爺さんは、まるで彼女がそばにいるかのように、いつも芭蕉の下に腰を下ろしていた。風が吹き、芭蕉の葉を抜けてさやさやと音が鳴る。その音に、古爺さんは彼女の声を聞いたような気がした。「待っていてね。」と。