群星楼
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
45
入手方法
ガチャ
物語
夕日の最後の一筋が丘の向こうに消えると、彩ちゃんは椅子を持ち出し、星空を見ようと庭に座り込んだ。しかし、いくら待てども、家々の灯りがついてもなお、星のひとつも見つからなかった。隣のお姉さんが部屋から出て来て、頬杖をついてじっと待つ彩ちゃんを見て、思わず声を掛けた。「彩ちゃん、何してるの?」「お星さまを待ってるの!」どんよりと曇った夜空を見上げて、お姉さんは今夜星は出ないだろうと悟った。彼女は彩ちゃんの横にしゃがみ、同じように頬杖をついてしばらく眺めると、やがて振り向いて尋ねた。「星が出てこなかったらどうするの?」「そんなことない、母ちゃんは彩ちゃんにウソつかないもん!」彩ちゃんは食い入るように夜空を見つめ続けた。「今日ね、母ちゃんの命日なの。母ちゃんいなくなる前に言ってた。毎年この日はお星さまになって帰ってきて、空から彩ちゃんを見てるんだって。母ちゃんはウソつかないもん。」お姉さんはその言葉の意味を理解すると、彩ちゃんの小さな手を取り走り出した。「一緒に来て。お星さまならあそこよ!」二人が手をつないで街を駆け抜け、高台に上がってようやく立ち止まると、お姉さんは煌々と輝く建物を指差した。「ほら!」無数の灯火が夜空にきらめき、遠くから眺めるとまるでたくさんの明るい星のようだった。「わあ、本当にお星さまだ!きれいだね!」彩ちゃんは小さな顔を上げて、お姉さんに微笑んだ。「ね、母ちゃん彩ちゃんにウソつかなかったでしょ?」お姉さんはうなずき、彩ちゃんのそばに寄り添い、彩ちゃんが疲れてやっと、家まで一緒に帰っていった。