魚花灯工房
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
30
入手方法
袁洪(梅山の七怪)
物語
軼くんは、妹が池のほとりに腰をおろして俯いているのを見て、そっと後ろに近づいた。小さな池では、魚たちが泳ぎまわっている。涙がポタポタと水面に落ち、小さな波紋を描いた。「香ちゃん、どうしたんだ?」兄の声に、香ちゃんはあわてて袖で顔の涙を拭った。「な……なんでもないよ。」「母さんに会いたい?」長い沈黙の後、香ちゃんは大人しく頷いた。「お母ちゃん、言ってたのに。元宵節には魚灯会に連れてってくれるって、魚の花灯を買ってくれるって。お母ちゃんの嘘つき!」軼くんは横に腰を下ろし、妹を抱きしめた。香ちゃんは声を上げてわんわんと泣き出した。町では、魚花灯の工房が忙しくなり始めていた。工房の人たちは、少し離れたところから、いつも一人の少年がこちらを見ていることに気づいた。少年は大人しく作業場を見守っていただけなので、工房の人たちは何も言わなかったが、この寒い冬、しばらく外に立っていれば凍傷になってしまう。親切な作業員が少年を庭に招き、お湯を渡した。「こんな寒い日に、家にも帰らず何してるんだ?」少年は質問に答えず、逆に問いかけた。「おじさん、小さい魚花灯の作り方を教えてもらえませんか?薪割りでも湯沸かしでも、何でもしますから!」深夜、香ちゃんは子犬を膝に乗せ、家の前に座って兄の帰りを待っていた。雪がますます激しくなる中、ようやく足音が聞こえてきた。「柴門犬の吠ゆるを聞き、風雪夜に人帰る。」