青龍の泮池
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
4510
入手方法
イベント
物語
麦の家の祠堂の前には小さな池がある。おじいちゃんが言うには、その池は家の風水を司り、幸運をもたらしてくれるという。「それって本当?」麦は不思議に思った。「もちろんじゃ。」おじいちゃんは謎めいた口調で答えた。「この池には、青龍が住んでおるんじゃよ。」青龍!こんな小さな池に、青龍が?麦は目を丸くした。おじいちゃんは麦の疑いの眼差しに気づき、けらけらと笑いながら続けた。「おじいちゃんな、この池で青龍を見たんじゃ。あれは雨上がりの月夜、今の麦くらいの年じゃったかのう。祠堂の中で、おじいちゃんのおじいちゃんに罰として跪かせておった時のことじゃ。おなかがすいてこっそり抜け出して台所に行き、麦餅を二つ取ってきた。祠堂の中で膝をついて食べておると、池からバシャバシャと水音が聞こえてきおった。慌てて外に飛び出してみると、なんと、水面に映る明るい月のそばに、小さな青い龍が泳いでおって、餅を食べるワシを見ておったんじゃ!ほら、池にある青龍の像みたいな小さい青龍じゃよ。」「それでそれで?」おじいちゃんは髭をしごいた。「ワシはその麦餅を青龍に分けてやって、一族の繁栄を祝福してくれるよう頼んだ。小さな龍は麦餅を受け取ると、姿を消してしもうた。」おじいちゃんの話を聞いて以降、麦は、雨上がりの月夜になると、麦餅を持ち祠堂まで走って行き、小さな青龍を待った。しかし、池のそばでしゃがみこんで、足が痛くなるまで待っていても、龍が現れることはなかった。まさかおじいちゃんが嘘を?がっかりした麦は、揺らぐ池の中を覗き込んだ。曲線を描く青龍の彫像が水面に映り、その横には丸い月。まるで小さな青龍が泳ぎ、麦餅を食べているように見えるではないか。麦は麦餅を池に入れ、合掌して唱えた。「青龍さん、青龍さん、どうかうちが繁栄しますように。それと、お父ちゃんとお母ちゃんにお尻ぺんぺんされませんように。」