荒漠旅館
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
50
入手方法
星宿探検
物語
辺境でお宿を開くことは、郁相今と沈万千二人の夢だったが、叶えたのは郁相今だけだった。開業して最初の二年は客足がほぼなく、吹き荒ぶ風が看板の文字を消しかけていた。いつものように閑古鳥が鳴いていたある日、料理人、仲居、郁相今の三人は、机を囲んで顔を見合わせていた。「女将さん、すまねえが俺たちはこの仕事をやめるぜ、このお宿はもう終わりだ。」郁相今に日頃から優しく接してもらっていたため、料理人はとても申し訳なさそうな表情をみせた。「はぁ、給料も出せないんだもの、残ってなんて言う資格もないわ。またどこかで会いましょう。」そして郁相今は料理から宿泊の準備と後片付けまで全て自分でこなし、往来の商人旅客たちに無料で食事を提供し、店の宣伝を頼んだ。それからまた二年、郁相今は昼間は料理人と仲居の仕事も一手に担い、夜は收支をつけなければならなかったが、お宿はやっと繁盛の兆しを見せていた。たとえ自分たった一人でも、必ずお宿を軌道に乗せられると郁相今は信じている!「女将さん、お宿の切り盛りは大変でしょうに、なぜこの道を選んだのですか?」常連客の一人が尋ねた。郁相今は、今や立派になった看板を見て答えた。「お宿を開くのは親友との夢でね。いつ彼女が来ても恥ずかしくないようなお宿にしたいの。」