瓊花
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レベル
Lv.57
紹介
連翹は葉谷に生まれ、物心がついた時から祖父と山腰で暮らしていた。遊び相手と言えば、数え切れないほどの薬材と草花、そして動物たちだった。
ある日連翹は、山の麓へ葉草採りに出かけた。春の景色に見惚れ、思いがけず遠くまで来てしまった。
青く茂った遠くの山々が、霧雨の中見え隠れしていた。小川を曲がると、瓊花があたり一面に広がっていた。
目に映る花々はまるで雪のように純白で、霧も少し残っており、仙境に足を踏み入れたのかと思えた。 背に負っていた籠を木の横に下ろし、花々の中で、まるでうさぎのように飛び跳ねた。
そのとき、突然枯れ枝を踏む音がした。 彼女は驚きながらも、勇気を振り絞って訊ねた。
「そこにいるのは誰?」
近くの瓊花の後ろから、白い服の少年が姿を現した。少年はしどろもどろになりながらも、こう話した。
「わっ、私は揚州の町から春の景色を探して散策をしていたのですが、いつの間にかここに迷い込んでしまいました。驚かせてすみません。」
警戒する連翹だったが、少年が自分よ も臆病であることがわかり、ほっとした。
「あらそう。服が真っ白だったから、全然気がつかなかったわ。」
「あっ、あなたも春の景色を堪能しに?」
「ううん、私はこの近くに住んでるの、 ほらあそこ…….」
連翹は遠くの山を指さしたが、霧と雲で隠れ、何も見えなかった。
少年は驚き、何度も頭を下げた。
「まさかあなたは、仙女さまですか? これは失礼しました。どうかお許しを。」
連翹は吹き出しそうになったが、急いで真顔を作りこう答えた。
「そのようなこと、取るに足らぬ。此度は許そう。しかし、ここはわらわの地じゃ、もう二度と足を踏み入れてはならぬぞ。」
少年はひたすら頭を下げ、連翹も背を向けその場を離れようとしたところで、突然少年の声がした。
「お待ちください。お、お名前は?」 連翹は振り向いて婉然と笑った。「連翹よ。」
ステータス
所要材料 | 繁栄度・環境 |
450 | 繁栄度5・環境10 |