繁花の中庭
画像
ステータス
材料 | 600 10 100 |
繁栄度・環境 | 15・10 |
紹介
雲爺さんは、若い頃数々の武勇伝を残してきた。退官後も、暇を弄ぶことなく、精力的に動き回った。
農業、釣り、山登り・・・・・・それでも、兵を率いて国を守ることが、一番心地よい仕事であった。
ある日、暇だった彼は、中庭に注目した。
古い家屋は四方を高い壁に囲まれ、屋根も傾いて暗かったが、この中庭だけは、少し空間があり、太陽の光が漏れて降り注いでいた。中庭の中央には、空間に沿って四角い貯水池が作られてある。雲爺さんは毎日、意匠を替えながら中庭を装飾した。水景の中央に季節の木を植え、池の煉瓦を修繕し、藻を取り除いた。
末娘の初には、幾度となく、ゆっくり老後を過ごすよう言われたが、雲爺さんはやることがなくなれば、動きが悪くなってしまうと言って断った。
辺境の北風と軍馬の嘶きが耳元で鳴りやむことはなかった。彼は常に辺境にいる二人の娘を心配しており、そして誇らしげに思った。
元宵節が過ぎると、初も年頃になり、鎧を身にまとって雲爺さんに別れを告げた。「父さん、国の平和は、私たちの三姉妹で必ず実現させます。」
雲爺さんは初を見つめ、自分の若い頃を思い出すと、部屋に戻り、鎧を纏って出てきた。「我が雲家は先祖代々辺境を守ってきた。ワシだけが退官する義理なぞない!」
太陽の光が、中庭に立つ雲爺さんに降り注いだ。
初もその父の姿に老いは感じられず、若い頃と変わらない堂々たる将軍のままだった。