閩中の土楼
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
50 / 閑人住居
入手方法
イベント
物語
徐霞客は閩中の地を訪れ、地元の土楼にしばらく滞在したことがある。
山や森の中でも迷わない彼だが、土楼の中ではしばしば方向を見失った。土楼は数階からなる円形の共同住宅で、何百もの部屋がある。
代々土楼に住む閩中の人々はとても親切で、食事時になるといつも徐霞客を食事に誘った。 東のおばあさんに西のおじいさん、階上のおじさんに階下のおばさん。土楼の四方八方から声がかかり、徐霞客は突然方向音痴になったかのように、ぐるりと回ってもその場所を確認できなかった。
徐霞客は各部屋の位置を覚えるために、何日もかけ土楼の見取り図を描いた。祠堂、客室、倉庫、厕、台所など全てを記し、さらに土楼内の住人たちをもしっかりと覚えた。
日が出ると布団を干すおばあさんに、毎日二階の窓際でお茶を飲むおじいさん、 製粉所で働きいつも体中粉まみれのおじさんに、よく井戸で洗濯しているおばさん……
徐霞客が土楼を出る日、住人全員が窓から顔を出し、別れを告げてくれた。
その瞬間、彼は初めて気づいた。自分が覚えた住人はたった一握りに過ぎず、土楼に住む人々は想像以上に多いということに。
皆に別れを告げた徐霞客は、紀行に「閩中の土楼は集団生活を営み……」 と記した。