幾回聞音閣
画像
開放条件
Lv.55で開放
ステータス
所要材料 | 数 |
900 | |
今すぐ | |
繁栄度・環境 | 615 |
経験値 | なし |
最大建造数 | 3 |
紹介
近頃の町一番注目を集めたのは、許員外の娘の婿取りのことだった。
噂が広がると、近所の人々は大騒ぎした。同情する人、軽蔑する人、それに野次馬もいた。
許お嬢さんは、香粉の使い方を誤り顔がかぶれたという理由で婚約が破棄され、 まだ三ヶ月余りだ。この時期に素敵な男性はそう参加しないだろうと、人々は心配した。
婿取りの宴席は幾回聞音閣に設けられ、許お嬢さんは楼閣に腰を下ろし、それぞれ異なった顔つきの男たちを、顔を隠す垂れ布越しに眺めていた。
そして侍女が、用意したお題を男たちの 手に渡した。内容は単純で、お題の詩文 の次の句を作り、許お嬢さんに気に入られた者が、彼女の夫になれるというものだ。 詩句は次々と許お嬢さんの耳に届いたが、彼女はどの回答も気に入らず、首を横に振るばかりだ。
やがて外から眉目秀麗な男性が入ってきて、彼女の満足のいく答えをゆっくりと詠み上げた。落選を不満に思う男たちは、表情を一変させ、その場で彼をからかい始めた。
「貴殿には、おめでとうと言わざるを得ませんね。お嬢様の顔はもうだめかもしれませんが、員外府に婿入りできるなん て、将来有望ですな!」
そのような流言飛語は気にしない許お嬢さんだったが、その男のどっしりした背 中を見て、さすがに少し緊張していた。すると、男の声がした。
「ありがたいお言葉、痛み入ります。わたくし、しがない玉器商人でございますので、暇な時に詩書を読むのが趣味なだ けで、将来とどう関係があるかわかりま せんが・・・・・・こんな出題ができるなんて、 許お嬢様は素敵な方に違いなく、彼女に 断られてしまうのではないかと冷や冷や しているところです。」
自分が恥をかいたと気づいた無礼者は、興ざめした様子で去っていった。垂れ布の裏で口元を綻ばせた許お嬢さんは、紙に場所と日付を書き、それを男に 渡すよう侍女に命じた。振り向くと、楼閣の外には、白木蓮が咲いていた。