桂の木
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
75 10
入手方法
厳さま2023秋限定建築
物語
ある夏、趙じいさんは谷で枯れた桂の木と、その下に小さな桂の苗を見つけた。
趙じいさんが子供の頃、桂の木はそこかしこにあった。美しいだけでなく、木材としても優れ、果実は病にも効くと人々に愛されていた。しかし、実が成りにくく、苗も育てづらいため、今ではほとんど見られなくなっていた。
趙じいさんはすぐに苗木を家に持ち帰った。
それ以来、趙じいさんは小さな苗木を毎日のように見守った。桂の苗は、高温と豪雨に弱い。夜中に雨が降れば目を覚まし、庭に出て苗木の雨除けを整えるまで安心して眠れなかった。
そして数十年が経ち、小さな苗木は、今や立派な大木になっていた。
赤紫、翠緑、黄金、深紅と、四季の移ろいと共に、趙じいさんの小さな庭は色とりどりに染まった。桂の葉が落ちると木から香りが漂い、その香りは近所中に届いた。
近所の人々は趙じいさんの木を羨ましく思い、ある人が高値で買おうと申し出たが、趙じいさんはすぐ断った。
「こいつとは縁があってね。俺が命を救ってやったから、美しい景色で恩返ししてくれてるんだよ。」