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沈宅の蔵宝閣

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概要

レア度画像マス

効果

35 閑人住居

入手方法

イベント・雑貨屋

物語

豆の家は沈宅の隣にある。毎年春になると、沈宅の大きな梨の木は、豆の家の庭まで雪のように咲き誇る枝を大らかに伸ばし、春の訪れを知らせてくれる。

塀に隔てられていようと、彼には、隣人の庭の広さときれいな春景色が目に浮かぶようだった。

沈宅にまつわる噂は数多くあり、豆も普段からよく耳にしていた。

実は梯子さえあれば、沈宅の中を覗くことはできる。しかし彼はそんなことをしたことはなく、自分の庭に植えられた二本の桃の木に満足していた。

この日、友達の水が訪ねてきた。食事の後、水は秘密の相談事かのように、顔を寄せてきた。

「知ってるか。沈宅には二階建ての蔵宝閣があるんだ。中には各地から集められた珍しいお宝があって、夜になるとキラキラ光るんだって!お前見たことあるか?」

豆は笑いながら頭を掻いた。

「まさか沈宅に勝手に入れる訳もあるまいし。」

水は、豆を頭が固いと責めた後、梯子を持ってきた。

豆の制止も間に合わず、水は庭の塀を登り、途端に驚きの声をあげた。

「見えた!すごい、上質な木材に黒瓦が使われてて、軒先には鈴がぶら下がってる。本当に豪華だ!中はどうなってるんだろう、この目で見ることができたら、人生に悔いはないな。」

「ちょっと、こんなことしちゃダメだよ、早く降りて来て。バレちゃったらどうする。」

水は名残惜しそうに梯子を下り、豆に尋ねた。

「お前には好奇心がないのか?江南水都一の金持ちの家なんだぞ。」

豆は首を振った。

「ないね、どんなに立派でも、自分の物じゃない。それに、僕にだって蔵宝閣はある。」

水は驚きを隠せなかった。

「お前にも蔵宝閣が?隠してないで、早く見せてくれよ!」

豆は部屋から一つの箱を取り出した。水は待ちきれない様子でそれを開けた。しかし、中に入っていたのは、古いおもちゃと数着の古着だけだった。

「これが蔵宝閣?」

「うん、みんな僕が子どもの頃、母さんが作ってくれたものなんだ。僕にとって、これより貴重な物なんてないよ。」

水は豆をしばらく見つめ、安堵の笑みを見せた。

「そうだな、人にはそれぞれ自分の蔵宝閣があるもんだ。」

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ゲーム情報
タイトル 水都百景録 - 経営シュミレーションゲーム
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ゲーム概要 水都を舞台にした箱庭ゲーム

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