八仙灯
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紹介
花灯祭で毎年一番の行列が出来るのは、八仙灯だ。多くの子供たちにとって、一年も間待ちに待って、よくやく見ることが叶う毎年の楽しみだった。戌吉を除いて。
なぜ八仙灯を見ないの、と春花が戌吉に問いかけると、戌吉は口を尖らせてこう言った。「この世には八仙なんていないんだって、杜甫さんが言ってた。」
その言葉にびっくりした春花は、慌てて草堂に駆け込み、なぜそんなことを言うのかと、杜甫を問い詰めた。八仙は存在するに決まっている。毎年花灯祭で、灯りを積み重ねて作られた鰲山(ごうざん)に降臨して、世の人々に参拝され、祭が終わると再び天に帰っていく。仙人たちが降臨すると八仙灯が灯され、いなくなるとその明かりも消える。春花は必死に説明した。
杜甫は、げぷっと酒臭いしゃっくりをして、紙でできた八仙灯を寝台の下から取り出し、蠟燭を入れ、火を灯した。「あいよ、これでやつらはずっとここにいるだろう。」
春花は小さな八仙灯を手にして、自分が二十年間信じ続けてきたことが、蠟燭と共に少しずつ燃え尽きていくような気がした。
そして今、花灯祭で口を尖らせるのは、戌吉と春花の二人になった。
ステータス
所要材料 | 数 |
700 |
繁栄度・環境 | 繁栄度175 |
経験値 | 1809 |
最大建造数 | 3 |