張択端

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ステータス

天賦：ちまた

物語

獅子が扉の外で舞い踊り、喇叭が天に向かって喜びを告げる。爆竹の音は響きわたり、まるで町中の人全員に知らせようとしているようだった。今日は張択端の引っ越しの宴で、家は祝いに来た人々で溢れかえっていた。呉派の弟子たちの説得によって、彼はついに人生の半分を過ごした画室から引っ越して、文徴明が彼のために用意した一軒家に住むことになった。張択端は丁重に客たちを庭の中に迎え入れた。最初に目に入るのは、庭の幾本かの竹と太湖石だ。その太湖石には皺が寄り、形が細く穴もあり、価値の高さが感じられ、主人の趣味の良さを表していた。客たちが特に楽しみにしていたのは、部屋内の飾りだ。広間に飾られる名家の作や珍しい骨董品の数々を、そして張択端の家具はどんな木材で出来ているのかと、彼らは興味津々だった。というのも、これらはすべて、彼の絵が今後どれほどの値段で売れるかという証拠になるからだ。「先生はきっと紅木を使っているんでしょうね。威厳と重厚さがあり、堂々たる佇まいですから。」「紅木より、風雅な紫檀でしょう。先生の名を傷つけてはいけません。」「いや、先生のお気に入りは黄花梨木だ。先生の絵巻には香りがついている。黄花梨木の香りに違いない。」張択端は何も言わず、客たちを広間に案内した。人々は中に入ったとたん、あっけにとられた。広間はがらんとしていて、何の装飾品もなく、机と椅子がいくつか置かれているのみだった。しかも、最も安価で、耐久性も面白味もない、籐製だった。「これは……」客たちは顔を見合わせた。「先生、安心して暮らすって言ってたじゃないですか。」仇英が大きな包みに入れた絵巻を抱えて入ってきて、それらを机の上に広げた。「この壁にはわざわざ、毛壩の漆を塗ってあるのですから、絵をかけないともったいないですよ。」「張さん、まだ籐の家具なんか使ってるんですか？沈周の家からわざわざ家具を運んできましたよ……」唐伯虎は倉庫で見つけた八仙卓を、ギシギシと音を立てながら広間に引きずってきた。張択端は首を振った。「面倒なことはしなくていい。もし家に帰ったら、持っていけないからね。籐家具なら、捨てることになっても痒くも痛くもない。」「もしかして、まだ開封に帰ることを考えているのですか？」「家は開封にあるからね。」「しかし、こちらに住んでもう二十年も経っているではありませんか。」「塩を買いに家を出たあの日、金の兵士と出遭いさえしなければ、故郷を離れることもなかった。」「今のお身体では、とても長旅に耐えられませんよ。」張択端は、一気に生気が抜けたかのように、頬を押さえ、痩せた指の隙間からは涙がこぼれ始めた。「ここに暫く住むことになるとは思っていた。だが、一生になるとは思いもしなかった。」彼は床にしゃがみ込み、声をあげて泣いた。「私は家に帰る。妻が、塩を買ってくるのを、待っているんだ。」一同は黙りこみ、泣くのを見ていることしか出来なかった。そこに、扉から沈周が入ってきた。彼は張択端のそばにしゃがんで、黙って肩を叩いていた。しばらくすると、沈周は張択端の手に、一本の筆を握らせた。「では、開封を描きましょう。張さんの家を見せてください。」