孟母の旧宅
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
25
入手方法
イベント
物語
町はずれの古い屋敷に、一人の老婆が住んでいた。老婆は、庭に一日中座って機織りをし、一枚、また一枚と布を作っていた。ある日、偶然通りかかったキタは、老婆を見て、二度と帰らぬ故郷にも、同じように年老いた母親がいることを思い出し、さめざめと涙を流した。親孝行をしたかったのか、彼はわずかな金を持って、彼女が織った布の束を買い取ったが、彼女の晩年の悲しみを買い取ることはできなかった。キタは町中に露店を出し、彼女が織った布を安い値段で売ろうとしたが、丸一日かけても一枚も売れなかった。うなだれてしまったキタは、仕方なく春花を訪ねた。春花はそれを聞くと感涙にむせび、その布の束をすべて買い取り、また自ら老婆の家を訪ねて、少しでも役に立ちたいと考えた。二人が屋敷の前まで来ると、老婆は腰をかがめ、地面に散らかった黄ばんだ紙を一生懸命拾おうとしていた。その震える姿は、見ていられないほどに、悲しみを誘った。春花は手巾で涙をこっそり拭き、キタは急いで手伝いに駆け寄った。そして二人は、老婆からこう問われた。「お若い方たちよ、ちょっと代わりに見てくれないかのぉ。この何十枚もの家屋権利書の内、この家のはどれだったかねえ。」