【ストーリー】EPISODE 4-1 心配には及ばない

| EPISODE ◆ 4-1 心配には及ばない 緊迫サバイバル! |
登場人物
リドル、セベク、シルバー、グリム、馬術部員A
テキスト全文
── ドワーフ鉱山‐森林 ──
リドル:「『灯火の花』についておさらいしておこうか。みんな、授業で習ったね?」
セベク:「もちろんです。僕たち1年生も、魔法薬学の授業ですでに習っている。」
セベク:「『灯火の花』……あらゆる養分を魔力に変換し、蓄積するという花だ。」
セベク:「開花後は溜めていた魔力をすべて放出するため、すぐに枯れてしまう。」
リドル:「その通り。かなり珍しい植物だ。」
リドル:「だが、育つのに多くの養分を必要とするから、生えている場所は限られてくるはずだよ。」
リドル:「周囲に植物がなくて、日当たりのいい場所とかね。」
シルバー:「今リドルが言った条件に合う場所を重点的に調べよう。」
…………。
シルバー:「……他の部活も同じ考えのようだ。俺たちと同じく日向を目指している。」
シルバー:「1輪見つかったら、争奪戦になりそうだ。」
セベク:「フン。望むところだ!」
── ドワーフ鉱山‐底なし沼 ──
グリム:「お! 馬術部がいるんだゾ。『灯火の花』は見つけたか?」
シルバー:「ああ。この沼にある浮島……だいたい2、30メートル先だ。」
リドル:「あそこに花のようなものが見えるだろう?もしかしたら『灯火の花』かもしれない。」
グリム:「う~ん……よく見えねーんだゾ。」
リドル:「問題は浮島までどう行くかだな。この沼、かなり深そうだ。」
セベク:「時間が惜しい。僕が確認してくる。」
ズブズブズブズブ……
リドル:「セベク! 不用意に沼に入るのは危険だよ!」
リドル:「底までどのぐらいあるかわからないし、水と違って、泥に入ると身動きが取りづらい。」
リドル:「もしも足が埋まったら、抜け出せなくなる。そのまま沈んでしまうかもしれない!」
セベク:「人間と一緒にしないでもらおう。この程度の沼に入って、抜け出せなくなるほどヤワじゃない。」
リドル:「なんて人の話を聞かない奴だ!」
リドル:「……セベクはああ言っているが、本当に大丈夫なのかい? シルバー。」
シルバー:「俺とセベクは悪条件下でも支障なく活動できるよう、リリア先輩から指導をうけている。」
シルバー:「心配には及ばない。」
リドル:「いったいどんな指導を受けたんだ……。」
シルバー:「ほら、もう戻ってきたぞ。」
ズブズブズブズブ……
リドル:「本当だ。泥の重さもものともせずに淡々と……。」
セベク:「浮島に生えていたのは、『灯火の花』ではなかったようだ。」
シルバー:「そうか……残念だな。」
リドル:「……セベク、キミの膂力(りょりょく)がすごいのはわかった。だが、泥まみれになることへの躊躇はないのかい?」
セベク:「今日は天気も良い。タオルで泥を拭き取れば、そのうち乾くだろう。」
セベク:「諦めてレオナ先輩に負けることと比べれば……」
セベク:「服を濡らす程度、どうってことはない!」
リドル:「レオナ先輩……?どういうことだ?」
シルバー:「たいしたことじゃない。」
シルバー:「ただ、キャンプの前に少し揉めて、対抗心を燃やしているらしい。」
馬術部員A:「おーい! 大変だ!」
リドル:「キミは確か……キャンプ場で焚火を守る役割じゃなかったか?」
馬術部員A:「ああ、大変なんだ! すごい数の妖精が現れてさ。応援に来てくれ!」
セベク:「また来たのか……懲りない奴らだ。」
セベク:「僕が追い払ってやる!」
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