【ストーリー】EPISODE 4-5 家宝になっちゃうかもね~

| EPISODE ◆ 4-5 家宝になっちゃうかもね~ 満喫ツーリズム! |
登場人物
マレウス、カリム、ジャミル、トレイ、グリム、ケイト
テキスト全文
── 熱砂の国‐ザハブ市場 ──
マレウス:「それほど苦いコーヒーなら、シルバーへの土産にするかな。眠気覚ましにぴったりだ。」
カリム:「そうだな、シルバーなら喜ぶと思うぜ!」
カリム:「セベクの分はいいのか?」
マレウス:「セベクはコーヒーが飲めないんだ。どうするか……。」
ジャミル:「それなら、紅茶はどうですか?紅茶も熱砂の国の名物ですよ。」
ジャミル:「この国ではみんな、1日に10杯以上飲むとも言われています。」
トレイ:「薔薇の王国の人間も紅茶はよく飲むが……」
トレイ:「1日10杯はなかなかにすごい量だな。」
ジャミル:「紅茶もコーヒーと同じように、茶葉を直接煮だして作ります。」
グリム:「うわ……さっきのコーヒーみたいに苦そうなんだゾ……。」
ジャミル:「あぁ。味が濃いのでとても苦く、渋みも強い。」
ジャミル:「でもその分、砂糖もたくさん入れるんだ。」
ジャミル:「もちろん、甘いお菓子も一緒に食べる。」
グリム:「紅茶に砂糖を入れたのに、お菓子も食うのか?」
グリム:「今度は、めちゃくちゃ甘そうなんだゾ……。」
ジャミル:「紅茶には気分を落ち着かせる効果があるので、セベクにはピッタリだと思います。」
マレウス:「そうだな。あいつにはせっかちなところがある。」
マレウス:「よし、セベクへのお土産は紅茶にしよう。」
カリム:「……ん? どうしたんだ、ジャミル?」
ジャミル:「そういえばこの前、飛行術の授業で見かけたとき……」
ジャミル:「セベクがマレウス先輩から貰ったクッキーを」
ジャミル:「食べるのが勿体ないと、ずっと胸元に忍ばせていた。」
ジャミル:「動いた拍子にそれが粉々に割れたものだから、」
ジャミル:「見ていて気の毒になるほど落ち込んでいたな。」
トレイ:「おいおい。その紅茶も、セベクはもったいなくて飲めないんじゃないか?」
ケイト:「あはは~。家宝になっちゃうかもね~。」
ジャミル:「新鮮さが自慢の茶葉なので、早めに飲むよう伝えてください。」
マレウス:「わかった。厳命しておこう。」
トレイ:「おっ、綺麗な砂時計が売っているな。」
カリム:「これはただの砂時計じゃないんだ。」
カリム:「お守りにもなるんだぜ!」
カリム:「中に入っている砂の色ごとに、色んなご利益があるんだ。」
ジャミル:「ご利益の由来は、伝承にちなんでいます。」
トレイ:「店先の看板に、砂の色が持つお守りの効果が書かれているな。」
トレイ:「どれどれ……。」
トレイ:「……よし、ピーコックグリーンとクリムゾンレッドの砂時計を買おう。」
ケイト:「それって、誰と誰に渡すの?」
トレイ:「ピーコックグリーンはデュースに、クリムゾンレッドはエースへのお土産だ。」
ケイト:「ふーん。どんなお守りの効果があるか、看板を見てみようっと。」
ケイト:「あ、やっぱりピーコックグリーンの砂時計は伝承のお姫様が由来になってるみたいだね。」
ケイト:「頭の回転が速かった姫にちなんで『学業成就』だって。」
ジャミル:「クリムゾンレッドは、伝説の『砂漠の魔術師』が身に纏っていた服の色だった。」
ジャミル:「ひたむきに国のために尽くした彼にあやかって、『集中力向上』の効果があるそうです。」
ケイト:「あははっ!確かにあの2人にはピッタリなお守りだね。」
カリム:「いいな! オレも欲しくなったかも!どの色の砂時計にしようかな~。」
ジャミル:「(……トレイ先輩が買ったのと、同じ砂時計でいいよ。俺がプレゼントしてやりたいくらいだ)」
マレウス:「クローバーとダイヤモンドは、他に誰かへの土産を買ったのか?」
トレイ:「あぁ。リドルに、赤いティーカップとソーサーをな。」
ケイト:「オレとトレイくん、2人で割り勘してね。」
ジャミル:「この国では、紅茶やコーヒーが盛んに飲まれるので茶器もたくさん売られているんです。」
ジャミル:「金装飾された磁器製のカップや、アイスドリンク用のガラス製のカップは土産の定番品ですよ。」
トレイ:「それと、『ラクダバザール』でドライフルーツを買ったんだ。」
トレイ:「パイナップル、オレンジ、キウイ、バナナ……」
トレイ:「今日食べたメロン、それとデーツ……。」
マレウス:「ずいぶんたくさん買ったな。」
トレイ:「あぁ。このドライフルーツをたっぷり使ったタルトを
リドルに焼いてやろうと思って。」
マレウス:「なるほど、ただ渡すだけではないわけか。ローズハートも喜ぶだろう。」
ケイト:「けーくんも、すっごく素敵なお土産買っちゃった♪」
ケイト:「ピーコックグリーンのビーズブレスレット、伝統柄のハンカチ……。」
ケイト:「あとは小分けに包装されたデーツチョコ、個装されたコーヒー豆でしょ……。」
カリム:「おおー。
リドル1人に、随分たっくさん買ったんだなー。」
ケイト:「あ、これリドルくんにだけじゃないよ。寮のみんなや
クラスメイトにあげる分も入ってるんだ。」
ケイト:「「いかにも熱砂の国!」」
ケイト:「っていうものが欲しい人もいると思うし……、」
ケイト:「そういうものを貰っても、使い道がなくて困るから、食べ物がいいって人もいるでしょ?」
ケイト:「それにリドルくんの性格だと、自分にだけお土産を渡されたら……」
ケイト:「「他の寮生がもらっていないのにボクだけもらうことはできない」」
ケイト:「って言いそうじゃん。」
トレイ:「だよな。だから、俺もドライフルーツのタルトを寮生みんなに振る舞うつもりだ。」
ジャミル:「至れり尽くせりですね。さすがはあの暴君……」
ジャミル:「いえ、厳格な寮長に仕えるおふたりだ。」
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