【ストーリー】EPISODE 3-10 楽勝なのでは?

| EPISODE ◆ 3-10 楽勝なのでは? 豊作マーケット! |
登場人物
エペル、ジェイド、セベク、マルヤ、グリム、イデア
テキスト全文
── 豊作村‐ケルッカロト会場 ──
エペル:「ここがソリレースの会場だよ。」
エペル:「このスタート地点から出発して、モルン山に作られたコースを一晩中走って」
エペル:「またこの地点に戻ってゴールするんだ。」
エペル:「コースの中には森や崖なんかがあるから高度なテクニックが必要になる。」
ジェイド:「ソリレースはチーム戦でしたよね。勝敗はどうやって決まるんですか?」
エペル:「4人の合計タイムで競うんです。」
セベク:「ほう。ということは、4人全員がゴールしないとダメなのか……。」
ジェイド:「それどころか、不得意な人が1人いただけで優勝出来ないということですね。」
セベク:「エペル。レースにはどのくらいのチームが参加するんだ?」
エペル:「開催する年によって変わるけど、だいたい30チームくらい。」
エペル:「若い者には負けないって意気込むおじさんチームや雪で遊ぶのが大好きな子どもチーム……」
エペル:「ソリ愛好家のチームや、刺繍好きな人たちのチームとかね。みんな個性的でしょ。」
エペル:「遠くの街から参加しに来てくれるチームもいるんだよ。」
ジェイド:「思ったよりも、参加者が多いですね。」
ジェイド:「村から若い人が減っていると聞いていたのでもっと少ないのかと思っていました。」
マルヤ:「『ケルッカロト』が盛んだった時は、参加チームは200を優に越えていたものです。」
マルヤ:「それが、豊作村が寂れていった事で、競技人口もどんどん減ってしまってねえ……。」
マルヤ:「……だからアンタたちに、レースを盛り上げてもらわないと」
マルヤ:「困るのさァ!!!」
マルヤ:「いいかい! 負けるんじゃないよ!」
エペル:「が、がんばるね。」
マルヤ:「なんだい! 収穫し忘れて古くなった林檎みたいにもさっとしたハッキリしない返事をして!」
マルヤ:「絶対勝つんだよ!!! わかったね!!!」
エペル:「は、はい……。」
グリム:「……オレ様、レースに出なくてよかったんだゾ。」
マルヤ:「ほら! さっさと練習を始めな!」
エペル:「みなさん、ぬいぐるみとソリをラインで繋いでください。」
エペル:「あ、ラインというのはぬいぐるみについているリードのことです。」
セベク:「ソリ自体はけっこう小さいのだな。1人用の腰掛椅子くらいの大きさだ。」
ジェイド:「えぇ。これに立って乗るのですか……。バランスを取るのが難しそうです。」
エペル:「ええ。手元にあるハンドルバーをしっかり握っていないと振り落とされちゃいますよ。」
イデア:「……怖っ。」
エペル:「ラインを繋ぎましたね。ではまず、ぬいぐるみに方向指示を出すやり方です。」
エペル:「魔法はラインとハンドルバーを通してぬいぐるみに伝わりますから」
エペル:「進みたい方向を言葉で伝えてください。」
エペル:「前に進む時には「マッシュ」と叫びましょう。」
エペル:「右に曲がるときは「ジー」、左は「ハー」、止まるときは「ウォー」です。」
セベク:「ん? その3つは聞いたことがある。」
セベク:「馬に声で指示する時と、同じ掛け声だ。」
ジェイド:「馬術部でもみんな声で指示を出しているんですか?」
セベク:「いや。馬術部で行っている競技では鞭や手綱で馬を操る。」
セベク:「それとは別のカントリー馬術などでは、声を使って指示をすることもあると本で読んだことがある。」
エペル:「よく知ってたね。うちは牛に指示する時にも、この掛け声を使ってるよ。」
エペル:「さて……それじゃまず、僕がぬいぐるみを動かしてみるね。」
エペル:「それ……「マッシュ」!」
――ダダダッ!
エペル:「「ジー」! 「ジー」! 「ジー」!」
――ダダダッ!
セベク:「スムーズに動いている……。簡単そうではないか。」
イデア:「魔法で動かせるのなら楽勝なのでは?なにせ拙者たち、毎日授業受けてますから。」
ジェイド:「そうですね。飛行術で扱う箒に比べたら、簡単そうです。」
マルヤ:「随分、威勢が良いじゃないか。」
マルヤ:「それじゃあ、アンタらもぬいぐるみを操ってソリを引かせてごらん。」
セベク:「造作もない。魔力を込めて……」
セベク:「それ!」
「マッシュ」!
――ダダダッ!
セベク:「おっ、おい! どうして後ろへ下がるんだ!僕は前へ行けと命令しているんだぞ!」
――ダダダッ!
ジェイド:「こちらも全然言うことを聞いてくれません。同じところで延々と足踏みしているだけですね。」
――ダダダダダダダダダッ!
イデア:「うわーーー! ス、スピードが出ると怖い!!」
イデア:「「ウォー」! 「ウォー」! 「ウォー」!」
イデア:「止まってくだされーーー!」
ダダーーン!!!
エペル:「あー転倒しちゃった……。」
エペル:「3人ともうまく動かせないみたい。初めてだもんな……。」
エペル:「ただ飛ばせばいい箒と違って、ぬいぐるみは手足を順序良く動かさないといけないんだ。」
エペル:「簡単に出来ると思ったら大間違い。ぬいぐるみを動かすのと飛行術は全く別物だよ。」
イデア:「は、早く言ってくだされ……。」
マルヤ:「なんてこったい! こんな有様で大丈夫なのかい、エペル!?」
エペル:「き、きっと大丈夫! まだ慣れていないだけ!」
エペル:「みんな学園で魔法の授業を受けているんだから、練習すればすぐに上達すると思う。」
マルヤ:「どうだかねえ……こりゃ今夜はたっぷりと栄養を取らないと、『ケルッカロト』前にバテちまいそうだ。」
マルヤ:「エペル、後は任せるよ。アイツらがキチンと走れるように鍛えるんだ!」
マルヤ:「初めて植える品種の林檎みたいに、しっかり面倒みるんだよ!」
選択肢:
├ [ 応援するね ]
└ [ 手伝えることはない? ]
── 分岐:【応援するね】 ──
エペル:「ありがとう。みんなもやる気が出ると思うよ。」
── 分岐:【手伝えることはない?】 ──
エペル:「ありがとう。僕がみんなをコーチするから手伝ってくれるかな。」
エペル:「僕1人じゃ、3人をじっくり見てあげられないから。」
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エペル:「みなさん。」
エペル:「どんどん練習をしましょう!」
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