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【ストーリー】EPISODE 4-8 全部違います

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最終更新者: novira

EPISODE ◆ 4-8

全部違います
結束エモーション!

登場人物

マルヤ、グリム、エペル、ジェイド、セベク、イデア


テキスト全文

── 豊作村‐集会所 ──


ポッポー! ポッポー! ポッポー!


マルヤ:「はいはい、楽しい宴もここまで。パーティーはおしまいですよ。」

グリム:「ふなっ!? オレ様、まだ遊びたい!」

エペル:「さっき鳩時計が鳴ったでしょ?もう夜11時、寝る時間だよ。」

マルヤ:「今日は疲れたでしょう。ちゃあんと休んでくださいねぇ。」

グリム:「オレ様、全然眠くない! まだ遊ぶんだゾ!」

マルヤ:「寝ろ!!!!」

マルヤ:「寝不足のせいで、ソリレースでミスしたらどうするんだい!」

グリム:「ふなっ!?」

マルヤ:「眠くなかろうが遊びたかろうが関係ない!いいから寝るんだよ!」

マルヤ:「林檎だって、冬の間に栄養を貯め込むから美味しい果実が実るんだからね! わかったかい!?」

グリム:「よ、よくわかんねーけど……わかったんだゾ……。」

ジェイド:「やはりソリレースのことになると豹変しますね。」

エペル:「あはは……。」

エペル:「おばあちゃん、パーティーを開いてくれてありがとう!」

エペル:「とっても楽しかったよ!」

エペル:「おばあちゃんたち、集会所から帰ったね。それじゃあ寝る準備をしましょうか。」

セベク:「あぁ、そうだな。」

ジェイド:「みなさん。マルヤさんはああ言ってましたけど、僕らには眠る前にやることがありますよ。」


え?


エペル:「学園の友だちと一緒に寝る前にやることといえば……枕投げですか!?」

セベク:「いや、就寝前のトレーニングだな!」

イデア:「『らぶソリ』のヒロインたちは、パジャマパーティーをやっていましたぞ?」

ジェイド:「全部違います。正解は作戦会議です。」

ジェイド:「明日のために対策を練ったり、作戦を立案したりしましょう。」

ジェイド:「ロイヤルソードアカデミーに負けるわけにはいきませんから。」

セベク:「なるほどな。」

エペル:「そうですね。わかりました。」

ジェイド:「宴席の時に、村の方からレースのルールブックをお借りしました。」

ジェイド:「これを見ながら、ルールをおさらいしましょう。」

エペル:「い、いつの間に……準備が良いですね、ジェイドサン!」

ジェイド:「ルールブック第1条。4人の内、1人でも欠員したらチームごと脱落する。」

ジェイド:「第2条。チームの4人全員の合計タイムによって勝敗が決定する。」

ジェイド:「第3条。ぬいぐるみの鼻先がゴールラインに達した瞬間が個人タイムとなる。」

セベク:「ソリや『マッシャー』ではなく、ぬいぐるみがゴールした時のタイムが記録となるのか。意外だな。」

イデア:「セ、セベク氏……これは『ぬいぐるみソリレース』ですぞ……。」

イデア:「し、主役はぬいぐるみ……。僕ら『マッシャー』は、それを動かすための動力なんすわ。」

エペル:「『ケルッカロト』自体が、動物たちを讃えるためのものだからね。」

ジェイド:「では、相手のソリではなくぬいぐるみを壊さないといけませんね。」

エペル:「……ジェイドサン、ものすごく発想が飛躍していませんか?」

ジェイド:「ルールブック第4条。ソリ同士の接触・クラッシュは、ともに各自の自己責任となる。」

セベク:「うむ。気を付けないとな!」

イデア:「つまり……相手“だけ”をクラッシュさせるのは失格にはならないってこと?」

ジェイド:「はい。自分のソリが傷つかないように、相手をクラッシュさせれば問題なしです。」

イデア:「ふひっ! 了解しましたぞ!」

エペル:「え!?」

ジェイド:「第5条。走行中、マッシャーは他のソリを妨害するような走行をしてはいけない。」

セベク:「あぁ。当たり前だ!」

ジェイド:「つまり、事前にコースに落とし穴を作ってもOKということですね。」

イデア:「事前なら走行中じゃないし余裕でセーフでしょ。」

ジェイド:「そうですね!さてお次は……」

エペル:「ち、ちょっと待った!そんな小細工なしで勝ちましょうよ!」

イデア:「は? レギュレーション上は問題ないですぞ。チートやグリッチじゃありませんー。」

イデア:「ルールの穴を掻い潜るのは、ゲーム攻略の基本っすわ。はい、論破!」

ジェイド:「えぇ。最優先されるべきなのは、勝利ですからね。」

エペル:「いえ。これはロイヤルソードアカデミーに売られたケンカ……。」

ジェイド:「売られましたっけ?」

エペル:「実力で勝って、奴らに目に物見せてやりましょう!そうでないと気が収まらない!」

セベク:「ああ、エペル。僕も同感だ!」

セベク:「真っ正面から戦い、そして実力で勝利するからこそ、喜びがあるのだ。」

セベク:「そうでなければ、たとえ勝っても虚しいだけ。つまらぬ勝利になんの意味があるというのか。」

ジェイド:「1年生は甘……真面目ですね。」

イデア:「やだやだ……これだから脳筋は……。」

イデア:「で、では……拙者のタブレットをご覧くだされ。」

エペル:「……こ、これ、『ぬいゾリ』レースのコースが映った映像じゃないですか!?」

イデア:「ひ、昼間の練習中に、コースを上空から小型ドローンで撮影しておきました……☆」

エペル:「ドローン!? そんなものを持ってきていたんですか!?」

イデア:「うん……。『らぶソリ』のロケ地撮影用にね。ワイドな動画が撮影できますからな~。」

イデア:「まさか、こんな形で役に立つとは思わなかった。」

セベク:「やけに荷物が大きいと思っていたが……。」

エペル:「す、すごい……。」

イデア:「コースは別に隠されてないよね?これで予習するのはズルじゃないでしょ。」

エペル:「確かに……これなら、ルールの範囲内かも。」

ジェイド:「落とし穴もルールの範囲内ではありますよ。」

エペル:「村の大事な『ケルッカロト』をナイトレイブンカレッジの行事みたいに考えないでください!」

セベク:「この映像は便利だな。どの箇所が難関なのかが一目で確認できる。」

ジェイド:「えぇ。これでレース展開を多角的に考えることができますね。」

セベク:「む……この辺りは練習でも走ったが、カーブが3つ続いていて、横転してしまったな。」

エペル:「ここはコーナーの入口までに全速力で進み、カーブ直前に急ブレーキをするんだ。」

エペル:「そうすると遠心力を利用して、コーナー出口側に早くソリを向けられるよ。」

エペル:「減速が少なくて小回りが利くから、スピードに乗ったまま、3連カーブも突破できるはず!」

イデア:「なるほど! レースゲーム用語でいうドリフト走行ですな!」

エペル:「ドリフトは、レースゲームの用語ではなくて、実際のドライビングテクニックですけど……。」

ジェイド:「イデアさんにとってはゲーム用語なんでしょう。」

ジェイド:「エペルくん。スピードを出したままコーナーに入ったらスリップしてしまわないですか?」

エペル:「たしかに路面も凍結していますから、アンダーステアが出がちです。」

エペル:「ですからカウンターステアを当てて車体を立て直してください。」

グリム:「……なにを言ってんだか、全然わからねーんだゾ。」

ジェイド:「恐らくですが、モーターレースの用語でしょうね。エペルくんは随分詳しいご様子。」

セベク:「そういえば、『実りの街道』で自動車やマジカルホイールの話をしていたな。」

エペル:「うん。マジホイ好きでレースをよく見てたから、ドライビングテクニックにも詳しくなったんだ。」

エペル:「そうやって覚えたモーターレースの技を、ソリに乗りながら試したりしたんだよ。」

エペル:「明日の『ケルッカロト』で使えるかもしれないからあとで色々教えるね。」


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