【ストーリー】EPISODE 6-66-2 第2タワー

| EPISODE ◆ 6-66-2 攻略ミッション! 冥府の番人 |
登場人物
レオナ、ジャミル
オルト、ファントム、研究員、タイタン、ナビ
テキスト全文
── S.T.Y.X.タルタロス ──
ジャミル:「底が見えないほどに深い……」
ジャミル:「『タルタロス』でしたっけ? いったいどれだけの階数があるんでしょうか。」
レオナ:「1番下は第12層と言っていたが、1層にどれだけの階数が存在してるかはマップにも書いてなかったな。」
レオナ:「おい、その無駄にじゃらじゃら付いてる髪飾りを一つよこせ。」
ジャミル:「え? ああ、どうぞ。」
ぽいっ
ひゅーーーーーー…………
レオナ:「……底に当たる音が聞こえねえ。30階、50階程度じゃねえことは確かだ。」
ジャミル:「今のわざわざ俺の物でやる必要ありました?」
レオナ:「だったらそもそも渡さなきゃいいだろ。これっぽちでカリカリするな。」
ジャミル:「……カリカリだなんて、とんでもないです。レオナ先輩のお役に立てて光栄ですよ。」
レオナ:「ふん、うさんくさい笑顔うかべやがって。」
ジャミル:「さて。まずは、対ファントム用決戦アームズ『雷霆(らいてい)の槍』を手に入れたいところですね。」
レオナ:「第6層の格納庫に保管されている……だったか?」
ジャミル:「マップによれば、この近くにエレベーターがあるようですが……」
ジャミル:「ああ、ありました。」
レオナ:「普通に考えれば、内部への侵入を防ぐために動かないだろうが……」
ブンッ!
ウィーン……
ジャミル・レオナ:「…………。」
レオナ:「目の前に立った瞬間に、わざとらしく扉が開きやがった。」
レオナ:「あの兄弟、俺たちを挑発してやがるな。」
ジャミル:「今この施設は全て、オルトの支配下にありますからね……。」
ジャミル:「これは十中八九罠でしょう。危ないので、レオナ先輩は俺の後ろに……」
レオナ:「さっさと行くぞ。」
ジャミル:「えっ? ちょっと、レオナ先輩!1人で進まないでください!」
オルト:「やあ! みなさん。 呪われた収容所『タルタロス』の第2タワーへようこそ!」
ジャミル:「ほら、やっぱり出た……。」
オルト:「なあんだ、つまらない反応。もう少し驚いて欲しいなあ。」
レオナ:「ロボットの考えるようなことなんざ、人間様は簡単に予想ができるんでね。」
オルト:「……ふふっ。ロボット、かあ。」
オルト:「それじゃあ次は、もっとびっくりさせてあげる。もっとも……」
オルト:「次があれば、だけど。」
ジャミル:「なに?」
オルト:「君たち2人に、これから示す試練を乗り越えることができるかな……?」
レオナ:「試練だぁ?」
ジャミル:「一体なにを仕掛けてくるつもりだ……!?下がっていてください、レオナ先輩!」
レオナ:「この狭っ苦しい場所で「下がれ」もクソもあるかよ。いちいちうるせぇヤツだな……。」
オルト:「じゃーん!」
ジャミル:「ん? 壁に映されたのは……『ヒドラの逆襲』?」
レオナ:「待機時間にやらされた、あの下らねえゲームじゃねえか。」
オルト:「そう、君たちへの最初の試練はこれ。『ヒドラの逆襲』をクリアせよ!」
オルト:「このゲームをクリアしたら、僕たちに挑む権利をあげる。」
ジャミル:「こんな場面でゲームを?……いったい何を企んでるんだ?」
ジャミル:「レオナ先輩、ここは俺がプレイします。」
レオナ:「はあ? お前が?」
ジャミル:「このゲームにどんな仕掛けが仕込まれているのかわからない。無闇に挑むのは危険です。」
レオナ:「おい。たかがテレビゲームだぞ。」
ジャミル:「いいえ、警戒してしすぎることはありません。もしかしたらコントローラーを握っただけで電流が…」
オルト:「もう、疑り深いなあ。そんな物騒なことするわけないでしょう?」
レオナ:「はあ。まあいい。そんなにやりてえっつーならどうぞご勝手に。」
オルト:「プレーヤーはジャミル・バイパーさんだね。どんなプレイが見られるかとっても楽しみ!」
オルト:「それじゃあ、スタート!」
レオナ:「はははっ!ダセえな、即ゲームオーバーじゃねえか。」
ジャミル:「ちょっと待て!!」
ジャミル:「なんだ今のゲームは。レオナ先輩がやってたときよりずっと難しくなってるじゃないか!」
オルト:「当たり前だよ。同じことをやったって、面白くないでしょう?」
レオナ:「あれだけしゃしゃっておいてそのザマか?口ほどにもねえな。」
ジャミル:「あなた、どっちの味方なんですか!?」
ジャミル:「しかし、負けてしまったのは俺の責任です。万が一の時には、この命に変えても……!」
オルト:「そんなにシリアスにならないでよ。ゲームは楽しくやらなきゃ。でしょ?」
オルト:「しかたないから、難易度を下げてもう一回プレイさせてあげる!」
オルト:「さあ、もう一度コントローラーを握って!」
ジャミル:「よしっ。これでどうだ!」
オルト:「なかなかのハイスコア! さすが、経験者なだけはあるね。」
オルト:「その調子で、『タルタロス』(ダンジョン)のミッションもドンドンこなしてほしいな。」
ジャミル:「ミッション?」
オルト:「そう! ここから先は、ファントムだらけの高難易度ダンジョン。」
オルト:「高レベルのモンスターにエンカウントしないよう、気をつけて進んでね。」
レオナ:「何が出てこようが関係ねえ。絶対にテメェらのところに行き着いて、兄弟共々たてがみを毟りとってやる。」
レオナ:「首を洗って待っとけよ。」
オルト:「……うん。兄さんと一緒に待ってる。」
オルト:「本当に、本当に――楽しみにしてるからね。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
レオナ:「何が「楽しみ」だ。ふざけやがって。」
ジャミル:「同感です。」
ジャミル:「『タルタロス』が高難易度ダンジョン? ゲームじゃあるまいし……。」
レオナ:「それじゃあ俺らはアイツの操作するキャラクターってところか? 面白い冗談だ。」
ジャミル:「……エレベーターはもう動かない。気を引き締めて、階段を進みましょう。」
ジャミル:「なにが起こるかわかりません。俺から離れないでくださいね。」
レオナ:「……。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ジャミル:「こんなに体を動かしているのに、寒気を感じる……。」
ジャミル:「ここは随分と冷えますね。」
レオナ:「『タルタロス』っていうのは、ようはファントムを凍らせておく冷凍庫なんだろ?」
レオナ:「『神々の時代』に作り始めたなら、低い温度が保てる海底に作るのは道理だな。」
ジャミル:「夕焼けの草原出身のレオナ先輩と、熱砂の国出身の俺には、都合の悪い環境ですね。」
レオナ:「ああ。温度を調整する魔法のかかった寮服を着てるとはいえ、快適とは言えねえな。」
ジャミル:「ああ、上着が必要ではありませんか? よければ俺の服か、魔法で調整を……」
レオナ:「誰もんなこと頼んでねえだろうが……それでテメェの動きが鈍くなってちゃ元も子もない。」
レオナ:「それよりさっさとあのカイワレ大根を引きちぎって、こんなところとはおさらばするに限る。」
ジャミル:「はい。学園も心配ですしね。」
レオナ:「……心配?」
ジャミル:「ええ。今、ナイトレイブンカレッジに残っている寮長はマレウス先輩とカリムだけ。」
ジャミル:「学園全体……スカラビアも大変な混乱状態に陥っているはずです。」
レオナ:「ふうん……。」
レオナ:「寮長1人に寮を任せるのは心許ないって?」
ジャミル:「そうは言ってません。レオナ先輩だって、残してきた寮生たちが心配なんじゃないですか?」
ジャミル:「サバナクローには副寮長がいない。今頃、リーダーのレオナ先輩を失った寮生たちはさぞ慌てているはず。」
レオナ:「んなこと俺が知るかよ。勝手にやるだろうさ。」
ジャミル:「知るかよって、無責任な……」
ジャミル:「ん?」
ジャミル:「この風……今までは足下から吹き上げる冷気しか感じなかったが……。」
レオナ:「ああ。少し前から横風が吹いてる。」
ジャミル:「あっ!あそこ、階段の少し先に、細い横道があります。」
レオナ:「暗くて中が見えない。身を隠すにはうってつけの場所だ。」
レオナ:「凍結から放たれたファントムが潜んでる可能性があるな。」
ジャミル:「下がっていてください。俺が1人で行って、中の様子をうかがってきます。」
レオナ:「は?」
レオナ:「何言ってんだテメェ。」
ジャミル:「え?」
ジャミル:「レオナ先輩は夕焼けの草原の第2王子であり、寮長。となれば、当然俺が行くべきでしょう?」
ジャミル:「それに、俺のほうが身軽ですし。……」
ジャミル:「ああ、決して先輩の足が遅いと言っているわけではありません。」
レオナ:「…………………。」
ジャミル:「心配してるんですよ。あなたに何かあれば、俺では責任を負えませんから……。」
レオナ:「ハッ! 心配? 責任だと?」
レオナ:「この俺に……」
レオナ:「待て。」
???:「キキッ……キキキッ!!」
レオナ:「遅かったな。何か近づいて来やがる。」
ジャミル:「案の定だ……こうなったら、迎え撃つ!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ファントム:「ギギーーーッ!!」
ジュワアア………
ボトボトッ!!
ジャミル:「ファントムが黒い液体に……ブロットに変わった。」
ジャミル:「あっ、レオナ先輩! 不用意に近づかないでください!ブロットの影響を受けるかもしれない!」
レオナ:「チッ。ブロットの危険性も、適切な距離も、テメェに言われるまでも無くわかってる。」
レオナ:「……改めて見ると、気色悪ぃもんだ。見ているだけで身の毛もよだつ。」
ジャミル:「インクのシミみたいに気味悪く広がって、周囲を汚して、干からびて消えた。」
ジャミル:「……俺たちも、オーバーブロットしたままだったら、ああなっていたのかもしれませんね。」
レオナ:「……。」
レオナ:「魔法士なら誰でも、ブロットの影響を受ける。なまじ力のある魔法士なら、なおさらだ。」
レオナ:「「俺が1人で行って中の様子をうかがう」って?随分と余裕かましてくれるじゃねえか。」
ジャミル:「俺は、あの場に相応しい行動をしたまでです。緊急時だからこそ、より慎重にならなくては。」
ジャミル:「地図によると、この先にある扉を抜ければ、ファントムたちの収容所。」
ジャミル:「さっきの個体もそこから逃げ出してきたのかもしれない。」
ジャミル:「この先遭遇するであろうファントムの総数も強さも、すべてが未知数。」
ジャミル:「自らを……そして俺たちを危険にさらすような真似は控えていただかないと困ります。」
レオナ:「はあ……草食動物が、ビビりやがって。」
ジャミル:「なっ!? 俺はビビってるんじゃない。あなたの無謀さをカバーしてるんです!」
レオナ:「ああそうか。勝手にしろ。」
ジャミル:「そうさせてもらいますよ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「この、見るからに頑丈そうな四角い箱は……檻、なんだろうな。」
ジャミル:「壁一面……この1つ1つに、ファントムが収容されているというのか?」
???:「そう!」
ジャミル・レオナ:「!」
???:「どんなファントムが出てくるかは開けてみてのお楽しみ、サプラーイズ!」
???:「お誕生日のプレゼントみたいで、わくわくするでしょう?」
レオナ:「オルト……顔を見せろよ。寂しいじゃねえか。」
オルト:「あ、いけないいけない。こんにちは!」
オルト:「レオナ・キングスカラーさんも、ジャミル・バイパーさんも、元気そうでなにより。」
ジャミル:「おかげさまでね。」
オルト:「さっき「ロボットの考えることなんて簡単に予想ができる」って言われて、」
オルト:「僕すごく反省したんだあ……。」
オルト:「確かに、せっかくゲームをプレイしてもらうなら、とびきり面白いものじゃないとね。」
オルト:「予想できないことをするのが「人間様」って言うのなら……」
オルト:「僕はそれを超える!」
オルト:「君たちの右手にある、ケージの上を見て。」
レオナ:「右……なんだこの紙切れは。」
レオナ:「d、o、u、r……『陰気』?」
レオナ:「なんだテメェの実家の紹介か?」
オルト:「ブッブー。違います。それはね、ここから先に進むためのパスワードだよ。」
ジャミル:「パスワード?」
ジャミル:「ここから先ということは、ここまで扉を開けるのに使っていたIDカードは……。」
オルト:「察しが良いね! 君たちが使っていたIDは、もう登録解除済み。この先では使えない。」
オルト:「この収容所のドアを開けて、次のステージに進むには、専用のIDカードかパスワードが必要です。」
オルト:「そして今、レオナ・キングスカラーさんが持っているのは、ドアを開けるのに必要なパスワードの半分。」
オルト:「残りの半分は……」
オルト:「ケージの中に入ってるよ!」
オルト:「さあ、次の試練です。正しいパスワードを手に入れて、扉を開けて、先に進もう!」
オルト:「それでは諸君、健闘を祈る!」
レオナ:「チッ。映像相手じゃぶっ飛ばすこともできねえ。」
ジャミル:「ケージの中って……“これ”を開けろと?」
???:「ガウウウ!」
レオナ:「おーおー、びっくり箱の中身が暴れてやがる。」
ジャミル:「中にいるファントムたちが、目覚め始めています。時間が経てば経つほど不利になりますね。」
レオナ:「ああ。さっきのチビの言葉を信じるわけじゃねえが、入ってきた扉は開かねえし、出口もねえ。」
レオナ:「めんどくせえことこの上ねえが……ケージを開けて、中を確かめていくしかないな。」
PTM-11913
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
ジャミル:「下がっていてください。ケージを開けます!」
レオナ:「はりきりやがって、暑苦しい……。」
レオナ:「ありがたいご忠告は良いから、」
レオナ:「やるならさっさとやれ。」
???:「キイイィィィィ!!!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
ファントム:「ギャーーーッ!!」
ジャミル:「よし。このケージの中のファントムは消滅したようです。」
レオナ:「パスワードのメモは?」
ジャミル:「ええっと……」
ジャミル:「あっ、ありました!」
レオナ:「なんて書いてある?」
ジャミル:「これは……。」
ジャミル:「……ひとまず、扉に戻って打ち込んでみます。」
ジャミル:「開いた……!」
ジャミル:「さっきの言葉で、正解だったのか。」
レオナ:「全部あのチビの嘘って可能性も考えたが、そうじゃないらしいな。」
レオナ:「それで、パスワードはなんだったんだ?」
ジャミル:「……知らない方が良いと思いますけどね。俺は今とても気分が悪いです。」
レオナ:「いいから言え。」
ジャミル:「……ふう。」
ジャミル:「メモには、「best!」と書かれてありました。」
レオナ:「ベスト? 最初に見つけた文字とつなげると……」
レオナ:「「do ur(your) best!」」
レオナ:「……「全力を尽くせ!」?」
レオナ:「アイツら……」
レオナ:「なめた真似してくれやがる!!!」
ジャミル:「ほら、やっぱりキレた。だから言いたくなかったのに。」
PTM-18776
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
ジャミル:「ケージを開けます。レオナ先輩は俺の後ろに。」
レオナ:「……チッ、俺に指図すんじゃねえ。」
ジャミル:「では、次からは言われる前に適切な位置で待機していただければ。」
レオナ:「はあ……。」
ジャミル:「すでに開いているケージから推測するに、開閉するパーツは……」
ジャミル:「ここだ! ハアッ!!」
???:「グギャアア!」
ジャミル:「レオナ先輩、ファントムです!」
レオナ:「わかってる。」
レオナ:「仕留めるぞ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「パスワードは?」
ジャミル:「ええと……」
ジャミル:「「lion」ですね。」
レオナ:「ライオン?」
ジャミル:「気難しいライオン、と言いたいんじゃないでしょうか。」
レオナ:「ふざけやがって……!!」
ジャミル:「ああ、このパスワードはハズレのようです。内容自体は、正しいと思ったんですが。」
レオナ:「口だけは一丁前だな。」
PTM-28155
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「次はあのケージだな。」
ジャミル:「では、ここも俺が。」
レオナ:「ハッ、スカラビアの副寮長様は童心をお忘れでないようだ。」
レオナ:「箱を見るとすぐに開けたがる。」
ジャミル:「なっ……俺はただ……!」
ジャミル:「はあ、この人になにを言っても無駄だ。俺は自分の役割を果たすまで……」
ジャミル:「フッ!」
???:「ギャアアアア!」
レオナ:「敵のお出ましだな。フン、さっさと倒すぞ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「ああ、あったぜ。パスワードだ。」
ジャミル:「「fin present」?一体どういう意味でしょう。」
レオナ:「……「fin “d our” present」」
レオナ:「自分達のプレゼントを見つけろとさ。」
ジャミル:「随分と、煽ってくれるな……!」
レオナ:「しかもハズレだとよ。」
ジャミル:「くっ。ますます腹が立つ……!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ジャミル:「また階段が続いている。」
ジャミル:「さっきみたいに、収容所から逃げ出したファントムが隠れている可能性もある。」
ジャミル:「それに、いつまたオルトが仕掛けてくるかもわかりません。気をつけてください。」
レオナ:「ファントムはともかく、カイワレ大根とチビについてはしばらくは心配しなくて良いだろう。」
レオナ:「アイツらは随分と“ゲーム”に執心してるようだったが……」
レオナ:「実際は最下層にいるアイツらが、遠隔操作で俺たちに干渉できる状況は、限られる。」
レオナ:「こんな通路じゃ、せいぜいファントムをけしかけるぐらいのことしかできないだろう。」
レオナ:「しかし……随分とやり方が回りくどい気がする。」
レオナ:「……ふむ。」
ジャミル:「なるほど、確かに仰るとおりですね。」
ジャミル:「オルトに関して気づいたことがあるんですが……。」
ジャミル:「昼間みんなでゲームをしていて、レオナ先輩がゲーム画面にじゃれついたとおちょくられてたとき……。」
レオナ:「砂にされたいのか?」
ジャミル:「俺が言ったんじゃありません。あくまで“おちょくられてたときのこと”ですよ。」
ジャミル:「あのとき、ヴィル先輩やイデア先輩が、レオナ先輩をけちょんけちょんに煽り散らかす中……」
レオナ:「……。」
ジャミル:「オルトからの悪意は全く感じられなかった。」
レオナ:「悪意もなにも、ロボットは感情を持ち合わせていない。」
レオナ:「ただ蓄積したデータをプログラム通りに発言する。」
レオナ:「善意も悪意もない。そういう存在だろ。」
ジャミル:「ええ。ですが先程オルトは、」
ジャミル:「レオナ先輩に「ロボット」とバカにされて腹を立てているように見えました。」
ジャミル:「サプライズ、というのもその意趣返しというか……発言や行動に明確な悪意を感じます。」
ジャミル:「まるで……本当に人間みたいな。」
レオナ:「人間、ねえ……。」
レオナ:「イデアがそれらしいムカつく言動をインプットしたって方が、よっぽど納得できそうなもんだ。」
???:「キィーッ!」
ジャミル:「はっ! レオナ先輩危ないっ!」
レオナ:「っ!?」
ジャミル:「くっ……ファントムめ、下から登ってきたのか!」
ファントム:「ギラギラダ! ギラギラダ!」
ジャミル:「一掃してやる!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ジャミル:「ふう。レオナ先輩、ご無事ですか。」
レオナ:「ご無事ですか、だ……?」
レオナ:「お前、なんのつもりだ。」
ジャミル:「え? なにって……」
レオナ:「俺はテメェなんぞに庇われるほど、落ちぶれたつもりはねえぞ。」
ジャミル:「落ちぶれたって……そういうつもりでは……」
レオナ:「あの程度の魔法、どうとでも防げるから放っておいただけだ。ファントムが来てることぐらい気付いてた。」
レオナ:「狭い階段で暴れたんじゃ時間が無駄になるとふんで、あの踊り場まで引きつけようと思ったのに……」
レオナ:「それを邪魔しやがって。俺を助けた、だ?思い上がりもそこまでくると見事だぜ。」
ジャミル:「作戦があるなら事前に共有すべきでは?後出しで文句を言われてもこっちだって困ります。」
ジャミル:「第一、勝手にしろといったのはそっちだ。だから自分で考えて、最善の行動をとったまでです。」
レオナ:「ああ言ったな。だが、足を引っ張っても良いとは言ってねえ。」
ジャミル:「足を引っ張る……!?」
レオナ:「お前さっきのでケガしたんだろ?」
レオナ:「……おっと、隠しても無駄だ。」
レオナ:「敵がどこに潜んでるかもわからない中で、弱者の匂いをさせるのがどんなに危険なことかわかってんのか?」
レオナ:「こんなことなら、あの八枚舌のタコ野郎と組んだ方がずっとましだったな。」
レオナ:「とんだお荷物を押しつけられたもんだぜ。」
ジャミル:「……お荷物? ご冗談を。俺はアズールと違って、護衛としての訓練を受けています。」
ジャミル:「あんな体力のない男より役に立つことは間違いない。レオナ先輩を危険にさらすような真似はしません。」
ジャミル:「優秀なレオナ先輩なら、それぐらい理解されているものと思っていましたが?」
レオナ:「お前、本当に気付いてないのか。哀れだな。」
ジャミル:「なに……?」
レオナ:「おっと、扉だ。次の収容所に着いたな。」
ジャミル:「えっ、話はまだ……!」
ジャミル:「……ふん、あの調子じゃすぐに足元をすくわれる。」
ジャミル:「そのとき、俺の言った通り慎重に行動すべきだったと悔やめばいいさ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
オルト:「やあ。第3の『試練』の場へようこそ!」
ジャミル・レオナ:「……。」
オルト:「あれ?2人とも不機嫌そうだね。ケンカでもしたの?」
ジャミル:「お前には関係ないだろう。」
オルト:「うわあ、こわーい。八つ当たりはやめてほしいなあ。」
オルト:「心配になっちゃうよ。そんな調子で、この試練を乗り越えられるかな?」
オルト:「次は……『水を制する者は全てを制す!』」
オルト:「水に足を取られながらも、懸命に戦う者こそ真のヒーローだからね!」
レオナ:「水? 足下のこの水溜まりのことか?」
オルト:「そう。設備のオーバーヒートを防ぎ低い温度を保つための、不凍(クーラント)液だよ。」
???:「誰かいるのか!? 助けてくれ!!」
ジャミル:「人の声!?」
レオナ:「……あの転がってるケージの向こうだ!」
研究員:「頼む、助けてくれっ……」
研究員:「ごほっ、げほっ!」
ジャミル:「『S.T.Y.X.』の職員?水場に落ちたせいで、逃げそびれてしまったのか?」
ジャミル:「ここは危険です。早くそこから離れて……」
研究員:「それが、できないんだ!」
レオナ:「チッ……水中に落ちたケージと足をロープで繋がれてやがる。いい趣味してるぜ。」
ジャミル:「魔法でロープを断ち切ります。」
オルト:「おやおや〜? 簡単に切断しちゃっていいのかな?それはただのロープじゃないかもよ?」
レオナ:「なに……?」
オルト:「それはこの収容所を制御するケーブルの1つさ。断ち切ったら、全てのケージが一斉に開く。」
オルト:「正しい救助方法は……足の枷についている錠を解くこと!」
オルト:「ファントム入りのケージはとっても重いから、放っておいたらどんどん沈んじゃうよ……」
オルト:「フフッ!」
オルト:「研究員が沈んじゃう前に、鍵を見つけてあげてね。」
オルト:「では諸君! 健闘を祈る!」
研究員:「助けて! 足がケージに引っ張られて……」
研究員:「ごほっ! ごほっ!」
ジャミル:「まずい、このままではあの研究員が溺れてしまう!」
レオナ:「チッ……『試練』ってことは、どうやらコイツを助けないと先に進めないらしい。」
ジャミル:「……レオナ先輩、ここはケンカをしている場合じゃなさそうです。」
レオナ:「ああ。とっとと鍵を見つけるぞ。」
レオナ:「おいお前。オルトがどのケージに鍵を隠したか見たか? 教えろ。」
研究員:「た、助けてくれ!! く、苦しい!!いやだあーーーーーー!!!」
ジャミル:「パニックになっていて話にならない……俺たちでケージを開けていった方が早そうだ。行きましょう!」
PTM-8812
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「当たりはこのケージか?」
研究員:「なんでもいいから助けてくれーーーー!!!」
レオナ:「この男……無我夢中でもがいていて、こっちの話を聞いちゃいねえ。」
ジャミル:「それでむしろ救助が遅れることになるのに……」
ジャミル:「やはりどんなときも、冷静さを失いたくはないものですね。」
ジャミル:「……鍵が入っているかどうかはともかく、目覚めたファントムがいるのは間違いないようです。」
レオナ:「さっさと倒して、鍵を持ってるかどうか確かめるぞ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
カンッ!
ジャミル:「あっ、鍵だ! このケージで正解だったみたいです。早く外の所員の鍵を解かないと。」
研究員:「ううっ、早くしてくれえ!もう……もう息が……っ!!!」
ジャミル:「落ち着いてください、そう暴れられちゃ近づけない!」
ジャミル:「今助けますから……!」
レオナ:「……おい、待て。」
レオナ:「お前、立ってみろ。」
研究員:「え、立つ?」
……。
ジャミル:「おい……」
ジャミル:「真っ直ぐ立ったら、せいぜい胸ぐらいまでの水深しかないじゃないか!」
研究員:「無我夢中で暴れてたから気付かなかった……。」
レオナ:「『S.T.Y.X.』には間抜けしかいねえのか?」
研究員:「ううっ……学生に馬鹿にされている……。」
研究員:「恐怖のあまり、冷静な判断ができていなかったようだ。すまない……。」
レオナ:「ヘコんでる暇があったら、この先に進むためのパスワードなりIDカードなりを寄こせ。」
レオナ:「ここの所員なら持ってんだろ?」
研究員:「ああ……。私がこのまま付いていっても、足手まといになるだけだな……。」
研究員:「すまない、嘆きの島を……」
研究員:「世界を、守ってくれ!」
ジャミル:「お約束はできませんが、最善を尽くします。」
PTM-5044
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「今度はこれだな。」
ジャミル:「じゃあ、開けますよ。」
ジャミル:「フッ!」
ジャミル:「…………なにも起こらないな。もしかして、空のケージだったのか?」
ジャミル:「俺が中を確認してきます。レオナ先輩はここに……」
レオナ:「馬鹿、迂闊に近付くんじゃねえ!」
???:「グギャアアア!!」
ジャミル:「ッ!!」
レオナ:「ったく、世話が焼ける……。」
ジャミル:「レオナ先輩……!」
レオナ:「感動してる暇は無いぞ。」
レオナ:「構えろ!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「コイツは……外れだったか。」
ジャミル:「……先程は助けていただいてありがとうございました。」
ジャミル:「一刻も早くご恩をお返しできるよう善処します。」
レオナ:「誰もそんなこと期待してない。ほら、次に行くぞ。」
ジャミル:「むっ……!」
ジャミル:「……厄介ごとづくめでも、レオナ先輩と行動を共にした方が都合がいいのは事実。」
ジャミル:「仕方ない。ここは辛抱だ。」
PTM-3187
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
ガンガンッ
レオナ:「中でファントムが暴れてやがる。ずいぶんと生きが良さそうだ。」
ジャミル:「そうですね。扉が開いた瞬間に飛び出してくるかもしれません。」
ジャミル:「魔法を撃つ前に、ケージと少し距離を取るとするか。」
ジャミル:「レオナ先輩もいったん後ろに……」
ジャミル:「ッ、レオナ先輩!?」
レオナ:「モタモタするな。来るぞ!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「……鍵はなかったな。」
レオナ:「チッ、余計な時間を取られた。」
ジャミル:「レオナ先輩、いったいどういうつもりですか。」
レオナ:「おや、なにかご不満でも?」
ジャミル:「……今は俺がケージを開ける流れだったはず。」
ジャミル:「レオナ先輩が背後から魔法を撃つなんて想定外です。」
レオナ:「ああ、ケージを開けたかったのか。楽しみを奪っちまって悪かったなァ。」
レオナ:「逃げ腰で後退りなんざしやがるから、てっきり怖気づいたもんだと思ったぜ。」
ジャミル:「誤解です! 俺はただ、ファントムの襲撃に備えて距離を取っておこうと……。」
レオナ:「わかったわかった。それより次のケージに行くぞ。」
PTM-2510
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
ジャミル:「次は、あのケージを開けます。」
ジャミル:「(とは言ったが、このペースで魔法を使い続けるのは危険かもしれない)」
ジャミル:「(途中で魔力切れになる事態は避けたい。少しでも温存するためには……)」
ジャミル:「なっ!?レオナ先輩、勝手にケージを開けないでください!」
レオナ:「お前はそこで見てりゃいい。片付けてくる。」
ジャミル:「えっ、レオナ先輩!?待ってください!」
ジャミル:「俺が誰のために率先してケージを開けてると思ってるんだ。」
ジャミル:「くそっ、勝手なことばかりしやがって!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐収容所 ──
レオナ:「……鍵はなさそうだな。」
ジャミル:「はい、残念ながら。」
ジャミル:「ところで、さっきのことですが……。」
レオナ:「さっき? ……ああ。」
レオナ:「お前、なんで付いてきたんだ。」
レオナ:「見てろって言っただろう。」
ジャミル:「そんな言葉に従えるわけないでしょう!なにが起こるかもわからないのに。」
ジャミル:「単独行動は慎んでくださいと何度も言っているはずですが?」
ジャミル:「はあ……無駄に疲れる。次こそはお願いしますよ。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ジャミル:「…第6層につきましたね。地図が正しければ、この先に『雷霆(らいてい)の槍』を保管した格納庫があるはずです。」
レオナ:「おい。」
ジャミル:「なんですか? また文句でも?」
レオナ:「違う。」
レオナ:「……寒すぎる。」
ジャミル:「はあ? 確かにここは寒いですけど、それは今に始まったことじゃないでしょう。」
レオナ:「下からの冷気だけじゃない。どんどん風が強くなってきている……なにかいるぞ。」
ジャミル:「なにかって……」
ジャミル:「うっ! なんだこの突風は!!」
ジャミル:「風に氷が混じってる……まるで吹雪だ!」
オオオオオオーーーーー……
レオナ:「くっ、どんどん風が強くなる……それにこのうめき声……」
レオナ:「! 来るぞ!!」
── S.T.Y.X.タルタロス‐非常階段 ──
ジャミル:「なんて力だ。まさかこれが、『ファントム・タイタンズ・クリスタル』!?」
タイタン:「ジュピタァーーーードコダァーーーー!!コオラセテヤルウウゥウゥゥ!!!」
レオナ:「チッ……このままじゃ消耗戦だ。」
レオナ:「一度形勢を立て直す!」
レオナ:「王者の咆哮(キングス・ロアー)!」
ジャミル:「す、すごい……氷を、すべて砂に変えた!」
レオナ:「おい。みとれる気持ちはわかるが、ぼーっとしてる暇はねえぞ。」
レオナ:「ついて来い!」
ジャミル:「は、はい!」
レオナ:「なんとか格納庫まで来たな。」
レオナ:「こんなご大層な施設の扉だ。さぞ厳重に作られてるんだろうと思ったが……」
タイタン:「デエエエエテコオオォォイ!!!」
ジャミル:「分厚い扉が凍り付いていく……このままじゃ破壊されて、中に押し入られるのも時間の問題だ!」
レオナ:「あんな怪物とまともにやりあったら、勝ち目は無い。」
レオナ:「ここは俺が防ぐ。アイツを倒すために必要な『雷霆(らいてい)の槍』を探してこい!」
ジャミル:「はい!」
ジャミル:「Bー16の棚……あった、これだ!」
ジャミル:「これが、槍……? 俺の身長よりも大きいじゃないか!」
ジャミル:「こんな巨大な物体、いったいどうやって扱うんだ。」
ジャミル:「いや、ナビシステムが働けば使い方はわかるはず。」
ジャミル:「所員が言っていたとおり、起動キーを差し込んで……」
ナビ:「コード:ティタノマキア。緊急レベルAの突発重大事案発生と認定。」
ナビ:「全魔導回路を解放。充電率100%。」
ナビ:「『雷霆(らいてい)の槍』起動します。」
ナビ:「操縦者の指紋登録を行います。パネルに手を触れてください。」
ジャミル:「パネルに……手を……ッ!」
ジャミル:「…………いや、だめだ。もし指紋登録に成功したとしても……」
ジャミル:「『雷霆(らいてい)の槍』からほとばしる強大な魔力……俺ではとても制御できない!」
ナビ:「操縦者の指紋登録を行います。パネルに手を触れてください。」
ナビ:「操縦者の指紋登録を行います。」
ジャミル:「……くそっ! レオナ先輩を呼びに行こう!」
タイタン:「ゼンブ、ゼンブ、コオレエエエ!!!!ウガアアアアア!」
レオナ:「寝起きの悪い野郎だ。そんなにぐずるんじゃねえよ……!」
ジャミル:「レオナ先輩!『雷霆(らいてい)の槍』を見つけました!」
レオナ:「ようやく戻ってきやがったか。」
レオナ:「『雷霆(らいてい)の槍』のところに向かうぞ。案内しろ。後ろは俺が守るから、振り返らずに進め!」
ジャミル:「は、はい!」
ジャミル:「あそこで光っているのが『雷霆(らいてい)の槍』です!」
ナビ:「操縦者の指紋登録を行ってください。操縦者の指紋登録を行ってください。」
レオナ:「フッ、今回はいい子に“待て”ができたみたいだな。」
ジャミル:「……はい。「探してこい」と指示されたので。」
レオナ:「それでいい。」
ナビ:「操縦者の指紋登録を行ってください。操縦者の指紋登録を行ってください。」
レオナ:「わかったわかった。サイチョウみたいに騒がなくても聞こえてる。」
レオナ:「このパネルに触れりゃあいいんだな。」
ナビ:「操縦者の登録完了。安全装置のロックを解除。照準サポートモードにて起動します。」
レオナ:「なんだこの重さとパワーは……くっ、浮かせるだけでも一苦労だ。」
レオナ:「まったく、手のかかるモン作りやがって……」
レオナ:「それとも、『S.T.Y.X.』の連中はコイツを軽々と使いこなすのか?」
ジャミル:「(嘘だろ……レオナ先輩でさえ手こずるなんて。もしあのとき、俺が操縦者登録をしていたら……)」
タイタン:「ウヲオオオ!ドオオオコダアアアアアア!!!」
レオナ:「……もう追いついてきやがったか。」
レオナ:「いいか。今からあのデカブツの鼻っ柱をへし折る。だが……」
レオナ:「さすがにこのじゃじゃ馬を使いこなすには少し時間がいる。狙いを定めるまで、魔法で時間を稼げ。」
ジャミル:「はい!」
タイタン:「オオオオォォー!!」
ジャミル:「よし! タイタンが『タルタロス』の穴に落ちた!」
レオナ:「はあ……嫌な相手だった。尻尾の先にまで霜が降ってやがる。」
ナビ:「『雷霆(らいてい)の槍』のバッテリー残量が低下しています。残り10%です。」
ナビ:「充電ステーションに設置してください。」
レオナ:「ああ? 今のでもうへばったのかよ。」
ジャミル:「無理もありませんよ。それほどに、凄まじい威力でしたから……。」
レオナ:「チッ。めんどくせえ。だがこの先何が待ってるかわからない以上、充電する以外の選択肢がないな。」
レオナ:「いくぞ。」
レオナ:「フル充電まで残り3時間か……。」
レオナ:「ちょうどいい。非常用の食料もあるし、しばらくここで休憩だ。」
ジャミル:「……はい。」
ナビ:「『雷霆(らいてい)の槍』充電完了。全魔導回路異常なし。」
ジャミル:「レオナ先輩、充電が終わったみたいです。」
ジャミル:「……レオナ先輩?」
レオナ:「ぐー……。」
ジャミル:「寝てる!? 嘘だろ、こんな非常事態に!?」
ジャミル:「レオナ先輩、起きてください!」
レオナ:「ふあーあ……充電は終わったか?」
ジャミル:「はい。格納庫に保管されていた食料と、医薬品も集めてきました。いつでも出発できます。」
レオナ:「……おい。俺は休憩しろって言ったはずだが?」
ジャミル:「でもこの先、またあんな敵が出てくる可能性もあります。気は抜けません。」
ジャミル:「次に補給できるのは2つ下の、第8層ですよ。そこまでもたなかったときのことを考えて……」
レオナ:「あーあー、わかったわかった。お前がそうしたいならそうすりゃいい。」
レオナ:「ほら、さっさと行くぞ。」
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