【ストーリー】EPISODE 6-82 悲嘆ビューティー!

| EPISODE ◆ 6-82 悲嘆ビューティー! 冥府の番人 |
登場人物
マレウス、ヴィル、リリア、ルーク、エペル、グリム、デュース、エース
テキスト全文
── 運動場 ──
マレウス:「お前たちが攫われて、まだ2日ほどしか経っていないと思っていたんだが……。」
マレウス:「いつの間にか7、80年ほど過ぎていたのか?」
マレウス:「人間は短命な種族だとは思っていたが、よもやこれほどとは……。」
ヴィル:「ちょっと! 縁起でもないこと言わないで。」
ヴィル:「今そういう妖精ジョークで笑える気分じゃない。」
ヴィル:「ううっ……。」
リリア:「その姿。ヴィル、お主さては『嘆きの島』に封じられた『冥府』に立ち入ったな?」
リリア:「『冥府』は生者が立ち入れば、たちまち生気と魔力を奪われて命を落としてしまう。」
ルーク:「ああ。実は昨晩……」
ルーク:「『冥府』の門の封印が解かれ、世界中にブロットとファントムが撒き散らされようとしていた。」
リリア:「なんと……!」
ルーク:「ヴィルはそれを止めるために危険を顧みず『冥府』へ飛び込んで……。」
ヴィル:「……なんてバカなことしたのかしら。」
ヴィル:「元の生活に戻るために頑張った結果がこんな姿なんて……本末転倒もいいところよ。」
ヴィル:「でも、あの時はただ夢中で……」
ヴィル:「ううっ。」
リリア:「そうか。まずは、よくぞ生きて戻った。」
マレウス:「つまりシェーンハイトは時を重ねて老いたわけではなく……」
マレウス:「生気と魔力が枯渇し、そのような姿になっているということか。」
ルーク:「ああ。『嘆きの島』では処置ができず、急いでここへ戻ってきたんだ。」
リリア:「花の盛りの若者が、なんと不憫な……。」
リリア:「のう、マレウスよ。」
リリア:「『冥府』に封じられていた魑魅魍魎どもが解き放たれていれば……」
リリア:「我らが故郷、『茨の谷』も無事ではすまなかったはずじゃ。」
リリア:「『茨の谷』の次期当主として、かの者の労に報いてやるべきではないか?」
マレウス:「ふっ。お前がなにを望んでいるのかわかるぞ、リリア。」
マレウス:「以前VDCのステージを直してやったとき、シェーンハイトに貸しひとつだとは言ったが……」
マレウス:「此度の働きは、その貸しを返してなお余りある。」
マレウス:「いいだろう。では……お前の働きに、褒美をとらす。」
ヴィル:「は? 褒美……?」
マレウス:「僕であっても時間を巻き戻すことはできない。だが、少しばかり魔力を分けてやることはできる。」
ヴィル:「え?」
マレウス:「シェーンハイト、お前に祝福を。」
マレウス:「……さあ、あるべき姿へ戻れ!」
ヴィル:「え……あっ? ア、アタシ……。」
ヴィル:「嘘っ!! 元の姿に戻ってる!?」
ルーク:「ああ、いつもの……18歳の姿だ!」
エペル:「やりましたね、ヴィルサン!」
ヴィル:「キャーーー!! やったぁ~~~!!」
ルーク・エペル:「ヴィル!?/ヴィルサン!?」
ルーク:「突然仰向けに倒れるなんて……やはりまだどこか具合が!?」
ヴィル:「違うの。安心したら腰が抜けたみたいで……」
ヴィル:「あはっ、あははははっ!」
エペル:「わいは、なんだんずよ!びっくりさせねんでください!」
プッ……アハハハハハハハハ!
グリム:「わんわん泣いたりギャーギャー喜んだり、ヴィルのヤツずっと百面相してるんだゾ。」
選択肢:
├ [ 一件落着、かな? ]
└ [ また助けてくれてありがとう、ツノ太郎! ]
マレウス:「戻ったか、ユウ。……うん。お前はどこも枯れていないようだ。」
デュース・エース:「ユウ〜〜!! グリム〜〜〜!!」
グリム:「あっ、エース! デュース!!」
選択肢:
├ [ ただいま! ]
└ [ 2人とも、怪我は大丈夫? ]
── 分岐:【ただいま!】 ──
エース:「なーーーーーにが「ただいま!」だ!!!!こンのバカタレが!!」
グリム:「あいでっ! なんでオレ様までどつかれなきゃなんねぇんだ!?」
エース:「るせーっ! どつくくらいで済ませてやることをありがたく思え!」
── 分岐:【2人とも、怪我は大丈夫?】 ──
デュース:「ああ、僕たちはもう平気……」
デュース:「って、そうじゃないだろう! このバカッ!」
グリム:「あいでっ! なんでオレ様までどつかれなきゃなんねぇんだ!?」
デュース:「「なんで」だぁ!? ふざけんな!まだどつきたりねぇくらいだ!」
────
グリム:「ハァ!?」
デュース:「保健室で目を覚ましたら、ハント先輩とエペルとユウがいないって騒ぎになってて……」
エース:「多分ルーク先輩たちと一緒だろうとは思ってたけど……」
エース:「スマホの電源は切れてるわ、先生たちの追跡魔法でも行方がわからねーって言われるわで……」
デュース:「僕たちがこの2日間、どんな気持ちでいたと思ってんだ……!!」
選択肢:
├ [ 心配かけてごめん ]
└ [ だって、いてもたってもいられなくて…… ]
エース:「も~~~~~………。ウインターホリデーの時といい、ホント勘弁しろよ。」
デュース:「見たところ、ふたりとも大怪我はしてないみたいだな。良かった……。」
グリム:「…………ニャハッ。にゃははっ!」
エース:「おいコラ、グリム。なにニヤニヤしてんだよ!笑いごとじゃねーぞ!」
グリム:「さてはオメーら、オレ様がいなくて寂しかったんだろ〜?」
デュース・エース:「んなっ!?」
グリム:「やっぱ親分がいねーとダメなんだな。まったく、素直じゃねーヤツらなんだゾ!」
デュース:「お前は〜。そうやってすぐ調子に乗る……」
デュース:「ん?」
グリム:「オ、オレ様、ホントに帰ってきたんだ……グスッ……ううっ!」
グリム:「オマエらにはもう2度と会えないかもって、オレ様……オレ様……」
グリム:「ふなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
エース:「うわッ! 急になんだよ!」
デュース:「こらグリム! 寮服に鼻水を擦り付けるんじゃない!」
エース:「素直じゃねーのはどっちだよ。……ったくさぁ。」
デュース:「ふたりとも、あとでクルーウェル先生にこってり絞ってもらえよな。」
リリア:「くふふ。これぞ青春よの。」
マレウス:「…………リリア。」
リリア:「ん?」
マレウス:「先程のシェーンハイトの姿は、」
マレウス:「『冥府』に近付いたことによる魔力と生気の“消耗”によって起こった変化だった。」
マレウス:「だから今回は僕が魔力を与えることにより、元に戻せたが……」
マレウス:「人間という生き物は、何事もなくとも100年足らずでみんなあのように枯れてしまうんだろう?」
マレウス:「なんて脆い……。」
リリア:「そうじゃな。」
リリア:「ヒトの命は糸車で紡がれた絹糸のように細く、簡単に途切れてしまう。」
リリア:「だが、儚く弱い存在だからこそ……」
リリア:「互いに結びつき、折り重なることで、強くしなやかな歴史を織りあげることもできる。」
リリア:「それが我ら夜の眷属の隣人。人間(ヒト)という生き物じゃ。」
マレウス:「………………。」
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