【ストーリー】EPISODE 5-3 庶民ポピュラー!

| - 庶民ポピュラー! 美貌の圧制者 |
登場人物
ヴィル、イデア、リドル、リリア、クロウリー、アズール、レオナ、カリム、Mira
テキスト全文
── 鏡の間 ──
ヴィル:「フン。相変わらずよく回る口ね、アズール。」
ヴィル:「そんなの当然すぎて自慢にもならないわ。大袈裟に騒がないでくれる?」
イデア:「あー、インフルエンサーといえば……今年の『VDC』は、ヴィル氏だけじゃなく」
イデア:「“あの”ネージュ・リュバンシェも出場する予定なんでしょ。」
イデア:「何日か前に、ネットニュースで騒がれてた。そらメディアも飛びつきますわなー。」
リドル:「ネージュ・リュバンシェ……」
リドル:「ああ、確かに数日前に登録申し込みがあったね。」
リドル:「ロイヤルソードアカデミーの代表生徒で、2年生か。」
ヴィル:「………………。」
リリア:「おお。ネージュといえば、愛らしい顔立ちと素朴な人柄で好感度ナンバーワンの人気俳優じゃろ。」
リリア:「ここ最近、テレビやネットで顔を見ない日はないくらいじゃ。」
リリア:「まさかロイヤルソードアカデミーの生徒だったとは。」
イデア:「それ。リア充憧れの的ってかんじ……。つか、ディアソムニアの人でもテレビとか見るの?」
リリア:「くふふ。当たり前であろう。わしらとてハイスクールに通う学生だぞ。」
リリア:「ドラマも見るし、ゲームもするわい。」
イデア:「へ、へぇ……意外すわ……。」
クロウリー:「ヴィル・シェーンハイトくんとネージュ・リュバンシェくん。」
クロウリー:「今年の『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ』は世界的人気を誇る2人の芸能人が出場する。」
クロウリー:「過去最高の注目度と言っても過言ではありません。」
クロウリー:「ローズハートくん。当日のトラブルを避けるためにも準備は入念にお願いしますよ。」
リドル:「は、はい。」
リドル:「……なんだか、思っていたより大変なことになりそうだ。」
アズール:「運営に不手際があれば、押し寄せたファンによる暴動が起きる可能性もある。」
アズール:「リドルさん。ご不安があるなら私が特別に力になりますよ。」
アズール:「なにせ、寮対抗マジフト大会の騒ぎで得たノウハウがありますので。」
レオナ:「おい、タコ野郎……そのペラペラよく動く舌乾かして干物にしてやろうか?」
アズール:「おお怖い……フフフ。」
リドル:「手伝いは必要ないよ、アズール。キミに“特別な”借りは作りたくないからね。」
リドル:「後でなにを対価に要求されるかわかったものじゃない。」
リドル:「自分の担当業務だけきちんとこなしてくれ。」
アズール:「おや、それは残念。気が変わったらいつでも声をかけてください。」
アズール:「慈悲の精神でいつでもお手伝いしますよ。」
カリム:「うんうん。なにか困ったことがあったらすぐに声をかけてくれよ、リドル。いつだって力を貸すからさ。」
カリム:「祭りの当日が待ち遠しいぜ〜!」
イデア:「ハァ~~~……陽キャは毎日楽しそうでいいですな。」
イデア:「僕なんか、どうすればステージに立たずに研究発表できるかで毎日頭がいっぱいだってのに……」
イデア:「僕が舞台に立ったら、会場中から「え? 髪燃えてない?」「もしかしてシュラウド家の……」」
イデア:「「どんな不気味な研究を?」とかヒソヒソされそうで……」
イデア:「あぁ~、つら……。拙者のような陰(いん)の者には人前で発表とか難易度EXすぎ。」
リドル:「イデア先輩。研究者本人がステージに立つのは発表会の規則(ルール)です。」
リドル:「例外は許可できませんからね。」
イデア:「はい出た、リドル氏の固有スキル『規則(ルール)厳守』。それマジで合理的じゃないと思うんだが?」
イデア:「だいたい、僕のギーク丸出しボソボソトークより、」
イデア:「合成音声ソフトのほうが絶対スムーズで聞き取りやすいよ。」
リドル:「今ボクたちとは普通にしゃべれていますよね?」
イデア:「しっ、しし知り合いとのオンライン通話と、見知らぬ人に囲まれる研究発表を一緒にしないでくれます?」
イデア:「発表後の質疑応答とか、普通に無理なんだが?」
リドル:「開催までまだ約1ヶ月以上あります。」
リドル:「まず大きく口を開けて堂々とハッキリしゃべる練習をなさっては?」
リドル:「ボクでよければ放課後訓練に付き合いますが。」
イデア:「ヒッ……と、と、当日までに自力でなんとかするから結構です。」
イデア:「鬼教官リドル氏の特訓周回イベとか絶対やだよ……。」
リドル:「よろしい。イデア先輩の堂々たる研究発表を楽しみにしています。」
リドル:「──運営委員会からの報告は以上です。」
クロウリー:「では、本日の寮長会議はここまで。各寮、当日に備えて準備を進めてください。」
ヴィル:「………………。」
── ポムフィオーレ寮‐ヴィルの部屋 ──
ヴィル:「──“Mira,Mira”教えてちょうだい。」
Mira:「はい。なにを検索しますか?」
ヴィル:「今この時、最高に美しいのは誰?」
Mira:「“美しい メンション数第1位 アカウント”についてのWeb検索結果は……」
Mira:「ネージュ・リュバンシェです。」
ヴィル:「ネージュ……!」
ヴィル:「……ついに、この時がきたわ。」
Mira:「申し訳ありません。聞き取れませんでした。」
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