ダヴァンのプロフィール
ダヴァン 'Davan' | |
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ダヴァン
プロフィール
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エピソード
オルダーナ帝国第十二騎士団の団長を務め、帝国内
外において"英雄"として知られている騎士。
オルダーナ帝国軍部の中でも歴戦の勇士として知ら
れており、"十賢臣"と呼ばれている人物たちと比べ
ると地位こそはそこまで高くはないが、その実績や
実力から帝国騎士の代表的存在とされている。
特に一般兵士たちからの人気は高く、一部の信奉者
が彼の名前入りTシャツを作り、配布しているほど
である。
またダヴァンは空艇の機動力に早くから注目し、帝
国の最新鋭の空艇をその指揮下に組み込んでいる。
そのため、彼の麾下の騎士団は空艇部隊としての側
面も持っており、縦横無尽にグランゼリアを飛び回
り、各地で凶悪な魔獣相手に帝国の武勇を示し続け
ている。
その力量からー騎士団の団長などではなくもっと高
い地位に就いて然るべきと言われているが、ダヴァ
ン当人は帝都に長く滞在することはなく、常に現場
に身を置くことを良しとしているという。
ダヴァンのことを古くから知る近衛師団師団長グラ
ナダス、そして冒険者ギルドのギルドマスター・ペ
イランドは、彼の現場主義について次のように語っ
ている。
グラナダス「フン⋯アイツが机仕事をしてくれるよ
うなら、ワシはもう少し楽できたんだろうがな。
そもそも、帝都だけに収まるような男ではないのだ
から仕方がない」
ベイランド「ダヴァンは、いつもここぞという時に
その場に居合わせ、そして期待以上の働きをする。
それこそ、小憎いくらいにな。
最前線でこそ輝く⋯ヤツはそういう男だ」
一方で、ダヴァンが高い地位を望まず、なおかつ帝
都に長く滞在しない理由については、派閥としては
皇帝派寄りの彼が、帝国軍総帥である皇太子ローラ
ンドと不仲であるため、という噂も存在してる。
現在では帝国騎士の代表的存在とまで言われている
ダヴァンだが、オルダーナ帝国軍に入隊した当初は
騎士などではなく、ただの一般兵士の1人でしかな
かった。
元々ダヴァンは貧しい家の出であり、帝都には幼い
頃に職を求めてやってきた父親とともに移住してき
たとされている。
だが彼の父親は安定した職に就くことができず、貧
困の中で病により死去。その時17歳だったダヴァ
ンは、食うため帝国軍に兵士として入隊する。
軍でのダヴァンの一番最初の役割は、ロダール港の
警備であった。だが当時より彼の戦闘力は群を抜い
ており、襲撃してきた海洋魔獣を1人で撃退すると
いう功績を上げる。
ダヴァンの能力を認めたロダール港の警備隊長は、
彼を一兵士のままで終わらせるのは惜しいと考え、
騎士訓練校へ特別推薦する。
警備隊長からの援助を受けたダヴァンは、騎士訓練
校に通い、そこで無二の親友と呼べる人物と出会っ
たとされている。
やがて正式な騎士となったダヴァンは、第十二騎士
団に配属される。その団長は、かつてダヴァンを騎
士訓練校に推薦したロダール港警備隊長であった。
自分の力を認めてくれる上司のもとで順調に功績を
積み重ねていったダヴァンだったが、その一方で帝
国騎士としての活動とは別に、親友とともに遺跡で
の調査、冒険なども行っていたとされている。
ちなみに彼が冒険者ギルドのギルドマスター・ベイ
ランドと知り合ったのもこの時期で、きっかけはそ
の"個人活動"だったと言われている。
やがてダヴァンの恩人であり、上司でもあった第十
二騎士団団長が騎士を引退することになり、後維者
としてダヴァンが指名される。
団長の引退は魔獣との戦いで深手を負ったことによ
るものであったが、その戦いの時ダヴァンは遠く離
れた場所に任務で赴いていた。
彼は自身が団長の側にいなかったことを、深く後悔
していたとされている。
そして第十二騎士団団長に就任したダヴァンは、同
時期に無二の親友が帝国騎士団から去ったこともあ
り、部下たちの模範となるべく徐々に行動を改める
ようになったという。
第十二騎士団団長に就任し、空艇でグランゼリア各
地を飛び回って活躍するようになったダヴァンは、
帝国軍の中でますますその名が知られるようになっ
ていった。
その中でも、彼の名声を一層高めたのはなんといっ
ても港街グラナダでの防衛戦であろう。
ある時、グラナダが巨大な熊魔獣に襲われていると
の連絡を受けたダヴァンは空艇で現場に急行。
現場の警備兵たちとともに戦い、暴れていた熊魔獣
をなんとか鎮めることに成功する。
ダヴァンは愛用の戦斧で熊魔獣にとどめを刺そうと
するが、なんと被害を受けた側であるはずのグラナ
ダ兵士より熊魔獣の助命嘆願が寄せられる。
聞けば、この熊魔獣はこの辺り一帯の守り神的な役
割を果たしており、これまでメルボリア洞窟などで
迷った兵士や旅人たちを助けていたのだという。
状況に疑問を感じたダヴァンは、思い切って熊魔獣
に直接問いただした。
「魔獣が人間を襲うようなヤツばかりじゃねーこと
は、俺も知ってる。
お前さん、ここいらの守り神みてーなことやってた
んだってな。そんなアンタが、なぜグラナダを襲お
うとしたんだ?」
ダヴァンの質問に、熊魔獣は自身に起きたことを語
り出した。
熊魔獣はグラナダ兵士が言っていたように人を襲う
ようなことはせず、むしろ自身の縄張りに迷い込ん
だ人間などを救っていた。
だが半年ほど前、突如現れた魔導師の一団に襲われ
て敗北。呪いを掛けられてしまい、それ以降破壊衝
動に苛まれるようになってしまったのだという。
ランゼリアのどこかにあるとされる霊葉を使えば呪
いは解けるかもしれないが、今からその霊薬が見つ
かるはずもない。
再び破壊衝動に飲み込まれる前に自分を殺してほし
い⋯そう熊魔獣はダヴァンに頼む。
だが、ダヴァンはこう答えた。
「フン⋯人を助けていたっていうアンタをこのまま
殺せるかよ。現に、グラナダの兵士たちはアンタを
助けてくれって言ってるんだ。
まあ、ちょっとだけ待っていろ」
ダヴァンはすぐに空艇で飛び立ち、その数時間後に
この場に戻ってくる。
そしてその手には、霊薬が握られていた。
霊薬により正常に戻った熊魔獣はダヴァンに礼を言
い、棲家である山に戻って再び迷い人たちを助けた
という。
熊魔獣を救ったダヴァンの行為は魔獣排斥派から批
判を受け、騎士団団長の任を解くべきだと主張する
者すらいた。
だが魔獣排斥派の急先鋒であるはずの皇太子ローラ
ンドは、なぜかダヴァンを重く罰するようなことは
せず、しばらく謹慎させるだけの処分にとどめた。
それは帝国軍全体の影響を考えての処分だったとさ
れているが、一説では、熊魔獣に呪いをかけたそも
そもの魔導師というのがローランドー派の手の者で
あり、下手に事を荒立てて真相を究明されることを
恐れたため、という噂も存在している。
ともあれ、この事件を知った兵士たちはダヴァンを
「味方だけでなく戦った相手すらも救う将軍」と称
賛し、その名声は一層高まったとされる。
ダヴァンが熊魔獣を救った逸話で、彼が空艇でどこ
に行き、何をしたのかは、残念ながらオルダーナ帝
国の記録では記されていない。
だがブレイズ側の記録により、その時のダヴァンの
行動を知ることができる。
ダヴァンが空艇で向かった場所⋯それはなんとブレ
イズ本拠地であった。
当時ブレイズ本拠地を警護していた戦士ディルモー
ドは、回顧録に次のように書いている。
「オルダーナ帝国の空艇がこの拠点に接近したとの
報告を受け、周囲に緊張が走った。
当然であろう。我がブレイズは日々軍事力の増強を
図っているが、まだ世界帝国であるオルダーナに勝
てるほどの力はない。
私もすぐに警戒態勢の強化と、拠点周辺への偵察を
部下に命じた。
そんな時であった⋯あの男が単身この拠点に現れた
のは。
ダヴァンと名乗ったその男は何も武器を携えずに私
たちの前に現れ、自分がオルダーナの騎士であると
告げた。
そして、ただ「話を聞いて欲しい」とだけ言った。
オルダーナの騎士が現れたことに、部下たちは殺気
立ったが、私はそれを制止した。
相手にとってもこちらは敵対組織の本拠地だ。
そこに単身で乗り込んできたということは、尋常で
ない覚悟と目的を持っているに違いない。
私は部下たちを下がらせ、直に彼の話を聞くことに
した。
男の話によれば、オルダーナ大陸にいる熊魔獣が呪
いに苛まれて苦しんでいるので、それを癒やす霊薬
が欲しいとのことであった。
その話が嘘偽りなどではないことは、男の目を見れ
ばすぐに分かった。
確かにその霊薬はブレイズが所有しており、私の権
限で渡すこともできなくはない。
そして、遠く離れた場所で苦しんでいる魔獣のため
である。拒む理由もない。
だが霊薬を渡す前に、私は気になっていたことを彼
に尋ねた。
帝国騎士であるお前が、なぜ魔獣のためにそこまで
やるのだ?⋯と。
すると男はこう言った。
「あの魔獣は自分を殺してくれと言った。
魔獣だろうが人だろうが、そんなヤツを殺せるもの
かよ。少なくとも俺は御免こうむる。
だったら、救うしかない。それだけの話さ」
その答えに、私は不思議と納得をした。
そして霊薬をこの者に授けることに決めた。
霊薬を手にした男は「騒がせて悪かったな」とだけ
言い、このブレイズ本拠地から去っていった。
おそらくは、近くに停めてある空艇に戻っていった
のであろう。
私はこれまでオルダーナ帝国など大したことはない
と思っていた。
無論、相手は現在グランゼリアを支配している国家
である。
正面から当たれば、ブレイズに勝ち目はない。
だが、魔獣を迫害し、偏った思想のもとでの統治が
続いたならば、いずれ必ず綻びが生じ、打倒できる
と考えていた。
しかし、帝国の騎士の中にあのような男がいるのな
らば、侮ることはできない。
いずれ、帝国と戦う時が来るであろう。
その時は心してかからねば⋯」