ベイランドのプロフィール
ベイランド 'Beyland' | 剣聖ベイランド Blademaster 'Beyland |
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プロフィール
性別 | タイプ | 種族 |
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男性 | ソルジャー | 人間 |
英装 | 十賢臣 |
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職業 | ギルドマスター |
武器 | 剣 |
出身 | オルダーナ大陸 |
誕生日 | 11月10日 | 年齢 | 65歳 |
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身長 | 181cm | 体重 | 72kg |
3サイズ | 84/72/83 |
趣味 | 髪と髭の手入れ |
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特技 | 相手の実力をひと目で看破できる |
癖 | キレイな女性に目を向けてしまう |
長所 | 危険感知能力 |
短所 | 世間の流行を追おうとしているが追えていない |
性別 | タイプ | 種族 |
---|---|---|
男性 | ソルジャー | 人間 |
英装 | 剣聖 |
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職業 | ギルドマスター |
武器 | 劍 |
出身 | オルダーナ大陸 |
誕生日 | 11月10日 | 年齢 | 60歳 |
---|---|---|---|
身長 | 181cm | 体重 | 72kg |
3サイズ | 84/72/83 |
趣味 | 趣味髪と髭の手入れ(念入りに) |
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特技 | 研ぎ澄まされた感覚での簡単な未来予測 |
癖 | 身体を動かさないと落ち着かない |
長所 | 自然体でありながら、隙がない |
短所 | 美しい女性がいると気がそれる |
エピソード
冒険者ギルドのギルドマスターでありながら、オルダーナ帝国魔獣討伐隊の総指揮官。そして帝国評議会議員⋯通称"十賢臣"の一員。
グランゼリア各地に点在する冒険者ギルドのギルドマスターであるべイランドは、剣の達人として知られており、人々より「剣聖」と讃えられている。
これまで知られているだけでも数千体の魔獣を討伐したとされ、冒険者たちの羨望の的であり、まさに生ける伝説とも言っていい存在である。
また冒険者ギルドのギルドマスターを務める傍らで帝国魔獣討伐隊の総指揮官も務めているが、これは現皇帝よりその腕を見込まれ、直々に乞われて就いた役職である。
帝国軍全体の中ではそこまで大きな権限は持っていないが、長年魔獣と戦ってきたその知識は他者を凌駕しており、帝国の対魔獣最大戦力を管理してる第三騎士団将軍ランスヴェルでさえ、魔獣との戦いで彼に助言を乞うことが少なからずあるという。
一方で、帝国中枢を担う十賢臣の一員としての彼は政治に関与するような発言をほとんどしておらず、おそらくはあえて控えているものだと思われる。
しかし、世界各地で活動する冒険者らと帝国騎士たちとの間で大きな揉め事がほとんど起こらず、円滑に魔獣討伐が行われていることは、十賢臣としての彼の陰ながらの活動によるものであることは、疑いようのないことであろう。
現在、数々の要職を兼務しているベイランドだが、かつてはただの一介の冒険者に過ぎなかった。
彼は二十代前半の頃にどこからともなくふらりと帝都の冒険者ギルドに現れたとされており、その出自は不明で、ベイランド自身も自分の生まれについては語ろうとはしない。
ただ、冒険者として活動し始めた当初からすでに卓越した剣技を持っており、当時の名だたる魔獣たちを次々と討伐し、またたく間にその名を上げていった。
その一方で、若い頃のベイランドは女性に惚れやすいことでも有名で、度々色恋沙汰の騒動を起こしている。
中でも有名なのは、一緒に冒険をしたパーティーメンバーの女魔導師へ求婚しようとした話であろう。その女魔導師に惚れた彼は、求婚するために魔竜が守るとされる聖なる指輪を求め、1人で密かに探索の旅に出た。
半年ほどの旅の末、魔竜を倒して指輪を手に入れたベイランドだったが、彼が帝都に帰還した時には女魔導師はベイランドの友人であった戦士と幸せな婚約をした後であった。
ベイランドはショックを受けつつも、その戦士の元へ訪問。満足に婚約指輪を買う金もなかった友人に聖なる指輪を渡す。
「俺からの餞別だ。結婚するにしても、指輪なしでは格好がつかないだろ。
こいつを贈って、あの子を笑顔にしてやれ」
その後、自分の気持ちなどおくびにも出さずに2人の結婚式を笑顔で見届けたベイランドだったが、その日の夜は、後に"英雄"と呼ばれることになる年下の友人を巻き込んで盛大にやけ酒をあおったとされている。
ちなみに、現在その女魔導師と戦士は冒険や戦いなどから引退し、帝都にて魔導具と武器を取り扱う店「マーサ&コディ」を開いており、冒険者たち御用達の店として大変繁盛している。
もちろん2人とべイランドとの仲は、今も良好である。
やがて冒険者としてベテランの域に達したベイランドは、単なる腕利きの戦士としてだけでなく、魔獣討伐の第一人者として周囲より認知されていくようになっていった。
そして前ギルドマスターの引退に伴い、その地位に就任することになる。
実は、ベイランド自身は当初ギルドマスターなどになる気はなく、ずっと気ままな"ただの冒険者"でいるつもりだった。
だが当時、ギルドマスターになろうと名乗りを上げた者が非常に悪名高い人物だったため、周囲から頼まれて仕方なくその対抗馬として立候補。
そして幹部会による投票の結果、相手に大差をつけてギルドマスターに就任することになったとされている。
「ギルドマスターの地位、嬉しいかと言われれば⋯正直微妙だな。
だがまあ、なった以上、やるべきことはやるしかない」
不本意ながらもギルドマスターとなったべイランドだったが、就任してからは意外にも真面目にその運営に取り組んだ。
彼はまず世界に点在するギルドの拠点をひとつひとつ訪問し、各地の現状を視察。それらの拠点に連絡用の機械装置や早馬などを完備させて、帝都の冒険者ギルドを中心に大きな情報網を築いた。
それにより緊急性のある危険な魔獣の情報はいち早くベイランドたちギルド幹部のもとに届くようになり、適切な技量の冒険者を迅速に現地に派遣できるようになった。
ベイランドがギルドマスターに就任して以来、世界各地の魔獣による被害は目に見えて減っていくこととなり、彼の功績はやがてオルダーナ帝国皇帝の耳にも届く。
そして、魔獣討伐隊の総指揮官という独自の役職を直々に任命されたベイランドは、同時に十賢臣の地位にも就くことになり、その知識と技量を人々のために役立てていくことになっていった。
近年におけるベイランドの活躍で特に知られているものとしては、なんと言っても覇竜ガラノヴァの討伐であろう。
事の始まりは、ある日オルダーナ港に突如として覇竜ガラノヴァが襲来し、人々を襲い出したことだった。
その急報を帝都の冒険者ギルドで聞いたベイランドだったが、その時、手練の冒険者たちは皆、ほかの魔獣の討伐任務で出払っており、帝都にいたのはとても討伐に参加させられない新米の冒険者たちばかりであった。
そこで彼は誰も連れて行かず、オルダーナ港へたった1人で急行する。
現地でベイランドが見たのは、破壊の限りを尽くすガラノヴァの姿と、その暴威に怯えきった港の警護兵の姿であった。
ベイランドは警護兵を叱咤して市民を守らせ、自身は愛剣ひとつを携えてガラノヴァの前に立ちふさがる。
「お主がなぜオルダーナ港を襲ったのかは知らん。
だが人に害を為した以上、討伐させてもらうぞ」
ガラノヴァが口から放出した火球を剣によるひと薙ぎで弾いたベイランドは、建築物の間を跳躍して登り、身を翻してかの竜の上空へ大きく飛翔。
その身のこなしの美しさは、逃げ惑う市民でさえも一瞬状況を忘れて見入ってしまったほどだった。
そして、ガラノヴァの頭上を取ったベイランドは、そのまま剣でその脳天を貫く。
ガラノヴァは抵抗することすらできず、断末魔の叫びを上げて地面に墜落して絶命。
ベイランド自身は怪我一つ負うことなく、かの竜の死体の上より平然と現れたという。
「ふぅ⋯ま、こんなもんだろう」
この覇竜ガラノヴァ討伐の情報は、帝都はもちろん世界各地へとすぐに伝えられた。
そして人々はベイランドに対して、こう称賛したという。
『剣聖ベイランド、その剣技の冴えに一点の曇りもなし』
十賢臣の1人でありオルダーナ帝国冒険者ギルドのギルドマスターでもあるベイランド。
彼が数年前に自身の限界を超えた力を発現した時の姿。
その銀灰色の長髪は白く輝き現在より高齢に見えるが、今を遥かに超える力を発揮したとされる。覇竜ガラノヴァの真の姿をも単身で撃退したという噂もあるが、彼はその詳細について口にすることはしなかった。
以下の話は彼が口外していないにも関わらず、なぜか密かに広がっている噂を元に作られた英雄譚の一部である。
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「ふぅ…ま、こんなもんだろう」
オルダーナ港に襲来した覇竜ガラノヴァを倒した剣士は、その場で一息ついていた。
その剣士は冒険者ギルドのギルドマスターであり、オルダーナ帝国の十賢臣の1人でもあるベイランドだった。
華麗な剣技により一撃でかの魔竜を葬った彼だったが、その手応えのなさに不審感も抱いていた。古くから人々にその恐ろしさを謳われた覇竜ガラノヴァとは、この程度のものなのだろうか、と。だが、それでも勝ちは勝ちである。ベイランドは深く考えずに、気持ちを切り替えることにした。
彼にはまだやらなければならない仕事があるのだ。それは帝都に、この魔竜の討伐を果たしたことを連絡することであった。
帝国に覇竜ガラノヴァを倒したことを報告したベイランド。
だが数日後の夜、床に就いたはずの彼は、いつの間にか見知らぬ不思議な空間に迷い込んでいた。
とりあえず周囲を見渡したベイランドは、周囲に石碑のようなものが、数多く建てられている事に気づく。
目を凝らしてそれらをよく見てみると、そこには何やら文字のようなものが刻まれていた。
そしてその文字がどうやら名前で、しかもその名はある意味でベイランドもよく知る者たち…“英霊”たちのものであった。
周囲にあるのは石碑ではなく、墓碑だったのだ。
怪しげな雰囲気が漂う英霊たちの墓碑群…その異様な光景を前に、ベイランドはある言い伝えを思い出す。
「ふむ…聞いたことがあるぞ。英霊たちが眠る場所があると。
名前は確か…『「英霊墓場」とか言ったか」
現実感の薄い空間で、ベイランドは考えを巡らす。
もしここが本当に英霊墓場だとして、なぜ自分はこんなところにいるのか…?
もしや、これは夢なのではないか…?
そんな風に考えつつも、一方でベイランドは“自身は確かにこの場にいる”という妙な感覚も抱いていた。
そんな中、突如地の底から大気を震わせるような声が響き渡った。
「我ガ半身ヲ倒セシ者ヨ…待ッテイタゾ」
その声と同時に闇の中より現れたのは、ベイランドにとって見覚えがある存在…それどころか、先日自らの手で倒した存在…覇竜ガラノヴァであった。
死闘――まさにそう呼ぶに相応しい戦いであった。
覇竜ガラノヴァはオルダーナ港で戦った時と別の個体と思えるほどの強さだった。
ベイランドは鍛えてきた剣技で応戦するが、徐々に劣勢になっていく。
「強キ者ヨ…
貴様トノ戦イモコレデ終ワリダ!」
ガラノヴァはベイランドにとどめを刺すべく、渾身の攻撃を繰り出す。
絶体絶命の危機に、死を覚悟するベイランド。だがその直後、彼は生への渇望とともに不思議な感覚を抱く。
疾風の如きガラノヴァの攻撃が、まるで止まっているかのように緩やかに見えるのだ。
いや、ガラノヴァの動きだけではない。
周囲の動き、時間が、ゆっくり流れているように感じられた。
そして彼は目にする。自身の流れる髪が真っ白になっているのを。
なにが起きているのか分からず、刹那、唖然とするベイランドだったが、戸惑っていられるような状況ではない。
ここで躊躇などすれば、死が待っていることは確実である。
訳のわからぬままに、その特殊な感覚の中でガラノヴァの攻撃をかわし、反撃に転じる。ベイランドの斬撃がガラノヴァの身体を引き裂く。
予期せぬ反撃をまともに受けたかの魔竜は、唸り声をあげて態勢を崩した。
好機を見逃さず、ベイランドは凄まじいスピードの斬撃を連続で繰り出し、今度は彼がガラノヴァを圧倒していく。
これまで感じていた疲労など、まるでどこかに吹き飛んだかのように、ベイランドの身体は自然に、そして自在に動いていた。
だがあと一歩で倒せると思ったその時、ベイランドの身体が輝き、そして消えていく。
ガラノヴァによって英霊墓場に召喚されたのだが、その効力が切れたのだ。
「待てガラノヴァーー
逃げるつもりか…」
目が覚めた時、ベイランドは自宅の寝床にいた。時刻は朝…いつもと変わらぬ、何の変哲もない穏やかな朝であった。
むろん、家が荒らされたような形跡などもない。先程までの英霊墓場での覇竜ガラノヴァとの邂逅、そして激しい戦い…あれはすべて夢だったのであろうか?
一瞬そのように思いかけたが、すぐに紛れもなく現実であったことを確信する。
自身の髪の毛が真っ白に変わったままだったのだ。
同時にベイランドは、ガラノヴァより最後に告げられた言葉を思い出す。
(楽シキ戦イデアッタ決着ハ、次二持チ越ストシヨウ)
苦々しい表情をしながらも奇妙な充実感もあった。あの状態はおそらく心身ともに極限まで追い込まれて覚醒したものである。
あれ以上戦い続ければ、おそらく生命をも失っていただろう。
それだけではない。現時点ですでに身体に大きな違和感がある。
無理をしたことで身体のあらゆる部位が損傷しているのだ。
今の戦闘力は覚醒前よりも劣った状態に違いない。
だがそうだとしても、ベイランドに後悔の気持ちはなかった。
むしろ、これまで以上に未来に希望を持っていた。一度体感したものならば、再び体得できぬはずがない…そう確信していたからである。
(まだ遠い…だが必ずものにしてみせよう
次こそは奴を圧倒するために…)
新たな目標を得たベイランドは再び鍛錬を続ける。
まるで何も起きていなかったように日常を過ごしながら。
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噂を元にした物語はここで終わっている。
この物語が事実に基づいているかどうか知る者は誰もいない。ベイランド自身も語ることは無い。
では、実際はどうなのだろうか?
現在のベイランドの髪は銀灰色だが、白くなっていた時期があったことも記録されている。
しかし、物語のように彼が力を失っているとはとても思えない。彼が今も強力な剣士であることを疑う者はオルダーナ帝国にはいないだろう。
だが、彼は自分の全盛期は常に今だと語っている。
それは、物語にあるように一度手にした力を取り戻しつつあることをベイランドが感じているからかもしれない。