シンのプロフィール
神狩りのシン Godhunter 'Shin' | 炎獄の鬼刃シン Blazeblade 'Shin' |
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プロフィール
性別 | タイプ | 種族 |
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男性 | ソルジャー | 人間 |
英装 | 神狩 |
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職業 | 侍 |
武器 | 刀 |
出身 | モルダナ大陸 「名もなき村」 |
誕生日 | 1月23日 | 年齢 | 38歳 |
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身長 | 178cm | 体重 | 70kg |
3サイズ | 93/78/89 |
趣味 | 強者との真剣勝負。愛刀の手入れ。彫刻。 |
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特技 | 木片などを使った簡単な玩具づくり |
癖 | 佩刀時、刀の柄に手を置いてしまう |
長所 | 記憶力がいい。 |
短所 | 和装にこだわり、洋服の着用を拒む。 |
性別 | タイプ | 種族 |
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英装 | |
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職業 | |
武器 | |
出身 |
誕生日 | 年齢 | ||
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身長 | 体重 | ||
3サイズ |
趣味 | |
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特技 | |
癖 | |
長所 | |
短所 |
エピソード
破神との大戦期前後、グランゼリアを放浪した謎の剣士シン。
グランゼリアのものとも思えぬ異様な服装をして、“刀”という特殊な剣を愛用していることから、彼が異界から迷い込んだ者であることはほぼ間違いないとされている。
だが、シンがいた世界がそれがどのような場所だったのかは、ほとんど分かっていない。ただシン自身は自分のことを“サムライ”と名乗っており、それが彼の世界での戦士の名称であることが推測できる。
一説では、彼と同じ世界の者たちが住む村が、現在もモルダナ大陸のどこかに存在しているとも言われている。
シン自身はグランゼリア各地を旅し、自己鍛錬に明け暮れた。そして旅の中で強者の評判や噂を耳にすると、すぐにその者のもとを訪れて対戦。そのほとんどに勝利したという。
シンの強さを示す逸話として、次のようなものがある。
ある時、彼はある貴族の子息と対決した。
その勝負は珍しくシンが相手から挑まれたもので、貴族の子息からするとその武名が知られつつあった彼を討って、自身の名声にしようと思ったのであろう。
戦いは、シンが貴族の子息を打ち据えてあっさり勝利。勝負と呼べるか疑わしい程の力の差を見せつける結果となった。
だが、問題はその夜に発生する。
昼間の勝負に恨みを抱いた貴族の子息の取り巻きたちが、シンを襲撃したのだ。暗闇の中、十数人もの相手に囲まれたシン。
だが彼は慌てることなく、視界が不明瞭の中で電光石火ともいえる早業で、すべての相手を斬り倒していった。
戦いが終わった後、シンの身体には傷ひとつついていなかったという。
後日、シンはその時のことをこう語っている。
「あの程度のことなど、別段珍しいものではなかろう。夜討ち朝駆けの勝負など、この世界でもよくあることなのではないのか?」
各地で腕自慢の戦士と勝負を繰り広げ、その名を広めていったシンだが、歴史上で彼の名が大きく出てくるのは、神獣ラディガス討伐の話であろう。
オルダーナ大陸のマルポリア地域を訪れた彼は、異常に荒れ果てた街や土地を目にする。
聞けば、強大な力を持つ神獣ラディガスが暴れまわり、その土地に甚大な被害をもたらしているのだという。
当時のオルダーナは神聖ロダール王国の属領であったため、要所以外では警護の兵士があまり配備されおらず、しかも世界を統べる破神の眷属である神獣が相手では、よほどのことがない限り兵が動くことはなかったのである。
そこでシンは、ならば自分が、とラディガス討伐を決意する。
下手にラディガスに逆らったら、さらに怒りを買うかもしれない、と周囲はシンを止めようとするが、彼はそれらの言葉に耳を貸そうとしない。
彼にとってその討伐は、人々のためのものでもあったが、同時に“強者と戦いたい”という自身の欲を満たすためのものでもあったのだ。
やがて、再びマルボリア地域に現れた神獣ラディガスに戦いを挑むシン。
強大な力を持つラディガスは、突然現れた自身への“反逆者”に対し怒りを露わにして、苛烈な攻撃でその場を圧倒する。
防戦一方で、このまま倒されてしまうかのように見えたシンだったが、冷静にラディガスを観察。そして攻撃する際、一瞬隙を見せることを見抜く。
ラディガスがシンにとどめを刺そうと渾身の一撃を放とうとした瞬間、彼の刀はその身体を一閃。一太刀のもとに相手を両断してしまう。
その後、真っ二つにされたラディガスの死骸を目にした人々は、畏怖の念を込めてシンを「神狩り」と呼んだという。
シンによる神獣ラディガス討伐の噂は、グランゼリア全土にまたたく間に広まっていった。
そのためシンに挑む者は目に見えて減少。シンが戦いを挑んだ際、その名を聞いて慌てて戦いを辞退するような者さえも現れたという。
強敵と戦いづらくなった状況に陥り、困り果てたシンは、噂が収まるまで修行に行おうとランゼリア山脈を訪問。
さっそく鍛錬を始めようとする彼だったが、その前に突如として1人の有翼人が舞い降りてくる。
「異界からの者を確認。
これより使命を果たします…」
そう呟いた有翼人は、次の瞬間シンに向かって鋭い一撃を放つ。
突然の攻撃に面食らうシンだったが、その初撃はなんとか回避する。
だが、有翼人より繰り出される二撃目、三撃目の攻撃に、このまま避け続けるのは不可能と判断。
同時に、相手が本気で戦うに足る手練であると認識し、避けざまに斬り返しの一撃を見舞いする。
その攻撃は並の剣士程度ならば一瞬で倒すことができるほど速さと威力を持っていたが、有翼人は寸前でそれを回避。数ある羽の一部を掠ることしかできなかった。
相手の反応速度に驚くシンだったが、有翼人の方も彼の反撃は予想外のものでだったのだろう。
驚愕の表情を見せ、その場を撤退していく。
自分がなぜ襲われなければならないのか?
あの有翼人は一体何者なのか?
すでに飛び去った有翼人のことを考え、数々の疑問が思い浮かぶシンだったが、それらのことは久しぶりに真剣勝負ができる相手と巡り会えた喜びに比べれば些細なものでしかなかった。
その後、かの有翼人との再戦を望むシンは、自分が狙われているのを知りつつも、その行方を探す旅に出たとされている。
やがて破神と人類、魔獣らとの戦いが勃発する。
戦乱の中、シンは数多くの戦いに参加し、破神の眷属、神獣たちを撃破。
そして同時にかつての有翼人とも遭遇し、数々の激戦を展開していった。
それらの戦いは彼を満足させるもので、相手と奇妙な友誼のようなものを感じるほどになっていたという。
だが幾度目かの戦いの後、有翼人はシンを前にして突如として苦しみ出し、わずかの間放心。
そして再びシンに襲いかかるも、その戦い方はこれまでのものと一変。繊細で鋭い攻撃は鳴りを潜め、身体への負担など顧みずに莫大な力を放ち続ける、いわば“力任せ”なものに変貌していた。
その暴走とも言える戦いぶりに、相手が正気ではないと気づいたシンは有翼人に呼びかける。
「先程までのお前の攻撃には、何者をも貫くような鋭さ、清らかさがあった。だが、今のお前は力ばかりで何の怖さもない。長いだけのなまくら刀のようなものだ。
このような状態のお前と戦っても意味はない。正気にもどれ!」
そして相打ち覚悟の捨て身の攻撃を放つ。
防御を捨て、攻撃だけに全神経を集中させたシンは無防備な状態で相手の攻撃を受け、深手を負ってしまう。
だが、同時に彼の攻撃は有翼人をとらえ、その意識を断ち切ることに成功する。
やがて有翼人は、シンが見守る中でその意識を取り戻す。
そこにいたのは先程までとは違う、これまで彼と戦ってきた者の意識だった。
かの者はシンを見つめ、不思議そうに問う。
「なぜ自分を殺さなかったのか?」
これまでずっとシンを殺そうとしてきた有翼人からすれば、それは当然の疑問であったであろう。
だが、シンは迷いなく次のように答えたとされる。
「俺は殺しがしたいのではない。“勝負”がしたいのだ。お主との勝負、こんなくだらぬ形で終わらせるのは惜しい」
その後、戦乱の中でのこの2人の痕跡は残っておらず、その行方は分かっていない。
「シンの傷が癒えた後に再戦をしたが、その激しさゆえに開いた異界への亀裂に両者とも吸い込まれた、とも言われているが、またある説では、破神たちと「の戦いで共闘し、その後にどこかで再度決闘した、とも言われている。
どちらも信憑性の薄い話ではあるが、ただひとつ間「違いないこともある。それは、2人の間で再び熾烈で、そして素晴らしい戦いが繰り広げられたであろうということである。
異界よりグランゼリアに流されてきた"サムライ"と呼ばれる剣士。
"カタナ"と呼ばれる特殊な剣を振るい、己を鍛えるためグランゼリアの強者と戦い続けていた。
その中で、異界の存在を排除することを目的とした天使と何度も戦うこととなる。
天使との数々の激戦はシンに変化をもたらし、両者に一定の和解をもたらした。その後、彼は天使と別れて再び1人で自身の腕を磨く旅を開始する。
強さを求めるのは、シンの生涯をかけての目的だったが、今はあの天使と再会した際、決して彼女に負けぬため、そして落胆させぬため、でもあったのだろう。
次に会った時、あの天使は今よりもずっと強くなっているに違いないであろうから。
そして、グランゼリアを巡って強大な戦士や魔獣を相手に戦いを挑む日々を続けていたシンは、旅の道中においてある魔獣と出会う。その魔獣は彼がこの世界⋯グランゼリアに流された原因となった魔獣の1体であった。
因縁の相手⋯かつて勝利することができなかった存在と再会したシンは、知らぬ間に笑みを浮かべていた。
それは、今の自分がどれほど強くなったかを試すことのできる願ってもない相手だったからであろう。
彼が望んだ魔獣との戦いは双方の攻撃が入り乱れる激戦となった。しかし、その中でシンはこのままでは勝てないことを悟る。いくら攻撃を与えたところで、魔獣に致命的なー撃を与えることができなかったからだ。
己の力不足を痛感したシンは、自ら使うことを封じていたー振りの刀に手をかざす。
それは、彼の剣の師匠より預かった妖刀であった。
「鍛錬が足りなければ呑まれる」と師匠に警告されていたこともあり、これまでのシンはその妖刀を慎重に保管していたが、数々の修羅場をくぐってきたシンは
「今の俺ならば⋯もしゃ?」
という心境になっていた。
その妖刀を取り出し、シンは柄に手をかける。
すると、そこから不思議な力が身体に流れ込んでくるのを感じた。
そんなシンを見て、威嚇の声をあげる魔獣。
相手をしかと見据え、シンは跳躍とともに妖刀を抜いて横薙ぎの斬撃を放つ。
その一撃は魔獣の身体を大きく斬り裂くが、それのみでは収まらず、なんと周囲のあらゆるものをも吹き飛ばしてしまう。
妖刀のあまりの威力に驚きつつも、それを制した自分に歓喜したシンだがそれも長くは続かなかった。地の底から響くような、妖しげな女性の声がシンの心に語りかけてきたのだ。
それは妖刀に封じられた魔性の存在の声。
その声はチカラを望むシンの心をゆっくりと蝕んでいく。
そして、彼はその声に抗うことができず、意識を失っていった。
意識を失ったシンは、心の中に響き渡る声に戦慄する。
そして、彼は思い出す。
若き日、自分の師匠が片腕を代償にしてこの刀に封じた、美しく、恐ろしい妖魔⋯冥麗姫『桜月』のことを。
桜月にまったく歯が立たなかった当時の自分の不甲斐なさを思い出し、さらにチカラを求めるシン。
桜月はそれを見逃さず、彼の支配を強めていく。
再度の敗北が彼の心を弱めていたこともあり、それは確実に彼の心を蝕んでいった。
彼の心が桜月により完全に支配された時、彼の体と手にした刃は血を求めさまよい始める。
桜月が望んだのは、彼を完全な鬼へと変えること。
異界で鬼を統べた女王は、別の世界で新たな鬼の王を生み出そうとうしていたのだ。
桜月に支配されたシンは幾多の魔獣を斬り倒し、その身を徐々に鬼へと変えていった。
刀を持った鬼の噂は人里へと伝わり、彼の元へ1人の者を導くこととなる。
その者の名はルキエル。
かつて、主の命により何度も彼の命を狙った者。
そして、主の支配により一度は自身の意思を奪われたが、彼によって己の意思を取り戻した者でもあった。
シンの前に現れた彼女の姿は、従来の姿とは大きく異なっていた。
彼女もまたとある魔獣との戦いの中で強さを求めてさらなる進化を遂げていたのである。
しかし、そんなルキエルを見てもシンはまったく反応を示さず、他の存在と同じように彼女を斬ろうと襲いかかっていった。
そのことを不満に思ったのかルキエルもシンに激しく応戦する。
再び行われた2人の戦いは、シンにわずかな変化をもたらす。
それは強さに対する純粋な渇望。
桜月の誘惑をも超える、欲望であったのかもしれない。
意識を失っていたはずのシンが、かすかに自分の言葉を発したのだ。
そして、桜月の意思ではなく自らの意思で妖刀のカを引き出していく。
圧倒的な力の奔流に流され咆哮をあげるシン。
暴れ狂う力は周囲に雪塵を巻き上げた。
そして、それが落ち着いた時、その姿は従前のものと異なり鬼へと化していたのだ。
妖刀に封じられてた桜月は焦りを覚える。
(よもや自身の意思で妾から力を引き出すとは⋯!この有翼人との戦いは危険やもしれぬ)
鬼と化したシンだが、まだ身体の支配は桜月のもとにあった。
彼女は驚き身構えるルキエルをよそに、その場から逃げ去るという選択をしたのだった。
数日後、鬼と化したシンの前に再びルキエルが現れる。
シンの体を使い応戦する妖刀『桜月』だったが、ルキエルがシンに呼びかける言葉が、彼の心を確実に揺るがしているのを感じていた。
そして、それにより力を求めるシンの欲望が、自身の支配をも上回っていくことも。
何度も繰り返される剣戟の中、ついにシンの欲望は桜月の支配を凌駕する。
桜月の支配に逆らうのではない。
受け入れるのでもない。
ただただ、純粋にその力を求め続ける。
その欲望の強さが、桜月の欲望を上回ったのだ。
身体の支配を取り戻したシンは自身に鬼の力が宿っており、それを自在に操れるようになっていることを感じる。
「手間をかけたようだな」
その言葉に、ルキエルは微笑みと共に答える。
「随分と遅い目覚めですね」
やがて、顔を見合わせて満足気に笑い合う2人。
そして、どちらからともなく歩き始める。
彼らは共通の敵を理解していたのだ。
シンが妖刀に支配される契機となった魔獣、
ルキエルが覚醒する契機となった魔獣、
それぞれがひとつとなり、真の姿を取り戻そうとしていることを。
それが人々にとって大きな災厄になるだけでなく、シンの因縁の存在であるということを。
新たなる力を身に付けたシンは、さらなる道を歩み始める。
誰にも負けぬ、心と強さを目指して。