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ティンキリのプロフィール

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作成者: ゲストユーザー
最終更新者: ゲストユーザー
歌姫ティンキリ
Tinkili the Diya
夜想幻律ティンキリ
Noctume Tinkili'

鋼鉄のマディン

プロフィール

性別タイプ種族

英装
職業
武器
出身

誕生日 年齢
身長 体重
3サイズ

趣味
特技
長所
短所

エピソード

アイドルの原点

グランゼリアで活躍した伝説的アイドル。

ティンキリは破神が世界を支配していた時代にアイ

ドルとして活動。グランゼリア各地でライブ公演な

どを行い、人々を熱狂させた。

その人気は今現在も衰えることなく、写真集などは

ファンの間で高値で取引されているという。


ティンキリが初めて人前で歌ったのは、幼い頃に暮

らしていたモルダナで、幼馴染の少女に対してだっ

たと言われている。

その少女は、父と姉がある特殊な魔導工房で働いて

おり、彼女自身もその魔導技術に強い関心を抱いて

いたが、幼かったため工房の中に入れてもらえず、

いつも1人で寂しそうにしていた。

当時、その工房の近くに住んでいたティンキリは、

そんな少女の様子を見兼ね、様々な遊びに誘った。

だが、ティンキリが提案する遊びに少女はほとんど

興味を示さず、つまらなそうな表情をしたままだっ

た。


(うーん、この子を楽しませるには、どうすればい

いのかしら?)


悩みあぐねるティンキリ。だが、次の遊びをどうし

ようかと考えながら、何気なく流行りの曲を口ずさ

んだ時、少女にある変化が起こる。

なんと彼女はティンキリの歌に興味を示したのだ。

それに気づいたティンキリは、うろ覚えながらその

曲を最後まで歌い切ってみせる。

すると歌い終わる頃には、少女はわずかながらも彼

女に笑みを見せていた。


「ふふっ、やっと笑ってくれたわね!」


その日より、ティンキリは少女のために様々な歌を

覚え、それを自ら作ったステージの上で披露するこ

とが日課になったという。

世界への飛翔

幼馴染の少女に歌を披露し続けたティンキリだった

が、やがて父親の仕事の都合でモルダナからロダー

ルに移住することになる。

少女との別れは辛かったが、彼女と一緒に過ごした

楽しい日々の記憶は、ロダールに移り住んだ後でも

ティンキリの中から消えることはなかった。

そして、その記憶はある決意へと繋がっていく。


「あの子の時みたいに、私の歌で誰かを笑顔にした

い!

いえ"したい"じゃない。

"する"!してみせるわ!」


決心するや否や、ティンキリはすぐにロダール王都

の路上に立ち、歌い始める。

当然、歌に伴奏などはなく、彼女1人の独唱に過ぎ

なかった。そのため、当初は彼女の歌に足を止める

者などほとんどいなかった。

だが、ティンキリ生来の才能に加え、幼馴染の少女

に毎日歌を披露し続けたことで培われた歌唱力は、

人々を惹きつける力を十分に持っていた。

ティンキリの歌を聞きに集まる者はすぐに増えてい

き、いつしか彼女が路上に立つと大勢の人だかりが

できるほどになっていた。


「最初はちょっと不安だったけど⋯まあ当然の結果

よね。

これからも私の歌と美しさで、みんなを魅了し続け

るんだから!」


その後、ティンキリは活動の場を路上から酒場の歌

い場、貴族が集うパーティーなどに移してその名を

高め、ついにはロダール王族が集う晩餐会、大聴衆

が集うステージなどでその歌声を披露するまでに

なっていく。

そしてロダールだけでなく、ほかの大陸でも歌を披

露してほしいという要望を受けたティンキリは、オ

ルダーナ、ランゼリア、モルダナでのライブ公演を

決行。

それらの公演はどれも大成功を収め、彼女を世界規

模のアイドルへと押し上げていった。


ちなみにライブ公演でモルダナを訪れた際、ティン

キリはかつての幼馴染の少女のもとを訪ねている。

だが、少女はティンキリがロダールに移住してから

数年後にある事件に巻き込まれ、すでにそこには住

んでいなかった。

その後、手を尽くして情報を集め、少女がゴーレム

を連れて過酷な旅を続けていると知ったティンキリ

は、ライブ公演の合間を縫って自ら彼女のもとへ駆

けつけて、旅の手助けをしたと言われている。

その"手助け"の中には戦闘などの行為も含まれてい

たが、ティンキリは高い魔力を持つ家系の生まれで

あり、戦いについてもある程度の素養があったとい

う。

仮面の殺人鬼

人気絶頂期、ティンキリはグランゼリア中を忙しく

飛び回って活躍していたが、その活動範囲の広さか

ら事件に巻き込まれることも少なくなかった。

そのひとつが、当時のロダールを震撼させた仮面の

殺人鬼との遭遇であった。


独特の美学を持ち、美女ばかり狙うというその殺人

鬼がティンキリの前に現れたのは、ライブ公演のた

め彼女がある港町を訪れた時のことであった。

殺人鬼はアイドルとしての「ティンキリ」のことは

知らなかったが、ひと目見て彼女が極上の獲物だと

認識。その美学に基づいて、すぐに手にかけようと

する。

だがちょうどその時、その殺人鬼を追っていた魔法

学者が乱入。彼の機転によりティンキリは殺人鬼の

魔の手から逃れる。

魔法学者はティンキリにしばらくアイドルの活動を

控え、身辺警護を強化するよう助言する。

だがそれに対するティンキリの返答は、彼の予想を

はるかに超えるものであった。


「はあっ?なにバカなこと言ってるの?

あんな危なそうなヤッ、野放しにしておけるわけな

いじゃない。

それに私のことを知らないなんて許せないわ!

今、思い出しても腹が立つ!むきぃー!

必ず私がこの手で捕まえてやるんだから!

あなたも手伝いなさい!」


その後、ティンキリはアイドルとしてグランゼリア

全国を巡る旅に魔法学者を強引に同行させ、各地で

殺人鬼を探した。

殺人鬼の方もティンキリに狙いを定めたようで、幾

度となく彼女を襲撃。両者の間で戦いが繰り広げら

れたとされる。

ティンキリ、魔法学者と殺人鬼の戦いの行方がどう

なったのかは、残念ながら分かっていない。

殺人鬼が逮捕された、または倒された、という記録

などは残っていないが、一方でティンキリの方も当

然のことながら殺されてなどおらず、その後もアイ

ドルとして精力的に活動を続けている。

永遠のアイドル

グランゼリア各国でライブ公演を成功させ、まさに

世界的アイドルとなったティンキリは、ある計画を

立ち上げる。

それは、これまでの活動の集大成ともいえる大規模

ライブ公演を開催するというものであった。

まず、ティンキリは半年前より世界中にその公演の

ことを告知。そして神聖ロダール王国の協力を取り

付けて、王都郊外にこれまでにないほどの設備、広

さのステージ会場を作り上げる。


「これは私が次のステップに行くための第一歩よ」


そして、ライブ公演当日⋯

グランゼリア中から集まった大観衆を前に、ティン

キリはこれまでになくエネルギッシュに歌い、そし

て踊った。

観客たちも彼女に大歓声を送り、その盛り上がりは

ステージを中心にしてグランゼリア全体が揺れてい

るかのようだったという。


「フフッ、こうでなくっちゃ!

今日はこれまで以上に張り切っちゃうんだから!」


だが、ステージの熱狂が最高潮となった時、ある異

変が生じる。

ティンキリが最後の曲を歌おうとした瞬間、なんと

突如として空に"亀裂"が入り、割れてしまったの

だ。

それは、次元の狭間の出現であった。

狭間は猛烈な勢いであらゆるものを吸い込み、観客

たちの声は歓喜よりー転、たちまち悲鳴に変わって

いく。

いち早く異変に気づいたティンキリは、混乱しかけ

る観客に対してステージ上から呼びかけ、避難を指

示。

その時、突如としてゴーレムが出現して観客を助け

たこともあり、ほとんどの者が次元の狭間に吸い込

まれることなく避難が完了する。

ティンキリもようやく安全な場所に移動しようとす

るが、なんとステージの照明が落下。その衝撃で彼

女の身体は宙に浮き、狭間へ吸い込まれかける。

とっさに近くにあった鉄骨に掴まり抗うティンキリ

だったが、もはや次元の狭間の吸引からは逃れられ

そうにはなかった。

避難場所にいる観客たちは、そんな彼女の様子を不

安そうに見守る。

その視線に気づいたティンキリは、しばらく顔を伏

せて、そして意を決したように彼らに微笑みを向け

る。

その微笑みはアイドルとして人々を魅了したあの可

愛らしい笑みとは違う、これまでファンに見せたこ

とのないような不敵で、美しい笑顔だった。


「フフッ⋯私、くじけないわ。

たとえ、どこに行ったとしても⋯!」


やがてティンキリは鉄骨を掴んでいた手を自ら放し

次元の狭間の中へと吸い込まれていった⋯。



数時間後、ようやく次元の狭間は閉じ、悲劇は終わ

りを告げる。

後の調査によれば、ステージ上空に現れたこの次元

の狭間は観客たちの熱狂がぶつかりあったことによ

り生じたものではないかと推測されている。

ティンキリが次元の狭間の中に消えたことは、しば

らくグランゼリアに深い悲しみをもたらした。

だが、人々の心の整理がつき始めた頃、彼女に関す

るある噂が囁かれ始める。

それは、ティンキリが吸い込まれた先の異界におい

ても歌い続け、アイドルとして活動を続けている、

というものであった。

その話は急速にグランゼリア中に広まり、やがて現

在にまで続くティンキリ人気を生みすことになっ

ていく。

歴史研究家ティルスは、ティンキリのその噂につい

て次のように記している。


『"ティンキリが異界で歌っている"⋯冷静に考えれ

ば、それはただの推測、いや我らの単なる願望に過

ぎないのであろう。

だが、彼女が最後に見せたあの笑顔は、そんな願望

を信じさせるに足るものであった。

ならば、信じようではないか。

アイドル・ティンキリが、場所を変えて今もファン

の前で歌っていることを。

もう我々は、彼女の姿を二度と見ることはできない

かもしれない。

しかし、人々の心に彼女は今も生きており、その姿

は決して消えることはない。

ティンキリはグランゼリアの永遠のアイドルとなっ

たのだ』



夜想幻律ティンキリ

プロフィール

性別タイプ種族

英装
職業
武器
出身

誕生日 年齢
身長 体重
3サイズ

趣味
特技
長所
短所

エピソード

新写真集への意気込み

【月刊『メロード』緊急企画!

      ティンキリちゃん独占インタビュー】

この度、新しい写真集を撮影することになったティ

ンキリちゃんに、その意気込みを聞いてみました!



  • 今回の写真集ではロダール大陸から飛び出し、

オルダーナ大陸で撮影を行うようですね。


【ティンキリ】

ええ、そうなんです。

オルダーナにはライブ公演などで何回か行ってます

が、それらはすべて都市部でした。

現地の自然に触れ合うのは今回が初めてなので、楽

しみなんです!


ーー美しい自然と、可愛らしいティンキリさん⋯さ

ぞかし絵になるでしょうね。


【ティンキリ】

撮影場所のひとつは、オルダーナの大都市から少し

離れたところにある「ガリアーノ大瀑布」っていう

大きな滝なんです。

もの凄い絶景らしいので、写真集でどのように写っ

ているか、皆さんも楽しみにしていてください。


ーーたとえどんな絶景でも、ティンキリさんの美し

さの前にはきっと霞んでしまいますよ(笑)。


【ティンキリ】

そんな⋯私なんか⋯⋯(照)。

ーーそういえば、今回の写真集のコンセプトは、こ

れまでのものとは違うとのことですが⋯?


【ティンキリ】

はい、今回の写真集はちょっと趣向を変えて、いつ

もの私とはちょっと違う、"大人のティンキリ"をお

見せしようかと思っています。


ーー大人のティンキリさん⋯?ということは、これ

までのような可愛さだけでなく、セクシーなお姿な

んかも、もしかして見ることができるとか⋯?


【ティンキリ】

ふふっ、それは写真集を買ってからの、お楽しみで

す♪


ーーでは、楽しみにしておきます(笑)。

最後にファンの皆様へー言お願いします。


【ティンキリ】

ファンの皆さん、ティンキリの新しい写真集をどう

ぞ楽しみにしていてください。

きっとご期待に沿えるものになると思います。

あ⋯!あと、撮影中の宿泊施設であるオルダーナの

ホテルでは、特設ステージを作ってミニライブも行

う予定です。

ご都合がつく方は、ぜひ来てくださいね♪

ある付き人の回顧録1

今日から、ティンキリさんの新しい写真集の撮影に

入る。

付き人である私も当然それに同行してオルダーナに

渡ったわけだけど⋯宿泊先のホテルに着いて早々自

分のドジが発覚。

なんと写真集用に特注した水着を、どこかに忘れて

きてしまったのだ。

青くなりながら、私は代わりになりそうな水着をな

んとか用意。

それを恐る恐るティンキリさんに渡すと⋯


「何これ⋯凄く⋯着心地がいい。

私の身体にフィットして⋯まるで母親に抱かれてい

るみたいな感じ⋯。

いいもの見つけてくれたわね、シルフォン!」


⋯と、逆にお礼を言われてしまった。

私が持っていったのは、現地の人から聞いたこの地

域に昔から伝わっているっていう水着。一応、今回

の写真集の趣旨でもある大人っぽさ、セクシーさを

感じさせるものだったので、ダメ元で持って行った

のだ。

「こんな古臭いものじゃダメダメ!」と、ティンキ

リさんから叱られても仕方がないと思っていたんだ

けど⋯気に入ってもらえたようでよかった。

ティンキリさんはああ見えて、仕事に関しては真剣

で厳しい人だからなあ⋯。



その後、ティンキリさんと私たちは、ホテルからガ

リアーノ大瀑布に移動。

"大瀑布"の名に恥じない絶景をバックに撮影を開始

したんだけど、またもや事件が発生した。

撮影が一段落ついて休憩に入った時、突如カメラマ

ンさんが、ある場所からティンキリさんを撮りたい

が、地面に突き刺さっている大きな槍みたいなもの

が邪魔になってる、だから抜いてくれ、と注文をつ

けてきたのだ。

このカメラマンさん、普段そんな注文をつけない人

なんだけど⋯と、私たちは不審に思いながらも、と

りあえず指示通りにその槍のようなものを引き抜こ

うとした

だけど、ビクともしない。

どうしたものかと困り果てる中、休憩を終えたティ

ンキリさんが現れてその槍に近づいたところ、思わ

ぬことが起きた。

なんと、私たちが抜こうと躍起になってもまったく

動かなかった槍が、スルリと地面から抜けて倒れて

しまったのだ。


「キャッ、何コレ⋯?ケホッケホッ⋯!

しかも、なんか煙みたいなものが⋯」


いきなりのことに驚いたティンキリさんだったが、

それ以上に私たちの方がビックリだった。

さっきまでビクともしなかったのに⋯。

⋯やっぱり、スターのオーラみたいなものが関係し

ているんだろうか⋯?


その後、カメラマンさんが希望する場所からティン

キリさんを撮ることができ、撮影自体は順調に進ん

だ。

ただ休憩が終わってから、なぜか男性スタッフの間

でティンキリさんを巡って互いに牽制しあっている

ような、何かピリピリした雰囲気ができてしまって

いた。

撮影が始まった時は、みんな穏やかな雰囲気だった

のに、どうしたんだろう⋯?

ある付き人の回顧録2

写真集の撮影が終わり、夜からはホテルに設置され

た特設ステージでティンキリさんのライブ公演が行

われた。

"あのティンキリがやって来た!"と、ステージには

予想を遥かに超える数の観客が詰めかけ、その誘導

に駆り出された私は、ライブが始まる頃にはすでに

ヘトヘトな状態。

ライブ中は休憩も兼ねて、舞台袖からティンキリさ

んが歌う姿を見守っていた。

"やっぱり普通の人とは違うなあ⋯"と、ステージで

歌うあの人の姿に見とれていたその時、ある異変が

私の身に起きる。

突如、目の前に黒い靄のようなものが見えたかと思

うと、身体の力が抜け、気を失いかけたのだ。

その場に倒れてしまった私だったが、ティンキリさ

んはそれにすぐに気づき、ライブの途中にもかかわ

らず、すぐに駆け寄ってくれた。

すると不思議なことに、私の意識はすぐに回復して

いき、靄のようなものも見えなくなっていた。

だが、その代わりに目の前に飛び込んできたのは、

ライブを見ていたファンらの異様な状態だった。

女性ファンはすべて意識を失ってその場に倒れてお

り、男性ファンの方は虚ろな目をして、まるで正気

を失っているような状態になっていたのだ。

そして、男性ファンたちはノロノロとした動作でス

テージに上がってきて、私たちに⋯いや、ティンキ

リさんに迫ろうとしていた。


「な、なに⋯これ?」


これまで、ステージ上で起きた数々のアクシデント

にも上手く対応してきたティンキリさんも、この状

況にはさすがに驚きを隠せないようだった。

でも、呆然としているだけの私とは違って、彼女は

すぐに冷静さを取り戻していた。


「とりあえず逃げるわよ、シルフォン!」


すぐに私の手を引いてステージを抜け出し、脱兎の

如く駆け出していた。

途中、同じように虚ろな目の男性たちに襲われかけ

たりもしたが、相手の動作が緩慢だったこともあっ

て、なんとかそれらをかわすことに成功。

気づいたら、私たちはホテルのティンキリさんの部

屋に到着していた。

私はただ夢中でティンキリさんに引っ張られながら

走っていただけだったけど、どうやら彼女は最初か

ら自分の部屋を目指していたみたい。


部屋に鍵をかけて、とりあえずー息つく私たち。

どうして、こんなことになったのか⋯?

私自身に起こった(起こりかけた?)現象と、今の

状況を考えると、魔術、魔法的な何かが起こったこ

とは間違い無いんだろうけど⋯さっぱり訳が分から

なかった。

でも私とは違い、ティンキリさんには何か思い当た

るフシがあるみたいだった。


「原因は昼間のあの槍よね、きっと。

アレが抜けた時から、なんか嫌な⋯イガイガするよ

うな感覚がずっとしているのよね」


ティンキリさんは、写真集の撮影の時に抜いたあの

槍が原因だと考えているようだった。

確かご先祖様が大魔導師ってことで、ティンキリさ

ん自身も高い魔術の才能がある⋯ってのを、どこか

の雑誌インタビューで読んだことがある。

なら、私たちでは気が付かない何かに、ティンキリ

さんが気づいたとしてもおかしくはない。


「シルフォン、一休みしたら、ガリアーノ大瀑布に

向かうわよ!

みんなを元に戻すんだから!」


立ち上がって、さっそく事態解決に乗り出そうとす

るティンキリさん。

だが、その言葉に私は思わずこう返してしまった。


「朝までこの部屋に隠れて、助けを待った方が良く

ないですか⋯?」


これだけ大騒ぎになってるのだ。

朝になれば、おそらくオルダーナの警備隊の人たち

が駆けつけて来てくれる。

もし今の状況の原因が魔術的なものだとしても、警

備隊の中にはその辺りの心得を十分に備えた人も多

いと聞く。

きっとなんとかしてくれるに違いない。


⋯そう説明して、私はティンキリさんを説得しよう

とした。

彼女は、今や誰もが認める世界的アイドル。

わざわざ危険な行いをする必要はない。

むしろ、そんなことをしてはいけない。させてはい

けないのだ。

ある付き人の回顧録3

ティンキリさんは私の話を聞いて、少し黙って何か

考えていた。

だけど、静かに首を横に振った。


「このまま朝まで部屋に隠れて助けを待つ、という

のも悪くないけど⋯でもやっぱりダメよ!

変になっちゃった人たちは私のファンなんだから。

そんなファンのことを放っておいて、私が⋯この完

璧美少女アイドル・ティンキリが、ただ何もしない

で隠れている⋯?

そんなこと⋯ありえないんだから!」


決断した後のティンキリさんの行動は早かった。

すぐに私を連れてホテルの部屋から飛び出し、ガリ

アーノ大瀑布のあの槍が刺さっていた場所を目指し

て駆け出した。

走って向かうにはそれなりに遠い場所な上、途中で

何度も正気を失った虚ろな目の男性たちにも迫られ

た。

ドンくさい私は、道中でティンキリさんに助けられ

てばかりだったが、それでもなんとか私たちは槍が

あった場所にたどり着いた。


「ケホッケホッ⋯!

やっぱりなんか⋯煙い感じがする⋯」


到着した途端、ティンキリさんはひどく咳き込み始

める。

そういえば、昼間に槍が抜けた時も、彼女はひどく

咳き込んでいたっけ⋯。

やっぱり、ティンキリさんのみに反応する邪な魔力

のようなものが、槍が刺さっていた穴から出ている

のかもしれない⋯。


「きっと、この槍を元の穴に刺せば、みんな元に戻

る⋯はず」


昼間に抜かれたままの状態だった槍へ無造作に手を

伸ばすティンキリさんを見て、私は慌てて手伝おう

とする。

何しろあの槍は、撮影スタッフ全員が抜こうとして

もまったく動かなかったほどの重たさなのだ。

ティンキリさん1人で持てるはずがない。

⋯正直、私が力を貸したとしても持ち上げられるか

怪しいけど⋯。

だけど、ティンキリさんはなんと1人でその槍を事

も無げに持ち上げてしまったのだ。

しかも力を入れたような様子もなく、軽々と。


「何これ⋯?重たさ、まったく感じないんだけど」


そう言いながら、ティンキリさんはいともあっさり

と槍を元の穴に刺し込んでしまった。


その後、警戒しながらも特設ステージがあるホテル

に戻った私たちだったが、虚ろな目でティンキリさ

んを追ってくるような男性ファンは1人もいなかっ

た。

彼らはまるで糸が切れたかのように、道端などで倒

れて意識を失っていた。

翌朝、ステージで気を失った女性ファン、そして虚

ろな目でティンキリさんを追っていた男性ファンた

ちはともに何事もなかったように目を覚ました。

ただし、昨晩のライブ公演が始まって以降のことは

まったく何も覚えていないようだった。


「一体なんだったのよ⋯!?

せっかくの私のライブ公演を、メチャクチャにして

くれちゃって!」


ティンキリさんがその後、ホテルでの滞在期間を延

ばし、改めてライブ公演を行ったことは言うまでも

ない。



以上が私とティンキリさんしか覚えていない、オル

ダーナでのちょっとした冒険の顛末だ。

あのライブでどうして女性ファンが気絶して、男性

ファンは正気を失ってティンキリさんに迫ったのか

私には分からない。

⋯でも、あの晩に何となく理解できたこともある。

それは、ティンキリさんがアイドルとして世界中の

人々から慕われる理由だ。

このまま朝まで部屋に隠れていれば⋯という私の提

案を断った時、彼女から出た言葉⋯。

あれはきっと、あの人のファンへの気持ち、そして

自身のアイドルとしての揺るぎない矜持から出たも

のなのだろう。

あの時の言葉は、私の胸の奥に深く残っている。

⋯彼女がグランゼリアから姿を消した、今でも。



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ゲーム情報
タイトル ラストクラウディア
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2019年04月14日
    • Android
    • リリース日:2019年04月14日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 『ラストクラウディア』×『オーバーロード』コラボ開催!

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