神徒ラブラのプロフィール

破神ログシウスの神徒で、 「四破神将」と呼ばれる

側近の1人。

ラブラは破神ログシウスに絶対的な忠誠を誓ってお

り、主のためにグランゼリア各地でその恐るべき力

を発揮した。

ほかの四破神将がそれぞれ武器を用いた戦闘を得意

としていたのに対し、ラブラは魔導に秀でており、

その魔力は四破神将の中で最も強かったとされてい

る。

破神大戦などでは突如戦場に現れ、強力な魔導を行

使して人類の軍勢を一気に殲滅している彼女の姿が

何度も目撃されている。

また、戦場などでの華々しい活躍だけでなく魔導を

用いた研究や調査などの極秘裏の任務も数多く行っ

ていたと言われており、彼女が行っていた任務は現

在でもその実態が把握されていないものが多い。

ラブラが極秘裏に行っていた任務の中には、異界に

通じている次元の亀裂の調査というものがあったと

されている。

異界からやって来た物品や人材は、未知の技術や力

を有していることが多く、それらは人類側と同様に

破神勢力にとっても無視できないものであった。

ラブラは次元の亀裂が生じた場所を人間たちが発見

するよりも早く探り当て、その情報を同じ任務に従

事している四破神将ゾグラスに伝えた。

そして場合によっては、ゾグラスとともに現地を訪

れ、異界からの物品や人材を速やかに見つけて破神

勢力に取り込んだという。

ちなみに破神勢力の一員として"破壊王"と人々に恐

れられ、その後、人類側に味方して活躍した重火器

を扱う戦士ルーガーもラブラとゾグラスによって発

見された異界の人材の1人だったと言われている。

魔導に長けていたラブラは、その力で数々のおぞま

しい研究を行っていたと言われており、その中のひ

とつに破神配下の兵士を媒体とし、そこに魔獣や危

険生物の力を付与させる実験があったという。

その実験でラブラが対象とした選んだ者は、破神軍

に属する半魔半人のある兵士であった。

兵士は大きな力などは持っていなかったが、そのこ

とが逆にラブラに目を付けられた理由でもあった。

兵士の肉体より水の力を強く感じたラブラは、その

身体に数々の水棲生物を宿させようとする。

たまらず苦痛の声をあげる兵士だったが、ラブラは

それを気にする様子もなく淡々と作業を続行。

やがて実験は成功し、兵士は身体の一部を自由に水

棲生物へと変化させる能力をその身に宿す。

「クズ素材をどこまで強くすることができるかの実

験だったが⋯まあ成功の部類だろう」

実験が終わった後、ラブラはもはや兵士には何の興

味も抱かず、次の研究に移っていったという。

その後、彼女によって水棲生物を宿された者は、口

ダール北方の海を領域とすることを許され、ある女

海賊に倒されるまで現地を支配したとされている。

破神大戦期には、ラブラはほかの四破神将同様に幾

度も戦場に現れているが、軍勢などを率いることは

ほとんどなく単独で現れることが多かった。

これは放つ魔術があまりに強大で、彼女にとって軍

勢など率いても邪魔にしかならなかったためだと言

われている。

その魔力の強大さを示す逸話として、次のようなも

のがある。

破神大戦中のある時、破神軍はモルダナ共和国の砦

のひとつを攻めていた。

だが、モルダナ共和国にある数多くの砦は、「絶断

門」という二つ名を持つベガンダ砦をはじめ、その

どれもが強固であり、戦況は破神軍にとって芳しい

ものではなかった。

やがて破神軍の指揮官は自軍の食料が尽きかけてい

たことから、軍議の席で部下たちに一時撤退を宣言

しようとする。

だがそこに突如、女性の声が響き渡る。

「貴様らに『撤退』の選択肢などない。死ぬまで戦

うのだ」

指揮官の前の空間が歪み、そこより鎧姿の女性⋯ラ

ブラが現れる。

四破神将の1人が現れたことに指揮官は驚き、そし

て恐れおののいた。

彼女たちの強大さ、冷酷さは、敵のみならず、味方

にも十分すぎるほどに伝わっていたのだ。

砦を攻略できない自分を粛清に現れたのかと思う指

揮官だったが、ラブラは意外な言葉を告げる。

「明日の戦いでは、この私が手を貸してやろう」

翌朝、破神軍の指揮官は陣頭に立って死にものぐる

いで砦を攻めるが、やはり砦は強固で幾度も撃退さ

れてしまう。

だがその時、上空に禍々しい光が突如輝く。

いつの間にか空中にいたラブラが片手を上げ、魔術

を行使していたのだ。

そして彼女が手を振り下ろすと、光は砦に向かって

激突。大爆発を巻き起こす。

それにより砦の施設はほぼ半懐し、そこにいた敵の

兵士も半数が消滅する。

⋯砦を攻撃中だった数多くの破神軍の兵士たちをも

巻き込んで。

「いくらお前が無能でも、これで砦は落とせるだろ

う」

呆然とする指揮官に対してラブラはそう告げ、現れ

たときと同様に、空間の歪みの中に消えていった。

指揮官はあらためて四破神将の⋯ラブラの強大な力

に戦慄したという。

その後、モルダナ共和国のその砦が破神軍によって

陥落させられたことは言うまでもない。

このように強大な魔力を持つラブラだが、現在の彼

女が行使する魔術は、かつてブレイズで活躍してい

たある魔導師が使っていたものと一部酷似している

と言われている。

ただし、その関係性、関連性などは不明である。