フェンリルのメモリー
プロフィール
フェンリル | |||
---|---|---|---|
身長 | 148cm | 体重 | 40kg |
血液型 | O型 | 誕生日 | 11月1日 |
ラメント | 宝物はひとつだけあればいい (日 / EN) | ||
Song by | 鹿乃 | ||
CV | 高橋ミナミ | ||
ケルベロスの姉。 本当は甘えたいが、いつも我慢 している。 妹を守れなかった過去があるため、 強 くなりたいと願っている。 だけど本音は泣きたい し甘えたい、 憶病な女の子。 |
メモリ一
1話
ルプス国の山脈に、 呪いの雷が降り注いでいる。
神の怒りだという人もいるけど、 これはあの子の涙だ。
一人で寂しく泣きわめく、あの子の精いっぱいの泣き声なんだ。
お姉ちゃん、私はここだよ、もう一度会いたいよ——
その時だった。
雷の呪いが急に消えたんだ。
そんなこと今まで一度もなかったのに……。
そういえば、呪いを消してる人たちがいるって聞い たことがあった。
その人に頼めば、あの子を助けられるかも。
怖い人たちかもしれないけど……もう逃げないって決めたから。
私は意を決してその人たちを探すことにした。
2話
ご主人様はとても優しい人だった。
世界中の呪いを消してるだけじゃなく、 ケルベロスを助ける手伝いもしてくれるって。
あの子のいる山頂は、雷の呪いで覆われている。
私一人じゃ近づくこともできないから、ご主人様に手伝ってもらえてよかった。
でも頼ってばかりじゃダメ。
あの子を守れるくらい私も強くならないと。
だって、あの子が暴走してしまったのは、私のせいなんだから……。
3話
ひたり、ひたりと、土を踏む音が聞こえる。
暗闇の中に赤い双眸が浮かぶ。
闇夜の中で、 ケルベロスが私にしがみついた。
でも私はあの子を守れなかった。
逃げなきゃと思うのに、足が震えて動かない。
そんな私を見て獣たちが闇の中で笑った。
咆哮と共に飛びかかってくる。
鋭い爪が私を押し倒し、汚れた牙で首筋を噛み千切る。
その、直前。
お姉ちゃんっ……だめえええええっ!!
悲鳴のような声と共に雪が降り注いだ。
それがあの子との最後の記憶。
崖下で目を覚ました時、 あの子の姿はどこにもなくて、国中を雷の呪いが覆いつくしていた。
4話
ご主人様は、力の暴走は、感情の暴走が原因だと 言っていた。
魔女の力は心の力。
強い恐怖と絶望があの子をクリファの魔女に変えてしまった。
私のせいだ。
あのとき私に勇気があれば、あの子を守れていれば……。
だから決めたの。
もう何があっても絶対に泣かない。強くなってみせ る。
二度とあの子を悲しませないために。
決意を込めて山頂を見上げる。
激しい雷に包まれた神の住む山。
あそこにあの子はいる。
待っててね。
お姉ちゃんが助けに行くから。
5話
山頂の神殿で、あの子が一人泣いていた。
激しい雷が周囲に降り注いでいる。
まるで心を閉ざすように。
暴走するクリファの魔女に声は届かない。
でもご主人様の杖があれば届けられるという。
ケルベロス、お姉ちゃんが来たよ。
もう大丈夫だよ。
なだめるように声をかけると、雷が弱まり、 あの子が驚いたように私を見た。
見開いた目にみるみる涙がたまっていく。
良かった、 元のあの子に戻ったんだ。
安心する私の前で、 幼い顔がひどく歪んだ。
嘘だ……お姉ちゃんがいるわけない……だってお姉ちゃんは……あたしが殺したんだから!
悲痛な叫びと共に、 無数の雷が再びあの子を取り囲 んでしまった。
6話
激しい雷の中心で、あの子が泣いていた。
私は、何をしているの。
あの子を助けるって、そのために強くなるって決めたじゃない。
あの子が目の前で泣いている。
お姉ちゃん、お姉ちゃんって、ずっと呼んでいるのに。
今助けないでいつ助けるの!!
決意と共に走り出す。
瞬間、 呪いの雷が私を直撃した。
電流が全身を駆け巡り、 魂まで引き裂こうとする。
もれそうになる悲鳴を、 必死にかみ殺した。
こんなの……全然痛くない……。
あの子の方が、もっと、辛いんだから……っ!
立ち上がった私を、 再び雷光が貫く。
引き裂かれた体が炎に包まれ、 足は燃え尽きて動か なくなった。
それでも立ち上がる私を、雷撃は容赦なく襲う。
何度も何度も私を壊す。
それでも。
私は立ち上がる。
あの子が泣いているから。
雪の雨に撃たれながら、震えるあの子を抱き寄せた。
できるだけゆっくりと。
大丈夫。もう怖くないよ。
さあ、帰ろう。
雷雲の隙間に光がにじむ。
あの子の目に色が戻るのを見て、 私の意識は静かに薄れていった。
7話
目覚めるとベッドの上にいた。
目を開けた私に、 泣き顔のあの子が抱きついてくる。
ごめんなさいって何度も泣くから、 小さな頭を優し くなでてあげた。
私こそ助けに来るのが遅れてごめんね。
それから……無事で本当に良かった。
それから私たちはたくさんの話をした。
ごめんねも、ありがとうも、 一度言えばもうおしまい。
離れていた時間の分だけ、 話したいことがたくさん あるから。
え、ご主人様の話がもっと聞きたい? そんなにご 主人様が好きなの? ふーん……
そんなに急かさなくても大丈夫だよ。
だってこれからはずっと一緒なんだから。 ね。
それじゃあ次は、 ご主人様に出会ったときの話をしようかな——
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
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