【リバリバ】ファンデルワールスの朝にの性能
リバリバのスクリプト「ファンデルワールスの朝に」の性能紹介です。ステータスやスキル性能、スクリプト内容を掲載しています。
目次 (ファンデルワールスの朝にの性能)
「ファンデルワールスの朝に」のステータス
レア | SR | ロール | アタッカー |
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実装日 | 2025年03月17日 |
初期値/最大値 | |||
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HP | 108.2/650.0 | 攻撃力 | 96.9/579.5 |
物理防御 | 15.0 | 特殊防御 | 0.0 |
「ファンデルワールスの朝に」のスキル
1 | 装備騎士のスキルのクールタイムが15.00%短縮する |
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2 | 装備騎士の属性が破壊なら、装備騎士の攻撃力が15.00%上昇する |
3 | - |
1 | 装備騎士のスキルのクールタイムが7.50%短縮する |
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2 | 装備騎士の属性が破壊なら、装備騎士の攻撃力が7.50%上昇する |
3 | - |
「ファンデルワールスの朝に」の内容
そこにいたのはカノンだった。
窓辺に立つカノンの姿は、朝焼けに染められた金の糸のように輝いていた。風に揺れる陽だまり色の髪、その先に広がるのは、まだ眠る地下の街並みだった。
「お姉ちゃん、今日もいい日になりそうだね!」
振り返ったカノンの瞳は、無垢な陽の光をそのまま映したように澄んでいた。私がまだ手にしたことのない、果てしなく広い世界を見据えるような目をしていた。
エルスタニアを継ぐのは、カノンの方がふさわしい――。
幼い頃から、私はそう思っていた。
けれど、王の名を冠するのは、第一王女である私。国の者たちの期待も、中世も、そのすべてが私に注がれている。妹よりも優れているからではない。ただ順番がそうだから。
「お姉ちゃん、今日はお庭でお茶を飲みましょう!お花がとても綺麗なの」
私が何か言うよりも早く、カノンはくるりと踵を返して、軽やかに駆けていく。彼女はいつもそうだった。
幼い頃から、まっすぐに、眩しいほどに。私が立ち止まることを知らずに駆けていたのと同じように、けれど、どこか違う軌跡を描いて。
私が必死に手を伸ばして掴もうとしていたものを、カノンは息をするように手にしていた。剣も、知識も、言葉も、人の心さえも。私が努力で築き上げたものを、彼女は生まれながらに持っていた。
それが悔しいと思ったことは、一度もない。
ただ――いつの頃からか、私は知ってしまったのだ。
カノンは、私のことを誇りに思っていると。
私を支えたいと願っていると。
そうして、私もまた――。
「同じ想いだというのに、ね」
さっきまでカノンを照らしていた陽は急に陰り、私を照らしてくれはしなかった。
私たちは、どこですれ違ったのだろう。
戸惑いを隠しながら、私はそっと目を閉じる。
***
まだ幼かった頃、ふたりで青空を見上げたことがあった。
雲一つ無い蒼天の下、手を繋ぎながら。
「おねえちゃんが王さまになったら、カノンがずっと支えてあげるからね!」
カノンは私にそう言った。無邪気に、疑うこともなく。
私は何と答えただろうか。
――きっと、微笑んで、彼女の手を握り返したのだ。
あの頃は、ただ信じていた。
どちらが王になろうとも、ふたりでずっと一緒にいられると。
すれ違いは、決して離れることではない。
私は、そっと、胸の奥にしまいこんでいた幼い日の約束を思い出し、もう一度、握りしめるように微笑んだ。
雲は流れ、陽のぬくもりが私の頬をあたためた。
――『ファンデルワールスの朝に』より抜粋