【リバリバ】ミルキーウェイは届かないの性能
リバリバのスクリプト「ミルキーウェイは届かない」の性能紹介です。ステータスやスキル性能、スクリプト内容を掲載しています。
目次 (ミルキーウェイは届かないの性能)
「ミルキーウェイは届かない」のステータス
レア | SSR | ロール | ブレイカー |
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実装日 | 2025年04月16日 |
初期値/最大値 | |||
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HP | -/1143.0 | 攻撃力 | -/1117.6 |
物理防御 | 15.0 | 特殊防御 | 0.0 |
「ミルキーウェイは届かない」のスキル
1 | 装備騎士のHPが30.00%上昇する |
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2 | 装備騎士の属性が衝撃なら、装備騎士の攻撃力が30.00%上昇する |
3 | 装備騎士の所属騎士団がブレイドラインなら、装備騎士の攻撃力が30.00%上昇する |
1 | - |
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2 | - |
3 | - |
「ミルキーウェイは届かない」の内容
塔のてっぺんに風がぶつかって、鉄板がみしみしと鳴っていた。
この国の夜は風が強い。月がない日は、真っ暗だった。
今夜はまだ、ましなほう。
遠くの空がうっすら明るくて、それを目印に歩けば、森の道にも迷わずに済む。
けれど、それでも、帰り道はなかった。
事件はまだ終わっていない。
風雅はかつて一度だけ、何もかもを放り出して任務から離れようとしたことがあった。
もう充分やった。姫に言い訳できるくらいには、がんばった。
そう思えた瞬間が、結果的にそうしなかったとはいえ、思ってしまったという事実が、風雅の永遠の呪縛になっていた。
「シドウは弱かった、ただそれだけなのだけど」
誰に対してでもなく風雅はそう呟くと、呪いの鎖を抱きしめるようにして、一歩を踏み出した。
外套が少し冷たい。
風雅は剣の柄を撫でると、その使い込まれた感触がエルスタニアを思い出せた。
単独任務は初めてではなかったが、こんなに心細いと感じたのはしばらくぶりだった。
「そう…、心細かったのね、穏やかじゃないわ」
空を見上げても、星は少ない。
エルスタニアの空とも、GARDENの空とも、ぜんぜん違う。
それさえ初めてではないはずなのに、なぜだか今回ばかりは、弱い自分が顔を出す。
風が吹くたび、髪が顔にかかる。少し湿っていた。
夜露だろうか。あるいは──
「……似ている、あのときに」
あの弱かった頃の自分に、あの頃の士道風雅に。
軋み響く鉄の音色は、心做しか胸を締め付ける見えない鎖を、あたかも実在するかのように思わせた。
もうすぐ、終わる。
もうすぐ、終わらせる。
そして、帰る。
──逃げない。
風雅にとって、この見えない額は約束だった。
思い出すたびに自分を強くしてくれる呪いだった。
弱さという大河に流されたとしても、自分を勇敢さの陸地に繋ぎとめ、力なく沈むことを許さない救いだった。
「この河も、鎖も、姫に知られてはいけないのよ。永遠に届いてはいけないの。おわかりかしら」
──『ミルキーウェイは届かない』より抜粋