【白猫】ほわいとホラーホテル 〜呪われし紅玉と翡翠剣〜 Story
2019/12/12(木)
story 王と女王の伝説
――その昔、狂える王と狂える女王がいた。
二人は幾度も戦場で槍を交え、争い続けていた。
五度目の戦場で二人は相打ちとなる。だが、倒れた王と女王は戦い続けることを願った。
「殺せ!貴様らは戦い続けろ!呪ってやる!」
「ああ、憎い!憎いぞ!我が身が朽ちようとも必ずアウロラを!」
狂気に飲まれた二人を目にし、臣民は戦争の虚しさを知ることになる。
ゲルト王とアウロラ女王が没した後、両国は講和条約を結び、百年に及ぶ戦に終止符を打つこととなった。
ゲルト王が統治した国は、忠勇の国・ジルベスタとなり――
アウロラ女王が統治した国は、万来の島・ローガストとなって今日に至っている。
――聞いてますか?
聞いておるぞ。
では、アウロラと戦っていたジルベスタの神祖たる王の名前は?
ふぉふぉん。
聞いてなかったではありませんか!<ゲルト>王ですぞ!
ど忘れしただけなのじゃ。そんなに怒らないでもよかろう……
よいですか、ユーカレア様。今後、我らジルベスタはローガストとの協調を意識しなければなりません。
ウロラの名を冠する<アウロラホテル>。ここは、ある意味、因縁の場所であります。
その因縁の場所でおこなわれる両国首脳会談は是が非でも成功させなければなりません。
ぶはっ!
カシス!なにを笑っておる!貴様も近衛兵としての緊張感が足りないのではないか?
も、申し訳ございません!
今でこそジルベスタとローガストは友好的な関係を築けています。ですが、大昔は敵同士。
緊張感を持っていただかねばなりません。
ユーカにだってわかっておる。今すぐホテルを抜け出したいのに、こうして我慢しておるのだぞ。
だからなんだと言うのです?
クリスマスという祭りが近いのだ!ユーカだって飾りつけされた街を見たいのじゃ!
抜け出そうと思えば抜け出せるのに今もここにおるのじゃぞ!
大臣はもっとユーカを褒めてよいと思うのじゃ!
それくらい普通です。そんなに偉ぶることではありませんぞ。
ユーカは褒められて伸びるタイプなのじゃ!なのに大臣はいっつも小言ばかり。それでは下が育たぬぞ!
ああ言えばこう言う……とにかく、心構えだけはしっかりとしてくだされ。
カシス、お前もだぞ。今回の会談にはジルベスタの国宝<ゲルトの翡翠剣>も持ってきておる。
なんでそんなものを持ってきておるのだ?
友好の証を示すためだと言ったではありませんか。
それは初めて聞いたぞ。なんでもユーカのミスにするのはやめよ。
……それは……失礼いたしました。ともかくカシスよ、ユーカレア様の護衛ももちろんだが国宝の警護も頼むぞ。
はっ!
ぶはっ!
カシス!
申し訳ぶはははははは!
ししし☆笑いすぎじゃぞ、カシス♪
いたずらがすぎますぞ!ユーカレア様ぁぁぁぁぁぁぁっ!
story
あら、ネロにヴァイスじゃない。どうしたの?
実は頼みがあって来た。此奴の面倒を見てほしい。
いや、なんでアンタまできょとんとしてるのよ!当事者でしょうが!
ネロ、オレは自分の面倒くらい自分でみれる。
ほう……なら問うが、貴様、どうやって生活していくつもりだ。
その辺の強いやつを倒して生活していく。
金はどうする?
その辺の強いやつを倒して金をもらう。
それは追い剥ぎです。
普通に犯罪でしょーが。
というわけで、ヴァイスには社会通念というものが欠如している。私が教育したいのだが、忙しくてな……
貴様たちに手伝ってほしいのだ。
でも、具体的にどうするの?ヴァイスって基本的にアホだから教えてもすぐ忘れちゃうと思うのよね。
そのとおりだ。
だからこそ、此奴に言葉で語っても意味がない。体に叩き込む必要がある。
いわゆる職業体験だ。私の知り合いが経営するホテルで修行させようと思っている。
だが、ヴァイスは抜けておる。暴走をするかもしれん。ゆえに貴様らに監督してほしい。
まあ、ネロが忙しいなら、アホのヴァイスの面倒くらい見てあげるわよ。
キャトラ、言い方が……
気にするな、アイリス。オレがアホなのは事実だし、オレは別に気にしてない。
ところでそのホテルには強いやつがいるのか?
ヴァイスのアホー!略してヴァホー!ホテルに強いやつなんているわけないでしょうが!
いや、いるだろ。強いやつがホテルに泊まることだってある。
アイリス、どうしよう!見事に言い返されたわ!
キャホー!
?
キャトラのアホを略してみた。キャホー!
ヴァホー!
……いろいろ迷惑をかけると思うがよろしく頼む。
story
貴様ら、悪名高きイグナシオ海賊団だな?
ちがう……
おうよ!雁首そろえて俺たちになにか用か?
とらえろ!
よっしゃあ!野郎ども!全力で逃げるぞ!
え!?
<くったくなく手を差し出された。ゴツゴツして、皮のぶあつい海の男の手。
その所作が、あまりに自然で悪意も善意も見えなくて、私はまたもや反射的に、その手をつかんでしまった。>
来い!
私は海賊ではないんだーーーー!
<どうやら、私の……
ううん……私たちの冒険はまだまだ続きそうだ。>
<――そう、冒険は続くと思っていたのだ。>
(なのに、どうして私はステージで歌ってるんだろう?
楽しいからいいんだけど……)
なあ、レオン……
どうした、副長?元気ねーな。
今でこそ海賊に身をやつしてしまっているが、私は大貴族グラナドス家の三男。
そんな大貴族の私がどうしてホテルで皿洗いをしなければならないのだ!
しかたがねーだろ。船ねーんだし、金もねーんだしよ。とりあえず、稼ぐしかねー。
船がないとか海賊ですらないだろ!
俺は嬉しいぜ。副長がやっと海賊だって認めてくれてよ。
そういう話じゃない!
こんなところで喧嘩ですか?お給料、減らされちゃいますよ。
よお、クラウディア、そっちの調子はどうだ?
順調です。ホテルのクリスマスパーティーでも歌ってほしいと頼まれました。
いいじゃねーか!さすがは俺らの歌姫だばんばん歌ってばんばん稼いでくれよ。
海賊団に入ったつもりはないんですけど……歌うのは好きなので歌います。
そういえば、ヤナギさんとクウちゃんは?
あいつらは空手で稼ぐと言って、どっか行ったな。そのうち戻ってくんだろ。
……せっかくのクリスマスシーズンだというのに、私はどうしてこんなところで……実家でチキンが食べたい。ぶどう酒を飲みたい……
私はクリスマスについてそんなに詳しくないのですが、副長さんはご存知なんですか?
私の故郷でもおこなっていたからね。サンタクロースという老人が子供にプレゼントを配るんだ。
ヘ~、不思議なお祭りですね。
この万来の島ローガストでも盛大に祝うらしい。特にこのアウロラホテルで行われるパーティーには連邦の超VIPも集まるのだとか……
金持ちが来るってことか?じゃあ、船、買ってもらおうぜ。
余計なことしてこれ以上、罪を重ねるなよ、レオン。
こまけーこたー気にすんな!明日は明日の風が吹く!
よーほー!
よーほー!
よーほー!じゃなぁぁぁぁい!!
…………
あらすじ
万来の島・ローガストにあるアウロラホテルでは、クリスマスパーティーの準備が進んでいた。
クラウディア、ユーカレア、ヴァイスの三人はそれぞれの理由でホテルに集う。
そんななか、怨霊まで現れ、ホテルはパニック!
登場人物
パイレーツシンフォニア Story
クラウディア・フォウ cv.上田麗奈 歌が大好きな天涯孤独の少女。 海賊大王の宝をめぐる騒動に巻き込まれてしまう。 | ||
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騎士の国のお姫様 ユーカレア・アインヴァッカ cv.照井春佳 騎士の国<ジルベスタ>の幼き姫君。 変顔は急に戻せない。 | ||
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