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ハーテッド!!
呪いの子が!!
<ジークをいじめないで!――と幼い頃の私は、いつもジークを庇っていた。
同年代のハーレから、ハーテッドといじめられる。
誰も助けてはくれない。大人からも嫌悪されていたから。
呪われた子って言われて、当然なんだ!僕に、生きる価値なんてない!
あの子はそう言って、とても苦しそうに泣いていた。
それが自分のことのように痛かったんだ。
だから、決めた。あの子に辛い思いをさせる全部から、守ってあげるって。
だって私は、ジークのお姉ちゃんだから。
だけど、あの時――>
うわぁああああ!!
ハーテッドが暴れてる!村が!村が!!
ハハハハハ!!
<ジークは界雷を呼んだ。そして村を消した。それから、すべてが変わってしまった。
私は一瞬だけ思ってしまったのだ。ジークが、怖いって>
…………
……
よいしょっと……
<サテラは意識を失ったジークを背負っていた――>
本当に、無茶ばっかして。
……大丈夫?
――うん、平気。それより早くウェザリスから離れよう。
うん、そうね。
暴走は止まったけど、なんだか……
魔物もわんさかだし、嵐の前の静けさというか……
待っててね、ジーク。もう少しでお家につくから。
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…………
ジークは、どうかな?
できることはしました……
体に相当な負荷がかかったのは、間違いないと思います……
――っ。
ジーク!気がついた?
ここは……
ジークくんのお家だよ。
家……ウェザリスは!?どうなった!?
安心なさい。暴走は止まったわ。
落ち着いた感じで、ぷかぷか浮いてるわよ。
ジークくんのおかげだよ。
……止まっただけじゃダメなんだよ……
やっぱり、ウェザリスを壊すつもりだったの?
…………
ねぇジーク。どうして界雷の力を使ったの?
…………
なんで、そんなことするの?
…………
とにかく!無事にもどってきてよかった!
ほら、お姉ちゃんがぎゅーってしてあげちゃうぞ☆
は!?おいバカ!離れろ……!苦しい!
こらこら、少し安静にさせてやんなさい。
元気になったら、ぎゅってしてあげてください。
……やめろ。
あははは、そうだよねえ。ちょっと舞い上がっちゃった♪
……でもジーク。もうあんな無茶しないで。
力はもう使わないで。お願い……
…………
約束しないと毎日ー緒に寝るよ。
……わかった、使わない。
よし、いい子!……ちょっと外の風に当たってくるね。
…………
……
サテラさん、遅いね。
さすがに心配だわね。ちょっと探してこようか。
私はジークくんのこと見てるね。
オッケー!行きましょ!主人公!
***
どこにもいないわね……
サテラの足跡かしら?
まったく!急に消えたら心配するじゃない!
とりあえずアイリスに事情説明して、サテラを追いましょ!
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……はぁはぁ。
こらー!
わぁ!びっくり……!!
あははは……よくわかったね。
こちとら伊達に冒険家やってるわけじゃないのよ!
足跡たどるなんて朝飯前よ!主人公が!
わお。さすが主人公くん。たくましいね……
いやあ、冒険家さんってすごいんだなあ。とっても尊敬しちゃうよ。
ふふん、でしょ。
キャトラちゃんも賢くて可愛いし、もう完璧だよね。
オホホホ!それほどでもないわ!
って、おだてたって無駄よ!急にどうしたのよ!
ウェザリスを制御する方法を、探そうと思ったんだ。
それはいいけども、いくらなんでも慌て過ぎじゃない?
だって、時間がないから。
なんで時間がないのよ。
ジークはウェザリスに上がって、界雷の力を使った。……ハーレとレイナーの人たちがどう思うと思う?
……命を狙われてもおかしくない。ジークを助けるにはウェザリスのエラーを直すしかないの。
つまりジークのことが心配ってことね?
キャトラちゃんたちには、ちゃんとそう見えてる?……ならよかった。
ジークを守りたいんだ。でも、伝わらないから。
なんでそんなこと思うのよ。
だって私が仮面をつけてるから。こうやってどーってことないぞ☆って感じでね。
やめればいいじゃない。
……できないんだよね。じゃないと押し潰れそうでさ。
お父さんもいなくなって、ジークとふたりで、なんとかしないといけないんだよ。
本当は不安なんだ。この先どうなるかわかんなくて、怖くて仕方ないんだ。
こうしないと私、怖くてジークと話せないんだよ。
……それで、何しようとしてたの?
……え?
アンタは何しようとしてたの?
変なおじさんを探してたんだ。あの人はウェザリスについて何か知ってるはずだから。
レイナーの遺跡は調べてないし、何か手がかりがないかって思ってね。
雨しか降らないのに、無茶しようとしてたわねえ。
じゃあー緒に行きましょ!
え、いいの?
あんましよくないけども。
サテラが弱気だと、うまくいくモノも、失敗するわ!
コツコツ成功体験を積み重ねて、自信をつけるしかないのよ!大概のことは!
今日は褒めて伸ばす気分なの!だからアンタの気持ちも、少しは尊重してあげる!
あはは、意味わかんない。
ジークのことが大切なんでしょ?その気持ちを伝えるだけじゃない。だったら行動で伝えましょ!
……ありがと、キャトラちゃん。
オッケー!目標は朝帰りよ!
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サテラたち、どこ行ったんたろう。
……すぐに戻ってくると思うわ。もう少し待ってみよう。
ねぇアイリス。外には色々な力を持った人がいるって言ってたよな。
うん、そうだよ。
僕はどうして、こんな力を手に入れたんだと思う?
ジークくん……
ハーテッドって言われて憎まれて……力を使えば。自分でコントロールできない。
家族は僕のせいでバラバラた。母さんは僕を産んで死んだ。父さんは暴走した僕を見て。どこかに消えた。
自分から力を使ったのは、初めてたったんだ。
使ってわかったよ。僕はやっぱり……生きてるべきじゃない。
生まれた場所も立場も、自分で選ぶことはできないわ。
でも、すべてに意味があると思う。
僕が界雷の力を持ってることも?
もちろん。
たったひとりで、孤独だと思っても、ジークくんはひとりじゃない。
そして何を選ぶかは、ジークくんの自由だよ。
僕の、自由……?
うん。
……界雷の力を使ったら。自分が自分じゃなくなったみたいだった。壊すのが、楽しく感じたんだ。
怖かった。呪いの子だと言われるのが、当然だと思った。
ジークくんは、どうしたいの?
……僕は――
今の音は――!?
<真っ黒な空を切り裂くような稲光が轟く――
吹き荒れる雨と風は、 の如く響き――>
そんな……
ひどい嵐だわ……
ウェザリスがまた、暴走を始めたんだ……!
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クククク……
ハハハハハ!!!!
クソがぁあああああ!!!
無様!無様無様無様!この俺?俺だと?俺の力で何とかする?
何もできていないじゃないか!俺の力とは、笑わせる!
…………
すぅ、はぁ……ゲホゲホッ!
わかっているさ……
いや、わかっていた……驕りが過ぎたことを……
警告します。気象管理システムのエラーにより自律機能が作動していません。
自動診断システムを起動して、エラーを修正してください。
まったく、しつこい――!
自動診断システムを起動して、エラーを修正してください。
警告します。深刻なエラーです。
直ちに自動診断システムを起動してください。
…………
何年もの間、研究してきたのだ。貴様の手の平で踊らされぬために!
……見ていろ、ウェザリー。
利用してやるさ。何であってもな。
…………
…………
ウェザリスがお怒りだ。
そのようだ。
ハーテッドの姉は我らの土地にいる。邪魔はさせん。足止めは我らが。
ハーテッドは我らが狩る。それまでの間は手を組む。
![w](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22100%22%20height%3D%22100%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ウェザリスの怒りを鎮めよ!
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ここさっきも通らなかった!?
どうなってんの!?すごい嵐だし!
はぁはぁはぁ……!またウェザリスが暴走を、始めたんだと思う……
レイナーの土地は、水の流れを、利用してるから……水路、めちゃくちゃだし……もと来た道がわからないね。
ひとまず帰りましょ。他に道はないの?
遠回りになるけど、はぁはぁ……迫跡の外に出よっか。
平気、動ける?
倒れたら、頼んだぞ☆
主人公!!サテラを頼むわよ!
キャトラさんが抜け道を探すわ!
<流れの変わった水流が濁流となって押し寄せる!>
ぎにゃー!その波には乗れないわ!!
……キャトラちゃん!
ァーァア~!!
<濁流が到達する直前、蔦にしがみついた男が、キャトラを助けた!!>
怪我はないかい……ぜぇぜぇ……子猫ハアハアちゃあん……
助かったけども怖いからこっち来ないで!でもありがとね!
……あなたは。……うっ――
!<主人公は咄嵯にふらつくサテラを支えた!>
俺の娘に触ってんじゃねえ!!しばき倒すぞ小僧が!!
……え?どゆこと?は?
さあ、何言ってるのか、私もさっぱり……
俺は!
俺はお前とジークの父親だ。
ヤバい人だ……無視しよ……
無視するなー!!!
……
剣を向けるなー!!
パパなら、何がしたいのよ!アンタの目的は!?
俺はパパではない!!
意味がわからん!
パパの資格はない。今さら現れて、偉そうに名乗るつもりはないということだ。
めんどくさいわね!
……ジークの所に戻ろう。早く……!
そうね!そうしましょう!
待ってくれ!!話を聞けい……ゲホゲホ!!
はぁはぁ……はぁはぁはぁはぁ……
怖いんだけど!
ウェザリスのことなら、俺は調べ尽くしているぞ……!
これを見よ!!
<プライドは奇妙な形の機械を複数取り出した>
何よこれ。
古代文明の端末みたいだけど……
俺が集めてきた、ウェザリスに関するデータが詰まっている。
見る価値はあるだろう?……戻りながら話は聞いてくれればいい。
……わかった。
いいの?
この人を探していたしね。今はお家まで、早く戻ろう。
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みんな大丈夫かな。
探しに行こう。
ダメだよ、ジークくんは安静にしてないと……
危ない!!
<ふたりの立っていた場所に、矢が突き立っていた!>
これは……!
囲まれてる!!
ー体何が――!
死ね、ハーデッド。
お前!!
……何しに来た?
聞かずともわかるだろう。ハーテッド。
ウェザリスがお怒りになっている!
貴様を殺し、怒りを鎮めるのだ!
確かにウェザリスを墜とそうとした。僕を殺したくて、当然だな。
ジークくん――!!
殺されるつもりはない。
意味があるって。選べるって。その答えがわかるまで、死ぬつもりなんてない。
悪天式ルーンコア起動――
はぁ!!
逃げよう。レイナーの地に行けば、追ってこれない!
……うん!
そんな――!
レイナーの地が、晴れ始めた……!
ジークくん、こっちへ!
……ああ!
愚かな。我らの土地へ逃げるつもりだ。
追え!奴らを狩るのだ!
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<サテラは<ウェザーレポート>をプライドに見せられた……>
製作者が残したメッセージだ。
ウェザリスの暴走を止めるには、ハーテッド……つまりジークを殺さなければいけない。
……なに、これ。
ジークが初めて暴走した時、俺はジークのような子が生まれる原因を調べることにした。
そしてハーデッドが人為的に仕組まれ、生まれる存在だと知ったのだ。
だから俺は他の方法を探した。それが<気象核>の破壊だ。
ウェザリスさえ壊してしまえば、製作者の思惑など関係ないからな。
だからジークに気象核を破壊させるように仕向けたんだ……
ジークの力は足りていた。だが、散漫だったのだ。
散漫ってどういうことよ。
暴走するジークの力は強大だが、ーつに集約されているわけではない。
雨のようにばらまかれている力を、滝のようにー点集中させる必要があったのだ。
そうすれば、……ウェザリスは墜とせる。
そんなことどうでもいい!
!
ジークに何させてるの?ふざけないでよ。
結果としてジークが助かれば、それでいいのだ。
そんなのダメ!ウェザリスを墜としたら、その後はどうするつもり!?島の人は!?
こんな島の奴らのことを、お前は心配してるのか?
……ジークを守るって決めた。
でも誰かに憎まれて、誰かを蹴落としながら生きることを決めたわけじゃない。
言い訳をするつもりはない。俺は父親であることを放棄した。
ウェザリスを調べていることがバレれば命が危ない。だから、お前達を守るためだと言い訳して、お前達を捨てたのだ。
俺はジークの命が助かれば、それでいい。
……それともお前にはジークを助ける手段があるのか?
……
……感情論はここまでだ。簡潔に言おう!
ジークの暴走を制御する方法が……ある!
だからジークではなく、お前の元に来たのだ。今度はお前を利用するために。
今度はなに!?
静かにしろ!何か聞こえる!
ハーレとレイナーよ。聞きなさい。私は、ウェザリスの意思を宣託する者。
ウェザリスは激怒しています。呪いの子であるハーテッドが生きているからです。
ハーテッドを殺しなさい。呪いの子こそが、すべての元凶。
皆でウェザリスの怒りを鎮めるのです……
何なの、今の声は……
ウェザリーだ。やつめ、こんなものまで仕込んでいたか……!
……なんで?どうしてジークばっかり……こんな目に……
今度は何よ!
これは、共振器……?
ウェザリスからの宣託だ。
ハーレの者たちが、ハーテッドを殺す。それまでは大人しくしていろ。
断ったら?
土に還れ。
……なんなの?どこまでジークを追い詰めれば、気がすむの……?
<剣を構え、主人公はサテラを庇うように立つ>
主人公……?
<憎しみに飲まれるな>
行くわよ!ここは任せましょ!
でも……!こんな数ひとりじゃー!
主人公はこれくらいの修羅場、何度もくぐり抜けてきたわよ!
<ここは、任せろ!>
……ありがと。ちょっと頭冷えた。
ヤバくなったら即退散よ!
……後でチューしてあげる☆
バカいってんじゃないわよ!肩もみでもしてあげなさい!
俺の娘に手を出したら、貴様タダではすまさんぞ……
持て!
行かせてはならぬ!
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ハーテッドを殺しなさい。呪いの子こそが、すべての元凶。
皆でウェザリスの怒りを鎮めるのです……
ぜぇぜぇ……!
……結局、僕が死ねばいいのか。なんだよ、今の声……
……ぐっ。
ジークくん!日差しが強すぎるわ。少し休みましょう。
……大丈夫だ。
早く逃げないとハーレの奴らに追いつかれる……
でも体がもたないわ。
憎むのは、もう嫌なんだ。憎まれるのも、もう嫌だ。もう、うんざりだ。
<遠くに見える。ウェァリスを睨む>
「……でもジーク。もうあんな無茶しないで。
力はもう使わないで。お願い……」
なんで都合のいいときだけ、思い出してるんだよ。
サテラも楽になるんだ。僕がいなければ、僕が死にさえすれば……
……ジークくん?
アイリス、選んだよ。僕はもう――
ぐっ、うう……!あああ!!!
ジークくん!?
くそ、どうして……!力が、勝手に……!!
やめ……ろ……!!
はぁはぁはぁ……!
ジークくん、大丈夫!?
勝手に、力が……
見つけたぞ!あそこだ!
ハーテッドを殺せ!!
<ハーレの戦士たちが、襲いかかってくる――!>
そんな……!こんなに早く……!
逃げましょう!
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はぁはぁ……!ジーク!
やっとこさお家についたけど……いないわね、ふたりとも。
争った形跡がある。どうやら逃げたようだな。
急ごう!はやくふたりを追いかけなくちゃ!
持て!
ジークの力を制御する方法がある。その話が先だ。
話してる暇なんかない!こうしてる間にもジークが……!
ジークの暴走を止める<鍵>は、お前だ、サテラ。
なんでサテラなの?どういう関係があるのよ。
ウェザリスが暴走するたびに、先祖はハーテッドを殺し、自らを閉じ込める箱庭を安定させてきた。
ハーレはレイナーを殺し、レイナーがハーレを殺し、その繰り返しだ。
すべてはウェザリーによって仕組まれた負の連鎖なのだ。
……それが何?ジークはそんな奴のせいで、ハーテッドとして生まれたんでしょう!
だから思い通りにはさせん。どんな手を使ってもな。
不思議に思っていた。ハーテッドという憎しみを連鎖させるためだけの存在が、どうして界雷の力を持つのか。
天候を変える力など、ウェザリスの意味を否定する。
必要ないのだ。界雷の力など……
つまり、何が言いたいのよ。
界雷の力は、後天的なものだ。ウェザリーが計画したものではない。
……それじゃあ、あの子の力は?
ハーテッドの因子が生み出した、イレギュラーな力なのだ。
ジークの力は、ハーテヅドというシステムに抗うため生まれたものだ。
だが力は不完全だ。だから暴走してしまう。ゆえに暴走を抑える手段を私は探した。
サテラ、思い出してみろ。
ジークが初めて暴走した時、そしてウェザリスに挑むため、界雷の力を使ったとき、ジークの暴走はどうして止まった?
お前がそばにいた時だ!姉弟であるお前が、ジークに歩み寄った時に、暴走は止まるのだ!
そんな……
ジークの姉であるお前もハーテッドの因子を持っている。
俺が研究してきたことが、正しければ――
お前達姉弟はふたりでひとつの、運命を覆すための力を持っている!
だったら……
最初から教えてよ!どうしてジークにあんなことさせたの!?
危険な賭けに、お前を巻き込みたくなかったからだ!暴走したジークを止められる確証があるわけではないのだ。
そんなの勝手だよ。
ジークも、お父さんも勝手だよ。そんな勝手に決めないで。
ひとりの力で生きてるわけじゃないんだから……
……サテラ。
お前の言うとおりかもしれない。だが――
これはーそーゆーとこだよ!
正当化しないで。お父さんは家を出る必要なかったし、ジークと身勝手にウェザリスを墜とそうとする必要もなかった!
全部自分の都合で、周りの人がどう思うかなんて考えてないじゃん!
そんなかっこつけるなら、他人に迷惑かけないでかっこつけてよ!!
怖かったんだよ!不安だったんだよ!振り回される人のこと、考えてよ!!
…………
正論ね。
……そうですね。
……ジークの暴走を止められる可能性があるのは、本当なんだよね?
ああ。だが、確実ではない。何かが足りないのは、事実だ。
そんなの、どうするのよ。
でも行かなくちゃ……ジークのところに!
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死ねぇ!!
ぐ……!守りが固い……!
はぁはぁ……やめてください!無意味です。こんなことは――!
無意昧だと?
ハーテッドを殺せば、ウェザリスの怒りが鎮まるというのにか!
余所者は耳が悪いようたな!
くっ――!
……アイリス、もういい。もう、疲れた。
ぐあああ!!
ジークくん!!!
どけ!余所者が!!
ハーテッドは死を選んだのだ!なぜ邪魔をする!!
はぁはぁ……やめてください!
なんで攻撃してこない?
構うな、甘さは弱さ。邪魔するなら殺せ。
甘さではありません。
あなたたちは、他に選択肢がないと思っているだけ。
気づいてください。選べることを。
選ぶことができる、そう思うだけで、変われるものだから。
耳を賃すな。殺せ。
……待ってくれ!
アイリス、もういいよ。僕が死ぬ。それで、終わりだ。
……本当にそれでいいの?
!
本当にそれが、ジークくんの選びたいことなの?
……そうすればサテラも、楽になる。
ジークくんが、でしょう?サテラさんは楽にならないわ。
悪いかよ!もう嫌なんだよ!なんでこんな思いまでして、生きていかなくちゃいけないんだ!!
そうだ!
ハーテッドが死ねばすむこと!邪魔をするな!!
そうだ!死ね!
死ね!死ね、ハーテッド!!
<憎悪の言葉がジークに降りかかる――>
ぐ……!ぐあ……!そうだ……!そいつらの、言う通りだ……!
ジークくん!?
くそ……ダメだ……抑え、られない……!
でも、もう、いいよ……!どうでも――!
界雷だ……
晴天が、崩れていく……
でもアイリスは……
僕から、離れろ……
逃げて!!
くくくく……
壊してやる!何もかも全て!ハハハハハ!!
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