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【白猫】Lost Weather Cord Story4

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


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wハーテッド!!

w呪いの子が!!

<ジークをいじめないで!――と幼い頃の私は、いつもジークを庇っていた。

同年代のハーレから、ハーテッドといじめられる。

誰も助けてはくれない。大人からも嫌悪されていたから。

呪われた子って言われて、当然なんだ!僕に、生きる価値なんてない!

あの子はそう言って、とても苦しそうに泣いていた。

それが自分のことのように痛かったんだ。

だから、決めた。あの子に辛い思いをさせる全部から、守ってあげるって。

だって私は、ジークのお姉ちゃんだから。

だけど、あの時――>

wうわぁああああ!!

wハーテッドが暴れてる!村が!村が!!

ハハハハハ!!

<ジークは界雷を呼んだ。そして村を消した。それから、すべてが変わってしまった。

私は一瞬だけ思ってしまったのだ。ジークが、怖いって>


…………

……


よいしょっと……

<サテラは意識を失ったジークを背負っていた――>

本当に、無茶ばっかして。

……大丈夫?

――うん、平気。それより早くウェザリスから離れよう。

うん、そうね。

暴走は止まったけど、なんだか……

魔物もわんさかだし、嵐の前の静けさというか……

待っててね、ジーク。もう少しでお家につくから。



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…………

ジークは、どうかな?

できることはしました……

体に相当な負荷がかかったのは、間違いないと思います……

――っ。

ジーク!気がついた?

ここは……

ジークくんのお家だよ。

家……ウェザリスは!?どうなった!?

安心なさい。暴走は止まったわ。

落ち着いた感じで、ぷかぷか浮いてるわよ。

ジークくんのおかげだよ。

……止まっただけじゃダメなんだよ……

やっぱり、ウェザリスを壊すつもりだったの?

…………

ねぇジーク。どうして界雷の力を使ったの?

…………

なんで、そんなことするの?

…………

とにかく!無事にもどってきてよかった!

ほら、お姉ちゃんがぎゅーってしてあげちゃうぞ☆

は!?おいバカ!離れろ……!苦しい!

こらこら、少し安静にさせてやんなさい。

元気になったら、ぎゅってしてあげてください。

……やめろ。

あははは、そうだよねえ。ちょっと舞い上がっちゃった♪

……でもジーク。もうあんな無茶しないで。

力はもう使わないで。お願い……

…………

約束しないと毎日ー緒に寝るよ。

……わかった、使わない。

よし、いい子!……ちょっと外の風に当たってくるね。


…………

……


サテラさん、遅いね。

さすがに心配だわね。ちょっと探してこようか。

私はジークくんのこと見てるね。

オッケー!行きましょ!主人公!


 ***


どこにもいないわね……

サテラの足跡かしら?

まったく!急に消えたら心配するじゃない!

とりあえずアイリスに事情説明して、サテラを追いましょ!



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……はぁはぁ。

こらー!

わぁ!びっくり……!!

あははは……よくわかったね。

こちとら伊達に冒険家やってるわけじゃないのよ!

足跡たどるなんて朝飯前よ!主人公が!

わお。さすが主人公くん。たくましいね……

いやあ、冒険家さんってすごいんだなあ。とっても尊敬しちゃうよ。

ふふん、でしょ。

キャトラちゃんも賢くて可愛いし、もう完璧だよね。

オホホホ!それほどでもないわ!

って、おだてたって無駄よ!急にどうしたのよ!

ウェザリスを制御する方法を、探そうと思ったんだ。

それはいいけども、いくらなんでも慌て過ぎじゃない?

だって、時間がないから。

なんで時間がないのよ。

ジークはウェザリスに上がって、界雷の力を使った。……ハーレとレイナーの人たちがどう思うと思う?

……命を狙われてもおかしくない。ジークを助けるにはウェザリスのエラーを直すしかないの。

つまりジークのことが心配ってことね?

キャトラちゃんたちには、ちゃんとそう見えてる?……ならよかった。

ジークを守りたいんだ。でも、伝わらないから。

なんでそんなこと思うのよ。

だって私が仮面をつけてるから。こうやってどーってことないぞ☆って感じでね。

やめればいいじゃない。

……できないんだよね。じゃないと押し潰れそうでさ。

お父さんもいなくなって、ジークとふたりで、なんとかしないといけないんだよ。

本当は不安なんだ。この先どうなるかわかんなくて、怖くて仕方ないんだ。

こうしないと私、怖くてジークと話せないんだよ。

……それで、何しようとしてたの?

……え?

アンタは何しようとしてたの?

変なおじさんを探してたんだ。あの人はウェザリスについて何か知ってるはずだから。

レイナーの遺跡は調べてないし、何か手がかりがないかって思ってね。

雨しか降らないのに、無茶しようとしてたわねえ。

じゃあー緒に行きましょ!

え、いいの?

あんましよくないけども。

サテラが弱気だと、うまくいくモノも、失敗するわ!

コツコツ成功体験を積み重ねて、自信をつけるしかないのよ!大概のことは!

今日は褒めて伸ばす気分なの!だからアンタの気持ちも、少しは尊重してあげる!

あはは、意味わかんない。

ジークのことが大切なんでしょ?その気持ちを伝えるだけじゃない。だったら行動で伝えましょ!

……ありがと、キャトラちゃん。

オッケー!目標は朝帰りよ!



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サテラたち、どこ行ったんたろう。

……すぐに戻ってくると思うわ。もう少し待ってみよう。

ねぇアイリス。外には色々な力を持った人がいるって言ってたよな。

うん、そうだよ。

僕はどうして、こんな力を手に入れたんだと思う?

ジークくん……

ハーテッドって言われて憎まれて……力を使えば。自分でコントロールできない。

家族は僕のせいでバラバラた。母さんは僕を産んで死んだ。父さんは暴走した僕を見て。どこかに消えた。

自分から力を使ったのは、初めてたったんだ。

使ってわかったよ。僕はやっぱり……生きてるべきじゃない。

生まれた場所も立場も、自分で選ぶことはできないわ。

でも、すべてに意味があると思う。

僕が界雷の力を持ってることも?

もちろん。

たったひとりで、孤独だと思っても、ジークくんはひとりじゃない。

そして何を選ぶかは、ジークくんの自由だよ。

僕の、自由……?

うん。

……界雷の力を使ったら。自分が自分じゃなくなったみたいだった。壊すのが、楽しく感じたんだ。

怖かった。呪いの子だと言われるのが、当然だと思った。

ジークくんは、どうしたいの?

……僕は――

今の音は――!?

<真っ黒な空を切り裂くような稲光が轟く――

吹き荒れる雨と風は、  の如く響き――>

そんな……

ひどい嵐だわ……

ウェザリスがまた、暴走を始めたんだ……!



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クククク……

ハハハハハ!!!!


クソがぁあああああ!!!

無様!無様無様無様!この俺?俺だと?俺の力で何とかする?

何もできていないじゃないか!俺の力とは、笑わせる!

…………

すぅ、はぁ……ゲホゲホッ!

わかっているさ……

いや、わかっていた……驕りが過ぎたことを……

w警告します。気象管理システムのエラーにより自律機能が作動していません。

自動診断システムを起動して、エラーを修正してください。

まったく、しつこい――!

w自動診断システムを起動して、エラーを修正してください。

警告します。深刻なエラーです。

直ちに自動診断システムを起動してください。

…………

何年もの間、研究してきたのだ。貴様の手の平で踊らされぬために!

……見ていろ、ウェザリー。

利用してやるさ。何であってもな。


w…………

w…………

wウェザリスがお怒りだ。

wそのようだ。

wハーテッドの姉は我らの土地にいる。邪魔はさせん。足止めは我らが。

wハーテッドは我らが狩る。それまでの間は手を組む。

wwウェザリスの怒りを鎮めよ!



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ここさっきも通らなかった!?

どうなってんの!?すごい嵐だし!

はぁはぁはぁ……!またウェザリスが暴走を、始めたんだと思う……

レイナーの土地は、水の流れを、利用してるから……水路、めちゃくちゃだし……もと来た道がわからないね。

ひとまず帰りましょ。他に道はないの?

遠回りになるけど、はぁはぁ……迫跡の外に出よっか。

平気、動ける?

倒れたら、頼んだぞ☆

主人公!!サテラを頼むわよ!

キャトラさんが抜け道を探すわ!

<流れの変わった水流が濁流となって押し寄せる!>

ぎにゃー!その波には乗れないわ!!

……キャトラちゃん!

ァーァア~!!

<濁流が到達する直前、蔦にしがみついた男が、キャトラを助けた!!>

怪我はないかい……ぜぇぜぇ……子猫ハアハアちゃあん……

助かったけども怖いからこっち来ないで!でもありがとね!

……あなたは。……うっ――

!<主人公は咄嵯にふらつくサテラを支えた!>

俺の娘に触ってんじゃねえ!!しばき倒すぞ小僧が!!

……え?どゆこと?は?

さあ、何言ってるのか、私もさっぱり……

俺は!

俺はお前とジークの父親だ。

ヤバい人だ……無視しよ……

無視するなー!!!

……

剣を向けるなー!!

パパなら、何がしたいのよ!アンタの目的は!?

俺はパパではない!!

意味がわからん!

パパの資格はない。今さら現れて、偉そうに名乗るつもりはないということだ。

めんどくさいわね!

……ジークの所に戻ろう。早く……!

そうね!そうしましょう!

待ってくれ!!話を聞けい……ゲホゲホ!!

はぁはぁ……はぁはぁはぁはぁ……

怖いんだけど!

ウェザリスのことなら、俺は調べ尽くしているぞ……!

これを見よ!!

<プライドは奇妙な形の機械を複数取り出した>

何よこれ。

古代文明の端末みたいだけど……

俺が集めてきた、ウェザリスに関するデータが詰まっている。

見る価値はあるだろう?……戻りながら話は聞いてくれればいい。

……わかった。

いいの?

この人を探していたしね。今はお家まで、早く戻ろう。



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みんな大丈夫かな。

探しに行こう。

ダメだよ、ジークくんは安静にしてないと……

危ない!!

<ふたりの立っていた場所に、矢が突き立っていた!>

これは……!

囲まれてる!!

ー体何が――!

w死ね、ハーデッド。

お前!!

……何しに来た?

w聞かずともわかるだろう。ハーテッド。

wウェザリスがお怒りになっている!

w貴様を殺し、怒りを鎮めるのだ!

確かにウェザリスを墜とそうとした。僕を殺したくて、当然だな。

ジークくん――!!

殺されるつもりはない。

意味があるって。選べるって。その答えがわかるまで、死ぬつもりなんてない。

悪天式ルーンコア起動――

はぁ!!


逃げよう。レイナーの地に行けば、追ってこれない!

……うん!

そんな――!

レイナーの地が、晴れ始めた……!

ジークくん、こっちへ!

……ああ!

w愚かな。我らの土地へ逃げるつもりだ。

w追え!奴らを狩るのだ!



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<サテラは<ウェザーレポート>をプライドに見せられた……>

製作者が残したメッセージだ。

ウェザリスの暴走を止めるには、ハーテッド……つまりジークを殺さなければいけない。

……なに、これ。

ジークが初めて暴走した時、俺はジークのような子が生まれる原因を調べることにした。

そしてハーデッドが人為的に仕組まれ、生まれる存在だと知ったのだ。

だから俺は他の方法を探した。それが<気象核>の破壊だ。

ウェザリスさえ壊してしまえば、製作者の思惑など関係ないからな。

だからジークに気象核を破壊させるように仕向けたんだ……

ジークの力は足りていた。だが、散漫だったのだ。

散漫ってどういうことよ。

暴走するジークの力は強大だが、ーつに集約されているわけではない。

雨のようにばらまかれている力を、滝のようにー点集中させる必要があったのだ。

そうすれば、……ウェザリスは墜とせる。

そんなことどうでもいい!

ジークに何させてるの?ふざけないでよ。

結果としてジークが助かれば、それでいいのだ。

そんなのダメ!ウェザリスを墜としたら、その後はどうするつもり!?島の人は!?

こんな島の奴らのことを、お前は心配してるのか?

……ジークを守るって決めた。

でも誰かに憎まれて、誰かを蹴落としながら生きることを決めたわけじゃない。

言い訳をするつもりはない。俺は父親であることを放棄した。

ウェザリスを調べていることがバレれば命が危ない。だから、お前達を守るためだと言い訳して、お前達を捨てたのだ。

俺はジークの命が助かれば、それでいい。

……それともお前にはジークを助ける手段があるのか?

……

……感情論はここまでだ。簡潔に言おう!

ジークの暴走を制御する方法が……ある!

だからジークではなく、お前の元に来たのだ。今度はお前を利用するために。


今度はなに!?

静かにしろ!何か聞こえる!

 wハーレとレイナーよ。聞きなさい。私は、ウェザリスの意思を宣託する者。

 ウェザリスは激怒しています。呪いの子であるハーテッドが生きているからです。

 ハーテッドを殺しなさい。呪いの子こそが、すべての元凶。

 皆でウェザリスの怒りを鎮めるのです……

何なの、今の声は……

ウェザリーだ。やつめ、こんなものまで仕込んでいたか……!

……なんで?どうしてジークばっかり……こんな目に……

今度は何よ!

これは、共振器……?

wウェザリスからの宣託だ。

wハーレの者たちが、ハーテッドを殺す。それまでは大人しくしていろ。

断ったら?

w土に還れ。

……なんなの?どこまでジークを追い詰めれば、気がすむの……?

<剣を構え、主人公はサテラを庇うように立つ>

主人公……?

<憎しみに飲まれるな>

行くわよ!ここは任せましょ!

でも……!こんな数ひとりじゃー!

主人公はこれくらいの修羅場、何度もくぐり抜けてきたわよ!

<ここは、任せろ!>

……ありがと。ちょっと頭冷えた。

ヤバくなったら即退散よ!

……後でチューしてあげる☆

バカいってんじゃないわよ!肩もみでもしてあげなさい!

俺の娘に手を出したら、貴様タダではすまさんぞ……

w持て!

w行かせてはならぬ!



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wハーテッドを殺しなさい。呪いの子こそが、すべての元凶。

皆でウェザリスの怒りを鎮めるのです……

ぜぇぜぇ……!

……結局、僕が死ねばいいのか。なんだよ、今の声……

……ぐっ。

ジークくん!日差しが強すぎるわ。少し休みましょう。

……大丈夫だ。

早く逃げないとハーレの奴らに追いつかれる……

でも体がもたないわ。

憎むのは、もう嫌なんだ。憎まれるのも、もう嫌だ。もう、うんざりだ。

<遠くに見える。ウェァリスを睨む>

「……でもジーク。もうあんな無茶しないで。

力はもう使わないで。お願い……」

なんで都合のいいときだけ、思い出してるんだよ。

サテラも楽になるんだ。僕がいなければ、僕が死にさえすれば……

……ジークくん?

アイリス、選んだよ。僕はもう――

ぐっ、うう……!あああ!!!

ジークくん!?

くそ、どうして……!力が、勝手に……!!

やめ……ろ……!!

はぁはぁはぁ……!

ジークくん、大丈夫!?

勝手に、力が……

 w見つけたぞ!あそこだ!

 wハーテッドを殺せ!!

<ハーレの戦士たちが、襲いかかってくる――!>

そんな……!こんなに早く……!

逃げましょう!



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はぁはぁ……!ジーク!

やっとこさお家についたけど……いないわね、ふたりとも。

争った形跡がある。どうやら逃げたようだな。

急ごう!はやくふたりを追いかけなくちゃ!

持て!

ジークの力を制御する方法がある。その話が先だ。

話してる暇なんかない!こうしてる間にもジークが……!

ジークの暴走を止める<鍵>は、お前だ、サテラ。

なんでサテラなの?どういう関係があるのよ。

ウェザリスが暴走するたびに、先祖はハーテッドを殺し、自らを閉じ込める箱庭を安定させてきた。

ハーレはレイナーを殺し、レイナーがハーレを殺し、その繰り返しだ。

すべてはウェザリーによって仕組まれた負の連鎖なのだ。

……それが何?ジークはそんな奴のせいで、ハーテッドとして生まれたんでしょう!

だから思い通りにはさせん。どんな手を使ってもな。

不思議に思っていた。ハーテッドという憎しみを連鎖させるためだけの存在が、どうして界雷の力を持つのか。

天候を変える力など、ウェザリスの意味を否定する。

必要ないのだ。界雷の力など……

つまり、何が言いたいのよ。

界雷の力は、後天的なものだ。ウェザリーが計画したものではない。

……それじゃあ、あの子の力は?

ハーテッドの因子が生み出した、イレギュラーな力なのだ。

ジークの力は、ハーテヅドというシステムに抗うため生まれたものだ。

だが力は不完全だ。だから暴走してしまう。ゆえに暴走を抑える手段を私は探した。

サテラ、思い出してみろ。

ジークが初めて暴走した時、そしてウェザリスに挑むため、界雷の力を使ったとき、ジークの暴走はどうして止まった?

お前がそばにいた時だ!姉弟であるお前が、ジークに歩み寄った時に、暴走は止まるのだ!

そんな……

ジークの姉であるお前もハーテッドの因子を持っている。

俺が研究してきたことが、正しければ――

お前達姉弟はふたりでひとつの、運命を覆すための力を持っている!

だったら……

最初から教えてよ!どうしてジークにあんなことさせたの!?

危険な賭けに、お前を巻き込みたくなかったからだ!暴走したジークを止められる確証があるわけではないのだ。

そんなの勝手だよ。

ジークも、お父さんも勝手だよ。そんな勝手に決めないで。

ひとりの力で生きてるわけじゃないんだから……

……サテラ。

お前の言うとおりかもしれない。だが――

これはーそーゆーとこだよ!

正当化しないで。お父さんは家を出る必要なかったし、ジークと身勝手にウェザリスを墜とそうとする必要もなかった!

全部自分の都合で、周りの人がどう思うかなんて考えてないじゃん!

そんなかっこつけるなら、他人に迷惑かけないでかっこつけてよ!!

怖かったんだよ!不安だったんだよ!振り回される人のこと、考えてよ!!

…………

正論ね。

……そうですね。

……ジークの暴走を止められる可能性があるのは、本当なんだよね?

ああ。だが、確実ではない。何かが足りないのは、事実だ。

そんなの、どうするのよ。

でも行かなくちゃ……ジークのところに!



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w死ねぇ!!

wぐ……!守りが固い……!

はぁはぁ……やめてください!無意味です。こんなことは――!

w無意昧だと?

ハーテッドを殺せば、ウェザリスの怒りが鎮まるというのにか!

w余所者は耳が悪いようたな!

くっ――!

……アイリス、もういい。もう、疲れた。

ぐあああ!!

ジークくん!!!

wどけ!余所者が!!

wハーテッドは死を選んだのだ!なぜ邪魔をする!!

はぁはぁ……やめてください!

wなんで攻撃してこない?

w構うな、甘さは弱さ。邪魔するなら殺せ。

甘さではありません。

あなたたちは、他に選択肢がないと思っているだけ。

気づいてください。選べることを。

選ぶことができる、そう思うだけで、変われるものだから。

w耳を賃すな。殺せ。

……待ってくれ!

アイリス、もういいよ。僕が死ぬ。それで、終わりだ。

……本当にそれでいいの?

本当にそれが、ジークくんの選びたいことなの?

……そうすればサテラも、楽になる。

ジークくんが、でしょう?サテラさんは楽にならないわ。

悪いかよ!もう嫌なんだよ!なんでこんな思いまでして、生きていかなくちゃいけないんだ!!

wそうだ!

wハーテッドが死ねばすむこと!邪魔をするな!!

wそうだ!死ね!

w死ね!死ね、ハーテッド!!

<憎悪の言葉がジークに降りかかる――>

ぐ……!ぐあ……!そうだ……!そいつらの、言う通りだ……!

ジークくん!?

くそ……ダメだ……抑え、られない……!

でも、もう、いいよ……!どうでも――!

w界雷だ……

w晴天が、崩れていく……

でもアイリスは……

僕から、離れろ……

逃げて!!


くくくく……

壊してやる!何もかも全て!ハハハハハ!!





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