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【白猫】Lost Weather Cord Story5

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作成者: にゃん
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また界雷が……!

妙だな。

何が妙なのよ。

界雷の様子がおかしい……

<ウェザリスが軋んだ音を上げ、天候は天候はさらに悪化していく!>

まるでウェザリスの暴走に、呼応するように……!

ジークの力がウェザリスに抗おうとしているのか……?

つまりどういうことよ!

ジークの意思と関係なく、界雷の力が暴発しているのかもしれん……!

――危険だ!ー刻も早く止めなくては!

そう遠くないわね!急ぎましょう!

…………

どうしたのよ、サテラ。急ぎましょう。

……本当に私が、ジークを止められるかな。

ジークが暴走した時さ、私、ジークが怖かったんだ。

たったひとりの弟から、目をそらそうとしたんだ。

そんな私に、ジークを止められるのかな?

近くで支えることが最も難しい。俺はそれから逃げた。だがお前は逃げなかった。

それが答えだ。

……おじさん。

おじさんだが、おじさんではない。

馬鹿を言うなよサテラ。お前がこの世界の誰よりも、ジークを大切に思っている。

お前はジークがいなくなればいいと思ってるのか?

思うわけないでしょ……そんなこと、思うわけないよ。

最悪のタイミングね……

だったら行け!!

お前の本当の気持ちを、ジークに伝えてやれ!

私の気持ち……?

まったく、ひとりでなんでもかんでも背負おうとするのは我が家のダメなところだな!

取り繕うなサテラ!そうすれば必ず、思いは届く!

でも……

でもじゃない!お前はジークを守ってきた!

俺が言えたことじゃない。それはわかっている。だが言わせてもらう!

大丈夫だ!向かい合え!ジークと正面から!!

背を向け家族を守るのは、この父親の役目だ!お前が背負ってきた重圧は、すべて俺が引き受ける!

俺は父ではないですが!?ただのおじさんですけどね!

……偉そうにしないでよ。わかってるなら。

すみません!!

まだ、届くかな……?ジークに。

届く。俺が保証しよう。だから、行け。

……キャトラちゃんをお願い。

この猫は命に代えても守ろう!この俺の命に代えてもな!

行ってらっしゃい。気をつけるのよ。

dうん、いってきます!

「私はずっと逃げてきた。あの子と正面から向き合うことを。

でも、まだ間に合うならーこの思いが届くなら――!」

待ってて、ジーク!



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…………

wハーテッド……!

w呪いの子が……!消えろ!

w貴様が死ねば全て片付く。

wウェザリスの怒りを鎮めよ!

そうだよ……僕が死ねばいい。それだけのことなんだ。

……それで、いいんだよな?

あれ?今、何をしてたんだっけ?


ハハハハハッ!!

ひいいいいい!!

wこ、殺さないでくれ!

僕が命乞いしたら、お前らは止めるのか?

ずいぶん虫のいい話だよなぁ!!

w呪いの子が……!やはりお前は忌まわしき存在だ!

ああ、お前の言う通りだ。

w認めるか……!

ああ……だってこんな気持ちがいいんだ!

ムカつく奴らをぐちゃぐちゃにしてやれるんだ!!

w死ね!!ハーデッド!!

お前が死ねよ!!最初にヤッてやるからさあ!!

w……くっ!

ジークくん、ダメ!


……いったぁ……!

サテラさん――!?

ああ!?邪魔すんじゃねえ!!いいところだったのによお!!

……よく、ないっ!

<サテラはジークを抱きしめる――>

離せよ!邪魔だ!離せぇ!!!

……ごめんね、ジーク。

お姉ちゃんさ、界雷の力を使うジークが怖かったんだ。

でもジークを怖いなんて思ったこと、知られたくなかった。

二人で生きるのが不安だったってことも気づかれたくなかった。

ジークを安心させたかった。だから頼りになるお姉ちゃんでいたかったんだ。

……うるさい!!どけえ!!そいつを殺させろぉ!!

殺させない!誰も!ジークにも死なせない!

うるさい……!

うるさくない!

ごめんね。不安だったよね。怖かったよね。

……私も、そうだったんだ。でも――!!

私は、何があってもジークの味方だから!

「サテラ……

暖かい……光……

何してんだよ……僕は……!

違うんだ。向き合おうとしなかったのは、僕のほうなんだ……!

このまま終わるなんて、嫌だ……!!」



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僕は……

よかった……ジーク。

サテラ……

なんだよ、そのケガ!いったい何が――っ!!

w

っ!!

僕が、やったのか……

いやいや……こんなのケガに……入らない……

サテラ!!

サテラさん!

はぁはぁはぁ……

すぐに治療をしないと……!

ごめん!僕が……!僕のせいで……!

ジークの、せいじゃないよ……私、嬉しいもん。

何言ってんだよ……

私が、ジークを……止められた、から…………

すぐに治癒を!ジークくん、下がってて!

wさせるな!!

w今だ!この時こそ、ハーテッドを討つのだ!

させーん!!

貴様らはクズの中のクズだな!本当に!もう!

w何者だ、貴様!

うるさーい!!!お前こそ誰だー!!

アンタがー番うるさいわ!

キャトラ!?

ここは私に任せろ!

<プライドは持っている杖を天高く掲げた!>

デッデデデーン!古代文明の秘密兵器、ダメージイレカエール!

おらああああ!!

ぐはああ!!

……あれ?

サテラのケガが、移った……?

これは、ー体……

見ての通りだ!!がはぁ……!

ちょっと叫ばないの!大ケガでしょーに!

キャトラ、この人は……

説明は後でするわ!助けてあげて!

う、うん!

待てーい!

なんでじゃー!

サテラ、ジーク!

ウェザリスを止めろ!

方法は任せる!!後のことは、必ずおじさんが、何とかしてやるがはぁ!!

……何を言ってる。こいつ、誰だ?

お父さん、みたいだよ。信じたくないけど……

……は?

これ以上の暴走は危険だ……島が崩れてしまう……!その前に、止めろ……!

行こう、ジーク。

大丈夫です。ここはまかせてください!

ほら、行ってきなさい!

――わかった。

ふっ……大きくなったな。がはっ!!

早く治療してくれ!



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wなぜそこまでして、余所者が手を貸すのだ!

掟さえ守れば、平穏な暮らしが手に入るというのに……!

どうして我らの生活を脅かす!!

<そうじゃない――!選べるんだ、他の方法も!>


助かったぞ、娘。ありがとう。

いえ、ご無事でなによりです。

二人は行ったか?

走ってったわよ。ウェザリスに向かって。

ふっ……そうか。


私が聞いたのはこれで全部だよ。

ウェザリーレポート……ハーテッドはそんな目的で……

その人の思惑とは正反対に、団結しちゃったけどね、ハーレとレイナー。

この力を手にした意味が……

もしそれが、ウェザリスに抗うための力なら――

壊しちゃおっか、ウェザリス。

なんかみんなを見てたらさ、思ったんだ。当たり前のこと、当たり前にやればいいんだって。

それがウェザリスを壊すことか?

だってさ、憎しみを連鎖させるためにウェザリスが造られたんだよ?

ウェザリスをこのままにしても、またいつかハーデッドが生まれたら、同じことが起こるでしょ?

そんなの、そのままにしていいわけない。最初は壊すなんてって思ったけど、やっぱダメだ、そのままにしちゃ。

それなら……僕は、誰かを傷つけるためじゃなくて……

誰かの力になることが、できるのかな……?

できるよ、ー緒なら。私と、ジークなら。

……色々気づかせてくれたのは、お父さんだけど……

<ふたりはウェァリスに続く、転送装置の前まで辿り着いた>

憎むのも憎まれるのも、嫌なんだ。そんな連鎖を、終わらせることができるなら、終わらせたい。

この力が、そのためにあるなら。

備むのも備まれるのも、賂そんな連鎖を、終わらせ

サテラ、手を賃してほしい。……頼っていいか?

もちろん。だって私はジークのお姉ちゃんだもん。

<ふたりは前へと進む――

ウェザリスを、止めるために>

行こう、ジーク!

うん!



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はぁはぁ……

天気、めちゃくちゃだね。

<ふたりはウェザリスを駆け上がり……

その頂上に辿り着いた――>

止めよう。僕たちで。

うん、そうしよう。

w”敵性反応を検知しました”

”警告。ウェザリスヘの攻撃を行うと、迎撃システムが起動します”

”警告。ウェザリスヘの攻撃を行うと、迎撃システムが起勤します”

界雷の力に飲まれそうになった時、真っ暗だったんだ。もう死んでいいと思ったんだ。

……うん。

でも光が見えて、そっちに向かったら、戻ってこれた。

あの光は、サテラだったんだろ。

えヘヘ、どうだろうね?

ひとりで生きてるわけじゃない。そう思えたとき、すごく、嬉しかった。

私もジークも同じじゃない。本当はみんな孤独かもだけどさ。

でも、だから支えあうことができると思うんだ。わかり合おうって思える気がするんだ。

w”警告。ウェザリスヘの攻撃を行うと、迎撃システムが起動します”

…………

大丈夫。

ー緒なら、なんだってできるよ!

……かもな。

お、素直だね。

……別に、いいだろ。

<ふたりは手をつなぐ――>


界雷よ、力を貸せ。

ジークを守って。

<界雷を囲むように、光が降り注ぐ――>


力が湧いてくる……

ホントだね。……やろう、ジーク!

ああ!

ウェザリスを、止めるんだ!



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あらら、ウェザリス、墜ちちゃうねえ。

驚いてる場合か!いや、驚く場合か……

じゃないたろ!どうやって脱出する!?

んー、飛び降りよっか!

わかった!……って、はぁ!?

ほらジーク!今なら大丈夫だよ!手、賃して!

なんで大丈夫なんだよ!

あはは、そんな気がするんだ!

いっくよー!

ちょっと、持て……!うわあああああ!!!

<ふたりはウィザリスから飛び降りた!!

風がふたりを巻き上げていく――!>

なんだ、これ……

あはは、風の滑り台みたい……!

<ゆっくりと、地上に落ちていく……

すごい……!

……ホントにね!

ウェザリスが……

<天蓋要塞が、墜落する轟音が響く――>

この島には、荒天のルーンが埋まってる……これで天気が荒れるな。

ウェザリスを直せばいいよ。晴れと雨なんて分けないで、ハーテッドなんてなくしてさ。

できるかな?

やってみよう。お父さんもいるし、なんとかなるよ。後は頑張って、みんなと仲良くなる!

……できるかな?

あはは、わかんない。

なんだよ、それ。

あ!外の世界も見てみたいなぁ!

雨を降らす人とか、会ってみたい!

……それは、おもしろそうだな。

好きなことをやろう。やってみたいこと、やってみよ。そのほうがワクワクするし!

<ふたりは羽のように、大地に降り立った……>


がんばろう。これから。

何をするか、自分で選べるんだよ。私たち。

うん。そんな簡単なことが、僕はずっとわからなかったんだ。

私もだよ。でも気づけた。

ありがとう、姉さん。

ジーク!もう一回言って!

もう言わない。





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