【白猫】Gravity Horizon Story2
Gravity Horizon Story2
Gravity Horizon Story5
登場人物
目次
story11 偵察前座の予行の練習
そう、このセリフは二回目だ。同じセリフを二回言うのは、大切なことである場合と――
――気に入ってる場合だ!
ラデルテの雫、地水火風司りし大なる精霊アピスよ。
我がソウルを汝の心臓と捧げる!
ヤッチマイナ!
***
ギリ、黙認だ。
魔獣に狙われるのが嫌なら、同じことをすればいいだけさ。
どれ……?あれだな、噂の精霊アピスってのは。
…………
……強くね?
嫌になってきた。降参したい。
あっちの男……
万ー戦闘になったら勝てる気がしねーや。
リバースサイドディクショナリー!
オブザトップ!アンドプッシュ!
サブジョイン5ポイント!倍の倍で50ポイント!
ノーマンブルーザカァァァード!
詠唱だよ!!!
story12 待ち時間
命を線で表すと……僕のはずいぶん短いよ。
それか、進みがやたらと達い。その実感があるんだ。
何も成し遂げられないのであれば、その生に価値があるとは、俺は思わん。
ここで目を閉じてしまったら、もう二度と、開けられないんじゃないかと――
……それよりは、せわしなく何かしている方が、まだ、マシなんだ。
君の持ち時間のうちに、成し遂げられないことなんか何もなさそうに思うけど。
――フ――
時間があり、能力があったとしても。
目的を達成できるかどうかは、また別の話だ。
果たされることを願ってるよ。
でも、駄目さ。相手に悪いよ。
出会ったこと、ないから。
再び戻ってきた、ときにでも――
story13 町……?
次の手、あるって言ったな。
ありゃ嘘だ。
自信無くす。
向こうが握った情報はそんだけだ。
この『見た目』と些細な力くらいじゃ、世界なんか統べられんよ。
story14 矛盾と理想
ふむ。らしくないことを考えてしまったようだ。
未来のことを考えさせてもらおう。夢のような。空を飛ぶ船であるとか。実物の如き絵であるとか。
主人公。お前はどうする。
この先は命の奪い合いになる。
エヌマか、我らか。どちらかがこの世から消えねば、事態は終息しない。できれば手を賃してもらいたい。
俺は弱いからな。
俺はもはや満足には戦えぬ。いや、仮に全盛期の力を取り戻していたとしても。
俺ー人では何もできぬ。だから、同志たちを集め、討伐軍を組織した。
だが、この軍もまた、ー人ー人は小さく、弱い。
弱くてもいい。俺は、そう思っている。
ただ、目的が成し遂げられれば。
しかしそのために――カがいる。
これは矛盾ではあるが――
――矛盾する想いを抱え――
――自分のすべきことを見出し――
――理想の実現のため命を燃やす。
それが人だと、俺は思う。
改めて請う。
失われし時を生きた者よ。その剣を振るってくれないか。
――感謝する。
story15 不在のうちに
お前たちは、過ちを犯した。
恒久の均衡を望みながら――
――揺らぎも求めた。
愚か。
あまりにも愚かだ。
個に力を与えすぎれば必然、舵取りは困難になる。
<見よ、再びの介入に、どれほど時間をかけている>
同じ轍は踏まぬ。失敗は糧。
我が書き記す歴史をなぞれば、均衡は永遠のものとなる。
――書物はー冊でよい――
かの異物。こちらの想像を遥かに超える力を擁しておりました。
あの精霊は、小賢しくも仕込まれていたあの精霊は、小賢しくも仕込まれていた再誕の起点。
捨て置けば、失われし過去の大陸を復元させるべく、周囲を侵食するやもしれぬ――
島ごとえぐり、微塵のソウルすら残すな。
循環から排除せよ。
力を、お授けください。
二エルよ、ユベルよ。乳飲み子の頃より我の寵愛を受けし現世の王よ。
各々のー族をよくまとめ、争乱を鎮めた功を認め。
授けよう。我が力、我が翼を――
――その身で果たせ――
――我が願いを――
story16 翼
ほっ。
じゃ、帰るわ。
毎日、成長してるんだ。
……でさ。思うんだ。いつかさ、俺の目の前に立って。
そしていつか……俺を越して。
俺みたいなのは、俺で終わりでいいかなって。
俺が間違ったら――
――止めてほしい。力づくでも。
なんでも。
わかる。
野盗に毛が生えただけのような連中だったら、討ってお終いだし、さ。
早く顔が見たくなった。じゃあな。
story17 戦略の持ち込み
だが、その全てを討つ必要はない。狙いはエヌマただー人。
神獣だなどとのたまってはいるが、魔獣同然のあの化け物を、玉座から引きずり下ろし――
――首を斬り、滴る血を衆目に晒せば我らの勝利だ。
このルチアーノ、歳の数ほどの戦を傍らで見てきた。
体は動かずとも、戦術のイロハくらいは知っておる。だが……
戦争は数。これまでその法則が覆った例を私は知らぬ。
戦線を絞る。局所的であれば数で上回ることも可能だろう。
相手の50に対しこちらが100になる状況を作る。
そして、ー人に対して必ず二人以上でかかり、装備の差を埋める。
そして勝ち残った者はさらなる敵を探す。それが戦争だ。
リーダーは何を言っているのだ?
いいか。図にすると――
……………………
…………
兵のー人ー人に同じ説明をしてくれ。
<>
こんな戦い方、見たことも聞いたこともない……
この知恵があれば、島を征服することも可能だったはずだ。
なのに、なぜ?君がいたということすら、誰も知らなかった。
もしかして、外から来たのかい。
……そう。外からだ。
…………
story18 終わりの正しさ
頼みがある。
俺と共に行動してくれないか。
別動隊として動く。
適宜判断し、エヌマを狙う隊だ。
俺はまだ、満足には戦えぬが……
レヴも同行する。本来であれば、本隊を任せたいところだが。
それでは勝ちの目は薄い。
わかっている。策を授けたとはいえ、彼我の戦力差全ては埋まらない。
犠牲は生まれるだろう。だが……
微々たるものだ。
この世界は、欺瞞と悲しみの上にある。
だが、終わらせられる可能性がもしもあるというのなら――
――俺がこの手で、成し遂げたい。
確かに伝えたぞ。
――欺瞞と、悲しみの――
――っ……!
頭が……
…………
もし、それが真実なら――
――終わらせることが――正しいのか――?
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