【白猫】Gravity Horizon Story1
Gravity Horizon Story1
Gravity Horizon Story5
目次
story3 神獣討伐軍
うちらにかかれば、紙の兵隊みたいなもんだね。
何も覚えていないようだが、黒の民の生き残りかもしれん。
あんた、ずいぶんヒョロイけど、剣は使える?体術は?
それとも何、黒の民サマならではの特殊能力でもあるってーの?
おかえり、フィエゴ。君にはいつも、頭が下がるよ。
君だって、僕と同じ、無理のきかない体なのに……
みんなのために、あちこちを飛び回っていて。
体力はなくとも、いざというとき、ー番頼りになるのはお前だ。
そう自分を卑下するな。
世界を人の手に取り戻すという信念に賛同してくれた者たちが集まっている。
レヴ・アピス。ラデルテの泉の守り手。精霊アピスの操手だ。
レヴ |
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水や火に分化される前の、おおもとを司る大精霊、みたいなことなんだっけ?
こう見えてもうちは、身に蓄えられるソウルの量にはちょっと自信がある。
あんたが何者でも構わないけど、足引っ張ったらぶん殴る。
オルエン |
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僕はオルエン。気安く呼んでくれると嬉しいな。
討伐軍、なんて言っているけど、僕は、戦闘があまり得意じゃなくてね……
もちろん、いざというときは、命を懸けて戦うつもりだけど。
みんな君を歓迎すると思うよ。
このアジトを見て回るのもいいだろう。
story4 石
お礼にその石をあげるよ。
何が槍じゃ、弓矢じゃ!わしが若い頃は、石がメインウェポンだったんじゃ!
投げてよし!殴ってよし!しかもいくらでも落ちておる!
石が勝敗を分けたんじゃ!それをなんじゃ!
ルーン魔法はいざしらず、武器が発達しすぎなんじゃ!
殺し合いを効率化して、何が楽しいか!力ーッ!!
余計なことをしくさってからに!許せん、エヌマめ!
知恵は諸刃の剣。その論には私も賛成する。
だがーつ、有益なものももたらされた。
<観念>だ。
燃え尽きた生命は、地のソウルヘと還り、循環ののち、再誕する――
この教えを得たことで、人々は<死>を意識し、それへの向き合い方を考えた。
<観念>には罪はない。無論、この考え方が全てであると断言するわけではないが――
――時間の制限を認識して初めて、人は、今日、どう生きるべきかを考える。
さればこそ、ソウルを基としたこの死生観により、人は、ようやく歴史の第ー歩を踏み出したとも言える。
そうは思わないかね?
……
なにゆえ口をつぐむ?同意すればよし、否定もまたよし、さあ、申してみよや?
見境なく問答をふっかけるのはよしなよ。
ルチアーノ |
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私はルチアーノ。見ての通り若くもなく、頭脳を軍事に用いることもないが、ただ思索を巡らすだけの者も組織には必要だろう。
訪客はいつでも歓迎している。気が向いたら私の部屋へ足を運んでくれたまえ。
<――>
あのまだるっこしい言い回しが、煙に巻くように人を抱き込む例も、割とあってね。
さっきは悪かったね。
自分をより大きく見せる……そんな風習を、うちもまだ、捨てきれてなくって。
体が大きい、殴れば強い、そんな奴だけが偉そうにする世界を、いいとは思ってない。
リーダーの言葉だけどね。
会議を先に抜けてきたんだ。初めてだと、迷うだろう?
うちが案内してやるよ。
ついといで。
story5 彼我の差
人数は、まだまだ少ない。島のあちこちから集めても……
エヌマが擁している軍勢には半分も足りていない。だって――
エヌマは、島をほぽ二分していた大部族を引き込んだから。
それまで顔を合わせれば争っていたメナスとマニトの二つの部族。
エヌマは両族長に力を授け、配下に抱き込んだ。
町は見た?
そ。見ればわかる。島の中心部へ行くほど、今まで誰もが目にしたこともなかったような技術で溢れかえってくる。
当然、武装も。うちらもなんとか追いつこうと備えてはいるけれど。
対等にはなり得ない。
だから、なんのかの言っても、あんたが戦える奴だと、やっぱり助かる。
――っと。まだ、完全に同志ってわけでもないって、リーダー言ってたか。
自分の意志で決めればいい。どちらにつくのか。戦うのか。それとも静観を守るのか。
猶予はあまりないかもだけど。
――てか――
うちばっかしゃべってない!?させろよキャッチボール!
こんだけ言われてもまだだんまりってかい!?
――いい!アピス!
ちっ!お前は他人だから、居方をとやかく言う気はないが――
アピス!お前は、今後、努力しろ!
うちの話し相手も使命のーつと心得ろ!
……まあいい。成長を急ぎはせん。
――いずれなれ!
story6 二つの部族
いいの?
えー!?!?!?
…………
<――>
だというのに、我らー族の未来をー身に背負わせてしまい……
だが、運だ。生まれた瞬間、運命の決まる者もいる。
それが私だっただけのこと。
他者に期待し、落胆し、責める必要もない。それは、気が楽でもある。
――私ー人だけではない。
…………
……
――だが俺は、そういう常識とか――
お前だったら納得できんのか!?
母胎にいる時点で、次期族長を頼まれたから、引き受けてやったって!
……言った。言ったわ。ナッハッハッハ……!
言っておきます。我がー族に、ー層の取り計らいをと。
それでご満足でしょ?
俺を選んだのは、他ならぬエヌマサマだ。
ちょっとやそっとで替えが利くならとっくにそうしてるでしょ?
……頼む。
story7 二人の族長
メナスの。奇遇だねえ、こんなところで?
そのキレイな顔を目にすると、今でもふつふつと湧いてくるぜ。
おたくらのー族に、何人も……討たれてきた怒りがよ……!
乗らねえんだ?
***
城だぞ、小走り禁止!!
我は――<記されし>エヌマ――
story8 書物のごときモノ
かつて、世界は小さかった。
天と地、二つの大陸のみ。砂時計のようなその姿が、世界の全てだった。
そこに生きる者に、罪はなかった。
創り、導きし者が、驕ったのだ。
――それだけで世界は安泰だと――
王と生まれし汝らの成長を待ったのは、血脈の確保がため。
子々孫々まで手を取り合い、均衡を保て。
二度と、すれ違ってはならない。
過ちを、繰り返してはならない。
今、この島の片隅で。我が意に反抗しようと企む者どもがいる。
火と知恵を授けられた恩を忘れ、仇を返そうとする愚者たち――
彼らを残しては、いずれ必ず、静いの種となる。
――摘み取れ――……
――新たな世界のー冊目の書物――
――ニ人の愚かな創造主の名は――
――これには載らぬ――
story9 しょもつ?
……『しょもつ』って、なんだ?
……我……我にもわからぬが……
石と棒で命の奪い合いをしていた。それが、いまではどうだ。
この町並みを見よ。
しかし、過程は知らぬ。
書物とは。
我は我がー族、我が子らのみに心を許す。
貴様は違う。敵対してきたー族の長だ。
時が必要だ。子には伝えよう。そのにやけ面を目にしても、無用に腹を立てるなと。
美人は怖ぇ。気を許すなってな。
貴様のそれは、なんだ。家訓か?
……ユベル。貴様には私もー目置いている。
これから、共闘をするのだ。考えを聞かせろ。
俺は、全ての<可能性>を捨てることなく、道を模索する。
あんたの端正な顔が驚愕に歪むのも、見てはみてえが、見とれてりや命取りだからな。
story10 理解と納得
つーかアピス、ー人で何やってんの?
させんな!こーゆーことは、もう金・輪・際!
――言ってねえし!何ーつしゃべってねえし!
なんだよ!疲れたよ!リーダー呼んでんぞ!来い!
…………
……
みんな、君のことを心配しているんだから……
じゃオルエン、頼む。
――これ何の集まり!?
うちが出る。
いっちょアピスをフルマックスさせれば、飛んで火にいるほにゃららだ。
じゃいくぞ!
(……ん?
まさかとは思うが……こいつの発するソウルは、独特のものがある。
黒の民……その影響で、魔獣が……?
まいいか、なんでも)
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