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【白猫】鬼滅の刃プロジェクト story2

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


目次


Story10 手

Story11 鬼と鬼殺隊

Story12 鬼門のルーン

Story13 クロタケとシロタケ

Story14

Story15

Story16

Story17

Story18

Story19

Story0


登場人物



story



<キャトラたちとともに鬼を追うことになった炭治郎と禰豆子だったが――>

ぎにゃー!!なんなの、これーーーッ!

禰豆子、行くぞ!!

ンーーーッ!!

水の呼吸・弐ノ型水車

ウウウーーーッ!!

はあっ!!

バーンナップ!!

ぎにゃー!!効かないわーー!!

気をつけてください!この鬼は俺の刀で首を斬る必要があります!

キサラギさん!!

夜帳の蔭より出でし腕とは――

<キサラギの足元から無数の腕が!?>

――伸ばすは隠か月明かりかな。

<キシラギに殺到する鬼たちが影でできた腕につかまれ、動きを止める。>

面白みに欠ける歌じゃが、まあ、こんなもんじゃろ。炭治郎どの、任せるぞ。

水の呼吸・陸ノ型ねじれ滑!!!

大丈夫ですか!?

とりま、心配無用じゃ。わらわとて、鬼族。異能のーつくらい持っておる。

でも、どうすんのよ?炭治郎の攻撃しか効かないじゃない!

それに私たちの知る鬼の人たちとは、なんだか違う……

ン!

禰豆子?……この匂い……誰だ!?

クロタケ……

紅の鬼神まで来るとはな……しかも、人間を連れて……

相棒のシロタケはどうした?シュラどのに襲われ、置いて逃げてきたか?

……殺されたよ。あいつは俺を逃がして、蒼の鬼神に殺されたっ!!許せねえ、あのスカしたクソ野郎も!てめえら鬼族も!!全部まとめてぶっ殺してやる!!

逆恨みもいいところじゃ。おぬしらは好き勝手に人里を襲い、狼籍の限りを尽くしたではないか。

あまつさえ、同族にまで牙を向けおって……さすがのわらわも看過できん。

ここで朽ちよ、災厄ども。

そうやって余裕ぶってられるのも、今だけだ!!クソアマ!!

ぐっ!!

炭治郎!?

俺の記憶が勝手に頭のなかを……

見たぞ、見たぞ見たぞ人間!お前の記憶を俺は見た!!ハハハハ!いろんな化け物を知ってるじゃないか!!

ンーーー!!

zあああああああ!許さん!!許さん!!許さんんんんんん!

ぎにゃー!!!なんかでかいの出たーーーッ!!

この鬼は、最終選別の……

ハハハハハ!壊せ奪え殺せ!鬼も人も悉く殺し尽くせ!!

くっ!!

再生されるとは言え、わらわたちでもあの無数の手は払いのけられよう!

行こう、主人公!

炭治郎どの、禰豆子どの!わらわたちが援護する!トドメは任せるぞ!

ん!

はい!


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story



ンンンンッ!!

弐ノ型・改横水車!!

水の呼吸・捌ノ型滝壷!

(俺は最終選別の頃より強くなってる!

みんなも手助けしてくれてる。数が多くても、がんばれ!負けるな!!こんなところで挫けるわけにはいかないんだ!!)

バーンナップ!!

今じゃ、炭治郎どの!!

全集中・水の呼吸――

鱗滝!!!

――壱ノ型水面斬り!!

やったわ!!

ンーー!!

(――鬼の匂い!?新手か!?)

z逃げんじゃねえええ!!

伊之助!!

ああ!紋治郎!?テメエにも負けねーぞ!俺のほうがたくさん倒せる!!

どこもかしこも鬼ばかりじゃないか!どういうことこれ!どういうこと!夢であれ夢であれ、夢であれよお願い!

善逸も!!

おぬし、主人を放ってどこをほっつき歩いておったのじゃ?家臣としてどうかと思うがの。

護衛は主人公殿に任せました。それに、主従の契りを交わしてはいますが、まだ不本意は不本意なので。

善逸と伊之助が来てくれて助かったよ!ー緒にここを切り抜けよう!!

ハッ!俺様に全て任せな!!!

はあ!?無茶言うなよ!こっちはもういっぱいいっぱいなんだよ!!

なんか、騒がしい奴らね。

協力するしかあるまいの。アゲアゲでゆくぞ、シュラどの!

言われずとも本気で行きますよ。


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story



今のが最後か……皆さん、大丈夫ですか?

大丈夫じゃないよ!変な鬼と伊之助は戦うし、なんか知らない鬼もたくさん出てくるし!

おい、炭治郎、ちょっと来い。

まだ鬼がいるのか!?

いいから来いって言ってんだろうがアアア!

あの女の子たち、誰?

アイリスさんとキサラギさんだよ。キサラギさんは鬼だけど、人を食べないいい鬼で……

謝れ!詫びろ!!俺が男二人に囲まれてる時に、お前は禰豆子ちゃん含めて三人の女の子とー緒だったってことだろ!

いや、三人じゃない。四人だ。子猫のキャトラも女の子だぞ。

猫のことはいいんだよ!!俺が許せないのは男女比!どうして俺の周りだけ男ばかりなんだよ!!

とにかく!俺の紹介はしっかり頼むぞ、炭治郎!

?もちろんだよ。

やあ、はじめまして。俺の名前は我妻善逸。鬼殺隊のー員だ。

全部聞こえてたわよ。

猫が喋ってる!?怖っ!!

ふんとにもう!失礼なやつね!

おい、健ー郎!どうして鬼とー緒にいるんだ!?

キサラギさんは禰豆子と同じで、人を食べない鬼なんだ。

ん~!ん~!

そういうことじゃ。おぬしが先ほどからジャレついてるシュラどのも人は喰わん。

そんなの関係ねえ!この蒼いのとは決着つける!!

ええ、そういうことですので、邪魔をしないでください。

馬鹿の遊びや楽し剣戟の奪うは手足もののあわれや。

ぐっ!言霊……ですか……

少し頭を冷やすがよい。伊之助どの、シュラどのは勤けぬゆえ、剣を引いてはくれぬか?

伊之助も落ち着け。こんなときに自分勝手な行動をしちゃ駄目だ。

俺に指図すんじゃねえ!

まあまあ、伊之助、女の子の前で大きな声を出すもんじゃないよ。それにしても、キサラギちゃん、すごい力を持ってるんだね。

わらわは言霊を繰るのが得意でな。歌を詠むことで、こうして影響を与えることができる。

ん~!

して、シュラどのよ、クロタケは生きておったがシロタケは討伐したのか?

……ええ。鬼門のルーンはクロタケに持っていかれてしまいましたが……

言霊は解いたゆえ、きちんと説明してくれぬか?

キサラギたちと別れたあと、すぐに二人を見つけました――


 ***


これで終わりです。諦めなさい。

相棒!どうすんだよ、相棒!!

終わりなのはてめえだ、シュラ!!死ね!

滅べ!まとめてくたばれ!!鬼門のルーン!俺に鬼どもを殺す力を寄越せ!!

相棒……なにも起こらねえぞ?

百人殺しのクロタケとシロタケ。強者かと期待したのですが、その実、弱者をいたぶるだけの三流ですか……

クソがあ!……クロ、これ持って人のいる場所にいけ!お前の力なら……このクソ野郎をぶっ殺せる。

でもよ!

蒼の鬼神、ぶっ殺して、人間も鬼も殺しまくろうぜ!お前となら、それができるさ、相棒。

……死ぬんじゃねえぞ!!

悪人にも情はあるのですね。その情けを少しでもあなたがたが喋扁した者たちに向けていれば……

俺たちから先に奪ったのは!てめえらだろうがっ!!


 ***


結果、クロタケには逃げられましたが、シロタケは倒せました。

そこだけ聞くと、アンタ悪者みたいよね……

女子供の区別なく殺して回る二人組じゃ。被害者の数は優に百を越える。かける慈悲もないと思うがの。

たしか、シロタケの異能は『引き寄せ』じゃったな……

異能?引き寄せ?血鬼術のこと?

わらわたちの異能は血鬼術とは呼ばん。魔術にも似とるが鬼族独特の力じゃ。

シロタケの能力は物質の瞬間転移。ただし、自分の手元に手で持てる大きさのものしか引き寄せることはできん。

……なるほど、シロタケが伊之助殿たちを引き寄せたのですね。

どういうことですか?

シロタケは鬼門のルーンで引き寄せの力を増大させていました。求めたのは<鬼である私を殺す力を持つ者>。

その力のせいで、俺たち鬼殺隊が引き寄せられたということですか?

そういうことじゃ。鬼の力を増大させる<鬼門のルーン>があれば、不可能ではない。

ちょっと待ってよ!じゃあ、俺たちを呼び寄せた張本人は、シュラさんに倒されたってこと?帰れないじゃん!!

そう慌てるでない、善逸どの。わらわたちの故郷、鬼ヶ島には、シロタケと似たような力を持つ鬼がおる。

そうなんだ、よかった~……よし、帰ろう!今すぐ帰ろう!

しかし、鬼門のルーンがなければ、おぬしたちを帰すことはできん。

ー緒に鬼退治するしかないというわけじゃ。


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story



はあ、はあ、はあ……へへっ……アハハハハハ!!

見たか?あいつらの顔!最高だった!!あー、お前にも見せたかったぜ……相棒……

……っ!

クソ!クソクソクソ!クソがっ!!なにやられてんだよ、シロタケ!お前が死んじまったら、意味ないだろうが!!

お前とー緒なら、なんだって楽しかったのによ……なんで死んじまうんだよ!!


 ***


w助けてくれ!

なーにが、助けてだよ?だ~れも助けちゃくれねーよ。ハハハハハ!!

死ね、おらっ!!

wぎゃっ!

おい、相棒、何人殺した?

今ので八十五人目だ。

やっぱりいいよな、こういうの。壊すな、奪うな、殺すな。綺麗事のたまう愚図どもをぶっ殺すのはよ!!

ああ、スカっとする遊びだ。善人面して笑う連中にも、この世界はクソだって教えてやんねーとなあ!

ハハハハハ!クソだ、クソ!俺もお前も、この世界も、まとめてクソの掃き溜めだ!

ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


 ***


(相棒、俺ぁ、ー人になっても暴れるぜ。それがお前への弔いだ。)

z…………

(炭治郎ってガキの記憶から作ったけどよ、こんな形で本当に強えのか?)

動くなっ!!おい、てめえ!今、なにしようとした?

お前、なんだ?どうして僕はお前を殺せなかった?

やめとけやめとけ。俺を殺せば、お前も消える。せっかくこうして助けるんだ。自らくたばる必要もねえだろ?

…………

お前は俺が作った。俺を殺せば、お前も消える。お前だって俺とのつながりくらい、感じてるんじゃないか?

……お前の言っていることは、全く意味が分からないよ。

ただ、そのおかしな石からは、力を感じるね。

これは鬼門のルーンつってな、鬼に無限の力を与える。このルーンのおかげで俺はお前を生み出せた。

……

このルーンがありゃあ、俺とお前は最強のコンビになれる。なあ、俺とー緒に暴れようぜ!

…………

仲良くやろうぜ、相棒。お前だって人間殺すのは好きなんだろ?


こいつら、大量に作ってよ。近くの村、襲わせんだ。俺とお前らで阿鼻叫喚の地獄絵図を作るんだ!

最高に楽しそうじゃねえか!?なあ?

……どうでもいいよ。……勝手にやったら……?


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はあっ!!

……あらかた終わりましたね。

助かりました、冨岡殿。我らだけでは、このような鬼に対処はしきれませんでした。

……俺も助かった。礼を言う。

誰だ!?

シズクにイサミ!?こんなところでなにしてんのよ!?

キャトラ様たちこそ、どうして……

鬼……

……これは愉快な出会いですね。まさか、鬼退治のー族とはちあわせるとは。

その顔……蒼の鬼神と紅の鬼神か?

はあ~……これまた厄介なことになりそうじゃの。テンさげじゃ……

冨岡さん!?

……お前たちもいたのか。

はあ~……よかったぁ。柱の人がいるなら、もう怖いものはないよね。

てめえ!半半羽織!今度こそ俺と勝負しやがれ!

……修行し直せ、戯け者。

なっ!?

え!?ー瞬で伊之助が縛られた!?

状況の把握が最優先だ。炭治郎、なにがあった?

実は……


…………

……


血鬼術ではなく、別世界の鬼に呼ばれたということか……

おぬし、炭治郎どのと同じ鬼殺隊の者か?

冨岡義勇だ。

鬼族のキサラギじゃ。そちらで仏頂面をしてるのが同族のシュラ。おぬしの立場上、仲良くは難しいかもしれぬが、敵対したくはない。

……そちらはどうなんだ?

いろいろ思うところはあります。ですが、我らの敵は人に仇なす恋しき鬼のみ。キサラギ殿たちは我らの敵ではありません。

話し合いの結果、クロタケ討伐までの共闘を受け入れました。

勝手に仲良くしてんじゃねえ!

まったくもって同意ですよ、伊之助殿。気があいますね。

こらー!協力するって決めたんだから、むし返すんじゃないわよ!

不承不承ですがね……クロタケを討ちもらした手前、キサラギの命には従いますよ。

ふむ、そのクロタケじゃが、いろいろ話を聞いた結果、彼奴の能力に検討がついたぞ。

どんな能力なの?

奴の能力は記憶の具象化。本来なら幻影を生み出す程度じゃろうが、鬼門のルーンで力が強化されておる。

ただの具象化ではなく、記憶を混ぜ合わせ、新たな鬼を生み出しおった。

俺たちの記憶にある鬼と、この世界の鬼が混ぜ合わさったってこと?

左様じゃ。故に、あの鬼どもは、おぬしたちの持つ日輪刀で首を刎ねるより他あるまい。

じゃあ、アタシたちじゃあ倒せないってこと!?

そうだと思います。そのうえ、あの鬼が酒呑の君を元にしているのなら、厄介な問題があります。

我らが仇敵、酒呑の君は。自らの分身を生み出す力を持っておりました。本体を倒せば消えはしますが……

首魁を倒さない限り、無尽蔵ということですか。なるほど、だから、あの数に襲われたのですね。

状況は最悪じゃな。というわけで、わらわたちにはおぬしたち鬼殺隊の力が必要になる。

同族が撒いた観ゆえ、身勝手なのは百も承知。そのうえでお頼みいたす。……力を賃してはくれまいか?

問題ない。こちらも目的は同じだ。

おっしゃあ!だったら、さっさと鬼を倒しに行くぞ!

それはダメだ。

どうしてですか?

この森の近くに村がある。夜になれば、大量の鬼が村を襲う。

そうですね。村民を守らねばならない。私は冨岡様に賛成です。キサラギ殿はどう思う?

……ふむ、たしかにの……そちらのほうが都合は良いか……

冨岡どのの言うとおり、ー度、村に戻ろう。


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はあ~……やっと人心地つけたよ。

w父から話は聞いています。ゆっくりしてください。

こちら、夜帷料理になります。ぜひ、召し上がってください。

こんなにたくさん!?本当にいいんですか?

w父の命を救ってくれた方々ですからね。

ありがとうございます。いただきます。

禰豆子、窓も閉めてもらったし、出てきても大丈夫だぞ。

ん!

がつがつ、むしゃむしゃ!

アンタ、誰!?

嘴平伊之助だ!がつがつ、むしゃむしゃ!

アンタ、暴れん坊の割に綺麗な顔してるのね……

おい、キャトパチ。その肉もらうぞ。

ぎにゃー!勝手に食べるんじゃないわよ!アタシもいただくわー!!

キャトラがすみません。

いえ、うちの伊之助もご迷惑ばかりかけて……伊之助、人の食べ物を勝手に食べたら駄目だぞ。

この食いもん、うめえ!むしゃむしゃ。

そういえば、いろいろあって、きちんと挨拶できてなかったね、アイリスちゃん。

そうですね、善逸さん。改めてよろしくお願いします。

俺と結婚してほしい。

え!?

だって、このままだと俺、未婚のまま死ぬことになるだろ!だから、お願い!結婚して!!

善逸、やめろ!アイリスさんも迷惑がってるだろ!

はあ!?迷惑っていつアイリスちゃんが言ったよ!?俺たちの間に勝手に踏み込んでくるな!!

えっと、その……

出会った時からわかってたんだ!これが君と俺の運命だって!だから結婚してくれえええっ!!

善逸、落ち着くんだ!

なんなんだよ!どうして邪魔するんだよ!?

初対面の人にそんなこと言ったら駄目だ!困らせてしまうだろ!

あら、シズク、イサミ、そっちのほうはどうなの?

村長との折衝は終わりました。こちらの提案を受け入れていただき、準備をはじめています。

シズクちゃん!もしよければ俺とー緒に……

シズクになにか?

な、なんでもありません……え?なに、このひと、怖い……

善逸、ほら、行こう。俺たちも手伝わないと。

炭治郎、しっかりしてるわね……

んー、んー……


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さて、村民たちを避難所にかくまうことには同意をもらえたが……

戦をするには不利ですね。あの鬼たちを倒せるのは鬼殺隊の方々だけ。そのうえ、こちらは私を含めて足手まといが多い。

村民の避難誘導は順調に進んでおります。槽の配置なども手伝ってもらっていますが……

急ごしらえの罠になります。効果は見込めないかもしれません。

最初から期待はしておらぬ。敵を誘導でさるだけで良い。

冨岡殿、私たちは、あなた方の鬼について多くを知りません。ご意見いただけると助かります。

敵の総数は?

わからぬ。が、無尽蔵というわけではないだろう。クロタケが生み出すにせよ、分身して増えるにせよ、時間を要しておった。

夜までに二、三百は生み出せるかもしれぬ。最悪、その倍くらいは見積もっておいたほうがよい。

…………

被害無く、夜明けまでこの村を守ることは不可能だ。俺たち鬼殺隊の戦力も敵の数に対して少なすぎる。

……冨岡どのならば、二、三百の鬼くらい余裕じゃろ?

全ての鬼が俺を目指してくるのなら数は問題ない。

ですが、敵の鬼たちは、村の地形に合わせて様々な方向から進軍してくる。

……敵の首魁も出てこないだろう。森に隠れているだけでいい。

冨岡殿のおっしゃるとおりだと私も思います。村を守らなければなりませんが、このままではジリ貧かと。

なにか勘違いしておるようじゃが炭治郎どのたちを防衛に使う気はないぞ。どういうことだ?

わらわの見立てだと、冨岡どのの実力は、あの三人を足しても優に越えておるじゃろ?

……あの三人も戦力にはなる。

その戦力を二つに分けるのじゃ。村の防衛隊とクロタケを奇襲する部隊にな。

なかなかに酔狂な策ですね。正気ですか?

今、クロタケを攻めても、全戦力で守りに徹するはずじゃ。それこそ首魁にたどり着く前にわらわたちが負ける。

じゃが、連中が村を攻めるとなれば、クロタケの防衛も手薄になるはずじゃ。

そこを叩くのじゃ。術者が倒れれば、鬼たちも消え失せよう。

防衛の手が足りなくなるぞ。

敵の全てが冨岡どのを目指すように誘導すればよい。

……可能なのか?

鬼難しいが、不可能ではないの。

シュラどの、おぬしの百鬼夜行、全力で何体まで出せる?

同時に呼ぴ出すのは百が限度です。倒れても補填はできますが、無尽蔵というわけにはいきません。

シュラどのの百鬼で壁を作る。じゃが、この壁には穴がある。その穴の抜けた先には鬼の求める餌があり――

その前には最強の門番がおる。冨岡どのが漏らした鬼は、わらわとイサミどの、シズクどので足止めをするのじゃ。

その間に炭治郎たちがクロタケを襲撃するということか……

机上の空論ですね……

皮肉なことに、今は、それにすがるより他はない。鬼退治の方々はどうですか?

私はかまいません。イサミ、それでいいか?

はい。

では、この作戦でゆくぞ。さて、残り少ない時間でこの村を少しは守りやすくしようではないか。



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story



キサラギちゃん、この板はこっちでいい?

うむ。助かるぞ、善逸どの。おぬしは頼りになるのう。

フッ、こんな重いものを女の子に持たせるわけにはいかないからね。どんどん俺を頼ってくれ。

では、東側の柵の設置も頼むぞ。

任せて!もういくらでも運ぶから!

おいこら、ソラ!俺との決着、つけやがれ!

私も決着をつけたいのですが、準備で手が空かないのですよ。

ところで伊之助殿は炭治郎殿の手伝いをしなくてよいのですか?

そんなめんどくせえこと、やってられっか!!

なるほど、できないのですね。いえ、森での戦闘で体を痛めたのなら無理はしないほうがいい。

ケガをしつつもしっかり働く炭治郎殿が特別なだけですね。

ああ!?俺だって柵作りくらいいくらでもできるわ!それ賃せ!!

この釘打てばいいんだろ!

さすがは伊之助殿、では、できあがった柵をイサミ殿のところに運んでください。

朝飯前だ、おらー!!

シュラさんにキサラギさん、お手伝いいただいてしまって、すみません。

力を借りるのはこちらのほうじゃ。それに好意を向けられて悪い気はせんものじゃよ。のう?シュラどの。

錯乱もそこまで来ると、かわいげがありませんよ?

して、炭治郎どの、禰豆子どのは?

キャトラとー緒に部屋で休んでいます。

しかし、日の下を歩けんとは難儀じゃの……

それなら、この島のお土産が役に立っと思いますよ?

夜帷の島は観光名所でもあるのです。特に周囲を夜に変える夜帷のルーンがお守りとして売られています。

若い女性には日差し対策として。昼夜逆転する人には安眠アイテムとして。様々な方々に重宝されている。

私も<夜帷お守り>が目的で、この島に来たと言っても過言ではありません。

さすがにそれは遇言じゃろ……

そんなお土産が本当にあるんですか?

はい、ここに。

いきなり夜に!?

私から離れれば元の空に戻ります。

本当だ……すごいですね、これ。

周囲のソウルに反応して使えるモノなので、あなたがたの世界ではおそらく使えません。ですが、こちらにいる間は役に立つかと思いますよ。

どうぞ、使ってください。

え!?でも、もらえませんよ!

気にするでない。シュラどのは十産マニアじゃ。人に十産をやらんと気がすまん性分での。

観光地にいながらお十産を渡すのは、私の美学に反しますが、今は緊急時ですからね。

いえ、ダメですよ。お金、払います!

あなたの持ってる金銭は我々にとって価値がありませんよ?

それは、たしかに……

その土産の分、働いてくれればよい。おぬしたちには危険な役目を任せるのじゃからな。

私からのお十産を、さも自分のもののように言わないでいただきたいのですが?

あとで主人として全額払うゆえ、それでよかろう?

お十産の横取りではないですか。美学に反しますね。お断りです。

細かいのう……

ありがとうございます!このお土産に恥じないよう、がんばります。

たかが土産をそこまで璽宝せんでもよかろう。

あなたが言わないでください。



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story



おらああ!持ってきたぞっ!

ありがとうございます、伊之助殿。

地面に杭を打ち込む。手伝え。

俺に命令すんじゃねえ!

……できないのならいい。イサミ、そっちを持ってくれ。

俺ならー人でできるわ、ボケ!おらよっ!!

無いよりマシだな。

では、縄で結びましょう。

おい!俺はなにすりゃあいいんだ?

……知らん。

ああ!?ふざけんな!!手伝えっつったのは、お前らだろうが!

伊之助殿、では、この縄で横同士を強く結んでください。

へへっ、わかった!!任せろ!!

冨岡殿……しばし、この場を離れます。

どうした?

いえ、我が主の危機なれば……御免。

できたぞ、おらー!!

結び方が雑だ。やり直せ。結び方か雑だ。やり直せ。

あああ!?



シズクちゃん、アイリスちゃん!柵、持ってきたよ!!

あ、ありがとうございます。

ここは俺に任せてくれ。君たちの手を汚すわけにはいかないからね。

いえ、お気になさらず。もとより、荒事には慣れております。

<善逸がシズクの手をにぎった!>

こんな綺麗な手を汚すことなんて俺にはできな――

我が主の手になにか?

え?いや、その……綺麗な手だな……と……

……いつまで握っているのですか?

放します!放します!すいませんでしたっ!!

善逸殿、これから共に戦うあなた様に、こんなことを申し上げたくはないのですが……

鬼退治のー族は既に我らが二人だけ。ゆえ、後の世に血を残すこともー族の使命になります。

我が主の夫となるなら、ー族の使命に殉じていただかねばなりません。軽い気持ちでシズクにつきまとうのならば……

……はい、わかりました。シズクちゃんは諦めます。

ちくしょおおおおおおお!お幸せにいいいいいっ!!

……困ったお人た。


よかったな、禰豆子!シュラさんのお土産のおかげでお前も外を歩けるぞ。

ん~♪

これで禰豆子もお手伝いできるわね!

フン!フン!

なんか窓を叩いてるわね。炭治郎、開けてくれる?

廻鴉!?今までどこにいたんだよ?

wカア!カア!!炭治郎!置イテイッタナ!

ごめん、置いてったわけじゃないんだ。ただ俺たちも大変だったんだよ。

wチュン!チュン!チュチュン!

善逸も忘れてたわけじゃないよ。……たぶん。


<こうして――

夜の帳が落ちていく。>





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