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【白猫】鬼滅の刃プロジェクト story3

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん



story



w村の人間の避難は終わりましたが、本当にバケモノが来るんですか?

来なければ、ただの取り越し苦労ですむの。

……来るぞ。


予想どおり来ましたか……

わずかでも足を止めます。

足を射抜けば、少しは時を稼げるようですね。

この暗闇の中、よく当てられるものです。

見えてはいませんよ。

五感全てで感じるがまま、矢を放つだけです。

お見事。では、私の力もご覧にいれましょう。

太刀を佩き、辻より来れ。夜を纏い、幾重にも刻め。厄を喰み、呪を帯び参るは古兵の水鏡。我、水面の蒼月、汝ら影に名を授けん――

悪鬼羅刹の百鬼夜行!!鬼名を具して現に出でよ!!

……この鬼たち……全て音に聞く強者の……

今は亡き鬼族の英雄たちですよ。まったくもって贅沢な壁です。イサミ殿、我が百鬼夜行、間違えて射ぬかぬように。

この気配、間違えようがありませんよ。

さて、想定の数より多い。あいつの策を前倒しして後ろにさがりましょう。鏑矢をお願いします。

承知いたしました。



音が鳴ったわ!

行かなくちゃ!

作戦の成功は俺たちにかかってる!行こう!伊之助!善逸!

おっしゃああああ!行くぞ、おらーーーー!

ぎにゃー!足並み合わせなさいよー!!

善逸さん?

善逸、行こう!

そうか、わかった。……無理強いするつもりはない。

ヒャー!なんだよオー!なんでそんな般若みたいな顔すんだよオー!行くよオー!!

んー!んー!

禰豆子ちゃん……そうだよね、女の子も戦うんだし、俺が逃げるわけにはいかないよね。

俺、二人のためにがんばるよ!って、いないし!

みんな、伊之助を追いかけてったわ。

禰豆子ちゃん、アイリスちゃん!待ってくれえええっ!!



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壁のー部を崩されましたね。予定より早い……

戦線を下げます。

シュラ殿、私は敵を引きつけつつ後退します。ご武運を。

あいつに伝えておいてください。こんな無茶な策で捨て石になる気はないと。

ええ、お互いに。

(さて、想定より数が多い。長くは戦線を維持できそうもない。

冨岡殿にも酷ですね。大変ですよ、この数……)



冨岡殿!お任せいたします。

…………

(数が多すぎる……)

全集中・水の呼吸拾壱ノ型――

――凪

(冨岡殿の間合いに入った瞬間、鬼の攻撃が消えた……?)

援護を頼む。

はっ!


……鬼の攻撃が消えましたが、いったいなにを?

凪だ。俺の間合いに入る全ての術を無効化できる。

こちらの鬼の術にも多少なりとも効果はあるようだ。

イサミ、ここより先、ー匹たりとも鬼は通さん。

引き続き、囮役を頼む。

お任せを。



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どういうことだよーーーッ!!

ハハハ!猪突猛進!猪突猛進!片っ端から倒してやるぜ!!

なんだよ!おかしいだろ!!森の中は鬼が少ないんじゃないのかよ!!ぎゃー!死ぬー!終わるー!!

水の呼吸・参ノ型流流舞い

善逸!大丈夫か!?

助かったよ、炭治郎!

アアアアアア!死んだーーーッ!

ンーーーーッ!!!

禰豆子ちゃん、ありがとう!

フゥ、フゥ……

炭治郎!数が多すぎるよ!こんなんじゃあ、奇襲なんて無理だってば!

諦めるな!クロタケの匂いは近い!この囲みさえ突破できれば!!

(まずい!反応しきれな――)


バーンナップ!


炭治郎!アンタと禰豆子は先に行きなさい!ここは、アタシたちでどうにかするから!

でもっ!

匂いをたどれるのはアンタだけなの!アンタにしかできないわ!!

アイリスちゃん!!あぶない!!

善逸さん、大丈夫ですか!?

あ、あ、あ、アイリスちゃんは俺が守る……

はあっ!

善逸!!大丈夫か!?

……傷は大したことない!おお俺にここは任せて行けよ、炭治郎!お前にしかできないんだ!!

オラオラ!まだまだ余裕だぞ!!まとめてかかってきやがれ!!

アタシたちは大丈夫だから!アンタが行かないと勝てないのよ!

……わかった。行くぞ、禰豆子!

フゥ!フゥ!!

善逸、伊之助!必ず戻ってくるから死ぬな!!ここは頼む!!


…………

……


ここは……

森が騒がしいと思ったら、やっぱりてめえらか?

クロタケ……

お前は人を喰わない鬼なんだろ?なのに、どうして人を襲う?

はっ!殴られたら殴り返す。奪われたら奪い返す。それだけのことだ。

村の人はお前を殴ってないし、奪ってもいない。無関係だ!!

ごちゃごちゃうるせえ!累!こいつは俺たちの敵だ!

……うるさいよ……

お前は!?

なんでだろう……お前……無性に気にいらないな。



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うまくよけてるみたいだけど……

ンーーーーッ!

禰豆子!!

全集中・水の呼吸拾ノ型――

生生漉転!

へえ、僕の糸を斬ったんだ。

禰豆子、さがってろ!この鬼は強いっ!

フウ、フウ!

庇いあってるのかい?まるで家族みたいだ。いいな、それ。

家族みたいじゃない!俺と禰豆子は兄妹だ!

だったら、妹を庇って盾にでもなりなよ。

ンーーーッ!

……この程度の怪我、大したことない。禰豆子、傷が治るまで下がってろ。

へえ、人間のくせに鬼を守るんだ?でも、人間の君がどこまでもつかな?

(……強い。俺はこの鬼に勝てなかった……冨岡さんがいなければ、俺と禰豆子は死んでいた……)

たいしたことないね。

もういいよ。死になよ。

獣の呼吸参ノ牙――

――喰い裂き!

硬ええええっ!!

伊之助……

<*×○■!&%$…………>

ン!?

傷が……治っていく?

遅くなってごめんなさい!やっと、追いついたわ!

ありがとう!助かった!

ところで善逸は!?

知らねえ。はぐれたから置いてきた。



アイリスちゃああああん!どこおおおおおっ!?

おかしいだろ!どうしてはぐれるんだよ!死ぬじゃん、これ絶対死ぬやつじゃん!

アーーーーーッ!来ないでエ!来ないでくれエ!!やめてーーーーッ!!!

なにそれ!?数多くない!?ありえないんだけど!?

(禰豆子ちゃんもアイリスちゃんも戦ってる。俺がなんとかしなくちゃ。俺が守ってあげなくちゃいけないのに!

村ではキサラギちゃんやシズクちゃんも俺の帰りを待ちながら戦ってる。俺、絶対負けちゃいけないんだ!

でも、俺はすごく弱いんだよ。戦い抜ける力がないの。でも、俺が戦わなきゃ――)


<善逸の中で恐怖と責任感がはじけた。>


雷の呼吸・壱ノ型群雲一閃

シイイイイ――

雷の呼吸・壱ノ型群雲ー閃――

――六連

<炭治郎たちが累と対峙していた時、善逸はたったー人で、他の鬼を引きつけ戦っていた。>


どういうことだい?他の連中は、君が殺すんじゃなかったの?

こっちに戻ってくるよう鬼どもに命じてんのに戻ってこねえんだよ!

なんだ、結局、僕が戦うしかないのか……

豚太郎!ビビってんのか!?いつもより遅えぞ!

(……そうか。俺はこの鬼に負けたから、勝てないと思いながら戦っていた。

でも、俺はあの時と違う。もっと強くなってるし、なにより――)

(ー緒に戦う仲間がいる!)

(心で負けるな、炭治郎!敗北の記憶を乗り越えて塗り替えてみせろ!!)

ありがとう、伊之助!ここで決着をつける。俺はもう負けないっ!

勝つのは俺だけどな!!

まとめてかかってきなよ。僕が全員、殺してあげる。


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(見えた!隙の糸!!)

そんな……僕が……負ける……

相棒っ!!

死ぬな、死ぬんじゃねえ!お前まで俺を置いてくなよ!!

…………

てめえら、ゆるさねえぞ!また俺の相棒を殺しやかってええ!!

あのルーンは!?

鬼門のルーンよ!お前が鬼に力を貨すなら!累に力をくれてやれ!!

すごいよ……力があふれてくる……

ハハハハハ、見たか!?これが鬼門のルーンの力だ!!二人であいつらぶっ殺そうぜ!

え?

この石が手に入ったら、もう君はいらない。

累……?

思ったとおり、やっぱり僕の体は消えそうにないね。これで完全に自由になれた。

自分を助けようとした仲間をどうして傷つける!?

なにを怒ってるんだい?君たちの敵を僕が倒してあげただけだろ?

仲間じゃなかったのか!?

仲間?これが勝手にそう思ってただけだよ……

僕はこの鬼門のルーンを手にいれる隙を狙ってただけだ。

ガッ!

<累は倒れたクロタケを蹴飛ばした。>

弱い奴とー緒にいるのは、本当に不快だったよ。

やめろっ!!

どうして君が怒ってるのかわからないけど、怒りたいのは僕のほうだ。

お前ら、さっき僕を殺しかけたよね?

それが言ってただろ?殴られたら殴り返す。奪われたら奪い返す。

殺されたら殺し返す――

――お前ら、まとめて殺してやる。


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イヤッハーッ!

血鬼術刻糸牢

(逃げられねえ!やられる!)

<主人公の剣が累の放つ糸を斬り裂いた。>

日輪刀じゃなくても!糸くらい斬れるんだからね!!

やるじゃねえか、お前ら!子分にしてやる!

ンンンン!!

細切れになりなよ!

バーンナップ!

次から次に!!僕の邪魔ばかりする屑どもめ!

血鬼術殺目篭

がっ!!

死ね。

やられるわけにはいかないっ!

まだ負けてねえぞ、おら!!

フウ!フウ!!

炭治郎さん、糸は私たちで消してみせます。

<――行こう。>

はあああああっ!!

舐めるな!

血鬼術刻糸輪転

<迫りくる大量の鋼糸は、アイリスの放つ火炎すら弾く。>

どけええええっ!!!

獣の呼吸・参ノ牙喰い裂き!

<伊之助の二刀が鋼糸の塊を切り裂き、道を作る!>

ンンンンーーーッ!!

うおおおおおおおおっ!!

<鋼糸が道を閉ざさんと再びうごめきはじめた――>

!!

ありがとう!主人公!

血鬼術――

(ダメだ、このままだと間に合わない。また俺の刀があいつに届かない――

いやっ!今度は届かせてみせるっ!!)

ヒノカミ神楽――

――円舞!

させるか!!

<炭治郎が首を刎ねるより速く、累は己の首を鋼糸で斬り飛ばそうとする。その刹那――>

血鬼術爆血!

<鋼糸に付着していた禰豆子の血が燃え上がった。>

(糸が焼き切られる――間に合わ――)

うおおおおおおおおおっ!!


ああ……

……本当に不快だ。

はあ、はあ、はあ……

んーー!

……勝ちましたよ、冨岡さん。


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(目が霞んできやがる……)

最悪な……ー生だ。この世界に、壊されて……奪われて……最後は殺される……

でもよ……少しはやり返して……やったぜ?何人もぶっ殺して……やった。ざまー……みろ。

…………

呪ってやる……こんなクソみたいな世界の全部……

(怒りと……深い、悲しみの匂いがする……)

(こんなクソみたいな世界でも……シロタケが……いた。あいつがいたから……俺は……)


俺たちが生まれた<鬼ヶ島>は人と争う鬼が住む島。人間どもとの静いで、親父もお袋もまとめてくたばった。

身寄りの無えガキに、この世界は残酷だ。邪魔だゴミだとぶん殴られて行く場所なんてありゃしねえ。

助けてくれと手を伸ばしたところで誰も俺の手をつかんじゃくれない。

この世界が俺に与えてくれるのは悪意と暴力と痛みだけだ。

憎くて憎くて憎くて……もうなにを憎んでんのかわからないほど憎くて……壊しても、奪っても、殺してもこの憎しみは消えちゃくれない。

こんなぶっ壊れちまった俺に誰も手を差し伸べちゃくれねえ。

(悲しみの匂いが深くなっていく……)

でも、シロタケは、俺の手をつかんでくれた。

こんなぶっ壊れた俺のことさえ「わかるぜ」って笑ってくれた。

あいつがいたから、俺はー人じゃなかった……


相棒……そこに……いたんだな……

…………

すま……ねえ……俺……やっぱり……ー人じゃ……ダメだ……

<炭治郎はクロタケの手をそっと握った。>

ああ……あったけえな……お前の手……

……おひさまみてえだ。


…………

……


……屋敷の防衛は大丈夫か?

はい。今のところは……

すみません、戦線が崩壊しました。

ここで迎撃するより他ありません。

わかった。

さすがに多いのう。シズクどの、わらわが合図したら屋敷に匿われてる者たちを逃がすのじゃ。

ー人でも多く生き延びさせるより他あるまい。

……承りました。

……来るぞ。


鬼が消えていく?

…………

……やったか、炭治……


 ***


んがっ!?あれ?ここどこ?

しかも鬼たくさんいるし!俺も全身ケガだらけだし!!

消えた!?どういうこと!?意味わかんないんだけど!?

まさか、鬼以上の怪物が近くにいるとか?あ、ありえるよ!だって違う世界だし、ここ!!

炭治郎おおっ!伊之助ええっ!禰豆子ちゃああああん!どこにいるんだよーー!!


<こうして――>

<鬼門のルーン>と鬼に関わる長い夜が明けた。>



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最終話



というわけで、アンタたち四人、全身ボロボロだから絶対安静ね。

わらわたちがしっかり看病してやるから、安心して休むがよい。

すみません。いろいろと……

伊之助様!おとなしくしてくださいっ!

うるせえっ!寝てなくても治るわ!!

肋骨を三本折ってるのですよ!安静になさってください!!

なにすんだ、てめえ!この縄、ほどきやがれ!

己のケガの程度もわからないのか?おとなしくしていろ。

ああっ!?勝負しやがれ、この野郎っ!!

……それで、帰還の目処は?

シュラどのが鬼ヶ島にちょっぱやで戻ったからのう。物質転移の異能が使える鬼をみつけ次第、連絡がくるはずじゃ。

おぬしたちの帰還に閲する準備が整うまでは飛行島で面倒を見てもらう手筈になっておる。

しっかり面倒みてあげるから楽しみにしてなさいっ!

ん一♪ん一♪

……納得いかない。

どうした?善逸。

どうして炭治郎たちは女の子が看病してくれて俺はイサミさんなんだ?

べらんめえ!なんた!?おまえ、俺の看病がいやだってのべらんめえ!なんだ!?おまえ、俺の看病がいやだってのか!?ひっく!

ほら見てよ!なんか酔っ払ってるし!怖いよ!看病なんてできるわけないじゃん!

んなもん、できるに決まってんだろ。ツバでもつけときゃ治るんだよ!

治らないよ!誰か助けてよ!どうしたんだよ!イサミさんになにがあったの!?

すみません。我らは<酪百素面反転の呪い>にかかっており、シュゴウから長時間離れると、こうして酔ったような……ことにい、にゃるんですよ~!

シズクちゃんまで!?ちょっと誰か助けてよ!!

本当にさわがしい連中ね……

善逸、伊之助、二人とも病室では静かにしなきゃ駄目だぞ。

うるさいのは、こっちも同じよ。短い間かもだけど、よろしくね。

ああ、ありがとう。

んー!んー!

やっぱり納得いかないっ!酔っててもいいから女の子に看病されたいんだよ!代われ、伊之助ええええ!!

ああっ!!うるせえええっ!!

ま、賑やかでいいんじゃない?

そうだね。




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