白猫温泉物語2 Story8
2017/00/00 |
目次
主な登場人物
story1
誰かが言った、温泉といえば露天風呂と。
ぶるぶる……それは知らないけど、なんでこんなところに施設を……
この山からはアオイの国を一望できる。
湯に浸かり、優美な景色を堪能する……考えたなゴエモンはん!
「…………
ホメ様が景色を眺めているわ。
気に入ってくれてるみたいね。
「巨大滑り台に、プラネタリウム……あれはフィットネスジムね。
いかにも。更には親子も楽しめる温泉観覧車に温泉アスレチックも御座候。
いつの間にそない建てたんや。
アイデアが湯水のように湧き出てな。俺はこれからも温泉界の最先端をひた走る!
「ノー、ノー……オー、ノー……ノー……
ん? なにをぶつぶつ……
「ノォーーーーーーッ!!!
ホ、ホメ様……?
「ガッデム! ワビサビってなによ!
お、おい、なにキレてんだよ……
sいやっほー!
シエラが足元のボードを操り、ゆらりゆらりと雪の上にカーブを描いていく。
すごっ……<スノーボード>なんてどこで覚えたの?
s私の島では冬になると雪が積もるの。それでよくこれで遊んでいたわ。
あとでご教授願いたいです。
rひえぇ……グラグラする……
ルミエさん、離れてください、私まで、揺れ、て、ます、から……
スキー場まで建ててたのね。
遊戯で体を疲弊させ、湯への意欲を煽る策よ。
ほら、お前もカリカリしとらんで戯れて……
「HA HA HA! そうね。じゃあこのスキー板、借りるよ。
ストックは?
「ノープロブレム。ミーがやるのは、スキージャンプね。
ん? ジャンプ台なんかねえけど?
「オーケーよ! 壁をフォールダウンね!
ちょ、ようわからんけど早まったら……
「ヒアウィ・ゴーーーーッ!!!
あかーん!!!
ホメ様が雪の斜面を高速で滑り降りていく! 目の前には崖が迫る! 迫る!
加速したホメ様は山の外へ放り出された。吹きつける強風に服は脱げ、どういうわけか腰にタオルー枚という姿になっていた。
というか大丈夫なの!? この高さよ!
見て、山のふもとに温泉が!
<滑空するホメ様は山のふもとにある温泉のど真ん中に着水した。
……ガッデ~ム……
……どうやら、無事みてえだな。
よくここからはっきり見えるわね?
視力20.5だからな。そんな単位あるか知らねえが。
それよりあいつ、まだ怒ってるぞ。
「Oh ここ、ローズヒップ温泉? ベリベリオシャレね。
……ノット! ノット・ワビサビ!
「お風呂上がりにソースはいかがですか~。今なら無料です~。
「HEY! そこの売り子ガール! ソース、プリーズ!
「どうぞ。<インフィニティX>です。
あいつ、ソースなんか買ってどうする気だ?
は? どんな展開やねん。
げっ、しかもそのソースを頭からかぶりやがった……
お湯がみるみる茶色く染まっていくぞ!
ホメ様がそんな無作法なことするわけ……
え? なにあれ? 空に巨大な物体が……
ちょうどホメ様のいる温泉の真上に……
突如として現れた巨大な鉄の塊が温泉に落下し、激しい飛沫と共にホメ様を吹き飛ばした。
「大丈夫ですか?
「…………
イエッス! 温泉ブロークン! フォー---ッ!
温泉がめちゃめちゃになって喜んでんぞ。
ホメ様がなんでそんな……
むむっ!
どうしたのキャトラ?
山が揺れてる……!
story2
「風が震えています……」
「空がゴロゴロしてるね。ずどどどどーん!」
天変地異の前触れって感じだな。
どうしてこんな……
ホメ様や……ホメ様が湯場の秩序を乱したことで……
<島の怒り>に触れてしまったんや!
それって前にセオリとゴエモンが喧嘩して、ぐちゃぐちゃな怪物が生まれたっていう一連の流れのことよね。
ああそれな。俺が<源泉>を盗んでるとか濡れ衣着せやがってよお。
あんたがわけもなく、あないな場所におるからやろ!
けど、ここには<源泉>なんてないわよね……?
<源泉>のある山はここからだいぶ離れとる。
せやのに、ここまで怒気が伝わってくるのは異常やで……
rひええ~!? 山が割れる~!
きゃああ! かみなり~~~!
アオイの島全土が怒りに震えるように大地に亀裂を走らせる。
山々の先から噴き出す火柱は天を突き、稲妻が龍のように雲の中を暴れまわっている。
いよいよ危うくなってきたわね……
どうすればいいの……
<源泉>のところにいって説得するしかあらへん。
ええ……やだよ。
ほな、コジローはんらの下で住民の避難に専念してもらうで。
それもやだな。
まあ、べつにあんたがおってもおらんくても、どうにもならへんのやけど。
じゃあついていくよ!
なんやねん!
そういえばホメ様は?
姿が消えたな。この災いの首謀者のくせに、ふてぇ野郎だ。
行方は気になるけど、今は<源泉>のところにいくのが先決よね。
s私たちもいいかしら?
アオイの島の存亡の機、お救いいたします。
すべては温泉のため。
トワがやる気なら、付き合うしかないっしょ。
rわたしは、みんなでいたほうが安心するから……
アンタたち……
時間があらへん。やる気があるもんは、ウチについてきい!
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その他
相関図