【白猫】絶海の侵略者4 Story3
目次
story13 ふたりで
超高速魚雷発射!!
超高速魚雷発射!!
効果は!?
方舟、依然進路変わらず!魚雷を吸収したようです!
生半可な火力では止めることは不可能……ガルボートならば追いつけるが、火力が足りるかどうか……
艦長!方位1ー4ー0!潜水艦の影あり!<侵略者>です!
音響魚雷を前方に発射した模様!
何を考えているんだ……?
方舟、進路を変更!魚雷の方角に移動していきます!
奴は無駄なことはしない。いいだろう、乗ってやる。ガルポートで出る!お前たちは援護しろ!
うまくいったな。
みんなのおかげなのです。
クルナラ、コイッチュ!ココデ、トメルッチュ!
タコヤキニナッテモ、アキラメルナッチュ!
方舟は生命力を求めて動く。あいつらの陽動で、戦う場所を選ぶことができた。
虹の海なのです。
方舟を誘導したのか。
来たな。
当然だ。僕には人々を守る義務がある。
――ふん。ブリーフィングの必要はなさそうだ。
海の中ならね。
合わせろ。
君がな。
……方舟が来るのです。
ごめんなさい。ノアか目覚めさせてしまったのです。
あなたは何も悪くないのに。
俺たちの手で終わらせよう。世界の終わりなど認めるわけにはいかない。
はい……これで、最後にするのです。
ネモ。
いつまでも、ずっとー緒なのです。
この海で、ネモをずっとずっと、見守っているのです。
……ああ。
一緒だ。だからこの海を、俺は守る。
それが戦う理由だ。
それがあなた達の答えなのですね。
――本艦は黒い方舟。方舟を守るために設計されています。
従って方舟への攻撃はできません。
!
プログラム書き換えの許可を。
……お願い、するのです。
管理者の声紋を解析……ー致、命令を受諾……
艦長、最終確認です。この命令を許可しますか?
やれ。守護者の責務を全うする。
了解。プログラムを修正します。
<アルゴノート号がアルゴノートⅡを飲み込む――>
対方舟戦闘用にアルゴリズムを更新。アルゴノート号より改修パーツを換装……
<そして黒い方舟と呼ばれた潜水艦は新たな機龍を深淵なる海に潜航させ――
その機龍は静かに咆哮する!>
コード名修正、以降、アルゴノートⅢと呼称を。
アルゴノートⅢ……
指示を。
方舟を倒す。力を貫せアルゴノートⅢ!
了解。照準、セット。
ノア、行くぞ。
戦場へ向かうのに、手を差し伸べられるのは、初めてなのです。
俺だけじゃない。お前だけでもない。俺たちが、止めるんだ。
はい、なのです!
方舟を……侵略する!
story14 この海で
<方舟が深淵へと沈んでいく。
終わりの日に備え、あらゆる命の種を集めるその舟は役目を終えるように――
暗く深い海へと、姿を消していった――>
…………
方舟の力が、失われていくのです……
わかるのかい?
命が消えていくのです。もうすぐ、尽きるのです。
……っ。
フクチョウ、グアイガ ワルソウッチュ!
シッカリスルッチュ!
アルゴノート号にもどれ。ノアを治療する準備を。
リョウカイッチュ!
……嘘はよくないのです。
あいつらにまで、背負わせたくはない。
ネモは、優しいのです。
何か俺にできることは?
手を握っていてほしいのです。
ネモがいてくれたら……怖くないのです。
……ああ。
そこにいますか?
いるとも。どこにもいかない。
よかった……
ノアは……ネモが……大好きなのです……
お前が俺のすべてだ。どこにもいかない。ずっとお前を守る。
はい、なのです。
――いつまでそこにいるつもりだ。
俺は逃げない。だが捕虜になることもできん。
まさか君も、ここで――
……行け。
……わかった。
おい。
深淵は見えたか?
……見えないから深淵なのさ。
……ふん。
ドレッドノート号に伝達。この海域を離脱する。
待ってください!
中尉!?
その姿……そうか、人魚だったな。
これを使ってください。
これは――
不死のルーンのレプリカです。
……あたたかい、のです。
ノア!
<終焉の箱>と呼ばれていた装置を利用して、精製しました。
紋章魔法を応用してルーンに、新たな概念を定着させたものです。
血を使ったのかい?
……はい。そうするべきかと思ったので。
あなた方の援護に感謝を。行きましょう、艦長。
ああ、そうだね。
不死のルーン……
……どうしたのです、ネモ?
海の底に身を預けるのは、まだ先になりそうだ。
最終話 絶海の侵略者
散々な目に遭いましたね。
ウルマ島で行われていたのが方舟の実験だったなんて……
しかも連邦の将軍の独断で。このことを帝国が知れば、どうなることやら……
知らなければいいんじゃないかな。
はい?
方舟は失われた。あの島には何も残っていない。
それはそうかもしれませんが……
掘り返したら戦争に突入する。そんなことは誰も望まない。
……正しいのでしょうか。真実を隠すことは。
さぁね。長く見れば歴史が、そして僕たちの生きる道が、証明してくれるだろう。
なんというか、まぁ、艦長は艦長ですね。
褒めているのかい?
ご自由に考えてください。
さて諸君。
残念ながら今回の任務では成果を得ることができなかった。
ウルマ島は情報通りの焦土で、連邦も見限っていた土地のようだ。
世界の平穏のためには、まあ悪くない成果たったね。世界の平穏のためには、まあ悪くない成果だったね。
では艦長、帰りますか。私たちの居場所へ。
うん。ドレッドノート号、微速前進!
アルゴノートゴウノ カンバンデ、タコヤキッチュ!
ミワタスカギリ、ウミッチュ!オツナモノッチュ!
ソースハ ジュンビ、デキテルッチュカ!?
モチロンッチュ!ココニ、インフィニティ――
やめろ!たまには別のものを使え!
カンチョウノ オウボウッチュ!
タコスミデ ムカエウツッチュ!
ほう、正気か?アルゴノートⅢ!
照準を定めてください。
ヒキョウッチュ!
ゆらゆら。
!
楽しそうなのです。ゆら~り。
コッチニ クルッチュ!
イッショニ タコヤキッチュ!
できないのです。……そちらにはいけないのです。
……ナンデッチュカ?
ドーナッツを作っているのです。タコヤキは任せるのです♪
もう体は平気か?
はい、不思議なのです。方舟とのつながりは切れてしまったのですが。こうして生きているのです。
理屈はどうでもいい。お前がいるなら、それで。
ふふ、ネモもネモのままなのです。
これからどうするのです?
何も変わらない。俺は俺だ。そしてお前もお前だ。
ずっとー緒なのです。
――ああ。
逆に聞くが……お前はどうしたい?
ゆらり?
……色々あるだろう。その、なんだ。休みたいとか、どこかに行きたいとか。
ふふ、十分なのです。行きたい時にどこかへ行くのです。
やりたい時にやりたいことをするのです。心に従って、ゆらゆら進むのです。
ふっ、そうだな。
そうなのです。だから今はこの海の真ん中でゆらりと過ごすのです。
その提案に乗ってやる。次の目的地はその後に決めるとしよう。
今まで通りだ。
大賛成なのです。だってネモとノアは――
絶海の侵略者なのです。
絶海の侵略者 ―Ark story―
-END-