カグラ・クロガネ cv.村川梨衣
登り鯉の短刀を抱いた女剣士。
ある男のことを探している。 |
| 2000/00/00 |
メインストーリー
思い出1
アタシはカグラってンだ。チョイと邪魔するよ。
はじめまして、私はアイリス。主人公とキャトラです。
よろしくー。
ああ、今日から世話ンなるよ。
いなせなおねえちゃんね。
この言葉づかいかィ？マ、育ちのせいかねェ。
不幸自慢するわけじゃないケド、苦労もしてきたからネ。
敬語なンかは苦手でサ。その辺りは勘弁願いたいねェ。
いいよいいよ、口調のこといいだしたら、アタシもたいがいだし。
カグラさんのほうが、お年も上みたいですし。
そうだネ。アタシはこないだ、ウチの島で言うとこの成人してサ。
おかげで、飲みたいモンが、飲めるようになったのョ。
おさけですね？
ソ♪
飲み過ぎはダメよ？
心配しなさんナ、酒に呑まれるほど馬鹿じゃないサ。
そんな気楽な人生も、送ってきちゃァいないしねェ……
たいへんだったんですね……
マ、それなりにネ……
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思い出2
ねえねえ、カグラのふるさとって、どんな島なの？
ノンキなとこサ。八割方平和でネ。
ほとんどの住民は、安穏と泰平の世を貪ってるョ。
いいことじゃないの。
光が強いほど、陰も濃くなる……って言ってもかィ？
えっ……？
ット、大げさに言い過ぎたかナ。
そこまでじゃないケドさ、裏の社会もあるってことさネ。
お天道サマの下を堂々とは歩けず、手を汚して人知れず生きる……
そんな生業も、なくなっちゃァいないってことサ。
なるほどねぇ……
……かく言うアタシのオヤジも、そんな裏の人間だったらしくてねェ。
……らしい？
面と向かって会ったこたないのサ。
このトシになるまで、タダの一度もネ。
カグラさん……
……アタシは探してるンだ。
母を捨てて苦労をさせた、どうしようもない父親をねェ。
……会って、どうする気ですか？
母の遺言でね。この『登り鯉の短刀』を渡すのサ。
それを渡して……その後は？
とくにないョ。
……なんかないの？その……文句を言いたい、とかでもさ？
ないのよねェ。も、さ。アタシの人生には、関係ない人だしネ。
母のために、届けるだけだョ。配達と大差ありゃしないサ。
それでいいんですか……？
いいも悪いもありゃしないョ。さっさと見つけて用事を済ますサ。
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思い出3
ふぃー、スッとしたねェ……
カグラさん？どうしたんですか？
やっとオヤジを見つけてねェ。
えっ！おめでとう！
ありがト。
それで……さしでがましいようですが、どうだったんですか……
ん、大したこたァないョ。おーかたの予想通りさネ。
『登り鯉の短刀』を渡して、母の気持ち、最期の言葉を伝えて……
母の墓の場所を教えて、墓参りに行けって、言っておいたョ。
……それで、おとうさんはなんて……？
……謝られたねェ。ただ一度、とても深くネ。
……うん。……ほかには……？
それだけサ。グジグジ言われるのは御免だったからネ。
伝えることを伝えて、サッサと退散したのサ。
…………
……せっかく会えたおとうさんなのに、それでよかったの……？
何言ってんだィ。そりゃ、親には違いないだろけどサ。
復讐しようってガキでもなきゃ、抱き合って泣くほどの情もない。
そうだろ？だって、これまでのアタシの人生に、無関係だった男なんだ。
他人と変わりゃしないさネ。
でも……これまではそうだったかもしれないけど、これからは……
……ともかく、これでアタシは自由に生きられる。
さ～て、楽しくなってきたねェ……
カグラさん……
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思い出4
…………
カグラさん？
なにをつまんなそーなカオしてんのよー？
……え！？アタシがかィ！？
どうしてそんなに驚くの！？
いや……意外だったもんでネ……
ここに来て、用事は済んだし、心を許せる友も得たし……
これまでよりもずっと楽しく暮らしてるつもりだったんだけどネェ……？
…………
……マ、それはともかく。聞いておくれョ。
アタシはガキンときから、芸術に興味があったんだけどネ。ずっと縁のない暮らしだったのョ。
ところが最近、画家だっていう子と親しくなってねェ。
おー、よかったじゃん。
あァ。道具を借りてね、その子にチョクチョク風景画を習ってるンだ。
カグラはどんな風景を描くの？
花が多いネ。
へ～、お花ですか！
笑わないどくれョ。アタシは花が、特に桜が好きでねェ。
いいよねサクラ。アタシも好きだよ～。
でも、見られる時期は、限られてるからねェ。
そうね。アレって、散るからこそに美しい……みたいな面も結構あるし。
だからアタシは、毎年桜の花見を楽しみにしてるんだョ。
してるんだけどサ……
カグラさん？
……なんだろネ。なんか、ひっかかってンだ。
母の遺言を果たし、これからは人生を楽しんでいいはずなんだケド……
なんか浮かなくてネ。
こんな気持ちじゃ、楽しい花見になりゃしないねェ。
どうしたもんかなァ……
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思い出5
…………
どーしたのよカグラ？こないだよりも難しい顔してるよ？
……アタシ、自由になったはずなんだョ。
以前から、贔屓にしてた歌舞伎役者と知り合ってさ。
意気投合して、酒を酌み交わしたりなんて、幸運にも恵まれてサ。
画家の友達とも、だいぶ親しくなったりしてるんだけど……
うん。
……どうも、そういうのとは別なトコで、気が晴れなくてねェ……
胸のどこかに、しこりが残ってる感じがしてんだョ……
…………
なんなンだろうねェ……
アタシとしたことが、こんなこた初めてだョ……
……カグラさんは、そのモヤモヤの原因、本当は気づいてるんじゃないですか？
……え？
いままで自分でしっかり生きてきたカグラさんですもの。
目を背けたいから、見えないフリをしてるだけじゃないですか……？
言ってくれるねェ。
すいません、他人の私が言えることじゃないですけど……
……こういうこと、外からの方が、よく見えるもンなのかねェ。
主人公。アンタにも見えてンのかィ……
こんなこと言えた義理じゃァないかもしれないケド……
ポンっと背中、押しちゃもらえないかねェ……
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思い出6 (友情覚醒)
この光……滝みたいに、とめどなく降ってくる……
…………
カグラさん？
……なるほどねェ。鯉の娘は、鯉なのかもしれないねェ……
？？？どゆこと？
あァ、いまの言葉にゃ別段深い意味はないけどネ。
無関係を決め込むってのも、意固地な話だったんだろうねェ。
ということは……
アタシがモヤモヤしてたのは、察しの通り、オヤジのことだ。
初めて会ったときは、正直言って、一言でも多く口利きたくはなかったけど。
むしろそれが半端だったネ。そのことが気になって、ずるずる引きずってちゃァ、本末転倒もイイトコだ。
じゃあ、もう一度会うのね？おとうさんと。
そうしようかねェ。
今度はゆっくり話せるといいですね。
マ……突然ウマくは行くとも思っちゃいないけどサ……
そうだねェ……桜の席にでも、誘ってみるかなァ……
そしたら多少の気まずさも、花びらが薄めてくれるかもしれないしネ。
気まずくなるの前提で考えてないで、話題を用意しときなさいよ。
多少は持ってくサ。でも、過度な期待をしないどいてくれョ。
二十数年、すれ違ってたんだ。話に詰まることだって……
そうだ！アンタたちも、同席しておくれョ！
えぇっ！？それアリ！？
アリもアリ、おおアリさ。頼むョ、人助けだと思ってサ。
では……お邪魔にならなければ。
恩に着るョ！
アタシたちはお酒飲めないからね。
酒なんかなくたって、桜を愛でるこたァ出来るだろ？
せっかくのお花見だし、わいわい盛り上げてあげましょ！
もう……カグラさんにとっては大事な時間なんだから、あんまり騒ぎ過ぎちゃダメよ？
ハハ、そんなに気をつかうこたないョ。好きにやるといいサ。
……アタシら親子のことは、長い目で見てておくれョ。
少しずつでも、打ち解けていけるよう、がんばるからサ……
お互い目を背けず、ちゃんと向き合ってネ……
覚醒絵・覚醒画像
短刀を携えた剣士
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その他
人物紹介
| 画像 | 詳細 |
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 | スオウ・コジロー・ヨシユキ cv.森久保祥太郎呉服屋＜粋染屋＞の店主。のんべんだらりと日々を過ごしている。 |
| スオウ・クロー・ヨシヤス cv.樋口智透芸に生きる派手好きの歌舞伎役者。何ものにも縛られない暮らしを好む。 |
| セオリ（厳魂天疎 瀬尾璃津姫）cv.巽悠衣子バリバリ働くアオイの国のミカド。大物だが、自分のことになると短気。 |
| タツノシン・クロガネ世界を放浪する剣客。登り鯉のイレズミを背に、刀一本で渡世を送る。 |
| カグラ・クロガネ cv.村川梨衣登り鯉の短刀を抱いた女剣士。ある男のことを探している。 |
| チトセ・アラレ cv.富田美憂飴細工の露天商を生業とする少女。堅気衆の笑顔のために一肌脱ぐ。 |
