ギルサンダー・思い出
ストーリーまとめ
思い出1
ギルサンダー
なるほど、ここが飛行島か。
キャトラ
すごいでしょ? 空飛んでるのよ!
ギルサンダー
とても良い気分です。
キャトラ
へっへ~ん♪
アイリス
あらためまして、飛行島に
歓迎しますね、ギルサンダーさん♪
ギルサンダー
お世話になります。
ギルサンダー
礼は、この剣で返します。
キャトラ
生真面目ねえ。
いまからお礼のことなんか
考えなくていいってば。
ギルサンダー
ここで暮らすんだ。
ただ遊んでいるわけには
いかないさ。
ギルサンダー
俺の力が必要なときは、
遠慮なく言ってください。
キャトラ
じゃあそうさせてもらうわ。
ところで、ギルサンダーつて
礼儀正しいわよね。
特にさ、メリオダスに。
ギルサンダー
ああ、それは幼い頃のなごりさ。
ギルサンダー
子供の頃からメリオダスのことを
尊敬していて……
いろいろなことを教わったんだ。
キャトラ
へー。だから、メリオダスからは
ギル坊って呼ばれてるんだ。
ギルサンダー
どうしてそれを?
キャトラ
どうしてもなにも、
メリオダスがそう呼んでたよ?
ギルサンダー
そうか。
ギルサンダー
…………
キャトラ
でも、アイリスにも敬語なのに、
どうしてアタシにはタメロなの?
ギルサンダー
猫だから。
キャトラ
あ、そっか。
ホークと同じ扱いってわけね……
思い出2
キャトラ
ねーねー、ギルサンダーって、
聖騎士なんだって?
ギルサンダー
ああ、そうだ。
キャトラ
騎士なら知ってるんだけどさ、
聖騎士ってなんなの?
ギルサンダー
聖騎士の教えだ。
「その眼は悪を見抜き
その□は真を語り
その心は正義に満ち
その剣は悪を砕く」
キャトラ
う~んと……
正義の味方ってこと?
ギルサンダー
当然、はじめの理念は
それに通ずる。
ギルサンダー
だが、だからこそ、
一度道を誤れば、
犠牲を生んでしまうこともある。
ギルサンダー
俺たちの聖騎士団は、
そうだった。大勢の民を
傷つけてしまった……
キャトラ
ちょ、ちょっと待って、
軽い気持ちで聞いちゃったけど、
なんだかごめんね。
アイリス
いまは正しい道に
戻ることが出来たんですよね。
ギルサンダー
ええ。メリオダスたちの
おかげです。
アイリス
でしたら、もうそんなに
悔やまなくても
いいのではないでしょうか?
ギルサンダー
いいえ。俺は、民に償わなければ
ならないんです。時間をかけて、
少しずつでも……
ギルサンダー
そのためには。
キャトラ
ん?
ギルサンダー
民の暮らしを、
もっと学びたいのです。
アイリス
立派だと思いますよ。
ギルサンダー
ついては、俺に教えて
くれませんか?
キャトラ
こっちの人たちの暮らしを、
ってこと? 参考になるかなあ?
ギルサンダー
勿論だ。どこへ行っても、
人々の暮らしの根底には
同じものが流れているはず。
ギルサンダー
ではキャトラに問う。
キャトラ
うぇ?
ギルサンダー
こちらの騎士は、民にどのように
支持され、そして報いて
いるのだろうか?
ギルサンダー
また、騎士と人々には、
どんな関わりがある?
両者の参加する行事など
どの程度あるだろうか?
キャトラ
待って待って、
いっぺんにそんなにたくさん
言わないでよ~……
ギルサンダー
聞きたいことはたくさんある。
他にも、騎士による
市井の巡回頻度や……
キャトラ
ぎ、ギニャー!
思い出3
ギルサンダー
これを。
キャトラ
なにこれ?
ギルサンダー
ブリタニアの聖騎士について
記してきたものだ。
リオネス王国を基準としているが。
キャトラ
え、そんなの頼んでたっけ?
ギルサンダー
いや。だが、これを読めば
聖騎士のことが
よりよくわかるだろう。
キャトラ
う、う~ん……
ありがとう……
ギルサンダー
礼には及ばない。
アイリス
聖騎士には位がある……
「金剛」、「白金」、「蒼玉」……
たくさんの聖騎士がいるのですね。
ギルサンダー
聖騎士―人の力は、
―国の騎士団に相当します。
キャトラ
うわあ、それってすごくない?
ギルサンダー
だが、他国にも
聖騎士がいないわけでは
ないからな。
キャトラ
なるほど……
ギルサンダー
ではこちらからも質問するぞ、
キャトラ。
キャトラ
え!?
ギルサンダー
このあたりにも
聖騎士のような
魔力を持つ騎士はいるのか?
キャトラ
えっとね、
まほーみたいなの使う騎士は、
たくさんいるんだけどね……
ギルサンダー
たくさんとはどのくらいだ?
キャトラ
うーんと……
ギルサンダー
たとえば人口―万人に対し、
騎士団が五百人として、
うち何人くらいだ?
キャトラ
えーっと、きっとたぶん、
その国その国ごとに……
ギルサンダー
その場合……
平均的な人数はわかるだろう。
他国との競合もあるはずだ。
キャトラ
まって! ねえ、
アタシたちは騎士じゃないし……
ギルサンダー
ならば民のことを尋ねよう。
ギルサンダー
こちらの人々は、
主に何を食糧として
いるのだろうか?
ギルサンダー
えっとね、それも、
島によって気候も文化も
違うから、育てる作物にも
いろいろあって……
ギルサンダー
たとえば何かある? 麦か?
それとも別の穀物か?
キャトラ
まってまって、
そんなにつめよらないでよ~。
ギルサンダー
俺は知りたいんだ。
キャトラ
それはわかるんだけど……
ギルサンダー
前にも聞いたが、
このあたりでは
騎士と人々はどのように……
キャトラ
ギニャー!
なんでもかんでも
アタシに聞かないでえ~!
思い出4
ギルサンダー
丁度いいところに。
この間の話の続きだが……
キャトラ
ギルサンダー!
話の前に、ちょっといいかしら!?
ギルサンダー
なんだ?
キャトラ
今日はお茶にしない?
ギルサンダー
お茶?
そんなことで時間を潰すなら、
もっと質疑応答を……
アイリス
でも、せっかくヘレナさんに
紅茶のケーキを
焼いていただいたので……
ギルサンダー
……紅茶のケーキ……?
アイリス
ええ。とってもおいしいですよ♪
キャトラ
ね? たまにはさ、
しゃべるテンポ落として、
のんびりお茶しましょ?
ギルサンダー
……急かしていたつもりは
ないのだが……
ギルサンダー
わかりました。そういうことなら、
ゆっくり付き合いましょう。
キャトラ
……ほっ……
アイリス
ふふふ。では、
すぐにお茶を滝れますね。
ギルサンダー
ありがとうございます。
ギルサンダー
…………
キャトラ
わあ~い、アイリス、
ケーキおかわり~♪
アイリス
おかわらないわよ。
キャトラ
な、なにそれ、どういう意味っ!?
ギルサンダー
………
アイリス
お味はどうですか?
ギルサンダーさん?
ギルサンダー
……とても美味いです……
アイリス
よかった♪
ギルサンダー
…………
キャトラ
(よかった、今日は
ギルサンダー、あんまり
質問してこないわ)
アイリス
(ケーキが好きなのかな?)
ギルサンダー
……これも……
……人の営みか……
アイリス
もうー杯いかがですか?
ギルサンダー
いただきます。
思い出5
ギルサンダー
キャトラ、いいところに。
キャトラ
げげっ、ギルサンダー。
ギルサンダー
なんだその反応は?
ギルサンダー
だって……
またアタシに質問攻めを
するんでしょ……?
ギルサンダー
攻めているつもりでは……
迷惑だったか?
キャトラ
……ちょっとだけ……
ギルサンダー
それは心苦しくもあるが、
まだまだ学ばねば
ならないことが多いんだ。
キャトラ
うん、それもわかるから、
アタシも心苦しいの……
ギルサンダー
そうか……
ギルサンダー
…………
アイリス
…………ねえ、主人公。
アイリス
二人とも悪くないのに、
ちょっとくたびれてるわ。
アイリス
どうにかしてあげられないかな?
思い出6
キャトラ
あ……
ギルサンダー
この光は……
キャトラ
ルーンの光よ……
なんかね、たいがいのことを
解決しちゃうのよ……
ギルサンダー
解決……
ギルサンダー
俺の目的は、ブリタニアに戻り、
民に報いるまで終わりはしない。
キャトラ
うん。
ギルサンダー
そのために、こちらで
出来る限りの知識を
吸収しようと思ったが……
ギルサンダー
…………
キャトラ
どうしたの?
ギルサンダー
この間のお茶会のとき、
思ったんだ。
ギルサンダー
人々は、穏やかな暮らしを好む。
それくらいわかっていたのに……
ギルサンダー
自分の償いのために、
一人、急いでしまっていたのでは
ないだろうかと。
アイリス
ギルサンダーさん……
ギルサンダー
もう少し歩調を合わせる
べきなのかもしれない。
ギルサンダー
その方が、その土地土地に根づく
民の生き方が、
よく見えてくるのだろう。
キャトラ
……うん。そうかもね。
一緒にのんびりも出来る方が、
みんなにも受け入れられやすいよ。
ギルサンダー
ああ……そうだな。
キャトラ
いつもじゃなければさ、
アタシも答えられることは
教えてあげるから。
ギルサンダー
ありがとう。
キャトラ
いえいえ♪
アイリス
ふふふ……それじゃあ、
お茶にしましょうか。
キャトラ
えっ?
アイリス
ヘレナさんが、
またケーキを焼いてくれたのよ。
キャトラ
わーい! 食べる~!
アイリス
ギルサンダーさんも。
ギルサンダー
ああ。いただきます。