ヒュウガ・思い出
ストーリーまとめ
自称・最強の格闘家 ヒュウガ・アスノ 究極を目指す格闘家。 深く悩まず、拳の導くままに直進する。 |
思い出1
ヒュウガ
俺はヒュウガ! 最強の格闘家だ!
赤い上着をはおった
屈強そうな青年が、
熱い口上を放つ。
ヒュウガ
究極の格闘家を目指し、
旅を続けている!
よろしくなっ!
アイリス
『最強の格闘家』と
『究極の格闘家』って、
違うんですか?
ヒュウガ
そりゃ、違うだろ。
究極ってからには、
最強より上に違いねえ!
アイリス
……?
キャトラ
理解しなくていーわよ、アイリス。
単なるタワゴトでしょ~。
ヒュウガ
いいや、俺はマジに最強だ。
なぜなら誰にも負けたことがない!
キャトラ
ホント~?
ヒュウガ
本当だ! 何度倒されようと、
不屈の精神で
立ち上がってきたからな!
キャトラ
って負けてんじゃんっ!!
ヒュウガ
いいや、俺の心は負けてない!
だったらそれは負けじゃない!
つまり俺は無敵にして最強だ!
キャトラ
あー……
話聞かないタイプだわ、コレ……
思い出2
ヒュウガ
ぅおらー! ぅおおおおー!
ヒュウガがシャドーボクシングに
励んでいる。
アイリス
こんにちは、ヒュウガさん。
精が出ますね。
ヒュウガ
ああ! じっとしてると、
内側から燃え盛る炎で
焼けちまいそうなんだ!
ヒュウガ
だが、相手がいないと
やっぱり燃えないな。
ヒュウガ
相手しないか?
主人公!
キャトラ
主人公は剣士よ?
アンタ、拳で剣と戦うわけ?
ヒュウガ
関係ないさ。
俺の拳は剣にも負けねえ!
キャトラ
そうかなぁ? 剣の方が長いから、
先に攻撃されちゃうんじゃない~?
ヒュウガ
安心しろ、そこは考えてある。
ヒュウガ
まず、相手の剣撃を
頭突きで相殺するだろ?
そして懐に飛び込み……
キャトラ
『まず』の時点で、
できるかぁーっ!!
思い出3
ヒュウガ
バ……バカな……この俺が……
ヒュウガが、
うつ伏せに倒れている。
アイリス
ヒュウガさん! 大丈夫ですか!?
いったい何が……!
ヒュウガ
フッ……マヌケな話さ、金が尽きて
もう3日も飲まず食わずでな……
キャトラ
本当にマヌケな話ね!?
ヒュウガ
前にもこんなことがあった……
俺は最後の肉を食べようとしたが、
野生のコックに襲いかかられ……
キャトラ
『野生のコック』って何っ!?
ヒュウガ
肉を賭けて、
熾烈なバトルを繰り広げたが、
勝負は互角だった……
ヒュウガ
気がついた時には、肉は
タヌキにかっさらわれて……
俺たちはそろってブッ倒れたのさ。
キャトラ
なんなの、その話……
ヒュウガ
無敗にして最強の格闘家も、
空腹には勝てねえ……
とは……な……
アイリス
ヒュ……ヒュウガさん?
しっかりしてください!?
思い出4
アイリス
ヒュウガさんは、どうして格闘家に
なろうって思ったんですか?
ヒュウガ
昔……ガキだった頃、俺、
奴隷として売られてたんだ。
キャトラ
ド、ドレイぃ!?
ヒュウガ
ああ、言うとおりにしないと、すぐ
殴られる……だから、どんな過酷な
命令にも従わなきゃいけなかった。
ヒュウガ
だが……ある日、そこにひとりの
じーさんが現れた。
ヒュウガ
じーさんは武術の達人だった。
俺たちの目の前でドレイ商人と戦い、
蹴散らして、俺たちを解放した。
アイリス
強い方だったんですね……
ヒュウガ
ああ、強いだけじゃない。
開放された俺たちを、遠くの
孤児院まで連れていってもくれた。
ヒュウガ
なぜ、助けてくれたのか……
それを聞くと、じーさんは、
ニヤリとしてこう答えた。
ヒュウガ
『将来、わしを倒せる強者が、
おまえたちのなかにいるかも
しれんかったからな』……と。
キャトラ
ど……どういうこと?
ヒュウガ
強すぎて、好敵手がいないんだ。
だから、将来の好敵手を探して、
子供を助けて回ってんだと。
アイリス
か、変わった方ですね……
ヒュウガ
ああ、でも、俺にとっちゃ恩人さ。
ヒュウガ
だから、俺は強くなる。
じーさんに恩を返すため……
じーさんよりも強くなる!
ヒュウガ
俺自身――じーさんと戦いたくて
しょうがねぇんだ!!
思い出5
ヒュウガ
あ……あんたは……!
ヒュウガが、愕然として
硬直している。
キャトラ
ヒュウガ? どうしたのぉ?
ヒュウガ
じーさんが……いる―――
ヒュウガ
見えねぇのか?
俺を助けてくれたじーさんが、
目の前に立ってんだ!
キャトラ
えぇっ!? 何も見えないけど……
アイリス
いえ――かすかだけど、感じる。
確かに、誰かがそこにいるにいるのを……
ヒュウガ
ど――どういうことだ?
おい、じーさん!
なんか言えよ!
ヒュウガ
ま……まさか――
思い出6
ヒュウガ
うぉおっ!? なんの光だ!?
ヒュウガ
主人公……
おまえの魂……なのか!?
???
そのようじゃな……
ヒュウガ
! じーさん!
老人の幽霊
久しいな、ヒュウガよ。
超えのかけ方がわからんかったが……
その少年のおかげでわかったわい。
ヒュウガ
あんた――
まさか、死んじまったのか!?
誰だ? 誰にやられた!?
老人の幽霊
ばか者! 誰にもやられとらんわ!
普通に天のお迎えが来たんじゃ!
キャトラ
こ、このおじーちゃんも、
負けず嫌いなのね……
ヒュウガ
すまねえ、じーさん……
あんたより強くなって、あんたに
恩返しをしたかったのに……
老人の幽霊
何を言うとる。
なら、精進を続けんか。
ヒュウガ
へ?
老人の幽霊
天国でも、地獄でも、なんなら
来世でも相手をしてやるわい!
老人の幽霊
もっとも――今のおまえの腕じゃ、
わしにはかなわんじゃろうがな!
ヒュウガ
い、言いやがったな!
俺はまだ修行の途中だ!
絶対あんたより強くなってみせる!
老人の幽霊
ふん、その意気じゃ。
老人の幽霊
ではな、ヒュウガ。
焦らず励めよ!
その声を最期に遺し、
老人の霊の気配は消え去った……
アイリス
ヒュウガさん――
ヒュウガ
く――くく――
何が天国でも地獄でも来世でもだ!
相変わらず格闘バカだぜ!
ヒュウガ
ありがとよ、
主人公。
おかげで闘志がわいてきた!
ヒュウガ
死ぬまでに、究極の格闘家になって
じーさんに吠え面かかせてやるぜ!
ヒュウガ
まってろよ、じーさん!
絶対、てめぇを超えてやる!!
バーニングストライカー