ティッツァーノ・思い出
ストーリーまとめ
拳闘士 ティッツァーノ・ガリレイ 獣人兄弟の4男。 プライドが高く、縄張りを大事にする。 |
思い出1
ティッツァーノ
お前、見ねーカオだな。
きつい目つきの小柄な獣人が、
キミをにらみつける。
アイリス
初めまして。
これから、よろしくね。
キャトラ
そんなにコワイカオしなくても
いいじゃない。楽しくやりましょ?
ティッツァーノ
ふん!
ティッツァーノ
ここら辺は、ティッツァーノ様の縄張りだ。
キャトラ
なに言ってんのよ、
ここはみんなの場所よ~っ?
ティッツァーノ
うるさいうるさい!
俺はもう決めたんだ!
キャトラ
はいはい、わかったわかった!
ティッツァーノ
俺の縄張りで変なコトしたら、
ただじゃおかねーからな!
思い出2
ティッツァーノ
あー、ムカツクぜーっ!
ティッツァーノは、いらいらした
様子で小石を蹴り飛ばした。
アイリス
こんにちは、ティッツァーノ。
ティッツァーノ
俺の縄張りに隠してあったオヤツを
誰かが盗み食いしやがった!
ティッツァーノ
絶対、許せねーっ! 犯人を、メッタメタにしてやるからな!
アイリス
かなり、怒ってるのね……
ティッツァーノ
だから縄張りを荒らされるのはイヤ
なんだ! まったく!
キャトラ
いったい、ダレがクッキーを
盗んだのかしらね……?
ティッツァーノ
……おい。
ティッツァーノ
俺は一言も<クッキー>を
隠したとは言った覚えはないぞ。
アイリス
……え?
ティッツァーノ
お前、まさか―――
アイリス
キャトラ、あなた―――
二人が振り返ると、すでに
キャトラの姿はそこになかった―――
思い出3
ティッツァーノ
イテテ……。
俺がなにしたって言うんだよ!
ティッツァーノが、
痛そうに頭をさすっている。
アイリス
あら、どうかしたの?
ティッツァーノ
末の弟を探してたら、
二番目の兄貴が
いきなり俺を殴ったんだ!
ティッツァーノ
俺、二番目の兄貴に
なんもしてねーのに!
ティッツァーノ
俺が五男になんか吹き込んだとか
言ってたけど、身に覚えねーよ。
アイリス
そ、それは大変だったわね……
ティッツァーノ
一番上の兄貴が止めてくれたけど、
三男は大笑いするし!
ティッツァーノ
四男はお前のせいだって二番目の
兄貴の方持つし、意味わかんねー!
ティッツァーノ
なぁ、誰が一番悪いと思うよ!?
アイリス
えっ、えーと……
キャトラ
次男が殴られて、長男が大笑い……
あれ? あれれ??
思い出4
ティッツァーノ
よーし、もう少しで完成だ!
ティッツァーノは嬉しそうに、
額の汗をぬぐう。
そして木材を寄せ集めて造った
らしき小屋を誇らしげに見つめた。
キャトラ
おはよー、ティッツァーノ!
って。この小屋どうしたのよ~!?
ティッツァーノ
おお、ちょうど良いところに来た!
ティッツァーノ
ついに、俺の縄張りに
秘密のアジトが完成したんだ!
アイリス
こんなわかりやすい所に
立てちゃうなんて……
キャトラ
あのねー、何度も言うけど、
ここはみんなの場所で―――
ティッツァーノ
うーるーさーい! 誰にも文句は
言わせねぇ、ここは俺の縄張りだ!
キャトラ
ちょ、ちょっと!?
待ちなさい!
ティッツァーノ
ダレも近くに来るんじゃねぇ!
ティッツァーノが小屋に逃げ込み、
激しくドアを閉めた瞬間―――
小屋は積み木のように、
あっさりと崩れ落ちた。
キャトラ
だ、だから待ちなさいって
言ったのに―――
思い出5
ティッツァーノ
はぁ……
ティッツァーノは、
暗い表情でうつむいている。
アイリス
ティッツァーノ、どうかしたの?
ティッツァーノ
がんばって造った小屋が
壊れちまって―――
ティッツァーノ
こづかい全部はたいて建てた、
一世一代のアジトだったのに……
アイリス
―――元気出して? またチャレンジ
すればいいじゃない。
キャトラ
いや、勝手に小屋を建てるのは、
ちょっと……
ティッツァーノ
ああ、もう立ち直れない……
ティッツァーノ
主人公、
俺の事はもう放っておいてくれ―――
思い出6
ティッツァーノ
この光は―――!?
優しく、あたたかい光が
ティッツァーノの心を満たしていく。
アイリス
ねぇ、ティッツァーノ。
アイリス
この島の全てがアナタの
縄張りだって、思っていいのよ?
ティッツァーノ
この島の、全部が?
アイリス
とってもすてきな
<アジト>でしょう?
キャトラ
みんなにとっての<縄張り>
でもあるけどね~っ。
ティッツァーノ
……ありがとな。
ティッツァーノ
俺……縄張りとかアジトとか、
小さな事にとらわれてたかも。
ティッツァーノ
世界中が、
俺の縄張りってことにするよ!
キャトラ
ど、どんだけ欲張りなの!?
ティッツァーノ
主人公!
俺を色んな所に連れて行ってくれ!
ティッツァーノ
縄張りを、もっともーっと広げたいんだ!
黒毛の拳闘士