クリストファー・思い出
ストーリーまとめ
冒険学者 クリストファー・アボット 世界を股にかける冒険学者。 極度の方向オンチだが、自覚がない |
思い出1
クリストファー
やあ、こんにちは。
大きな荷物を背負った青年が、
朗らかにあいさつしてくる。
クリストファー
僕は、冒険学者のクリストファー。
世界中を渡り歩いて、
まだ見ぬ秘境を探求しています。
アイリス
冒険家……ではないんですか?
クリストファー
近いけど、ちょっと違うかな。
僕は『学者』でもあるから。
冒険家が見つけた遺跡を調べて、
謎を解き明かすのも僕の仕事です。
キャトラ
ふぅ~ん。
縁の下の力持ちってわけねぇ~。
クリストファー
まあね。
冒険で困ったことがあったら、
なんでも相談してください。
アイリス
ありがとう。クリストファーさんも
何かあったら言ってください!
クリストファー
やあ、助かります。
じゃあ、さっそくだけど、
ひとついいかな?
クリストファーは、笑顔で訊ねた。
クリストファー
ここ、どこですか?
思い出2
クリストファー
あれ? おかしいなぁ……
地図を手に、クリストファーが
首をかしげている。
アイリス
こんにちは、クリストファーさん。
どうかしたんですか?
クリストファー
村に行こうとしたんだけど、地図の
通りに進んだら辿り着けなくてね。
クリストファー
もしかして、また古い地図に
当たっちゃったかなぁ?
アイリス
『また』?
クリストファー
よくあるんですよ。
使ってる地図が古くて、
道に迷っちゃうことがね。
手にした地図と周囲の風景を照らし合わせ、
クリストファーがうなる。
クリストファー
でも……
いくら古い地図と言っても、
こんなに山が動くものかなぁ?
アイリス
山が……動く?
キャトラ
何万年前の地図だっていうのよ……
ていうか、アンタもしかして……
クリストファー
うーん、
やっぱり、世界は
不思議なことでいっぱいだなぁ!
思い出3
クリストファー
やあ、みなさん。いい天気ですね。
アイリス
ええ! ……あれ?
それ、手紙ですか?
クリストファー
うん、一時期、
南の島にある半獣の村で
暮らしたことがあってね……
今でも、たまに
手紙のやり取りをしてるんですよ。
ははは。
キャトラ
へぇ~、仲いいのねぇ~。
クリストファー
それはもう!
ただ、最初はかなり驚かれたなぁ~。
どうやら、
秘境の隠れ里だったみたいで。
僕もびっくりですよ~。
キャトラ
……『どうやら』? 『みたい』?
そこにあるって知らなかったの?
クリストファー
ええ、偶然発見したんです。
僕は、北の雪国を
目指してたんですけどね。
運がよかったんだなぁ~、きっと
思い出4
クリストファー
う―ん……
キャトラ
あら、クリストファー、
何か悩みでもあるの~?
クリストファー
ええ、僕は、貴族の家に
生まれたんですけど……
どうしても冒険学者になりたくって
家を飛び出してきたんですよ。
キャトラ
あらら、それじゃあ、
家族は怒っちゃったんじゃない~?
クリストファー
そうなんです。
でも、やっぱり家族だから、
落ち着いて話し合いたくて。
クリストファー
それで先日、
家に戻ったんですけど……
屋敷がなくなってたんです!
アイリス
まあ……引っ越したのかしら?
クリストファー
だと思うんだけど……
いくら怒ったからって、
黙って引っ越すなんて……
それに、裏山ごと引っ越すなんて、
いったいどうやったんだろう?
思い出5
クリストファー
ねえ、
主人公さん。
思いつめた表情で、ずいっ、と
クリストファーが顔を近づけてくる。
クリストファー
折り入って、
訊ねたいことがあるんです。
正直に答えてください。
僕って……ひょっとして、
方向オンチなんでしょうか!?
キャトラ
アンタ、気づいてなかったのね……
クリストファー
や、やっぱりそうなんですかぁ!?
そんな……
冒険学者なのに方向オンチだなんて
致命的じゃないですか!
クリストファー
僕は……僕は、
どうしたらいいんだぁ~っ!?
思い出6
クリストファー
わあ……見たこともない光だ!
すごい……!
まるで、暗闇に道を照らし出して
くれるような……そんな光だ……
アイリス
クリストファーさん……
クリストファー
ありがとう、
主人公さん……
目が覚めた。僕はもう迷わない……
あ、いや、道には迷うかもだけど。
クリストファー
僕は探求と冒険が好きだ!
だから、方向オンチなんて
治してみせる!
アイリス
その意気です!
がんばって、クリストファーさん!
キャトラ
でも方向オンチのままだったら、
また偶然、
秘境を発見できるかもよ~?
クリストファー
はは、そうかもね。でも、やっぱり
僕は、方向オンチを治します。
クリストファー
秘境は自分の足と力で見つけたい。
それが冒険学者のサガなんだから!
秘境のヴェールをはぐ者