【白猫】VARIANT STORY Story
目覚めよ、内なる変身の獣――! |
開催期間:2016/04/26 16:00~5/3 1 15:59 |
目次 (VARIANT STORY Story)
story1 古き伝承の残る村
ふむ、君たちかね?
ギルドが紹介してくれた冒険家というのは。
そーゆーこと。アタシはキャトラよ。
アイリスです。よろしくお願いしますね。
l私はレノ。学者だ。道中の護衛、よろしく頼むよ。
この先にある村にいくのよね。どんな村なの?
lその村には古い伝承があってね。
村人の祖先が魔物だったという言い伝えがあるのだよ。
祖先が!? じゃあ今、住んでいるのは……
lだが村の住人は正真正銘、人間だ。真偽はさておき、実に興味深い。
研究のしがいがあるというものさ。
l見えたぞ、あの村が例の――
止まれ! お前たち……ヨソモンだな!
なによ、アンタたち?
エイジさん! 妙な連中が来ましたよ!
……なんだ、お前らは。俺たちの村になんの用だ?
l私はレノという。彼らは私の護衛だ。
この村には調査の一環で――
帰んな。
l……いきなり追い返すとは、穏やかではないね。
怪しい奴は村に入れないってことになってんだ。あきらめな。
lそれが村の決まりなのか?
俺がそう決めたんだよ。すべては村のためだ。
l……子供の遊びなら村の中だけでやりたまえ。
……んだと? ヨソモンが知った口きいてんじゃねぇ!
んなっ!?
<レノは振り下ろされた拳をいなし、後ろ手にねじりあげた!>
あだだだだだだ! こ、この野郎……!
エイジ!!
rあ、パルメ、おやっさん……!
「これは何の騒ぎだ?
アタシたちが村に入ろうとしたら、このあんちゃんに通せんぼされたんだけど。
lそのうえ暴力を振るわれては、こちらも相応の手段をとらざるを得なかったのでね。
「! 大変失礼いたしました! エイジがみなさんにとんだ迷惑を……!
申し訳ありません、旅の方……
――エイジ! 自警団の真似事も大概にして!
マネゴトじゃねぇよ! 俺は――
「エ、エイジさん! タイヘンっす!
ああ!? 今度はなんだよ!
「ま、魔物っす! 村に降りてきたっす!!
っ! おい! とっとと離せ!
lっと!
ちょ、ちょっと! 一人じゃ危ないわよ!
追いかけましょう! 主人公!
あ、みなさん……!
story2 金色の狼
いたわ、あそこ!
加勢しましょう! 主人公!
なっ! お前ら! なんでついてきたんだよ!
一人じゃきびしいでしょ。手を貸すわ。
助けなんかいらねーよ! むしろ邪魔だ!
大丈夫です。私たちも戦えます!
いや、そういう意味じゃな――
『ガァアアアァァア!!
あーくそっ!!
ウラァァァ!!
フゥゥゥ……
エイジ、さん……?
アンタ、一体……
…………
……まあ、話はあとで聞くとして、とにかくー緒に戦うわよ!
! お前ら……俺が怖くねーのかよ?
エイジさんはエイジさんですよ。違いますか?
…………
……足手まといにはなるなよ、ヨソモン!
はい!
ウォォォォー!!
story3 秘密の共有
……お前ら、何モンだよ?
あれだけいた魔物をあっさり倒しちまうなんてよ……
私たちは、冒険家ですよ、エイジさん。
冒険家……
エイジ! 魔物は……!?
ああ、パルメ、心配すんな。ちゃんと全部力夕したぜ。
カタしたって……あなた、まさか……
あーその……悪い。バレたわ。
!! もうっ、エイジのバカ!
人前で変身するなってあれだけ言われてたのに!
んなこと言われてもよ! 状況が状況だったんだよ!
『変身しちゃダメ』って……どういうこと?
ああ、えーっと……どこから話したもんかな……
…………
……
ずっと昔、私たちのご先祖様は獣に変身する力を持っていたそうです。
ですが、世代を重ねるうちに変身の力は失われていき、
今では誰もその力を持ってはいませんでした。
――と思ってたら、俺たちが生まれたってわけ。
<先祖返り>ってやつらしい。
キャトラ、これってもしかして……
レノが言ってた『魔物が祖先』って、変身した人たちをそう誤解していたわけね。
魔物、か……やっぱり外の連中からすれば、そう見えるよな。
……だから村で決めたんです。この力のことは、外の人には秘密にしょうって。
なるほどね。でも、それなら悪いことしちゃったかしら……
もういいって。お前らが黙っててくれればいいだけだしな。
オッケー。レノには悪いけど、そういう事情なんだもんね。
このことは秘密にします。安心してください、パルメさん。
みなさん……ありがとうございます……!
story4 パルメの悩み
やっほー、二人とも。なにしてんの?
あ、みんな。レノさんに村の中を案内していたところよ。
l私からお願いしたんだ。村長の娘さんなら、村にも詳しいと思ってね。
へぇ~、パルメって、村長さんちの子だったのね。
lおかげで色々とわかってきたこともある。
なにがわかったんですか?
lまず、『祖先が魔物』というのは、正確には、魔物に変身できる人間のことを指していたようだ。
(……!!)
lまあ、それも遠い昔のことらしい。今となっては、そんな力を持つ村人はいないだろうね。
そ、そうよ。そんな人いるわけないじゃん。
lまあ、とはいえ、いるかもしれないと思ったほうがロマンがあるだろう?
…………
と、ところでさ、パルメ。今日はエイジは一緒じゃないの?
あ、えっと、エイジは……村の見回りをしているはずよ。
……大丈夫なの?またこの前みたいなことしてるんじゃ……
釘は剌しておいたから、たぶん大丈夫……だと思う。
不安ねぇ……
……エイジも、ああ見えて昔は大人しかったのよ。
え、そうなの?
うん。それに私がいじめられてたときは助けてくれたし、すごく優しかったわ。
いじめ……? パルメさんか?
私が村長の娘だから、特別扱いされてるとか思われたりして、ね……
ふーん、エイジってば、いいとこあるじゃん。
……うん。でも、そのせいでエイジは――
パルメさん……?
……ほんと、なんであんな無鉄砲になっちゃったのかしら……
l年頃の男子にはよくあることさ。私も若い頃は無茶したものだよ。
そうなんですか?
l心配せずとも、歳を重ねれば、次第に落ち着いてくるものさ。
……でも、最近はずっとあんな調子で……
lふむ、必要とあれば、私から直接彼に言ってあげよう。
子供をしかるのは大人の仕事だ。
っと、部外者の私が言うのも変な話だったかな。
いえ、そんな……気にかけてもらえてうれしいです。
lとはいえ、エイジ君があそこまで村を守ろうとしているのには、何か理由があるのかもしれない。
理由、ですか?
lその理由次第では、今一度、彼と対話することも必要だろうね。
……そういえば昔に比べて、エイジと話す機会が減ったような気がします。
l声をかけてあげるといい。きっと大丈夫さ。それが友人というものだからね。
友人……そうですね。私、エイジとちゃんと話してみます。
lああ、そうするといい。
あの……ありがとうございます。私の話を聞いていただいて……
lまた何か困りごとかあれば、遠慮なく言ってくれ。力になろう。
はい!
l……さて、私はそろそろ宿に戻って調査結果をまとめねぱ。
わかりました。また案内が必要なときは言ってくださいね。
lああ、そのときはまたよろしく頼むよ、パルメ君。
story5 エイジの意思
……よう。
あら、エイジ。アタシたちに何か用?
ちょっと、な。お前たち、冒険家って言ってたろ?
冒険家ってのは、みんな強いのか?
そうねぇ……魔物を退治したり、危険な遺跡を探索したりするから、自然と強くなるかもね。
だから戦いのときも、あんなに慣れたカンジだったのか。
……冒険家、か……
なに、アンタ強くなりたいの?
……ああ。強くなきゃ村を守れないからな。
エイジさん、この村のことが本当に大切なんですね。
パルメがさ、この村が好きなんだよ。
……こんな俺たちでも、受け入れてくれた村だからな。
……例の力のことですか?
俺が初めて変身したのは、パルメをいじめてた連中とケンカしてキレたときでさ。
当時はそりゃあモメたぜ。俺を追い出すって話もあったしな。
そんな……それでどうなったのよ?
パルメがかばってくれたんだよ。自分も変身できることを村のみんなに明かしたんだ。
アイツはアイツで、ずっと秘密にしてたってのにな……
それで、エイジさんとパルメさんは……
ご先祖様のこともあったし、みんなで秘密にするってことでおさまったんだよ。
パルメのおかげで助かったってわけね。
ああ。パルメがいなかったら、俺は今ごろ村にいられなかった。
今じゃ魔物を退治すれば、村のみんなも喜んでくれるし、俺のことを認めてくれる。
だから、今度は俺が村を――パルメを守りたいんだ。
うん、いい心がけじゃん。でもねぇ、最初の通せんぼはちょっといただけなかったわねぇ?
あのときは、その……悪かったよ。
でもよ、あの野郎からはなんかイヤなニオイがしたんだ。
野郎って、レノのこと? てかニオイって……
……そういえば、ヤツはどうしたんだ?
レノなら、パルメとー緒に村を見て回ってたわよ。
ああ!? なにしてんだよパルメのヤツ!
……気になるの?
当たり前だろ!
ほほーう、なるほどねぇ……
んだよ? 俺なんかヘンなこと言ったか?
うう~ん、なんでもないわよぉ~。
???
<――その頃。村の近くの森にて――>
「ふむ……これは……」
<レノの前に落ちているのは、一枚の美しい羽根。
レノは、それを拾い上げ、そっと鼻先に近づける。>
「なるほど。」
…………
story6 レノの告白
「こんな時間に呼び立ててすまないね、パルメ君。」
「いえ、気にしないでください。お話ってなんですか、レノさん?」
「……単刀直入に聞こう。君は、変身の力を持っているね?」
「っ! え、えっと……どういうこと、でしょうか?」
「安心したまえ。別に秘密をあばこうとしているわけじゃない。
――私も、君と<同じ>なのだよ。
「――!!」
「この村には研究のためにきたが、それは表向きの理由にすぎない。
本当の目的は、変身の力を持つ人間を探していたのさ。
「……レノさんも、変身のことは秘密にしていたんですね。
「変身能力者は、君が思っている以上に、この世界に多く存在する。
しかし、その誰もが人々に受け入れられているわけではないからね……
「……やっぱり、そうなんですね……
「だからこそ私は、変身能力者による互助団体を作るべきだと思うのだ。
秘密を共有する同志たちと、ともに助け合うための、ね。
パルメ君。君にも、その同志となってほしいんだ。
「私が……ですか?
「力のことを秘密にしなければならない苦しみを、君ならわかってくれると思ってね。
「……!
「どうだね、パルメ君。一緒に来てはくれないだろうか。
「……お話はわかりました。とても立派な考えだと思います。
レノさんの……私たちと同じ力を持つ人たちの助けになれるんだったら、私――
パルメーーー!!
なっ……! エイジ!? どうしてここに……?
どうして、じゃねぇよ! あちこち探したんだぞ!
パルメ! 村長さんがアンタを心配して――
あれ、レノも一緒だったの?
おい……なんでテメエがここにいる?
エイジ! 聞いて! レノさんは私たちみたいな力を持つ人を助けるために来たのよ!
lパルメ君、今の口ぶりだと、もしやエイジ君も……?
はい、エイジも私と同じなんです。
lそういうことか……エイジ君、私も君たちと同じく変身できるのだ。見たまえ。
――!
lわかってもらえたかな? よければ君も私の話を聞いて――
クセェな。
lむ……?
? くさいって、なにが?
人だったときは、なんとなくしかわかんなかったが、今ならハッキリにおうぜ。
クッセェ、血のニオイがな……! 牙やら爪やらプンプンしやがる。
l…………!
ど、どういうことよ、エイジ!
エイジ……? あなた、何を言って……
パルメ! ソイツから離れろ! ソイツは――人殺しだ!!
lニオイ……そうか。君も私と同じ系統の変身能力者か。
ふっ……失念していたよ。私の嗅覚が優れているのと同じく、君もまた鼻が利くというわけだね。
観念しやがれ。今度は本気でテメエをブチのめす。前みたいにいくとは思うなよ。
l…………
あの……レノさん……?
lすまないね、パルメ君。少々事情が変わってしまった。
だが……ある意味、運が良かったとも言える。
え……?
lこうして一度に2体も変身能力者を確保できるのだからね……!
2体……? 確保……? どういうことなの、レノさん……!
lパルメ君、本当に残念だ。できれば無傷で君を持ち帰りたかったよ。
パルメ、下がってろ! コイツは、俺がやる!
エイジ……!
story7 実験の産物
ぐっ! なんだよコイツ……! めちゃくちゃ強え……!
lすばらしい力だろう。これが長年にわたる研究の成果さ。
研究……?
l変身能力者の生体を分析し、変身の異能を解明する研究だ。
そのおかげで私は、変身の力を手に入れることができたのさ。
ざけんな……ワケわかんねぇこと言ってんじゃねーぞ……!
l我々は君たちのような純粋な変身能力者を欲している。
……貴重な<サンプル>としてね。
私たちのようなって……まさか……他のみんなにもこんなことを……!
lだったらなんだというのだね。
っ! レノ、さん……あなたって人は……!
lさあ、大人しく、その身体を差し出したまえ。
くそっ……!
エイジ! 私もたたか――
お前は下がってろっつったろ! コイツの相手は俺だ。
カッコつけてる場合!? あなたってどうしていつも――
――守りたいんだよ。
あのとき、お前が俺をかばってくれたおかけで、俺は今ここにいるんだ。
だから、<今度>は俺が守る番だ。
……違うわ、エイジ。
なに?
エイジが私を助けてくれたのよ。エイジが私に勇気を――
誰かを守る勇気を教えてくれたから、私は……!
俺が、お前に……?
私も戦うわ、エイジ。あなたと一緒に、戦わせて!
パルメ……
l降伏の意思はなし、か。ならばこちらも……
ぶ、分身した!?
l<変身>の可能性は未知数だ。ときとして人知を越えた異能を発現することもある。
私はただの人間ではない。新たな進化を遂げた種なのだよ!
……ああ、そうだな。確かにあんたは人間じゃねぇ。
――ただの魔物だ。
lなに……?
パルメ。
えっ?
……やってやろうぜ、パルメ。俺たちでコイツを倒すんだ。
エイジ……!
――俺と一緒に、戦ってくれ!
ええ!
lグルゥゥゥ……
最終話 それぞれの旅路
lグオオアア……!!
<傷ついたレノの身体が、砂のように崩れていく……!>
はぁ……はぁ……やったぜ……ざまあみろってんだ!
l……そうか……私では……不完全だった、か……
……みんな、巻き込んじゃって、本当にごめんなさい。
いえ、そんな……私たちも、レノさんの正体に気づけなくて……
なにはともあれ、みんな無事でよかったわ。
……今回はマジで助かったよ。ありがとな。
それと……悪い、パルメ。また助けられた。
こっちこそごめん。また迷惑かけちゃったね。
はは……お互いサマってやつか。
ふふ、そうだね。
…………
パルメ? どうかしたの?
……あのね、みんな。聞いてほしいことがあるの。
…………
……
<そして――主人公たちは、出立の日を迎える。>
「……本当に行くのか、パルメ。
うん……もう決めたことだから。
「……思い直してはくれないか。たとえ外に秘密がもれても、私たちはお前を――
ありがとう、お父さん。……でも、いつまた狙われるかわからないから……
私、村のみんなを巻き込みたくない……危険な目にあってほしくないの。
「……しかし、それでも私は……
それにね、今回のことでわかったことがあるわ。
この世界には、私とエイジ以外にも変身の力を持つ人がいる……
もし、変身のことを秘密にしなきゃいけなかったり、命を狙われてたりしたら――
私、力になりたいの。
パルメさん……
私じゃ力不足かもしれない。それでも私は、私にできることをしたい。
……エイジが、私を助けてくれたように。
「パルメ……そうか……そうだったな。
あのさ、おやっさん! ……俺も、村を出ようと思うんだ。
「なに?
え……?
パルメ、俺さ、<冒険家>になろうって思うんだよ。
もしかして、この前の強くなりたいっで話のこと?
ああ……悔しいけどよ、あんたたちの助けがなかったら、俺もパルメもヤバかった。
俺は……強くなりたい。あんたたちみたいに冒険に出て、自分を鍛えたいんだ。
エイジ……
「村のことはまかせてくださいっす!エイジさん!
「俺たち、エイジさんの帰りをずっと待ってますから!
お前ら……ありがとな。
「……わかった、二人とも。
みなさん、よろしければエイジとパルメの旅立ちを見届けてはいただけませんか。
はい、おまかせください。
いってきます、お父さん!
おやっさん……お世話になりました……!
***
「……まさか二人で一緒に村を出ることになるなんてね。」
「パルメ。」
「ん?」
「俺、強くなってみせるから……だから少しだけ待っててくれ。」
「……うん、わかった。でも無茶はしないでね、約束よ。」
「ああ、わかってるって。」
さーて、それじゃ……いきましょっか!
おう!!
はい!!