【白猫】未来は誰が為に Story
誉れ高き騎士ライフォードが、暗雲の未来を切りひらく――! |
2016/06/13 |
目次
主な登場人物
Story1 脅かされた平穏
朝方――街には平和な時が流れていた。
「私は知っていた――」
昼下がり――突然の魔物の襲来。しかも、地平を埋め尽す大群。
「これから起こることを――」
***
主人公、街の人たちを!
――!
うわーん!!
<主人公は、少女を抱き上げた>
生き残ったものは、聖堂に向え!ここは戦場になる!
あの方の予言通りじゃ……
おじいさん、こっちに!
わしにかまわず、お逃げなさい。これもきっと、運命なのじゃ――
運命など知ったことか!
ライフォードは老人を背負った!
ご老人。貴殿の他に動けぬものは?
酒場のゲルダは、だいぶ年でして……
あのおばあちゃんなら、大丈夫よ!
この辺りの退避は完了。よし逃げるぞ! 俺に続け!
***
<街の聖堂に、人々が逃れてきた。
発端は数日前である。
ライフォードが突然、この島に向かえと言いだしたのだ。>
昨日までは港町でノンビリカニカマ食べてたのに!!
来てしまったのね。主人公。わかっていたけど――
ラクアじゃない!この島に来てたの?
予言者様……あなた様のいわれた通りになりました……
私は――知っているだけ。決めるのはあなたたち。
レディ、あなたは未来に何が起こるかを知るというな。
原因はあなただったわね。ライフォード卿。未来を変えるつもり?
未来は、我が胸の中に。
***
壁が持たない……!!
突破されたら終わりだ。死守するぞ。
いいや。門を開けてやろう。
あ、あんたは!?
街中に誘い込み、包囲殲滅する。
街の者はどうなる!
聖堂に退避させた。備蓄があるはずだな?
あるにはあるが……しかし……!
我らなればやれる!さあ、未来をつかんで見せろ!
story2 異形の軍勢
その図体では、ろくに動けまい!
<魔物たちの体格さえも、包囲に利用し――守備隊と冒険家は勝利した!>
ライフォード殿……貴殿は何者なのだ。
ほどなく、第二陣が来るな。
魔物がこんな……群れで襲ってくるなんて……!
それだけではない。大型の魔物で門を破り、遠関の得物をもつ魔物には支援をさせる。
奴らは群れでなく軍だ。戦うため、組織されているのだ。
バカな……!!
井戸と用水路を警戒しろ。飲み水を汲む際は、井戸に松明をかざせ。
あっ、アクーアか!
各自警戒を怠るな。全てに疑いを抱け。
***
先遣隊が討たれたか。くっ、くっ、くっ……
抗うではないか。されど我が覇道は止められぬ。
悔いるがいい。愚かなるものども。そして滅べ。
***
うわーん! うわーん!
……泣かないで。
でも、よげんしゃさま……わざわいが来るって……
アイリス、こういう場合、どんな風にいったらいいの?
安心して。ね?
うん……
このデスピア島は、古来より魔獣の聞歩する地として知られていた。
だがこの地に挑むものは、後を絶たぬ。何故だと思う?
理由はそう、ルーンだ。数多くの貴重なルーンがこの島には眠っている。
守備隊は手練れぞろいである。彼らもまた現役の冒険家であった。
ご老人。この島の魔物は軍隊を作って街を襲うのか?
こんなことは初めてです。
アイリス、感じるかー!!
はい……!
<闇>ね。
ご老人、島のグレイスルーンは、現在も<悪魔のゆりかご>にあるのだな?
はい、それが何か?
ライフォード卿!城門の外に動きが! 隊商が魔物に追われてるらしい!
行くぞ、主人公。
待って、あの隊商は――!
ラクア殿、何か。
ライフォード卿!あれは罠です!
誘いには乗ってやろう。
story3 反攻策
助かりました、騎士殿。
<主人公は、首尾よく隊商を助け出した>
ご無事で何より。
一体、何を考えているの?
騎士は、弱きを守るものだ。
本当にありがとうございます。騎士様……
礼にはおよばない。さて、人助けの後は本来の務めを果たすとしようか。
ライフォード卿、本気なのですか。
無論だ。魔物どもを殲滅する。
籠城して、救援を待つべきでは。
俺には手立てがある。そうだな、ラクア殿。
…………
手は貸しましょう。この島の皆様のため。
商人殿も、ご同行願えるか?
私がですか?
貴殿が目にしたものを知りたい。主人公よ。留守を頼むぞ!
***
……我が傀儡を連れ行く……何を考えている、この男。
傀儡を使い、街の者を我が尖兵と仕立てる腹積もりであったが、まあ良い、この男から消してやる。
だが、手立てとは何だ――あの女、警戒しておくか。
何であろうと――私の前に立つものは滅ぶ。
それが<運命>というものだ。
***
……行ったわ。じゃ、アタシらも<悪魔のゆりかご>に出発ね!
ライフォードとラクア、大丈夫かしら。あの商人さん、<闇>に――
後であの人の闇も祓わないと。
でも今は……ああもう責任重大!
story4 暴かれた闇
<ライフォードの目前に、魔物の群れが見えた!>
(ククク……お望みの場所に連れてきてやったぞ。地獄になあ……!)
この数……逃げても恥にはなりませぬぞ、騎士殿!
国一つを漬せる数だな。
よかった。あなたの目は節穴ではないのですね?
よし、ラクア殿。奥の手といこう。
出し物は、あなたか用意をしているんですよね?
無論だ。
聞け、魔物どもよ!このライフォードが相手となろう!
<ライフォードは身を乗り出し、魔物の群れに大音声で呼びかけた!>
何を考えてるの!?
こうなることも、知っていたのではないか?
なんであなたの未来をいちいち気にかけないといけないんですか?
ガァァアアアッ!!
もう!
俺はここにいるぞ!!
(何なのだこの男は!!この無謀さは!!)
***
じめじめね。洞窟って慣れないわ。
<この奥が<悪魔のゆりかご>。
強大なグレイスルーンが眠っている場所だ――>
<闇>の気配がするわ。とても、昏い……
た、助け……
大丈夫ですか!?
***
<ライフォードはゴーレムの拳を華麗にかわした!>
ライフォード殿っ!!
(くそっ……金髪も女も、まるでスキがない!取り憑くスキが!)
追いついてみろ!魔物ども!!
逃げ足が速いんですね。ライフォード卿。
レディたちから逃げ回るうちに、足が速くなってしまってな?
誰に対してもそんな軽口を?
人は選ぶとも。時に商人殿、ガルベスという男を知っているかね?
……はて、知りませんな。
ドラルンテ国の将軍だ。
陰謀と暴力で覇権を握るも、失脚して逃亡した。
因果応報ね。
このガルベス、国王の私生児でな。
そのせいか王位に並々ならぬ執着があったわけだ。
救いようのない俗物。
国を奪ったのは大したものだ。
だがこの男の野心は、そこで終わってしまったのだ。
(終わった……だと)
終わった野心はただの妄想。
そんなものにつきあう馬鹿はいない!
いわせておけば……この、青二才がぁ!!
おや?どうされたのですか、商人殿?
我が野心の前に、散るがよい!!
story5 雷火の戦場
<アイリスと主人公は、傭兵を介抱した>
アンタはガルベスって人の家来だったってわけね?
家来じゃない。雇われたんだよ。でなきゃこんな所に来るもんか。
俺たちは将軍をグレイスルーンの前に連れて行った。そういう依頼だった。
だが将軍は、ルーンを前にして、化物になりやがった!!
化物は俺の仲間を……! あ、あいつは何なんだ!?
その人が、この島に闇を――!
グレイスルーンに……アイツのいったとおりね!
<グレイスルーンとは、環境や文化に強い影響をもたらすほど強力なルーンのことである。
闇はあらゆるものに取り憑く。そして、強い力をもつものに取り憑いた闇は――
より強く、絶対的な力を持つ。魔物の群れを操ることなど、造作もないだろう>
急ごう、主人公!
ライフォードといったな。
この私が、己の敵をどう扱うか知っていような?
お前の趣味嗜好は知っている。
味方を使い潰し、民を扇動し、復讐に酔いしれる。
それこそが、我が覇道だ!!
そうだとも、見事なる覇道だ。
だがその覇道を、お前は自ら葬り去った。
<闇>の走狗にすぎぬお前に、覇道を語る資格はない!
黙れ!この軍勢を持って、私は再び王となるのだ!
<魔物達の大群は、ライフォードの前に殺到する!>
ライフォード卿!
ところで将軍、この地は通称、<強欲と報いの平原>といわれている。
理由を知っているか?
な……
雷よ、落ちろ!!
<ライフォードの掲げた剣より、雷が辺った!!>
これは……!
<無数の爆炎と、激しい轟音。魔物の群れは荒れ狂う滅びに呑み込まれていく!>
ば、バカな……貴様何を!
この平原には、災いをもたらすルーンが山と眠っていてな――
だから強欲というわけですね。報いは魔獣の群れってところかしら?
我が稲妻をもって、地にうずもれたルーンにソウルを流した。
これで勝ったと思ったか――!?
わが軍は無限――!!この島の魔物全てが、今や私の支配下よ。
予想外の損害ではあったが、あの程度の損耗、まったくこたえぬわ!
ふっ……
どうだ青二才! 戦というのは始まる前から決まってるのだ!!
確かにそうだ。負けるのはお前だがな!
最終話 収束する未来
私は知っていた――ここまでは。
目の前を埋め尽す魔獣の群れ。その前に立つ金髪の騎士。
この運命が――この未来が。変えられるのだろうか――
東も西も、北も南も! 空の上にも逃げ場はない!
命乞いをしてみるかね? ライフォード卿!
レディ。未来を知るという君は、これから先も知っていような。
いいえ。
どうしてだ? レディの力にはそういう限界があるのか?
楽しみだったんです。これからどうなるか――
未来が変えられるなら、未来樹の枯れる未来も――変えられるはず。
別れはすんだようだな!!ならば!!滅べ!
俺も楽しみだ。これから先――何が起こるか。
ぐうっ……ひっ……ぐあああ!お、オマエ、何を……!
負けるのはお前と言ったはずだ。
ひっ……ひいいっ……まぶしぃ……消える、消えてしまうう!!
***
<*×○■!&%$…………>
<アイリスの聖なる光が、グレイスルーンに宿る<闇>を祓っていく!>
これでこの島は元通り……
ガァァアアアッ!!
えっと、元の魔物の巣に戻ったってワケ?
***
消える前に聞かせろ。
お前は失脚するまで<闇>に取り憑かれてなかった。そうだな?
そうだ、もっと早く<闇>を……知っていれぱ……!
<闇>などくだらん!お前は欲望のままに、憎悪のままに、美しく生きた!
俺はその生きざまを肯定する!
肯定……この、俺の……この俺のォ……!?
悔いながら逝け。
<グレイスルーンに戻った光は、商人に宿った闇をかき消す>
はっ……私はっ……
正気に戻った魔物の群れに、主人公が難儀してるころか。
さあ、行こう、レディ。
ええ、ライフォード卿。まあ、みんなは大丈夫でしょうけど。
***
力二カマひとたるだからね!
お安い御用だ。空色の瞳のレディには、空の色の宝石を贈ろう。
おかまいなく、ライフォードさん。
私には何をくれるんですか?
予知してみたまえ。
あなたは――、どこからわかってたの?
逃亡中のガルベスを追った者達は、どこからともなく現れた魔獣に襲われたという。
もしガルベスに<闇>か取り憑いているのなら、もっとも手っ取り早く戦力が手に入るのはこの島だ。
それでこの島に、みんなを――
主人公には、世話になった。
♪
どうだったかなレディ。この未来は。
悪く――ないわね♪