
目次
Story1
Story2
Story3
Story4
Story5
最終話
登場人物
 | ベアトリス |
 | スイカ |
story1

みなさん!こんにちはーーっ!!
ふふ、元気そうね、スイカちゃん。今日はどうしたの?
えっとですね――

あら、スイカちゃん!よく来たわね。
ベアトリスさん!ごぶさたしてました!!
あれ?二人って知り合いだったの?
前に仕事で一緒になった時にね。彼女も私と同じ、正義を志す同志なの。
はい!<正義の忍者>を目指して、精一杯がんばってます!!
スイカちゃん、貴方がここに来たということは……
はい!ご依頼いただいてた<組織>の情報を入手しました!!
そう……!ついにこの時が来たのね……
依頼って、なんの話?
スイカちゃんには、ある組織の行方を追ってもらってたの。
ある組織……?
ルーンエ学で違法改造した武器を密売する秘密結社
その名も……<ブラック・アーセナル>。略してBA団よ。
(……『団』はとこから?)
……それって実在する団体?アンタの妄想じゃないわよね?
も、妄想なんかじゃないわ!本当にいるんだからっ!
そのスジでは結構有名ですよ!
む……そうなのね。つい疑っちゃったわ。
ゴホン!それにしても、よく彼らの情報が手に入ったわね。
里のみんなにも協力してもらいましたし、報酬もちゃんといただいてますからね!
さすがニンジャマイスターね。これからも懇意にさせてもらうわ。
ベアトリスさん、私たちにも手伝わせてください。
相手は『組織』なんだし。アンタ一人じゃ手にあまるでしょ?
私もお供します!いい修行になりそうです!!
ありがとう!貴方たちならそう言ってくれると思ったわ!
レディ・ローゼンの名にかけて、必ずBA団を捕まえてみせるわ!
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story2
<ブラック・アーセナル>(略してBA団)。本拠地、最深部――

総裁!

騒々しいぞ、なにごとだ。
侵入者です!男が一人!女が三人!それから猫が一匹!
<ルーンモニター>に出せ。
<巨大な画面に、主人公たちの姿が映し出される。>
音声、拾います。

ここがナントカ団のアジトってわけね。
なんにしても、気をつけて進まなきゃね。

はい!気合入れていきましょーー!!
ふふ、でも、頼もしいわね。声は抑えたほうがいいかな?
あ……すみません!気をつけます!
……ほんとに大丈夫なの?

彼女のニンジャ・カナボウは、文字通り、正義の鉄槌となるわ。
スイカちゃん、敵を見つけたら遠慮なく叩き潰してちょうだい。
はいッ!
正義の薔薇のもとに、悪は徹底的に排除するわ!
相手も人の子なんだから、ほどほどにしなさいよ……?

ほう……『正義』とな。
連中の狙いは、我らBA団の壊滅――
略すな!!<ブラック・アーセナル>と言え!
し、失礼しました!(めんどくせー……)
まったく、最近の若者はなんでも略したがりおって……!
なんにせよ……実に興味深いな。助手!
正義の味方が悪の本拠地に乗り込んできた。君ならどうする?
は?えーっと……迎え撃つ、でしょうか?そのとおりだ。盛大に歓迎してやれ!
りょ、了解!(最初からそう言えよ……)
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story3

総裁!各区画の防衛ラインが次々と突破されています!
うろたえるな。引き続き迎撃を続行しろ。
…………なんだ。
恐れながら、連中を止めるなら隔壁で閉じ込めたほうが早いのでは?
馬鹿を言うなッ!!
えっ!?
侵入者をモニターで監視し、あご下で手を組み、策謀を巡らせるのが我らの責務だ。
その責務を、たかがボタン1つで済ませる気か?そんなこと、私は認めん!!
しかし、このままではここに着くのも時間の問題かと……
『時間の問題』など問題ではない。いいから私の指示に従え。
……了解しました。(と、見せかけて――)

(……隔壁閉鎖、と。まったく、付き合いきれんわ)
***
…………あれ?
どうしたの、キャトラ?

この扉、開かないわよ?他のはちゃんと開いたのに……
どうしよう……このままじゃ先に進めないわ。
道は一本しかなかったし、まさかここで終了なんてことは……
いいえ、終わりなんかじゃないわ。
ベアトリス?

スイカちゃん、今こそ貴方の正義を見せる時よ。
はい!まかせてください!!んっしょ……
<スイカは大金棒を大きく振りかぶり――>

とおおおうりゃあああーーー!!
<地を揺るがす気合とともに、隔壁に大金棒を叩きつけた!
扉が……!
吹っ飛んだ……!?
ふふ、お手柄よ、スイカちゃん。
はい!!
……貴様、命令を無視したな?
い、いえ!これは、その……!
こうなるとわかっていたから私は止めたのだ。無駄なことをしおって……!
(いや絶対ウソだろ……)
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story4
昔に比べて、組織もずいぶん大きくなったものだ。
そ、総裁?急にどうしたのですか?
しかし……まだ足りん。
と、言いますと?
助手よ。悪の組織に必要なものは何かね?
えーっと……活動資金でしょうか?

<正義の味方>だ。

はい?(セイギノミカタ?)
よくあるだろう。正義と悪が、お互いの信念をかけて対決するというアレだ。
我が<ブラック・アーセナル>にはそれがない。これは致命的だ。
懸賞金目当ての連中は今までにもいたが、奴らは正義の味方とは程遠い。
つまりヤツらこそ、総裁の望む<正義の味方>である、と?
それを見極めるのだ。<ルーンマイク>をこちらに回せ!

”侵入者諸君に告げる!”
ど、どこから声が!?
”これは最終勧告である。心して聞くがよい!”
最終勧告ですって……?
”我が組織の配下になると誓えば、幹部の座を与えよう”
いきなり幹部!?
密売で得た莫大な金も働き次第で意のままだ……どうだ?
くだらないわ。提案を受け入れたが最後……言うまでもなく罠ね。
まあ、そういうもんよね。
”ほう、あくまで我らに盾突く、と”
私たちは悪に屈したりしない。この正義の薔薇に誓って!
”……よかろう。ならばこちらも容赦せん!”
<ブツンッ!>
さあ、先に進みましょう。最深部は目前よ!
***

……ククク、やはり、私の目に狂いはなかった……!
(なんだったんだ、今のは……)
総裁!連中はもうすぐそこまで来ています!
ええい!貴様たちにはまかせておけん!私自ら出る!
は!?なぜそのようなことを?
それが様式美というものだ!
意味わかんねーよ!
この扉の向こうが最深部っぽいわね。
いよいよ敵の首領と対決ですね!!
みんな……ここが正念場よ!
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story5

ククク……よくぞここまで辿り着いた、レディ・ローゼン。そしてその仲間たち。

貴方がBA団のボスね……!
略すな!<ブラック・アーセナル>だと言っておるだろうがっ!
そんなに怒るとこ?
私は<総裁>と呼ばれている。以後、君たちもそう呼ぶように。

わかりました!総裁!!
こらこら。
残念だけど、貴方たちに『以後』なんてないわ。
私はずっと、君たちのような存在を待ち望んでいたのだよ。
なんですって?
決戦だ、レディ・ローゼン。正義と悪……どちらかが倒れるまで戦うのだ。
もとよりそのつもりだけど……アンタたちがそれを望む理由は?
そういうのに憧れてるからだ。
意味わからん!!
そう……そういうことなのね……
えぇ!?
立場は違えど、君と私は似ているとは思わんかね?
貴方なんかと一緒にしないで。私は、自分にできることを精一杯やろうとしているだけよ。
ふふふ、いかにも正義の味方が言いそうなことだな。ますます気に入ったぞ。
………もう語ることはないわ。
よかろう、あとは互いの信念をかけて……

戦うのみ!!
(すぅ~……すぅ~……)
スイカちゃん、起きて!そろそろ出番よ!
……はっ!すみません!!お話が長くて寝ちゃってました!!
(すやすや……)
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最終話

観念することね、総裁。貴方の悪事もここまでよ。
ふ……ふふふふ……そうだ、勝ち誇るのだ。そして、その流れからの――
まさかそれは……工場の自爆スイッチ!?
なんでわかるの!?

ふはははは! これも様式美よおーーー!!

ちょ、総裁!やめてください!!そんなことして何になるんですか!
ええい、止めるな!敗北からの自爆は基本だろうが!
だから、やめてくださいって! てか、やめろッ!!
わからん奴だ! 離せえええ!
<――カチッ。>


あ。
『自爆装置が作動しました。起爆まで、4分59秒、4分58秒――』

だっしゅーーーーつ!!
***

はぁ……はぁ……なんとか脱出できたわね……
爆発まで5分あったしね。親切設計な自爆装置でよかったわ。
……あの人たち、どうなったのかしら?
わかんないけど、さすがにもう再起不能でしょ。
……いいえ、彼らとの戦いはまだ終わっていないわ。
えええ……
むしろ予感と言っていいわ。レディ・ローゼンとBA団の戦いは、ここから始まるのよ。
顔、ニヤついてるわよ。
えっ!?
悪の宿敵ができて嬉しい、とか……

と、とにかく!正義は無事に完遂されたわ。飛行島に帰還しましょう!

任務完了ですね!おつかれさまでした!!
***
――<ブラック・アーセナル>
(略してBA団)、本拠地跡――


「…………」
マスク・オブ・ローズ -END-