ネオンの島の100億$$$ Story2
ストーリーまとめ
story
おっしゃー! ついに貯まったぜ。
100億$$$ゥー!!!
キャトラ
ハァ……ハァ……! どーよ!?
アタシらにかかれば、こんなモンなのよ!
ありがとよキャトラ!
ありがとよアイリス!
ありがとよ主人公!
これで俺も、ようやく自由に……!
ちょっと行ってくらァ!
キャトラ
いってらっしゃ~い♪
***
ティナちゃんは、ここで大人しくしててね?
お仕事ですか?
ええ。
何をやってるんですか?
歌を歌っているの。
これでも、世界中にファンがいるんだから。
それは……表の顔、ってことですか?
あら、どうしてそう思うの?
なんとなく……
ファルファラさん、とっても熱い、から……
……ふふ。ありがと。
でもね、歌にだって情熱を込めてるわ。
――夜の蝶、クプクプマラム……
私の声は、日常に疲れた人々に、
夜という安息を与える……ついたあだ名が。
『100億$$$の歌姫』よ。
……!
ふふ。いい子でいるのよ♪
***
はぁ~~~……!
カッコイイ~~~……!
……それにしても……この島……
不思議と懐かしい感じがする……
どうしてだろ……? 血、的なあれかな……?
体の奥が、うずいてる……?
…………ちょっとくらいなら、いいよね……
story
ニイさん!
ヴィンセント
あン?
意気揚々と、なんなワケ?
こんなワケよ!
ヴィンセント
……………
20年前……ねえちゃんが壊しに壊した
島の施設、復興費用と諸々合わせ、
積もりに積もった100億$$$!
これで文句はねェよなァ!?
ヴィンセント
やるじゃない、ブラッドちゃん。
これで俺も、ジェノー家からおさらば――
ヴィンセント
もう100億おねがいね~ん。
……………………は?
ぐぅ!?
ヴィンセント
想像力ってあるか? おお?
20年前の借金がよ、
そのまんまなワケねーだろが?
ヴィンセント
……!? いや、それは、元金は
増えねーよーにって、おやっさんが……!
ヴィンセント
もう死んだ奴がなんか言ってたか?
それ嘘だぜ?
なん……だっ……って……!?
ヴィンセント
まー頼むわブラッドちゃん。
100億稼げたんだ、
200億だって同じだろ?
ふざけんな……!
かはっ……!
ヴィンセント
どっちがだ!? アァ!?
オメーとオレのよ、どっちがフザケてんだ!?
利息分は……!
返し続けてたはずだ……!
ヴィンセント
寝言ほざいてんじゃねえぞ。テメーの五体を
売りさばかなかっただけありがたく思えや。
アァン!?
……それは……わかってる……
感謝だって……してる……!
ヴィンセント
足りねぇ。もう100億だ。
……………………!
ヴィンセント
お~こわ。噛み殺されそうな
目つきだわぁ~~~ン♪
…………
ヴィンセント
行け。
行けっつってんだ!!!
…………
ヴィンセント
…………
story
――天地のはじめから、
男と女は、恋をしていた……
いま聞いてもらったのは、そんな歌……
永遠に続く夜に、情熱的な愛のあらんことを。
――また会いましょう♪
***
ふうっ……
ヴィンセント
ファラちゃん、おつかれさまぁ~ん。
……フロアマスター、お疲れ様。何か?
ヴィンセント
ああ、身構えないで。
あたし別に、あんたに興味があるとかじゃないし。むしろないし。
……何の用ですか?
ヴィンセント
明日からのステージ、二倍に増やしたけど、
いいわよね?
あら乱暴ね。ギャラはどうなるの?
ヴィンセント
おサムイことに、あたしらもカツカツで……
私は夜の蝶、クプクプマラムよ?
安く見られちゃ――
ヴィンセント
ガキが一人逃げた。あんた知らない?
……ガキ? 一人? 何を言ってるの?
ヴィンセント
知らねェならいーや。
一人って、どういうこと?
他にも――
ヴィンセント
知らねェんだよなァ!?
…………
ヴィンセント
あんまりウチを――や、あたしを。
なめんじゃねェぞ♪
…………
ヴィンセント
……その子供がねぇ。
いなくなったおかげで、大損害なのよ。
だから、ね♪ こころぐるしーんだけど、
わかってちょうだいね♪
……わかりました。
ヴィンセント
うん♪
(……クッ……!)
story
コステロ
……ッフー……
ヴィンセント
…………
コステロ
おい。
ヴィンセント
…………
コステロは、吸っていた葉巻を
ヴィンセントの頭頂で押し潰した……
コステロ
……100億$$$か。
ヴィンセント
……はい。
コステロ
こんなモン――
ヴィンセント
ぐっ……!
コステロ
ヨソの島じゃあ、
100分の1の価値もねぇんだぞ!?
ナメてやがんのか、ヴィンセントォ!?
ヴィンセント
……ビジネスは島の中でやってますから。
コステロ
そこをテメーで考えろや。
あぐらかいてんじゃねーぞ、おぅ?
ファルファラやブラッドじゃねーんだ
テメーは。代わりなんざいくらでもいる。
もっと危機感持てや?
ヴィンセント
……はい。
???
うふふふ……♪
いいこと言ってるじゃないか……
コステロ
!! ミ、ミスターナーペル……!
ナーペル
やあ……コステロ……
ボクの可愛い精霊たちは元気かい……?
コステロ
そ、そりゃあもう……!
ナーペル
うふふふふ……♪
せっかく貸してあげてるんだ……
上手に使って稼ぎなよ……
コステロ
ありがとうございます……
(どの口が……!
法外な貸付料を要求してンだろーが……!)
ナーペル
本物……だったそうだね……?
コステロ
は、はい!
一瞬の隙に逃げられちまったが、なあに、
この島はウチの庭だ、すぐに居場所を――
ナーペル
100億、出そうか……
コステロ
!?
ナーペル
$$$じゃないよ……ゴールドで、さ……?
コステロ
ひゃ、100億ゴールド……!
ナーペル
少しはやる気になってくれる……?
コステロ
そりゃもう!
ナーペル
次は……ないけどね……?
コステロ
……ヘヘ……そんくれぇ、上等だぜ……
オレはコステロ様だ……!
ナーペル
頼もしいね……♪
コステロ
ヴィンセント! いますぐガキを連れてこい!
テメーの言うことしか聞かねぇ、あの狂犬も必ず使え!
ヴィンセント
はい……!
コステロ
あとは時間の問題よ……!
ナーペル
ふふふ……ならいいけどね……
覚えているかい……?
力の残滓が……教えてくれる……
その子供……あの、<拳の女>の……
娘、だよ……?
コステロ
――!?
な……ンだって……!
――ヴィンセントォ!!!
絶対ェに連れてこい!!!
絶対ェだかんなァアア!!!
ナーペル
うふふふふ……♪
聞こえてるかなぁ……?
story
……はぁ……
キャトラ
いや~、ほんじつもじゃんじゃん稼いだわ~♪
じゃぶじゃぶ使ったけども~♪
キャトラは相変わらずツイてやがるし……
キャトラ
ム!? 通りすがりのブラッド!
ツイてやがるとはごあいさつね!
アタシがツイてて悪いの!?
悪かねえよ……ただ、
人間て不公平だな、って思ってよ……
キャトラ
アタシは猫よ!!
猫もだよ……
キャトラ
……どしたの?
元気ないじゃない?
言えねえよ……
あんだけ世話になったオメーらに、
全部無駄だったなんて……
キャトラ
ほぼ言われたような気もするけど……
なになに? 詳しく話してごらんなさいよ?
優しいなァ、オメーらは……
それがよお……
きゃっ!?
おっと、悪い。
意気消沈して下向いてたわ。
はあ? それが理由?
謝罪になってなくない?
お……? おお……?
キャトラ
アララ、なんだかちびっこいのに威勢が
いいのにぶつかったわね。
……え、しゃべる猫ちゃん???
キャトラ
アタシはキャトラよ~♪
この猫しゃべるんだよ。
はあ? あなた受け容れてるの?
こんな不可思議な事象を?
そんな見た目なのに?
受け容れちまった。結構不思議なのに。
見た目は職業柄、だな。
アイリス
(律儀な人だわ……!)
…………?
? どうしたんですか?
私か、なにか……?
!!
ギャング
ちっ! 逃がすな!!!
アイリス
!! あの子、追われてる!?
ヴィンセント
ブラッド!
ニイさんかよ……
なんだよ、殴り足りねえのか?
ヴィンセント
いまのガキを追え!
は?
ヴィンセント
あのガキ、100億だ!
100億『ゴールド』だぞ!
――!!
なァおい、そんなの、捕まえたらよォ!?
ヴィンセント
ああ、好きにしろ!
――へっ!
キャトラ
ブラッド!?
ちょっとアンタ、どういうこと!?
ヴィンセント
お客様、ご容赦ください。
我々にも事情がありまして。
キャトラ
子供には未来があるわ!
ヴィンセント
……はあ?
キャトラ
あの子の価値が100億ゴールドだから、
いま捕まえたいのか知らないけどね!
成長したら1000億ゴールド使って
くれるかもしれないわ!
その可能性を摘むの!?
ヴィンセント
――!?
なんだ、この説得力……!?
キャトラ
そうでしょ!?
ヴィンセント
……ですが、申し訳ありません。
我々に重要なのは、未来ではないのです。
明日の生活。それを掴むだけで精一杯
なのですよ。
キャトラ
ほーべんだわ!
ヴィンセント
オレもそう思うが――
――失礼。
キャトラ
あーっ!!
接客業にあるまじきだわ!!
なんだってのかしらもう!
追っかけて言ってやりましょう!
アイリス
ええ……! そうね……!
感じるの……! さっきの女の子から……!
<なにか>を……!
story
――はぁ、はぁ……!
……なんで私を狙うのよ……!
すまねェなァ……
!
この島は、ネオンに彩られた虚飾の楽園よ……
見てくれは良くても、中身はカラッケツだ。
ギャングがひぃひぃ言って、小銭を稼いで
るのが実情よ。――ンなところに――
!?
舞い降りた宝石箱!
その価値なんと100億ゴールド!
のどから手が出ちまうだろォ?
100億ゴールド……?
恨みはねェんだ……!
すまねェ!
!!
――!?
狙撃……!?
キャトラ
おいついた!
ブラッド! そんなことおやめなさい!
りんりにもとるわ!
キャトラ……わかってくれ……
俺も辛ェんだ……
キャトラ
いいえわからないわ!
なら……そっちの子! 逃げて!
ここはアタシたちが――
100億ゴールドってなんのこと!? 懸賞金ってこと?
私、何も悪いことしてないし。いきなりポエム聞かされて、状況が全くわかんないんだけど?
私を高く買うのはもしかすると無理ないんだけど、追われる理由が知りたい。
キャトラ
……芯のしっかりした子だわ……!
あなた、猫ちゃんが好きなんでしょう? 悪い人とは思えないし。
嫌々私を捕まえるくらいなら、わかるように事情を話してよ。
私にできることあれば、するよ?
?
キャトラ
どーしたのブラッド?
……いや……なンか……
ブラッ……ド……?
光輝く蝶が、いつの間にか
あたりを取り巻いている……!
鱗光蝶よ――輝け!
うぉっ!?
いまよ! 蝶を追って!
あっ……! はい……!
キャトラ
ぬっふっふっふ……!
このキャトラさんには見えていたわ!
あの子、無事に逃げたわよ!
アイリス
(キャトラ……! 脈絡って知ってる……!?)
…………
ヴィンセント
……ブラッドォおおお~……?
…………
ヴィンセント
なにボサっとしてやがる、アァ!?
どんだけデケぇヤマかわかってんのか、
ボケがァ!!
……だな、ニイさん……
想像以上に……デケえかもしれねェ……!
ヴィンセント
寝言は寝て言えェ! いくぞオラァ!!
キャトラ
あ~も~! なんなのかしら!
おっかけましょう! やめさせなくちゃ!
story
……はぁ……はぁ……!
…………あっ! ファルファラさん!
jpg
ティナちゃん……どうして言うことを
聞いてくれなかったの!?
あなたは狙われているのよ!?
……ごめんなさい……
――心配したわ……!
子供が危険にさらされるのは、
もう、たくさん……
ファルファラさん……
なんだか懐かしい気がして、思わず外に出ちゃったの……ごめんね……
……ねえ、ファルファラさん。私を狙ってるのって、<闇>だと思ってたんだけど……
!!
人間も追ってくるの。これって……?
……賢い子ね……
もしかすると、この島のギャングたちって……!
おそらく、ね。でもまだ、尻尾はつかめて
いない。組織を連れてはこれないわ。
ファルファラさんってスパイ?
……ふふふ、夜の蝶よ?
衝撃的なあいびきを目撃しちまったぜ……
ティナ&ファルファラ
!!
あんた、ちィと前にきた、ファルファラ、
だよな。100億$$$の歌姫の。
そういうあんたは100億$$$の男よね、
ブラッド?
そりゃ借金がだ! 呼ばねーでくれェ!
借金? で、私を?
それは、ちょっとなんか
ちっせェよなァ……
わかっちゃいるんだ……
だったら――
ヴィンセント
なァ~に仲良くくっちゃべってんだァ?
おオ!? ブラッドォ!?
ニイさん――!
ヴィンセント
――教えたよな?
いや教えちゃいねぇ。とにかく――
――ターゲットの前で……
……躊躇すんじゃねェ!!
!!
ヴィンセント
仕事ってなァこーやンだァ!
はあああああっ!!
ヴィンセント
!?
――見ろ、私の、この細腕を――
ヴィンセント
まさか……!?
――てめェを彼方にぶっ飛ばす腕だァァア!!!
ヴィンセント
(嗚呼……♪ このパワー……♪)
ヴィンセントは星になった。
story
キャトラ
な、なんじゃ、いまのは……?
ティナちゃん、あなた……?
隠すつもりはなかったんです。
ごめんなさい。
さっきの光は、父の力……七色の波動……
思い通りに周囲の現象を操る能力……
……!
そして、最後の一撃は――
――母の力、だろ?
え!?
うん。
やっぱり、な。
ティナ。会えて良かった。
俺はお前の母ちゃんの弟だ。
だと思ったよ、ブラッドおじさん。
さっきは……悪い……
償う機会はすぐ来るよ。
<闇>の魔物たち!!
だな。戦わせてくれ、ティナ。
おめェを守るために!!
ティナちゃん、私の後ろに!
あン? おめェ、やれンのか?
さっきの狙撃を忘れたの?
当てちゃえばよかったかしら?
……へっ……!
二人とも、心配いらないよ。私には――
――最強の父と、最強の母の
血が流れてるから――!!!
story
『バトゥール、フィニーッシュ!!』
へっ。
やるじゃない、あなた。
その銃やたらうるさいけど。
ホントだよなあ。
これ、ニイさんの声なんだぜ?
ニイさん……? って、ヴィンセントの!?
なんでそんなことを!?
嫌がらせに決まってるぜ。
この機能が五千万とかワケがわからねェ。
案外、おもしろおじさんなのかな?
ケガはなかった? ティナちゃん?
大丈夫です、ファルファラさん♪
よかったぜ。なんかあったらねえちゃんに
会わす顔がねえ。
わかってんなら、この先も死ぬ気で守れよ
おじさん。
身内には厳しい子だ。
だってファルファラさんはカッコイイけど、
おじさんは……
アイリス
頼りになると思いますよ?
う……身内をほめられると、その……
テレちゃいます……
これで、ジェノ一家を裏切った形ね、
あんたも。後悔してないでしょうね?
一家の連中が追ってくるのはいい。コステロの命令だろ。
いつかはやらかしてたことだぜ。
……で、一つ疑問がある。
だが、どうして、魔物までティナを追うんだ?
夜に溶けるような黒い蝶々が、
ヒラヒラと近づいてくる……
!! この気配は!
黒い蝶が、人の姿へと変わる!
ナーペル
うふふふふ……ハジメマシテ。
ボクはナーペル。
<愉快な道化の影芝居>
シャッテンシュピールの一人だよ。
アイリス
シャッテンシュピール……!
ナーペル
身構えないでよ白の巫女……
用があるのはキミタチじゃない。
そっちの女の子さ……♪
ティナのこと……?
ナーペル
ようこそ、プレシャス・チルドレン。
転生せし、霊神の欠片……
霊神の……欠片……?
ナーペル
キミは破壊の申し子だ……♪
箱の中は……狭いたろう……?
ボクの元に来ないかい……
は? 行くわけないんですけど?
ナーペル
予言しよう……♪
キミは世界に、すぐ飽きる……♪
…………
ナーペル
光と闇のストラテジー……
一見壮大に見えても、
理論としての答えは出てる……
大地も、空も、海の、底も……
バランスを取ろうとして必死だ……
馬鹿みたいにね……
本当に楽しいのは、
それら全てを壊すことさ……♪
意味わかんないんですけど?
ナーペル
ウソはいけないね……
キミのお母さんはもうトシだけど、
キミなら理解出来るはずさ……
!! ……お母さんを――
バカにするなあーーーっ!!!
ナーペル
怖い怖い……♪
だれか、助けて……♪
なんなんだ!? シャッテン
なんとかってなんのことなんだよ!?
キャトラ
あたまのおかしな奴らの総称!
だいたい魔物呼ぶ!
だいたいわかった!
ティナ! 逃げるぞ!
ナーペル
逃がすとおも――!?
ふっ!!
はあっ!!
うっ……!
いまよ!
でも、仕留めて……!?
このくらいで済むなら、
とっくに始末していた!
早く!!
ナーペル
……残念だなぁ……
ボクならキミの封印を……胸の錠前を……
開けてあげられるのに……
キミの……お母さんみたいに――
story
うらァァァァァーッ!!!
はぁぁぁぁぁぁーっ!!!
てやぁぁぁぁぁーっ!!!
キャトラ
アンタらむちゃくちゃねえ……
押すトキと退くトキは問答無用に限るぜ!
キャトラ
いつもじゃないのよさ!
ティナちゃん、大丈夫?
おなかが……
痛えのか!?
減ってきた……
……ふふふ。もう少しの辛抱よ♪
ヴィンセント
辛抱たまらねェわアア~ン!!!
ニイさん!?
どうやって戻ってきた!?
ヴィンセント
不可能を可能にすンのは、
いつの時代もタダ一つ!
<……あああ愛ッッッ!!!>
でしょォがぁぁアアアッ!?!?
やべえ、ワケわかんねえ!?!?
ヴィンセント
らぁぁああああああああっぶ!!!
ふんっ!!
ええっ!?
ヴィンセント
違うのいまは違うのいま欲しいのは
そういうことじゃないのよォオ!?
欲しいものがもらえるとは
限らないと思うけどッ!?
!?
ヴィンセント
それが違うと知ってるのォ~!!!
世界にはあるの!
もっと大きな、大きなラヴがっ!!
ダメだキメぇ!!
ニイさん、悪ィ、散ってくれ!
うぉぉぉぉおおおおおお!!!
ヴィンセント
当たるかよバァ~力!?
誰が仕込んだワザだァ~ア!?
ウソだろ!?
なんで空中でよけられるんだよ!?
き、キモイ……!!!
ヴィンセント
ティ~ッヌゥワ、ちゅわぁ~ん!!!
――見ろ、私の、このか細い脚を――
――てめぇを虚空に蹴り飛ばす脚だァァア!!!
ササっ!
はああああああああああ!!!
ヴィンセント
あっはアアア~~~~~ン♪
ヴィンセントは星になった。
はぁ……はぁ……
キャトラ
ぎにゃー!? もうつかれたー!
しめた! 乗るぞ!
了解!
キャトラ
乗るってなにに!?
<ルーントレイン>よ!
変態が戻って来る前に距離を稼ぐッ!!
いくぞ、ティナ!
はぁ……はぁ……!
……もう少しだからな……!
力ーブのときに速度が落ちるわ!
……いまよ!
キャトラ
いまといわれましてもおー!?!?
story
しっけえ連中だ!
『工~ルウィイミイネ~イトオーーウ!!!』
るっせェ!
キャトラ
……なんとか乗れば乗ったで、
聞いてもいいかしらブラッド!?
このルーントレイン、どこ向かってんの!?
こいつはスラム街を抜け、観光客たちを
この島の中心へと運ぶ列車だ。
となりや終点はモチロン、ジェノ一家が
仕切ってる、メインホテルにならアなア。
キャトラ
えーっ!?
敵の本拠地じゃないのー!!
あら、丁度いいわね。
今日はこのまま出勤しようかしら?
キャトラ
そーゆーよゆーはよくてぇー!
ふふ、そうね。
準備をしに一度帰らなきや。
アテがあんのか?
隠れ家があるわ。ティナちゃんも
もう限界が近いみたいだし……
……平気……ですよ……?
いいのよ無理しないで。
さ、少し先で降りましょう。
でも、目立つんじゃ……?
きっと、そこら中に追手がいますよね?
ふふふ……♪
夜の蝶は、燦然と輝いて注目を集めるわ……
ファルファラが手をかざすと、
光の蝶々たちが群れをなして飛んで行く――
――その影に隠れて、人知れず仕事をするの。
女スナイパー、クプクプマラムはね……!
へえ……♪
目立つからこそ目立たない……
それが私のスタイルよ♪
――ついてきて。
story
キャトラ
わあ~……! ナンもなあ~い!
これがいいのよキャトラ。
ざ・隠れ家って感じの部屋ですね♪
仕事柄、こういうアジトがいくつかあるのよ♪
しごとがら……?
その前に、ちょっと待ってね。
ごはんの準備するから。
あっ……すいません……
……さて、っと…………にしても……
わあ!?
よく見りゃねえちゃんにそっくりだなア!
よく来たなあ、どうして来たんだ?
ねえちゃんいまどこでなにやってんだ?
ま、待って待って! 落ち着いて!
おお、悪い悪い。
――いやあ……でも、会えて嬉しいぜ……!
ブラッドったら♪
ふふふ……♪
お母さんとお父さんなら新婚旅行中だよ。
ええ~!?
それって、おかしくな~~~い!?
二十年目突入だって。
はは、ねえちゃんらしいや。
旦那さんとは仲良くしてるか?
らぶらぶ。
『怒んないでよ~、ダンナさま~』
とか、冗談言うくらいらぶらぶ。
……あれから、暴れてねえか?
二十年前に、この島でやらかしたっていう
惨劇ね。ううん、いまは落ち着いてるよ。
……たまにゴチンとやられると、
頭が割れそうなくらい痛いけどね。
キャトラ
おおげさねえ~。
だ、大丈夫か!? ねえちゃん、その拳で、
この島のビルをあらかた破壊したんだぞ!?
らしいね。……お母さん、
おじさんのこともたまに言うよ。
『あいつ、まだやってんのかなぁ』って。
……やってるも何も、大変だったぜ。
この島の壊滅は、ねえちゃんがやったことだ。
俺にも責任がある。復興のために借金を
背負って、ギャングにもなっちまって――
え? それ違くない?
あ?
お母さんとおじさんは別人でしょ?
血もつながってないって。
たとえそうでも家族だぞ?
わかってないなあ。
なにがだよ?
お母さんの言ってた通りだ。
『罪深さは、己の魅力
自然と周囲を魅了してしまう
己の力と美しさが恨めしい』って。
何を言ってんだねえちゃんは……
『身内がしたことだから』を言いわけに
しなくていいよ、ブラッドおじさん。
お母さんも、そんなことは望んでないと思う。
似てンなア、ほんとに……
ねえちゃんのお説教みてェだ……
わかってくれた?
わかったもなにも、いまのは過去の話だ。
勢いとはいえ、今の俺はジェノ一家に
弓引いちまった後だからな。
島も、もう十分復興したろ……
借金に縛られるのは、もうヤメだ。
じゃ、ぶっ壊そう。
あアッ!?
だってこの島、おかしいよ。
ギャングと<闇>が手を組んでる。
潰すしかないっしょ。
『私の思考回路は自然の摂理、
神が定めた運命だと思え』
キャトラ
なにそれ?
ねえちゃんの言葉さ。
よし、そんじゃア……!
ぐぅぅ~……
あっ……!
俺ァ腹が減った! おっせェなアあいつ!
早く腹ごしらえしてぇぜ!
……おじさん、ありがと……
story
ネオンの島の100億$$$ Story2