【白猫】ケイ(Brave The LionⅢ)・思い出
竜守りの少女 ケイ・リュウザン CV:逢田梨香子 オズマに拾われた元馬泥棒の少女。 ドラゴンを守る<竜守り>に従事している。 |
~Brave The Lion 3 後日談~
思い出1
ここが飛行島か……
姉貴、わかってると思うけど騒ぎだけは起こすなよ。
弟よ、風に靡く旗のもと、ともに闘った者たちは何物にも代えがたき尊いものだと我は信じている。
その上で問う。今さら旧交を温める必要はあるのか?
こうやって飛行島の人たちと友好関係を築いていくのも俺たちの仕事なんだよ。
仕事……?
しょっぱなから忘れんなよ!俺たち<竜守り>は<竜の里>の外交官だろ!
志を持つ者は誰しも朋輩だ。言葉だけの繋がりに価値があるのか?
ああ、もういい。俺がやるから、姉貴は黙っててくれ。
で、さっきからなにやってんの?
のわっ!い、いつからそこにいたんすか!?
ケイちゃんの『ここが飛行島か』あたりから。
弟よ、これ以上の言葉は不要だ!!
あいかわらずの益荒男ぶりね。もう少し、女の子らしくしたら?
それは聞けません!我が器は女ですが、志に男も女もありません!!
己が器に志を合わせるのではなく志に器を合わせるべきです。そう思いませんか?
!
やはり主人公さんも漢の目をしている。主人公さんは竜だ。一匹の猛り狂う昇り竜だっ!
――
ちょっとー!いきなり影響受けないでよ!
男児たるもの、ただ闘うべきです!肉体は志の器でしかない!死して後、残るは己の志だけ!
さあ、ともに参りましょう!僣越ながら男児の本懐を教えてさしあげます!
行っちゃった……
ねえ、ショウ、<竜守り>の仕事ってこんなんでいいの?
うーん……ま、いいんじゃないっすか?
思い出2
弟よ、漢にとって最も大切なものはなんだ?
金かな……
主人公さんはどう思いますか?
しかり!志と夢です!!
主人公は、なにも言ってないわよ!
もとより漢に言葉など不要!野生の虎は人語を解さずとも虎であることをやめられないのです。
主人公に変な影響与えないでよ!
漢が真に憧憬を抱くのは女ではなく同じ漢の生き様だけ。漢とは、そういうものです。
ねえ、ショウ……ケイって、昔からこんな感じなの?
まあ、そうっすね。ただバイパーさんと知り合ってから少し変わったけど……
そう言えば、ケイってバイパーの前だとかわいいところあるもんね。
我はバイパーさんを漢の中の漢だと尊敬しています。それだけのことです。
俺がなんだ?
ば、バイパーさん!?
こんにちは、バイパーさん。
いきなりやってきてどうしたのよ?
仕事の件で、こいつらに聞きたいことがある。
なんですか!?どんな仕事でも手伝います!
いらん。ケイ、お前は昔、馬泥棒だったな?
……はい。でも、とうに昔の話です!
知人の牧場主が被害に遭った。なにか知らないか?
知りません。でも、もし人手が必要なら調査のお手伝いをしますが!?
それより馬泥棒の秘訣を聞きたい。
馬の心を知ることです。馬を走らせるのではなくともに駆けるんです。
群れを統率できれば、一度に多くの馬を連れて行けます。
……そうか。助かった。
あの……
その目、漢の目じゃないわ!恋する乙女の目よ!
な、なにをっ!この思いは色にあらず!漢が漢の生き様に惚れただけのことです!!
だからアンタ、女の子だからね。
思い出3
あ、バイパーさん……
ば、バイパーさん!本日はお日柄もよく……
――って、マジかっけーよな。そう思いますよね?
どうかしら?ちょっと、面倒な性格だと思うわ。
そこがバイパーさんのいいところです!
なぜニヤニヤしている?
キャトラ、ショウ君、からかっちゃダメだよ。
別にからかってないわよ。ケイの恋を応援してるだけよ。
笑止!我には色恋にうつつを抜かす暇などありませんっ!
でも、好きなんでしょ?認めないと、なにも始まらないわ!
そもそも!バイパーさんは志高きお方!かの人とて色恋になど興味はあるまい!!
いや、わかんねえと思うぞ。バイパーさんだって男なんだしさ。
愚弄するか!弟と言えども、許さんぞ!
姉貴は、もう少し女らしくなったほうがいいと思う。
それ以上、言うならば、素っ首叩っ斬るぞ!
口にチャック……
我が体も心も女であることは認めよう。が、生き方は己が魂の赴くままありたい!
歴史に名を残す古兵や益荒男たちのように……
益荒男……そうか、益荒男だ!
なんか思いついた顔ね……
バイパーさんのような漢の中の漢に我がなればいい!
それならば、バイパーさんも我に漢として惚れるに違いない!
(単純に言えば、好きな人に振り向いてもらいたいってことよね?)
(そうだと思うけど……)
そうと決まれば話は早い!
’’皆の者’’!弟よ、ついてこい!
思い出4
漢には馬が必要だ!
なるほどな……言ってることがさっぱりわかんねえ。
弟よ、馬がなければ轡も並べられまい。
バイパーさんが馬に乗ってること前提で話を進めるな。乗ってるとこ、見たことあんのか?
漢のやることに口出しするな!漢が志を持ったなら、あらゆる苦難に屈さぬ!
よし、野生の馬を捕まえるぞ。見つけたら言うんだ。
***
ヒヒーン!
大人しくしやがれ!
馬泥棒のようだな。
ただの商人かもしれないだろ?
轡が違う。別々の場所から集められてきた証拠だ。
弟よ、槍を持てい!
ちょっ! バカ!叫ぶんじゃねえ!バレんだろ!
なんだ、てめえら!
今日から、その馬は我のものだ。大人しく引き下がるなら命までは取らぬ。
チッ!面倒くせえ。始末すんぞ。
ちょこざいな!
このガキがあっ!
姉貴、危ない!
…………
ヒヒーン!
クソがっ!!馬を逃がすな!追いかけろ!!
あの……ありがとうございます。でも、どうしてここに?
馬泥棒を大元から叩くため尾行していた。逃げられたがな……
え……す、すいません!
お前らは、偶然居あわせただけだ。責める気はない。
思い出5
……もうダメだ。
なにかあったの?
バイパーさんの仕事を邪魔してしまった……
まあ、しかたがねえよ。知らなかったんだしさ。
しかたがないたと!?しかたがなくないっ!!足を引っ張ったのはこれで何度目だ!?
いや、わかってんなら自重しようぜ……
恥辱を抱えたまま生きてはいけぬ!許せ、弟よ!姉は先に逝く!
って、どこ行く気だよ!?
戦場だ。我が死に果つるとしたら、戦場以外、あり得ぬ。
なにわけわかんないこと言ってるのよ!落ち着きなさい!
ケイちゃん、キャトラの言うとおりよ!
放してください!漢が惚れた漢に憐れまれながら生きていけるか!!
あなたまで止めるのか!?
主人公の言うとおりよ!死んで花実が咲くものか!!
死して貫く意地もある!
武人として傍にいる以外の選択だってあるでしょ!
無い!親に捨てられた時、女であることを捨てた!
強くなければ生きていけなかった。今さら生き方を変えられるか!
今は俺がいる!仲間がいる!姉貴を支えられる!
肩肘張って無理すんじゃねえよ!
無理などしてない!
知ってんだぞ!姉貴がファッション雑誌とか隠してるの!
っ!?
化粧の仕方や弁当の作り方のページチェックしてるのも知ってんたからな!
本当はオシャレとかしたいんだろ?してもいいんだよ!姉貴にたっていろんな可能性があるんだよ!
姉貴には幸せになってもらいたいんだ!
……殺す。私の秘密を知られたからには生かしておけない……
うわあああああ!ショウのバカーっ!お前を殺して、死んでやるー!!
ぎゃああああ!!
主人公!ケイちゃんを止めないと!
思い出6 (友情覚醒)
この光……主人公さん?
いいじゃないの。女の子らしくても。
だが、軟弱者では……バイパーさんの足手まといに……
セラさんやメアさんはバイパーさんの足手まといじゃないと思うよ。
そうよ!二人とも美人で強くて厳しいけど優しいでしょ!
たが、我はあくまでバイパーさんと肩を並べられる武人になりたいのであって……
もう充分強いだろ!本当は科理とか興味あるんだろ!だったら素直になれよ!
あっ!バイパーってお酒か好きでしょ?つまみとか作ってあげたら?
つまみ……酒……
要するに盃を交わせと言うことですね!なるほど、義兄弟の契りか!?
姉貴、違う。そうじゃない。
そうとなれば話は早い!弟よ!槍を持て!
え?なんで?意味わからん。
酒の肴になるものを狩ってくる!ついてこい!
おい、ちょっ!持てって!
あれ、わかってるのかしら?
どうだろう……
***
なんの用だ?
悪いわね、呼び立てて。
ば、バイパーさん!
なんだ?
この前は、バイパーさんの仕事を邪魔してすいませんでした!
すいませんでした!
あの件は片付いた。気にするな。
それでも、お詫びの気持ちとしてお酒とおつまみを用意しました!
昼間から酒か……どうしようもないな。
いただこう。
ちなみに、このつまみの料理は姉貴が作りました。
ケイが?意外だな……
……うまいな。
ほ、本当ですか!?その、じゃあ、お酌します!
……ふぅ、いい酒だ。
では、バイパーさんも私の盃に……
ガキに酒は早い。
でも、それでは盃を交わしたことになりません!
ダメだ。大人になるまで待て。
……では、大人になったら盃を酌み交わしてくれるんですね?
その時まで俺が生きてたらな。
だったら、武人としてこの命をかけて、バイパーさんを守ります!
お前はバカか?
命を賭けると言うが、お前が死んだら俺は誰と酒を酌み交わすんだ?
っ!?
もう少し器用に生きろ。見てて危うい。
は、はい!ご助言、ありがとうございます!
うまくいったみたいね。
そうだね♪
……どうだろうなあ。たぶんだけど姉貴は……
『盃を酌み交わすことを許してくれた。これは我が大器晩成だとバイパーさんが認めてくれたということ……
これからも武人としての志を忘れず、漢として強くあらねば!バイパーさんの期待に応えるためにも!』
的なことを考えてる顔だと思う。
ありえそうね……
まあ、弟として気長に見守っていくさ。
鳳雛の少女 ケイ・リュウザン
その他