【白猫】ショウ(Brave The LionⅢ)・思い出
竜守りの少年 ショウ・リョウザン cv.新田杏樹 オズマに拾われた元スリの少年。 ドラゴンを守る<竜守り>に従事している。 |
Brave The Lion 3
~Brave The Lion 3 後日談~
思い出1
<ヒストリア>で起きた事件から、しばらく経ったある日――
<竜守り>の少年ショウは飛行島を訪れていた。
ショウ君、こんにちは。
どうしたのよ?
実は主人公さんに相談なんですけど……
俺、もっと強くなりたいんです!具体的には必殺技が欲しいんですよ!
皆さんなら、なにかいいアイデアをお持ちなのではないかと思いまして……
……確かに、アタシたちは数多くの必殺技を見てきたわ。
ただ一ロに必殺技と言ってもいろんな種類かあると思うの。
種類?
そうよ。その人が持ってる個性……言い換えれば強い願望の具現化よ!
(キャトラが必殺技を語ってる……自分は使えないのに……)
ショウ!アンタの渇望はなにかしらっ!?
アンタが強くなりたいって思うようになった動機とか!そういうのがわからないとアドバイスもできないわっ!
動機……うーん、動機……強くなりたい動機……
……前に言ったかもしれませんけど俺って孤児なんですよ。
魔物や魔獣の被害だったり、戦争で兵士が略奪しに来たり……まあ、俺の村は貧しかったんです。
食うもの作っても奪われる。それで口べらしのために捨てられたってわけです。
悲しい話ね……
まあ、ガキの時分は親を恨んだりもしましたが、捨てられたおかけで姉貴やオズマ様に出会えました。
今さら両親に会いたいとは思わないんですけど……仮定の話は考えたりするんですよ。
仮定の話?
俺が強ければ、村を襲う連中を倒せたんじゃないかって……
それなら、俺にも居場所があったんじゃないかって……まあ、ガキの時分の感傷です。
もう両親は関係ないんすけど。今は姉貴や里の人たちが俺の家族じゃないっすか。二度と失くしたくないんすよね……
ショウ君……
アンタの思いは理解したわ!
そういう理由があるのなら手伝うのもやぶさかじゃないわね!
マジっすか!?ありがとうございます!
それで俺はどうすればいいっすか?
修行よ!
でも、どんな修行をするの?
修行といえば師匠!今から探しに行くわよ!
よっしゃあ!燃えてきたー!!
思い出2
はじめまして。私めが、あなた様の変わり果てた未来の姿。シュガーでございます。
え?
ただの噂話でございます。はじめまして、師匠です。
いや、師匠じゃねえし。はじめましてでもねぇ……
師匠と申しましても、私は書道三級でございます。というのも、太りすぎて正座ができなかったのでございます。
あら、大変ね。
キャトラ、いつもよりツッコミがおざなり?
これは、もう、そういう対象じゃないわ。
シュガーさん、どうして飛行島に?
蕎麦を打ちに参りました。雉も鳴かずば撃たれまい、と言うではありませんか?
わかりました。じゃあ、そういうことで……
キヒヒヒ!いいのかぁ!?強くなれる薬とか、売ってんぞ?
あ、なんか怖いので、そういうの、いいです。
乗ってけよ!乗ってけよ!ブラザー!!どうして、そんなにローテンションなんですかねー!
いや、もうツッコミ入れる対象は間にあってるって言うか、純粋に怖いって言うか。
…………
……あの?
…………
いきなり止まるのやめてください。怖いです。
……雉を撃つと申しましてもトイレに行くという意味でございます。今、私は我慢してるのです。
だったらトイレに行きなさいよ。
申し訳ありません。では、失礼いたします。
……姉貴もわけわかんねえけどあのオッサンは、もっとわからん。
いわゆるコズミックホラーってやつね。ああいう知り合い、他にもいるわ。
……世の中って広いんすね。
つーか、もっときちんとした師匠を紹介してくださいよ!俺、本気で強くなりたいんですよ!
なるほどな……だったら、ちょうどいい話があるぞ。
弟よ!こんなところにいたのか!?
オズマ様!?姉貴まで!?どうなされたんですか?
仕事だよ、仕事。魔物退治だ。法王として迷える子羊を救済するのも大事な責務だからな。
実戦に勝る師はいない。ついてこい。
はい!任せてください!
ちょっと待ってくれ!
バロンさん、どうしたんですか?
トイレに十割蕎麦があったんだがなにか知らないか?
あ、それ、あのオッサンのだわ……
やっぱり、シュガーもコズミックねぇ……
思い出3
なーんか、寂しい場所ねえ。
貧しい島は珍しくありません。文化や技術、立地で格差は生じてしまいます。
その上、魔物や戦の被害もあるとなれば、生活は苦しくなります。
ま、だからって見捨てるわけにもいかねえだろ?なあ、ショウ。
……オズマ様、どうしてここを?
オレじゃねえ。ケイが見つけてきた。
姉貴……どういうつもりだよ?
どうして怒ってるのよ?
この島は……俺が生まれた島だ。
……弟よ、お前は口でこそ、捨てられたことを気にしていないと言っているが、本心は違う。
気にしてねぇよ!
ならば、お前を捨てた両親に会ってこい。
はあ!?なんでだよ!!
気にしてなければ、会えるだろう?
気にしてねえけど、会いたくねぇ!会う必要もねぇだろ!
この島は今でも魔物の被害に苦しんでいる。それを見捨てるのか?
おい、どこへ行く?
魔物を倒せばいいんだろ!仕事しに行くだけだよ!
待て!
……放っておけ。ここで前に進めないようならそれまでだ。
……厳しいんですね。
男なんてもんは、叩いて伸ばす以外育て方がない。叩かれ方のわからない輩はロクなもんにならねえよ。
ショウ……
思い出4
……なんなんだよ。今さら連中に会ってどうするってんたよ……
ウワアアア!
***
どっか行けよ!
ガァアアアア!!
っ!
……え? 魔物は?
俺が倒したよ。怪我はないみたいだな。
ありがとう!兄ちゃん、超強いんだな!
……別に大したことねぇよ。
つーか、なにやってんだよ?森んなかは魔物がいるだろ。
これ!
木の実……か?お前、こんなもんのために……
こんなもんじゃない!父ちゃんと母ちゃん、いっつも腹空かせてるんだ。だから……
だったら一人で森には来るな。お前が死んだら、父ちゃんと母ちゃんが悲しむだろ。
うん、ごめん……
わかったんならいいさ。家まで送っ……
……しかたがねぇ。村の前まで送ってやるよ。
ありがとう、兄ちゃん!
***
ジュン!
っ!
母ちゃん!
ジュン、お前、どこに……心配したんだぞ……
ごめん、父ちゃん……俺、森で木の実、取ってきたんだ。
バカ!一人で森に行くなってあれほど……
君は……?
なんだよ、それ……
まさか……ショウ……なの?
生きて……いたのか?
待って!ショウ!
思い出5
ふざけんな!ふざけんな!
ふざけんなよ!なんでだよ!なんでなんだよ!
俺を捨てておいて……どうして弟がいるんだよ……
俺だって……あんたらのこと……
声がすると思って来てみれば……大丈夫か?
大丈夫だよ……
オズマ様たちが待ってる。行くぞ。
行きたくない……この任務だけは受けたくない。
……そうか。なら、好きにしろ。
……いいのかよ?姉貴が連れてきたんだぞ。
武人としてならダメだ。だが、弟としてなら、かまわん。
……涙をふいてからついてこい。我は見なかったことにしておく。
***
あ、ショウ!探したのよ!!
ショウ君!大変よ!村に魔物が!
オズマとケイは先に行ったわ!あんたも、こんなところでグズグズしてんじゃないわよ!
……姉貴とオズマ様がいれば、大丈夫ですよ。俺は足手まといです。
……
っ!
いきなり何するんすか!?
あんた、本気で言ってるの!?
本気ですよ!姉貴もオズマ様も強いし、俺なんかいなくたって大丈夫なんだよ!
だいたい、どうして俺が俺を捨てた奴らを助けないといけないんすか!
あんな村、知ったことかよ!!
!!
ぐっ!
ショウ!日は覚めたかしら!
…………
アンタ、言ったじゃない!本当は家族を守りたかったって!だから強くなりたいって!
アンタの辛さや苦しさはアタシには、わからないわ!でも、アンタ、本当にこれでいいの!?
思い出6 (友情覚醒)
この光……優しいっすね。まるで、あの頃の……
……俺、父ちゃんと母ちゃんが大好きだったんすよ。
強くなれたら、もう二度と、俺は捨てられないと思って……だから、強くなりたくて……
俺、今なら戦えるんすよ。あの頃の願い、叶えられるんすよ。なのに……
裏切られて捨てられたからって今度は俺のほうか拾てようとした。捨てられる辛さ、知ってるのに……
その上、姉貴のことまで見捨てようとして……ほんと大バカ野郎です。
ありがとうございます。主人公さん、俺を殴ってくれて……
俺、自分の家族、守りに行きます!!
***
チッ!数が多いな……
<闇>の影響でしょうか?
かもしれねぇが……それにしたって量がな。討伐隊、組むべきだったかもしれねえな。
……弟の件、申し訳ありません。
謝る必要なんてないぜ。オレはまだ見限っちゃいない。
姉貴!オズマ様!
やっときやがったか。男は、やっぱりそうでなくちゃな!
心配させおって……
弟よ!ここは大丈夫だ!お前はケジメをつけてこいっ!
ショウ君、行って!
アタシたちもいるから大丈夫よ!
はいっ!
***
どっか行けよ!
ジュン!
うおおおっ!
逃げろ!
父ちゃん!
っ!?……ショウ。
後ろの連中に手ぇ出すつもりなら!この俺を倒してからにしやがれ!!
***
今ので……ラスト……
……ショウ。
本当にショウなのか?
…………
すまなかっ……
謝んなよ!
っ!
謝って楽になろうとすんなよ。あんたらが俺にやったことは消えないし、変えられない。
……ショウ。
でも、今の俺には別の家族がいる。だから、あんたらは、もう他人だ。なんの関係もねえ。だから、家族でもねぇ他人にやられたことは痛くも痒くもねぇ。……犬に噛まれたと思って忘れてやるよ。
…………
だから、許す。俺はもう気にしちゃいねぇ。
ショウ!ごめんなさい、ショウ……
兄ちゃん!助けてくれてありがとう!
父ちゃんと母ちゃんを大切にしろよ。……じゃあな。
***
姉貴……オズマ様たちは?
討伐隊を編成するため、帰られた。主人公さんたちは、辺りの見回りだ。
ふーん……なあ、姉貴も自分の家族に会ったんだろ?どうだった?
……亡くなっていた。流行り病だったらしい。……お前は間に合ってよかったよ。
そうだな。姉貴のおかげだ。あの人たちを許す機会くれて、
……残ってもよかったんだぞ?
俺の家族は姉貴と、里の連中だ。あの人たちは、もう他人だよ。
……私はお前を捨てたりしない。
わかってるさ、姉貴……俺もあんたを捨てたりしない。
ならば、これからもこの姉を鑑とし我が背中を追ってこい!
俺がいつまでも姉貴の後ろにいると思うなよ!
笑止!たが、その心意気や良し!弟の成長、姉は楽しみにしてるぞ!
ああ、待ってな!すぐに追い抜いてやるからよ!
伏竜の少年 ショウ・リョウザン
その他