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【白猫】Brave The Lion 3 Story1

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
Brave The Lion 3

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目次


Story1 多民族国家の玄関

Story2 誰何の声と謎の男

Story3 海鮮の歓迎

Story4 ブリーフィング

Story5 牽制と頓着




story



やっと着いた~……この島って、なんだか入るのタイヘンなのねえ……

ここ<ヒストリア>では、一日わずか数便しか、飛行艇の発着が許されてませんから。

どうしてですか?

一つには、島周辺の気候があります。

この辺りの空は不安定……安全に航行出来る時間が限られています。

海は?

海もまた、頻繁に発生する大渦が、船の行き来を妨げているんです。

……大渦……が……?

ふむふむ。そのあたりが気象的な要因ね。

でも、『一つには』って言ったわよね?他にも理由があるの?

慣れてないんですよ。

正確に言えば……<ヒストリア>は、まだ地図にありません。

ええっ!? じゃあ、アタシが立ってるここは!?

土です。

じゃなくて!

この先<ヒストリア>と呼ばれることになるであろう地、です。

いまはまだ、エルフやドワーフの<集落>と分類されるような島なんですよ。

なるほど、ここはまだ、<国>になる前の島なのね。

ですからこの島は、これまで外交というものを正式にしたことがありません。

住民も、島の外から来る者に慣れていません。だから便を絞っているんです。

その割には、世界各国からお客様を招いてるんじゃなかったっけ?

建国式典と、それと同時に行う国主様の婚礼式典に、各国の要人を招待しているんですよね……

<ヒストリア>を大々的に宣伝したいんでしょうね。帝国や連邦に、軽く見られたくなくて、ね。

ムムム、矛盾だわね。

今まで通り、島は閉ざしていたい。だけれど式典には大勢を呼びたい。ジレンマですね。

大丈夫でしょうか……住民の方々、困惑してしまうのでは……

『いいとこ取りは諸刃の剣。トップの器が試される』

だれの言葉?

ウチの上司の。

自信マンマンだわねえ、オズマは。

ま、実際、あの人なら上手にやっちゃいますから。

デルガド……だっけ?国主になるっていうドワーフのひとの器はどうかしらね?

さて……見栄を張りたいものですから、為政者ってのは……

シニカルゥ~。

上司に似るって言うでしょ?では、そろそろ行きましょう。

まずはこの島の現状を軽く見てまわりましょう。ミッションの説明は、それから。

……わかりました……!


……魔物の気配が多すぎます。気楽な旅とはいきそうもないですね……

そうですね……

(それに……この……感覚は……!)



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story



止まれ!

わっ!? いきなりなによ!?

!? 人語を解する猫……!?……魔獣か!?

もがーっ!!!言われなくなってきたと思ってたのにーっ!!!

きゃ、キャトラ……!

怪しい奴らめ!

まま、落ち着いてくださいよ。

……なんだ貴様?

式典に呼ばれた者です。いやあ、めでたい。これで<ヒストリア>も安泰ですね~♪

愚かな……!

へ?

<国>に意味など! 立ち去れ!

ちょ、ちょっと……!

待ってください、話を聞いてください!

語ることはない!

すぐに消えろ! さもなくば……!

げっ!


え……!?

…………

気絶……させたの……?

あの……ありがとうございます。……あなたは……?

……グレイヴ。

ワン!

わっ!?犬もいたの!?

怯えなくてよいぞ、猫よ。

しゃべれるの!?

なんでかなあ!?

……ハァン!?こっちのセリフよ!

それがこちらの台詞だ、おしゃべり白毛玉が!

ぬ、ぬ、ぬ……!

ぎにゃあー!!!

やめろ、コテツ。

コ、コテツ!?……それ、アンタのネーミングセンス?

ダメか?

由来とかあるの?

パッと見た時、コテツだと思った。

……まあ、なくもないわよ。

自分の名でもないのに何が不満だ。

ここにいると面倒だ。

グレイヴさんでしたね。一緒に町へ、どうですか?

……俺が?

助けられた礼に、メシでもオゴらせてください。

それはありかたい申し出。おい、グレイヴ、相伴に預かろうではないか。

……わかった。

……アンタたちの関係って、なんなの?

わからん。

わかれ!

……そうだよなぁ……



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story3



お待ちどうさま!テイルフィツッシュのマリネとアワラのブイヤベースよ!

この島に来たら、やっぱり海鮮よね♪

ほっほー♪こいつはウマそうだわ♪

!?猫も食べるの……!?

(まあ、害は……ないけど……ていうか、しゃべってる……!)

早く食そう。空腹でたまらぬ。

(犬も……!)

玄関口を過ぎちゃえば、ヨソ者だろうと関係ないみたいですねえ。

あら、お客さんたちも、式典に招待されて来たの?

多いんですか?

うふふ……♪エルフとドワーフだけの、閉鎖された時代遅れの島国だと思ってたでしょ?

いやいや、まさかまさか。

顔に書いてあるわよ♪最近、外からの人がすっごく増えたんだから♪

って言っても、あたしも数年前に来たばかりなんだけどね。

へえ?

『全ての種族は平等である。全ての孤児に救済を』

……キレイゴトに聞こえるかもしれないけど、あてのないあたしのことを受け容れてくれた。

いい国になるわ、<ヒストリア>は……

間違いない。建国に!

ありがとありがと♪ごゆっくり♪

…………

どうした、食べぬのか?ならばタマネギをよけてくれぬだろうか?

ちょっとジョニー?聞いてたよりずっとイイ国みたいじゃない?

ホントにここが…………アレなの?

住民の大半は、明るい未来を信じて疑わない。

万が一それが覆えされたら……ショックじゃないですか。

万が一なの!?そう言った?

いや。

……<闇>は、いる。

……気をつけてくださいよ?どこで誰が聞いているか。

お前たちの目的はなんだ。

……私たちは……戦っているんです……!

一緒にどうです?利害がー致しそうなら。目的、聞かせてくれません?

…………

言いづらいですか?

私が食べるか?

敵にしている相手は同じだ。

なんと、お前もタマネギがダメだったのか。

なら決まりだ。なに、一時的に共闘するだけです。フランクにいきましょう。

……わかった。

…………

ううん、なんでもないの。

(グレイヴさん……不思議な感じがする……どこか、懐かしいような……?)


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story4 ブリーフィング



大部屋いっちょう!ってのが納得いかないわ!

けーひけーひ!オズマからたんまり仮払いもらってんでしょ!?

(仮払い……!)

ブリーフィング、ってやつをやらなきゃですから。

ブリ?ブリなら好きよ!

はい、じゃあ静かに聞いてくださいね。

はーい♪

グレイヴさんも聞いてください。

私も聞こうぞ。

ありがとうございます。……ありがとう……?なんですかね、この場合?

コテツは尊大だが、害はない。こういう奴だ、と、納得するよう頼む。

はぁ……

無理にとは言わん。己の理解力の範躊で、私を好きなように定義しろ。

エラソーなヤツねえ。

実際どうだかなあ!

だからそれはこっちのセリフよねーっ!?

……いいですか?結論から言います。<ヒストリア>の建国には、<闇>の関与が疑われます。

<闇>が、<国>を?なんのためにだ?

……アンタ、そういうこと知ってるんだ?

私は新聞も読む。

ヘー!いがーい!グレイヴがそのお金払うの?

いや、その辺りに落ちてるのを拾って。

ぎにゃー!それって、サイシン情報じゃナイカモネー!

……ハァ。中々話が進まないですねぇ……

キャトラがすみません……

俺は――

コテツのことで、俺が謝ることはないと思ってる。こいつも一つの立派な人格だ。

当たり前だ。私は、己の過ちくらい己で懺悔する。

ハナシがとっ散らかってるけど、これはアンタの罪ではないと?

悪気があればわからんがな。私に悪気はないわけで。

なければ何でも許されるというわけでもないだろ?

フム……たしかにな。

なんなんじゃアンタらは……いつからの付き合いなのよ?

短い。

具体的には!?

!!

ナニヤツ!?

ちぃっとのんびりしすぎましたね!

……!!

コイツらって……!

あの島で見た……ダグラスさんの……コピー!

どうして……!?研究所は、もう……!?

テクノロジーのヤなトコですよ。一度生まれた発明は、すぐに利用される――

――悪用って言ってもいいですがね!

……主人公。やるぞ。


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story5 牽制と頓着



主人公、大丈夫?

みなさん、お見事。だいぶ説明する手間が省けたってトコですかね。

ちょっとジョニー!アンタも戦いなさいよ!

私にも役目があるもんで。

まったくぅ……

戦闘には参加しかねますが、その分、<伝声のルーン>でサポートしますから。

ふんとにもう!しっかりサポート頼むわよ!

……ジョニーさん、いまの……!この島は、あの研究所と……!?

と、言うよりも、<闇>と繋がっていると見るべきでしょう。

……思いの外、手回しが早い。警戒されていたようですね。

王と……王妃にか……!

王妃って……クロエさん、ですよね……どうして……?

真意はわかりまゴカヨ真意はわかりませんが……そこで終わってくれればお慰み。

黒幕がいるような口ぶりだな?

でなけりやウチの上司は腰を上げないってわけで。

<ヒストリア>の建国は、<闇>に出し抜かれた形です。<闇>が国家を設立なんて、前代未聞の大事件ですよ。

でも、オズマはそれに待ったをかけるんでしょ?

そう簡単にはいきません。あの人もそれなりに難しい立場にいますからね。

表向きは認めるしかないんですよ。

ええ!?ヤバくない!?

だから、裏ではこうして。

……なるほど!

今回の目的は二つです。

一つ、建国式典に潜入し、<闇>に動きがあれば直ちにそれを阻止すること。

……もう一つは、この国の裏で糸を引いている<闇>の黒幕をつきとめ――

――撃破すること。

簡単に言うが、勝機はあるのか?

これはチャンスでもあるんです。

人間を出し抜いた――計画通り進んでいる――と、向こうさんが思ってくれているこの状況が、ね。

そんなに抜けてる連中とは思い難いが……

連中はとても綿密ですよ。正直言って、帝国にも連邦にも、現状打てる手はありません。

なぜだ?

ディルムンで起きた英雄戦争はね、利益がなかったんです。ノータイムで争いを続けてたら、それこそ世界が滅びます。

だから、うちの上司もね。今回ばかりはお手上げなんです。あの人は、人類が衰退するような失策を打つ馬鹿じゃない……

……と。向こうさんも考えてくれてることが、条件なんですがねえ。

なんだか難しいわねえ?

もうもう少し簡単に教えて欲しいよなぁ?

つまり、国際的に、いまは決して大規模な戦いを起こしてはいけないタイミング……

と、互いに思っているからこそ、虚を突くことが出来る、というわけですね?

……わかりやすい。

褒めてつかわすぞ、娘。

がんばりました……!

おーよそわかったんだけども、宿屋を襲撃されたってことは、バレてるよね、アタシたち?

相手って、<闇>プラスこの<国>ってことでしょ?

さすがのキャトラさんでもたぜーにぶぜーだと思わずにはいられないわ。

その通りだ。思ったより多いぞ敵!

アンタ案外テンション高いのね?

人見知りなんだよ。

その通りです。

ショックだ……

いや、そこじゃなくてね。……潜入しているのは、私たちだけじゃありません。

<国>をとっちめようってんです。たったこれだけじゃねえ?

味方がいるんですね!

ええ。知ってる人もいれば、ハジメマシテの方もいるでしょうが――

――今回の作戦は、複数のチームで連携を取って進めていきます。

チームプレーね!それならなんとかなるかも!

いつにも増して、<機>が重要になります。みなさん、迅速な行動をお願いしますね。

了解だ。

容易い。

アンタたち、割と馴染んできたわね。

その努力をしてるからなぁ!?

大声出さないでくれる!?また敵が来ちゃうでしょ!




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